大野 功統(おおの よしのり、1935年〈昭和10年〉10月16日 - 2023年〈令和5年〉7月16日[1])は、日本の政治家、大蔵官僚。位階は従三位、勲章は旭日大綬章、レジオンドヌール勲章シュヴァリエ。
防衛庁長官(第70・71代)、文部科学副大臣(第2次森改造内閣)、衆議院議院運営委員長(第62代)、衆議院議員(8期)などを歴任した。
香川県副知事を務めた大野乾は父、衆議院議員を務めた加藤常太郎は岳父、衆議院議員の大野敬太郎は長男。
来歴
日本統治時代の台湾生まれ[2]。父は大野乾、母はカツエ。台湾で第二次世界大戦敗戦を迎える。小学校が閉鎖されたため、引き揚げまでは新聞配達のアルバイトをして過ごしていた[2]。1947年、香川県三豊郡豊浜町(現観音寺市)に引き揚げ[2]。高松第一高等学校、東京大学法学部卒業。大学卒業後、大蔵省に入省。財務参事官付[3]。入省同期に柿澤弘治(元外務大臣)、尾崎護、角谷正彦ら。入省2年目に関東財務局の金融検査官に出向[4]。1961年から2年間、ペンシルベニア大学に留学し、国際関係論を専攻[4]。帰国後は大臣官房調査企画課係長となり[4]、1965年7月には伊勢税務署長として2度目の出向をする[4]。国際機構課長を経て退官し、1978年に香川県知事選挙に出馬したが、惜敗。1986年、第38回衆議院議員総選挙に、引退する岳父・加藤常太郎に代わり自由民主党公認で旧香川県第2区から出馬し、初当選する。1996年以降は小選挙区比例代表並立制の導入に伴い、香川県第3区から出馬し当選を重ねる。
2004年、第2次小泉改造内閣で防衛庁長官に任命され、第3次小泉内閣まで務める。2007年12月、日朝国交正常化を目指す議員連盟・自民党朝鮮半島問題小委員会を立ち上げ、副委員長に就任した。
2009年の第45回衆議院議員総選挙では、自民党に全国的に猛烈な逆風が吹き荒れる中、香川3区で8回目の当選。2011年6月、同じ近未来政治研究会(山崎派)に所属する甘利明元経済産業大臣が立ち上げた政策グループ「さいこう日本」に参加。2012年8月、次期衆議院議員総選挙に出馬せず、政界を引退する意向を表明した[5]。同年12月の第46回衆議院議員総選挙では、香川3区からは大野の政策秘書である長男・敬太郎が自民党公認で出馬し、初当選した。
2023年7月16日、老衰のため死去。87歳没[1]。死没日付をもって従三位に叙された[6][7]。
人物
統一教会との関係
- 2021年6月11日、「日本・世界平和議員連合懇談会」の総会が衆議院第一議員会館で開催[18]。大野は顧問に就任し[16]、後任の会長には原田義昭が選出された[18][17]。教団は同年10月の衆院選に立候補した議連参加者を支援し、電話かけなどを熱心に行った[18]。
- 2022年6月13日、「日本・世界平和議員連合懇談会」は総会を開催。大野は前年に続いて顧問に選出された。同じく顧問の国際勝共連合会長の梶栗が講演をし、講演の際、統一教会の関連団体「平和政策研究所(IPP)」が発行する「政策情報レポート」が配られた。総会資料のアンケート用紙には、梶栗が会長を務める統一教会の友好団体「世界平和連合」に関する記述があり、「次期参議院選挙の地方区で、世界平和連合の応援を希望する議員がおられればお書き下さい」と書かれてあった[19]。
その他
政策
所属団体・議員連盟
選挙歴
家族・親族
大野家
- (香川県三豊郡豊浜町(現観音寺市))
- 父乾(元香川県副知事)
- 明治38年(1905年)生[25]。香川県出身[25]。大阪外語仏文科卒[25]。台湾総督府に入り昭和22年(1947年)香川県庁に移り[25]、三豊地方事務所長、渉外食糧各課長、経済部長、出納長を経て昭和32年(1957年)3月副知事に就任[25]。
- 大野によれば「オヤジは何事も真面目にやる男だった。踊りを習えば、家庭に帰って来ても、夜更に至るまでレコードをかけておさらいをしていた。死ぬ直前は真剣に字を習っていた。毎夜欠かさず墨をすった。忙しかったのであろう。連夜十二時近くに帰ってきても、それから酒を飲みながら何度となく同じ字を練習した。酒がまわってくると書いた字を自慢した。われわれ見物人がそれをほめないと機嫌が悪かった。そして一区切りつくと、親子はとりとめのない世間話をした。そこには、憂き世を忘れた天真らんまんのオヤジの姿があった。わたくしはそんなオヤジが一番好きであった。」という。
- 姉は大阪大学教授藤田広志に嫁いだ。
- 家族は妻、一男、一女。妻とは見合い結婚であった。
親戚
著書
- 『南と北 : 世界経済の新路』〈ベストブックス〉、日本関税協会、1968年2月15日。
- 『特恵関税』〈ベストブックス ; 9〉、日本関税協会、1969年7月15日。
- 『ウォームハート-構造改革のあとにくるもの-』パレード発行、星雲社発売、2006年7月。
脚注
外部リンク
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