第80回ヴェネツィア国際映画祭(だい80かいヴェネツィアこくさいえいがさい、2023 Venice International Film Festival)は、2023年8月30日から9月9日まで開催された[1] 。コンペティション部門の審査委員長はアメリカの映画監督デイミアン・チャゼルが務めた[2]。金獅子賞はヨルゴス・ランティモス監督のイギリス映画『哀れなるものたち』が受賞した[3][4]。
概要
今回のオープニング作品は当初、ルカ・グァダニーノ監督、ゼンデイヤ主演の『チャレンジャーズ』の予定だったが、製作のMGMとAmazonが2023年のSAG-AFTRAストライキ(英語版)の影響で2024年への公開延期を表明したため、エドアルド・デ・アンジェリス(英語版)監督のイタリア映画『潜水艦コマンダンテ 誇り高き決断(英語版)』が上映された[5]。クロージング作品はJ・A・バヨナのNetflix映画『雪山の絆』が上映された[6]。
また、SAG-AFTRAによるストライキによって所属している俳優の宣伝活動が行えないため、映画祭の芸術監督であるアルベルト・バルベラはストライキが期限内に解決しない場合は映画祭に影響を及ぼす可能性が高いことを認めており、実際に映画祭開幕までにストライキの解決はしなかったため、『マエストロ: その音楽と愛と』で監督・プロデューサー・出演を務めたブラッドリー・クーパーはレッドカーペットを欠席したほか、イーサン・コーエン監督による『Drive-Away-Dolls』などのワールドプレミア上映が予定されていたが延期されることになった[7][8]。一方でSAG-AFTRAと労使交渉を行っている業界団体映画製作者協会(英語版)(AMPTP)が関与していない作品に関しては宣伝活動を免除するという暫定合意に至ったことから『フェラーリ』のアダム・ドライバーやペネロペ・クルス、ジャック・オコンネル、パトリック・デンプシー、『DOGMAN ドッグマン』のケイレブ・ランドリー・ジョーンズ、『Bastarden』のマッツ・ミケルセン、『Memory』のジェシカ・チャステイン、『プリシラ』のケイリー・スピーニーやジェイコブ・エロルディらが参加した[9][10]。
日本からはコンペティション部門に濱口竜介監督の『悪は存在しない』[11][12][13]、アウト・オブ・コンペティション部門に空音央監督による坂本龍一のドキュメンタリー映画『Ryuichi Sakamoto | Opus』[14]、オリゾンティ部門に塚本晋也監督の『ほかげ』[15][16][17]、ヴェネツィア・クラシックス部門に小津安二郎監督の『父ありき』[18][19][20]、相米慎二監督の『お引越し』[21][22]、ヴェネツィア・イマーシブ部門に大宮エリーとCinemaLeapが製作した「周波数」[23][24][25]、CinemaLeapとPsychic VR Labが製作した「Sen」[26][27][28]、ヴェニス・デイズ部門に杉田協士監督の『彼方のうた』[29]がそれぞれ出品され、『悪は存在しない』が審査員大賞、シネマサラ賞の特別賞、エディポ・レ賞のカ・フォスカリ・ヤング審査員賞、ファイ財団パーソン・ワーク・コンパウンド賞、国際批評家連盟賞、『ほかげ』がNETPAC賞(英語版)、『お引越し』が最優秀復元映画賞を受賞した[3][4][30][31][32]。
公式選出
ラインナップは7月25日に発表された[33][34]。
コンペティション
コンペティションとして以下の作品が選ばれた[33][34][35][36]。
アウト・オブ・コンペティション
アウト・オブ・コンペティションとして以下の作品が選ばれた[33][35][37]。
- フィクション
- ノンフィクション
- シリーズ
- 短編作品
オリゾンティ
オリゾンティ部門には以下の作品が選ばれた[33][34][35][38][39]。
- コンペティション
- 短編コンペティション
日本語題
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原題
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監督
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製作国
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Aitana |
マリナ・アルベルティ |
スペイン
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Sea Salt |
レイラ・バスマ |
チェコ レバノン カタール
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A Short Trip |
エレニック・ベキリ |
フランス
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Et si le soleil plongeait dans l'océan de nues |
ウィッサム・チャラフ |
フランス レバノン
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Wander to Wonder |
ニナ・ガンツ(英語版) |
オランダ ベルギー フランス イギリス
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The Meatseller |
マルゲリータ・ジュスティ |
イタリア
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Dive |
アルド・ユリアーノ |
イタリア
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Area Boy |
イギー・ロンドン |
イギリス
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Cross My Heart And Hope to Die |
サム・マナチャ |
フィリピン
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Dar Saaye Sarv در سایهی سرو |
ホセイン・モラエミ シリン・ソハニ |
イラン
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Bogotá Story |
エステバン・ペドラサ |
コロンビア アメリカ合衆国
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Sentimental Stories |
サンドラ・ポペスク |
ドイツ
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Duan Pian Gushi 短篇故事 |
ウー・ラン |
ちゅうごく 中国
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- エクストラ
ヴェネツィア・クラシックス
ヴェネツィア・クラシックス部門には以下の作品が選ばれた[40]。
- 修復作品
ヴェネツィア・イマーシブ
| この節の 加筆が望まれています。 主に: 上映作品 (2023年9月) |
独自選出
国際批評家週間
| この節の 加筆が望まれています。 主に: 上映作品 (2023年9月) |
ヴェニス・デイズ
| この節の 加筆が望まれています。 主に: 上映作品 (2023年9月) |
審査員
- メインコンペティション[2][41][42]
- オリゾンティ[2][42]
- ルイジ・デ・ラウレンティス賞[2][42]
受賞結果
公式部門
- コンペティション[3][4][43]
- オリゾンティ[3][4]
- オリゾンティ・エクストラ[3]
- ライオン・オブ・ザ・フューチャー[3]
- ヴェネツィア・クラシックス[3]
- 最優秀ドキュメンタリー映画賞 - 『Thank You Very Much』 - アレックス・ブレイヴァ
- 最優秀復元映画賞 - 『お引越し』 - 相米慎二
- ヴェネツィア・イマーシブ[3]
- グランプリ - 『Songs for a Passerby』 - セリーヌ・デイメン
- 審査員特別賞 - 『Flow』 - エイドリアン・ロックマン
- ベスト・アチーブメント - 『Empereur』 - マリオン・バーガー、イアン・コーエン
独立部門
| この節の 加筆が望まれています。 主に: 受賞作品[31] (2023年9月) |
特別賞
脚注
外部リンク