2014年のIMSA・チュードル・ユナイテッド・スポーツカー選手権(TUSC) は、IMSAが主催する アメリカン・ル・マン・シリーズ(ALMS) と ロレックス・スポーツカー・シリーズ(通称:グランダム・シリーズ)(RSCS) の2つのシリーズが統合されたシリーズであるユナイテッド・スポーツカー選手権の初のシーズン。1997年のIMSA GT選手権以来となる開幕戦となったデイトナ24時間レースは、1997年のIMSA GT選手権以来となるデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで行われるIMSA認定レースであった。IMSAのツーリングカーレースの起源である1971年のIMSA GT選手権から数えるとIMSAの系譜に繋がるシリーズとして通算44年目となるシーズンである。
クラス規定は2013年3月14日に発表された[1]。内容は下記の通りである。
エントリーの殺到が予想された為、IMSAは2013年10月11日に、各クラスの事前のエントリー可能台数を発表した[2]。
チームは、レース時間が6時間までのイベントにおいて各車最大3人までドライバーを使うことで出来る。レース時間が6時間を超え12時間までかかるレースにおいては最大4人まで、デイトナ24時間レースにおいては最大5人までのドライバー制限となる。
ドライバーのレース経験値に関して様々な要因に基づいて評価して、『プラチナ』、『ゴールド』、『シルバー』、『ブロンズ』と格付けしているドライバー格付けシステム (driver classification system)をこのシリーズに採用している。『プラチナ』か『ゴールド』に格付けされたドライバーはプロと見なされるが、『シルバー』か『ブロンズ』に格付けされたドライバーはアマチュアまたはジェントルマンドライバーと見なされる。
PCクラスとGTDクラスにおいては、2人または3人から成るチーム構成の中では『プラチナ』か『ゴールド』に格付けされたドライバーは1人までしか認められないが、デイトナ24時間レースとセブリング12時間レースについては4人または5人から成るチーム構成の中で最大2人まで制限が緩められる。なお、『プラチナ』か『ゴールド』に格付けされたドライバーを2人使うには、少なくとも2人の『シルバー』か『ブロンズ』に格付けされたドライバーが規定走行時間の最小限をそれぞれ満たしてからでないといけない。この要件を満たさないチームは、オフィシャルの裁量によりレース結果からの除外も含む厳しいペナルティを受ける可能性がある[3]。
PクラスとGTLMクラスにおいては、ドライバー格付けシステムに基づく規定はない。
1人のドライバーは、認められたトータルの走行時間の最小限と最大限の規定の範囲内であれば、一イベントに2台までのレースカーをドライブすることが出来る。
下記の表に明示されている個々のドライバーの走行時間の最大値と最小値の規定は、それぞれのレースやクラスによって異なる。6時間レースでは、どのドライバーも4時間以上の走行は出来ず、どのレースでも最低2人は走行しなければならないことは留意すべき点である[4]。例外はプロトタイプ・チャレンジ(PC)で2回のセグメント形式に分けられて実施される45分間スプリントレースである。1回目のセグメントでは、『シルバー』か『ブロンズ』に格付けされたドライバーによる走行が要件となる。2回目のセグメントでは、チームは1回目と別のドライバーを走行させるのが本来の形であるが、別のドライバーによる走行は要件とはなっていない[5]。その為、2回目のセグメントで1回目のドライバーが再び走行したとしても違反とはならない。
2013年7月31日、PクラスとPCクラスとGTDクラスへの独占的なタイヤ・サプライヤーのサービスを請け負うコンチネンタル・タイヤとのパートナーシップが発表された[6]。コンチネンタルは、以前のRSCSの公式タイヤ・サプライヤーであり、ALMSのプロトタイプ・チャレンジ・クラスのサプライヤーでもあった。
2013年12月11日、ミシュランはGTLMクラスのプラット・アンド・ミラー(コルベット・レーシング)、BMWチーム・RLL、リシ・コンペティツィオーネ、SRT・モータースポーツ、アストンマーティン・レーシング、新しいポルシェ・ノースアメリカ・チームにタイヤを供給することを発表した[7]。ミシュランは、ALMSのLMP1クラス、LMP2クラス、GTクラスに以前供給しており、2010年から2012年のプロトタイプ・チャレンジ・クラスのスペック用タイヤを供給していた。
2014年シーズンは、2戦目のセブリング12時間レースの後、いくつかの手続きの変更が為された[8]。セブリング12時間レースではレースの約半分がセーフティカーランとなってしまったほか、ペナルティを下す車両を誤るなどのミスも発生してレース進行に混乱が生じた為である[9]。
3つの公式プレシーズン(冬季)テストが計画された。テストは各クラスのチームが車の走り込みとパフォーマンス調整のバランスを決める為に行われる。
デイトナ24時間レースとセブリング12時間レースの間に催される公式テストが計画された。
2013年9月20日、1シリーズ12ラウンドから成る2014年シーズンの暫定スケジュールが発表された。開催が予定される全サーキットはALMSまたはRSCSの開催権を引き継いだものである。しかし、ALMSのライム・ロック・パークとボルチモア、RSCSのミッドオハイオとバーバーといった長年スポーツカーレースを開催していたサーキットの開催はシリーズから外れることになった。
スケジュールに載っているいくつかのラウンドは、ユナイテッド・スポーツカー選手権にある4つのクラス全てを開催する訳ではなく、一部のクラスしか開催を予定しない。ロングビーチではPクラスとGTLMクラスは開催されない。デトロイトではGTLMクラスを除く全クラスが開催される。バージニア・インターナショナルではレースは2つに分割され、片方のレースはGTLMクラスとGTDクラスが開催され、もう一方はPCクラスを別のレースとして開催する。各クラスはそれぞれ11ラウンドで選手権を争うが、PCクラスだけはちょうど10ラウンドで戦うことになる[10]。
デイトナとセブリングと ワトキンズ・グレンとロード・アトランタで開催される耐久レースは、その伝統的なレース時間をそのまま存続させたが、4つのイベントは基本的なレース時間の2時間45分に規定され(モスポート、インディアナポリス、ロード・アメリカ、オースティン)、2つの市街地レースは1時間40分に規定された(ロングビーチとデトロイト)[11]。
2013年10月11日、スケジュールの改訂版がリリースされた。主な変更点は、2014年6月7日にカンザス・スピードウェイでPCクラス単独のイベント開催の追加が加わったことである。続いて、デトロイトとモスポートで開催される予定だったPCクラスのイベントがスケジュールより抹消されたが、シリーズ全体でクラス10戦の開催予定は維持された。5月4日のラグナ・セカのラウンドは2つのレースに分割されて開催されることが発表された。一レースはPクラスとGTLMクラス混走で成立させ、もう一レースはPCクラスとGTDクラス混走で成立させて選手権を争うという[2]。
カンザス・スピードウェイとバージニア・インターナショナルで開催されるPCクラスのイベントは『 クーパー・タイヤ・プロトタイプ・ライツ 』と併催されて、2つのセグメントにレース形式を分けて実施されることとなった[5][12]。
北米耐久カップのチャンピオンは、PクラスまたはGTLMクラスには10万ドル、PCクラスまたはGTDクラスには5万ドルというそれぞれのクラスに応じた賞金を受け取れることとなった。
ロレックス・デイトナ24時間レースは、Fox Sports 1とFox Sports 2とIMSA.comによって放送された。
2014年シーズンのエントリーリストを公表した2013年12月6日に、多くのクラスでサーキットにあふれかえる程のエントリー数があった為、交互にエントリーをさせるなどでフルシーズン参戦者や一部参戦者の調整と確認をした2014年シーズンのエントリーリストを公表した[17][18]。
全チームがコンチネンタル・タイヤを使用した。
全チームが、コンチネンタル・タイヤを履き、シボレーV8の6.2LのLS3エンジンを搭載したオレカ・FLM09のシャシーを使用した。
総合優勝は太字。
選手権のポイントは、以下の表に挙げられているゴール地点での順位に基づいて授与される。ロレックス・スポーツカー・シリーズのポイントシステムは、新しいシリーズであるユナイテッド・スポーツカー選手権に引き継がれる[94]。
付け加えて、参戦する各ドライバーには、1ポイントが自動的に授与される[95]。
ジョアン・バルボーザとクリスチャン・フィッティパルディは、プチ・ル・マン戦でチャンピオンを決めた。
太字 - ポールポジション 斜字 - ファーステストラップ
アクション・エクスプレス・レーシングの5号車は、プチ・ル・マン戦でチャンピオンを決めた。
ジョン・ベネットと コーリン・ブラウンは、サーキット・オブ・ジ・アメリカズラウンドでチャンピオンを決めた。
クノ・ウィットマーは、プチ・ル・マン戦でチャンピオンを決めた。
SRT・モータースポーツの93号車は、プチ・ル・マン戦でチャンピオンを決めた。
デイン・キャメロンは、プチ・ル・マン戦でチャンピオンを決めた。
ターナー・モータースポーツの94号車は、プチ・ル・マン戦でチャンピオンを決めた。
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