ホズルにバルドルを射させるロキ。
ヘズ[1](古ノルド語:Hǫðr 再建音:発音: ['hɔðr] (
音声ファイル) ホズル、アイスランド語:Höður ['hœðʏr] (
音声ファイル)、「戦」の意[2])は、北欧神話に登場する盲目の神。バルドルの弟で、オーディンの息子。
『エッダ』
ロキに騙され、兄弟で善神のバルドルを、その唯一の弱点のヤドリギ(ミスティルテイン)で貫く。後に、弟のヴァーリに復讐され殺された。ラグナロクの後は、バルドルと共に復活して和解し、新たな世界を治める若い神の一人となる。
なお『詩語法』ではヘズを表すケニングとして、「盲目のアース」、「宿り木を射る者」、「ヴァーリの敵」などを紹介している[3]。
『デンマーク人の事績』
サクソ・グラマティクスが著した歴史書『デンマーク人の事績』では人間の大英雄ホテルス[4](またはホテル[5])として登場する。彼が森に住む神サチュルンの神剣ミミングを手に入れた。許婚のナンナを狙う半神バルドルに憤った彼は、オーティヌス(オーディン)やトールといった邪神を相手に互角以上に戦い、ついにバルドルを殺す。しかし、オーティヌス(オーディン)とリンダ(リンド)の息子ボーウス(ヴァーリ)と相討ちとなる[6]。
脚注
- ^ 『エッダ 古代北欧歌謡集』などの表記。
- ^ 『エッダ 古代北欧歌謡集』、p.22。
- ^ 谷口幸男「スノリ『エッダ』「詩語法」訳注」『広島大学文学部紀要』第43巻No.特輯号3、1983年、p.23。
- ^ 『北欧神話』(菅原邦城著、東京書籍、1984年、ISBN 978-4-487-75047-4)で確認できる表記。
- ^ 『デンマーク人の事績』(谷口)で確認できる表記。
- ^ 『デンマーク人の事績』95-110頁。(第三の書1 - 4章)
参考文献
ウィキメディア・コモンズには、
ヘズに関連するメディアがあります。