バインミー[1][2][3][4]またはバンミー[5](ベトナム語:bánh mì, bánh mỳ / 餅麵?)は、ベトナム料理の一種で、ベトナムのサンドイッチである。ベトナム本国では、バインミーは「パン」を意味[1]し、フランスパンや食パンなど「パン」の総称である。
長さ20センチメートルほど[6]の柔らかいフランスパン(バゲット)に切り込みを入れ、バター(マーガリン)、パテを塗り、野菜、ハーブ類、肉などをはさみ、ヌクマム(魚醤)などのソースを振り掛ける。携帯性のよさから屋台だけでなく、バスターミナルなどでは駅弁がわりとして新聞紙に包んでも売られる庶民のファーストフードである。同じくフランスの植民地支配を受けたカンボジア、ラオスでも一般化している。
名称
ベトナム語での一般的な名称は、bánh mì kẹp(バイン・ミー・ケップ:"kẹp"は「挟む」の意味)、bánh mì thịt(バイン・ミー・ティット:"thịt"は「肉」の意味)や bánh mì pa tê(バイン・ミー・パーテー:"pa tê"はパテの意) だが、省略して単に「バインミー」と呼ぶことが多い。ベトナム語でバインミーは「小麦粉の餅」、つまりパンの総称であるが、様々な種類のパンを楽しむ文化がいまだ途上のため、パンといえばフランスパンを指す風潮が根強い(厳密に「フランスパン」と言いたい場合は bánh mì Pháp や bánh mì baguette と言う)。
ラオス語では「カオ・チー・パーテ」[7]、カンボジアのクメール語では「ノムパン・パッテェイ」[8]といい、共に「パテのパン」を意味する。
ベトナムでは、鶏肉が入ったものであれば、bánh mì gà、目玉焼きを挟めば bánh mì ốp la、さつま揚げを挟むと bánh mì chả cá となるなど名前がさまざまに変わる。
歴史
いつからサンドイッチとしてのバインミーがベトナムで食べられるようになったのかは正確には分からないが、第一次インドシナ戦争後、フランスが撤退してから、フランスのバゲット風のパンを使ったサンドイッチが広まっていった。さらにベトナム戦争終結後の1970~80年代には、米国などへ多くのベトナム人が移住したことで、結果として世界各国でバインミーが親しまれるようになった。2011年には「オックスフォード英語辞典」に「バインミー」という言葉が収録された[1]。
レシピと調理法
バインミーに挟む食材は、それぞれの屋台や店によって、またメニューによって大きく異なる。
パテはレバーペーストの他、鴨や魚のペーストを用いる例もある。野菜は、紅白なます、ラディッシュ、キュウリ、玉葱、ハーブはザウムイなどが一般的である。肉についても、鶏、豚耳、ベーコン、サラミ、甘みの強い中華ハム、肉でんぶ、さつま揚げ(chả cá)、ベトナムハム (giò) あひるや豚の丸焼きを切り出した物など、店ごとに工夫をしている。
なおパンは調理の直前に炭火で炙る事も多く、作り置きはせず、注文を受けてから客の好みを聞きながら作るのが原則である。
脚注
出典
関連項目
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外部リンク