レギン (Reginn , Regin ) は、北欧神話 に登場する人物[ 注 6] 。
父はフレイズマル (英語版 ) 、兄はファフニール とオッテル (英語版 ) 、姉妹にリュングヘイズ、ロヴンヘイズがいる。
なお、『シズレクのサガ 』では、人物の続柄 が逆転している部分があり、レギンに相当するのがミーメ、ファフニールに相当するのがレギンとなっている。
概要
父フレイズマルはロキ が殺害したオッテルの賠償金として、オーディン たちから黄金 を得た[ 注 7] 。レギンは兄ファフニールと共に黄金の分配を求めたが、断られたため、兄と共謀して父を殺害する。ところが、黄金はファフニールに独り占めされてしまった。
レギンはその後、正体を隠してデンマーク の王ヒャルプレクの下で鍛冶師 として働き、フラグランド王シグムントの遺子シグルズ の養育を任される。養父 となったレギンは、シグルズに様々な知識を教える一方で、勇士 として育て上げ、ファフニールを殺害させて黄金を奪おうと考えた。レギンは剣グラム をシグルズに与え[ 注 8] 、ファフニールを倒させた。その後、シグルズが先に父の仇討ち を果たしたいと言うとその旅にも同行したが、ファフニールとの戦いが始まる時には事が終えるまでその姿を隠していた。そしてレギンは自身にも責任があるとしたうえで兄を殺したことを非難し、ファフニールの心臓 を炙って食べさせてくれとシグルズに頼んだ。
しかし、シグルズは心臓の焼き加減を確かめるために親指を押しつけた際、火傷してしまい、親指についたファフニールの心臓の血(脂)を舐めたことで鳥 の言葉 が分かるようになった。そのことから、シグルズは自分を殺して黄金を独占しようというレギンの悪巧みに気付き、眠っているレギンの首を刎ねて殺した。
レギンのギャラリー
ミーメ
リヒャルト・ワーグナー の楽劇『ニーベルングの指環 』(1874年 完成)の第2日「ジークフリート 」には、レギンに相当する侏儒 のミーメが登場する。
ミーメのギャラリー
このセクションに掲載した画像はいずれもイギリス の挿絵 画家アーサー・ラッカム による水彩 の挿絵である。1911年 刊行。
幼子シグルズを育てるミーメ
青年シグルズと養父ミーメ
脚注
注釈
^ Sigurd dödar Regin はノルウェー語 で「シグルズによるレギン殺害」の意。括弧内は英語 で「レギン殺し」の意。この木彫のこの箇所に特定の名称があるわけではないが、このように呼ばれることが多い。
^ 教会は12世紀 後期もしくは13世紀 初期に創建され[ 1] 、扉もその時のものであり、17世紀 になって破壊を伴う形で取り外され、保管されていた[ 1] 。
^ Sigurd stones (シグルドストーンズ、シグルド石碑)は、シグルズにまつわる絵画石碑である。スウェーデン語(現地語名)は Sigurdsristningar 。
^ ノルウェーのチェルスン にあるラムスン (en:Ramsund, Norway ) ではない。
^ Sö 101 は係る絵画石碑の考古学 的管理名称(分類番号)(cf. ルーン石碑#分類 )。Sigurdsristningen (シグルズリストニンゲン)は係る絵画石碑に刻まれた線刻画のスウェーデン語 名(現地語名)で、「シグルド彫刻」の意。「ラスムンド彫刻」の意で Ramsundsristningen(ラスムンズリストニンゲン)ともいう。Sö 101, the Ramsund carving (Sö 101 ラスムンドカーヴィング)は同じくこの線刻画の英語における通称 で、「Sö 101 ラスムンド彫刻」の意。日本語 では「ラスムンド彫刻画」の名が見られる
^ 『レギンの歌』では小人 であるが、『ヴォルスンガ・サガ 』では特に明記されていない。また、前者では知恵者で魔法に優れるとされているが、後者では兄弟の中で一番劣ると自ら称している。
^ この黄金はアンドヴァリ から奪ったものであるが、最後に奪った腕輪(あるいは指輪)にアンドヴァリは2人の兄弟の死と8人の王の不和の原因となるよう呪いをかけた。このうち「2人の兄弟」がファフニール、レギンである。
^ 『レギンの歌』ではグラムが鍛え直される描写は無いが、『ヴォルスンガサガ』ではシグルズは竜退治のために剣を鍛えるようレギンに頼み、先に作られた2本の剣を折ったのち、父の遺品グラムの所在を訊ねられ、レギンに預けて鍛え直す形で与えられた経緯が描かれている。
出典
参考文献
関連文献
関連項目
外部リンク