1978年の広島東洋カープ

1978年の広島東洋カープ
成績
セントラル・リーグ3位
62勝50敗18分 勝率.554
本拠地
都市 広島県広島市
球場 広島市民球場
球団組織
オーナー 松田耕平
経営母体 松田家(東洋工業創業者一族)
監督 古葉竹識
キャッチフレーズ
ALL MEN DASH!
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1978年の広島東洋カープ(1978ねんのひろしまとうようカープ)では、1978年の広島東洋カープにおける動向をまとめる。

このシーズンの広島東洋カープは、古葉竹識監督の4年目のシーズンである。

概要

南海から江夏豊が加入、また同じく南海からドン・ブレイザーをヘッドコーチとして招聘し、前年5位に沈んだチームの立て直しを図った。4月は来日2年目のエイドリアン・ギャレットが15本塁打と打ちまくったが、チームはヤクルトとの開幕3連戦で3タテを喫するなど4月を負け越し3年連続で開幕ダッシュに失敗、5月下旬までは阪神との最下位争いが続いた。6月から成績が上向き、8月に6連勝でようやく借金生活から抜け出すと9月には9連勝を記録し、首位ヤクルトに一時は1.5ゲーム差まで迫ったが最後はヤクルトに引き離され、5ゲーム差の3位でシーズンを終了。Aクラス復帰の要因となったのは強力な打撃陣で、この年初の本塁打王となった不動の4番山本浩二を始めギャレット、ジム・ライトル衣笠祥雄が30本塁打以上を記録、水谷実雄も首位打者になるなどチーム打率.284&本塁打205本[1]はリーグ1位だった事で後半戦の浮上の原動力になり、1979年の優勝につながった。投手陣は移籍2年目の松原明夫、20勝経験者の池谷公二郎、3年目の北別府学などがローテを守ってそれなりの成績を収めたものの前年最多勝の高橋里志が10勝止まり、江夏も12セーブにとどまり、4年間続いた最多勝&20勝投手輩出が途切れた投手陣の不調もあり終盤にヤクルトを捕える事が出来なかった。また高橋慶彦が1番に定着した一方で、初優勝時の切り込み隊長だった大下剛史がこの年限りで引退した。

チーム成績

レギュラーシーズン

開幕オーダー
1 高橋慶彦
2 ライトル
3 衣笠祥雄
4 山本浩二
5 水谷実雄
6 ギャレット
7 三村敏之
8 水沼四郎
9 高橋里志
1978年セントラル・リーグ順位変動
順位 4月終了時 5月終了時 6月終了時 7月終了時 8月終了時 最終成績
1位 巨人 -- 巨人 -- ヤクルト -- 巨人 -- 巨人 -- ヤクルト --
2位 大洋 0.0 大洋 0.5 巨人 2.5 ヤクルト 2.0 ヤクルト 1.5 巨人 3.0
3位 中日 3.0 ヤクルト 1.5 大洋 3.0 大洋 5.5 大洋 3.5 広島 5.0
4位 ヤクルト 3.5 中日 3.5 中日 5.5 中日 10.5 広島 5.5 大洋 7.5
5位 阪神 4.0 広島 9.0 広島 8.5 広島 11.0 中日 9.0 中日 20.0
6位 広島 4.5 阪神 12.5 阪神 19.5 阪神 22.0 阪神 25.5 阪神 30.5


1978年セントラル・リーグ最終成績
順位 球団 勝率
1位 ヤクルトスワローズ 68 46 16 .596 優勝
2位 読売ジャイアンツ 65 49 16 .570 3.0
3位 広島東洋カープ 62 50 18 .554 5.0
4位 横浜大洋ホエールズ 64 57 9 .529 7.5
5位 中日ドラゴンズ 53 71 6 .427 20.0
6位 阪神タイガース 41 80 9 .339 30.5

個人成績

投手成績

  • 色付き規定投球回(130イニング)以上の選手
  • 太字はリーグ最高
選手








































W
H
I
P
 
/松原明夫 41 32 12 2 1 15 8 0 972 230.0 236 23 70 5 94 1 0 96 92 3.60 1.33
/池谷公二郎 35 32 10 0 0 13 7 1 916 208.1 212 27 93 4 132 0 0 108 98 4.24 1.46
/高橋里志 38 33 7 0 0 10 14 0 847 191.1 217 28 62 5 103 7 0 125 114 5.37 1.46
/北別府学 39 25 8 2 1 10 7 0 745 175.0 180 27 56 7 98 2 0 91 89 4.58 1.35
/江夏豊 49 0 0 0 0 5 4 12 395 95.1 77 7 38 2 99 1 1 32 32 3.03 1.21
/大野豊 41 3 1 1 0 3 1 0 314 74.1 67 12 28 1 54 3 0 34 31 3.77 1.28
/三輪悟 42 0 0 0 0 0 3 0 205 47.1 41 5 23 4 22 0 1 22 20 3.83 1.35
/渡辺弘基 33 0 0 0 0 2 1 0 157 35.1 32 6 17 1 20 1 0 23 22 5.66 1.39
/土居正史 17 0 0 0 0 2 2 1 138 30.2 33 2 10 2 23 0 0 21 18 5.23 1.40
/外木場義郎 14 3 0 0 0 1 3 0 110 23.1 22 4 18 2 14 1 0 17 15 5.87 1.71
/望月卓也 14 0 0 0 0 0 0 0 55 10.1 18 2 5 1 4 0 0 10 10 9.00 2.23
/新美敏 5 1 0 0 0 0 0 1 47 9.2 15 1 4 0 12 1 0 7 7 6.30 1.97
/小林誠二 2 1 0 0 0 1 0 0 31 8.0 7 1 3 0 4 0 0 3 3 3.38 1.25
/高木真一 5 0 0 0 0 0 0 0 20 4.2 7 0 0 2 3 0 0 4 4 7.20 1.50
/田辺繁文 1 0 0 0 0 0 0 0 6 1.0 3 1 1 0 0 0 0 2 2 18.00 4.00
/山根和夫 2 0 0 0 0 0 0 0 3 0.1 2 0 0 0 0 0 0 1 1 27.00 6.00

打撃成績

  • 色付き規定打席(403打席)以上の選手
  • 太字はリーグ最高
選手











































O
P
S
 
/ライトル 130 578 524 85 155 30 1 33 286 108 2 8 2 7 36 4 9 77 12 .296 .351 .546 .897
/山本浩二 130 563 473 114 153 28 0 44 313 112 12 4 0 4 84 9 2 74 10 .323 .428 .662 1.089
/衣笠祥雄 130 547 461 81 123 18 1 30 233 87 9 13 2 4 69 8 11 83 14 .267 .375 .505 .881
/ギャレット 130 543 462 76 125 9 0 40 254 97 2 4 0 1 72 10 8 104 17 .271 .378 .550 .928
/高橋慶彦 110 472 427 72 129 19 10 7 189 47 15 20 1 1 32 0 11 46 3 .302 .366 .443 .809
/水沼四郎 127 445 388 51 105 19 3 7 151 46 3 7 9 3 44 7 1 47 12 .271 .346 .389 .736
/水谷実雄 119 441 402 60 140 23 0 25 238 75 2 3 0 3 33 2 3 48 8 .348 .402 .592 .994
/三村敏之 95 302 261 48 65 11 0 11 109 23 0 0 6 2 32 1 1 35 4 .249 .333 .418 .751
/木下富雄 99 278 240 32 68 14 0 3 91 27 2 0 20 0 14 0 4 30 6 .283 .333 .379 .713
/大下剛史 64 134 115 15 25 3 0 1 31 7 2 4 5 1 13 0 0 7 6 .217 .297 .270 .566
/内田順三 68 112 98 15 32 7 1 0 41 11 0 0 0 2 12 0 0 9 4 .327 .400 .418 .818
/松原明夫 42 88 77 7 14 2 0 0 16 3 0 0 9 0 1 0 1 34 1 .182 .203 .208 .410
/池谷公二郎 36 81 74 4 16 4 1 1 25 10 0 0 2 3 2 0 0 23 0 .216 .237 .338 .575
/高橋里志 39 70 58 4 15 2 0 0 17 3 0 0 10 0 1 0 1 13 0 .259 .283 .293 .576
/北別府学 39 57 47 4 5 0 0 0 5 2 0 0 4 1 5 0 0 18 2 .106 .192 .106 .299
/萩原康弘 52 56 46 7 16 1 0 1 20 11 0 1 0 0 10 1 0 3 0 .348 .464 .435 .899
/中尾明生 59 49 39 7 10 3 0 0 13 3 3 1 5 1 4 0 0 10 0 .256 .326 .333 .659
/達川光男 12 30 28 2 6 1 0 0 7 1 0 0 1 0 1 0 0 6 2 .214 .241 .250 .491
/江夏豊 49 27 23 1 8 4 0 0 12 4 0 0 0 0 4 0 0 6 0 .348 .444 .522 .966
/正垣宏倫 30 27 19 2 6 1 0 0 7 6 0 0 0 0 8 0 0 1 0 .316 .519 .368 .887
/深沢修一 77 26 25 13 9 3 0 1 15 1 0 2 0 0 1 0 0 7 0 .360 .385 .600 .985
/佐野嘉幸 19 23 21 1 5 3 0 0 8 2 0 0 0 1 1 0 0 5 0 .238 .273 .381 .654
/道原博幸 20 18 17 1 2 0 0 0 2 1 0 0 0 0 0 0 1 2 0 .118 .167 .118 .284
/大野豊 41 15 14 2 6 0 1 1 11 3 0 0 0 0 1 0 0 3 0 .429 .467 .786 1.252
/高月敏文 11 11 11 0 2 0 0 0 2 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 .182 .182 .182 .364
/土居正史 18 8 3 0 0 0 0 0 0 0 0 0 5 0 0 0 0 1 0 .000 .000 .000 .000
/守岡茂樹 8 8 8 0 1 0 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 0 2 0 .125 .125 .125 .250
/外木場義郎 15 6 6 0 1 0 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 .167 .167 .167 .333
/三輪悟 42 3 3 0 2 0 0 0 2 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 .667 .667 .667 1.333
/岡義朗 49 2 1 8 0 0 0 0 0 0 2 2 0 0 1 0 0 1 0 .000 .500 .000 .500
/渡辺弘基 33 2 2 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 .000 .000 .000 .000
/劔持節雄 4 2 2 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 .000 .000 .000 .000
/小林誠二 2 2 2 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 .000 .000 .000 .000

オールスターゲーム1978

  • 選出選手及びスタッフ
ポジション 名前 選出回数
投手 松原明夫
江夏豊 11
外野手 山本浩二 6
ギャレット
  • 太字はファン投票で選ばれた選手。

できごと

4月

  • 4月26日 - ギャレットが対阪神戦(広島)において、日本プロ野球タイとなる月間16本目の本塁打を記録[2]

5月

  • 5月25日 - シーズン開幕からハイペースで本塁打を記録していた、ギャレットが25試合目で17号本塁打を記録。この年、4月4日に記録した4試合目での5号と、4月13日の9試合目11号からこの日の17号までが、いずれもシーズン本塁打最短到達試合日本プロ野球記録を更新した[3]

8月

  • 8月3日 - 衣笠祥雄が中日戦において、日本プロ野球史上3人目の1000試合連続出場を記録[2]

選手・スタッフ

  • 背番号変更
  • 守備位置登録変更

表彰選手

リーグ・リーダー
選手名 タイトル 成績 回数
水谷実雄 首位打者 .348 初受賞
山本浩二 本塁打王 44本 初受賞
ベストナイン
選手名 ポジション 回数
高橋慶彦 遊撃手 初受賞
山本浩二 外野手 2年連続3度目
ダイヤモンドクラブ賞
選手名 ポジション 回数
山本浩二 外野手 7年連続7度目
ライトル 初受賞

ドラフト

順位 選手名 ポジション 所属 結果
1位 木田勇 投手 日本鋼管 拒否
2位 大久保美智男 投手 仙台育英学園高 入団
3位 北林久 内野手 門司工業高 入団
4位 伊藤嘉彦 内野手 延岡西高 入団

脚注

注釈

  1. ^ 投手コーチの他、ギャレットまたはライトルが選手登録抹消された時、投手として選手登録する予定であった(当時の外国人は1球団あたり2名まで)が、実際は選手登録はされなかった。ただし、当時の規定では二軍公式戦に二軍監督・コーチの出場が可能だったことから、ウエスタン・リーグの公式戦では投手として出場した試合がある。

出典

  1. ^ カープの96年「ビッグ・レッド・マシン打線」と78年「200発打線」凄かったのは…”. デイリースポーツ online (2021年2月7日). 2022年7月20日閲覧。
  2. ^ a b ベースボールマガジン社刊「広島東洋カープ60年史 HISTORY 1950-2009」53ページ
  3. ^ 講談社刊 宇佐美徹也著「日本プロ野球記録大鑑」417ページ