ロッド・カルー

ロッド・カルー
Rod Carew
インディアンス戦試合前のカルー(1975年)
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
パナマの旗 パナマ
二重国籍[1] 
出身地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
パナマ運河地帯の旗 パナマ運河地帯 ガトゥン(現:パナマの旗 パナマ
生年月日 (1945-10-01) 1945年10月1日(79歳)
身長
体重
6' 0" =約182.9 cm
182 lb =約82.6 kg
選手情報
投球・打席 右投左打
ポジション 二塁手一塁手
プロ入り 1964年
初出場 1967年4月11日
最終出場 1985年10月5日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
選手歴
コーチ歴
殿堂表彰者
選出年 1991年
得票率 90.5%
選出方法 全米野球担当記者協会による投票

ロドニー・クレイン・カルーRodney Cline Carew, 1945年10月1日 - )は、パナマ運河地帯出身の元プロ野球選手二塁手一塁手)。右投左打。

首位打者7回、15年連続で打率3割の「安打製造機」。

MLB通算3053安打は、2017年イチローに超えられるまで、米国出身以外の選手での最多記録であった。

経歴

プロ入り前

1945年10月1日パナマ運河地帯を走る列車の中で母が突然産気づき、たまたま乗り合わせていた医師、ロドニー・クラインのおかげでなんとか出産できた。彼の本名は、その医師の名前にちなむ。17歳の時にニューヨークに移住。当時はニューヨーク・ヤンキースの黄金時代であり、それを見て野球に興味を持ち始めたという。

プロ入りとツインズ時代(1967年 - 1978年)

1964年ミネソタ・ツインズと契約した。

1967年4月11日にメジャーデビュー。1年目は137試合に出場し、打率.292、8本塁打、51打点アメリカン・リーグ新人王に輝く。

1969年にはビリー・マーチンが新監督に就任し打撃も向上。打率.332で初の首位打者となった。

1972年からは4年連続で首位打者となる。

1977年1978年は再び2年連続で首位打者となった。特に1977年は注目され、前半戦を終わって.394の高打率を維持。1941年テッド・ウィリアムズ以来の4割打者誕生なるかと期待されたが.388に終わった。しかし自己最高の14本塁打、100打点を記録し、アメリカンリーグMVPを受賞した。

1975年に二塁から一塁にコンバートされる。

エンゼルス時代(1979年 - 1985年)

エンゼルス移籍後、ヤンキース戦でバットを振るカルー(1979年)

1979年に4対1のトレードカリフォルニア・エンゼルスに移籍。

1985年8月4日、古巣ツインズ戦にて史上16人目の通算3000本安打を達成。同シーズンまでに3053安打まで記録を伸ばし、同年限りでエンゼルスを自由契約となる。翌1986年、オファーがなかったこともあり、シーズン中に現役引退を発表した。

引退後

カルーの引退表明を受けて、最後にプレーしたエンゼルスは1986年8月12日にカルーの背番号『29』をエンゼルス史上、選手として初の永久欠番に指定し、さらに1987年7月19日に古巣ツインズでもカルーの背番号『29』は2人目の永久欠番に指定された。

1991年、資格取得1年目でアメリカ野球殿堂入りし、殿堂プレートのカルーはツインズの帽子を被っている。

2008年

1992年から1999年まで永久欠番『29』を背負ってエンゼルス、2000年から2001年までミルウォーキー・ブルワーズで打撃コーチを務め、ティム・サーモンギャレット・アンダーソンジム・エドモンズらを育てた。エンゼルスでのコーチのみならず、90年代のカルーはマイナーチームや、MLB主催の少年野球教室でもコーチ・講師として指導を行った。

1995年9月に娘のミッシェルが白血病と診断された。骨髄移植ドナーを探したものの見つからず、翌1996年4月に18歳で亡くすという悲劇があった。

2002年に古巣のツインズとエンゼルスが戦ったリーグチャンピオンシップシリーズでは始球式を務めた。

2004年1月19日、故郷パナマの「エスタディオ・ナシオナル・デ・パナマ」が「エスタディオ・ナシオナル・ロドニー・カルー」に改称された。


詳細情報

年度別打撃成績

















































O
P
S
1967 MIN 137 561 514 66 150 22 7 8 210 51 5 9 7 1 37 4 2 91 12 .292 .341 .409 .750
1968 127 492 461 46 126 27 2 1 160 42 12 4 2 2 26 1 1 71 11 .273 .312 .347 .659
1969 123 504 458 79 152 30 4 8 214 56 19 8 6 0 37 0 3 72 7 .332 .386 .467 .853
1970 51 204 191 27 70 12 3 4 100 28 4 6 0 0 11 0 2 28 1 .366 .407 .524 .931
1971 147 632 577 88 177 16 10 2 219 48 6 7 6 3 45 1 1 81 23 .307 .356 .380 .736
1972 142 591 535 61 170 21 6 0 203 51 12 6 9 2 43 9 2 60 11 .318 .369 .379 .748
1973 149 657 580 98 203 30 11 6 273 62 41 16 7 6 62 9 2 55 16 .350 .411 .471 .882
1974 153 690 599 86 218 30 5 3 267 55 38 16 13 3 74 9 1 49 17 .364 .433 .446 .879
1975 143 617 535 89 192 24 4 14 266 80 35 9 7 10 64 18 1 40 10 .359 .421 .497 .918
1976 156 687 605 97 200 29 12 9 280 90 49 22 8 6 67 14 1 52 12 .331 .395 .463 .858
1977 155 694 616 128 239 38 16 14 351 100 23 13 1 5 69 15 3 55 6 .388 .449 .570 1.019
1978 152 651 564 85 188 26 10 5 249 70 27 7 2 6 78 19 1 62 18 .333 .411 .441 .852
1979 CAL 110 493 409 78 130 15 3 3 160 44 18 8 8 3 73 7 0 46 9 .318 .419 .391 .810
1980 144 612 540 74 179 34 7 3 236 59 23 15 9 3 59 7 1 38 15 .331 .396 .437 .833
1981 93 421 364 57 111 17 1 2 136 21 16 9 10 2 45 7 0 45 8 .305 .380 .374 .754
1982 138 612 523 88 167 25 5 3 211 44 10 17 16 4 67 5 2 49 9 .319 .396 .403 .799
1983 129 536 472 66 160 24 2 2 194 44 6 7 3 3 57 9 1 48 15 .339 .409 .411 .820
1984 93 378 329 42 97 8 1 3 116 31 4 3 5 4 40 1 0 39 8 .295 .367 .353 .720
1985 127 518 443 69 124 17 3 2 153 39 5 5 9 1 64 9 1 47 8 .280 .371 .345 .716
MLB:19年 2469 10550 9315 1424 3053 445 112 92 3998 1015 353 187 128 64 1018 144 25 1028 216 .328 .393 .429 .822
  • 各年度の太字はリーグ最高

年度別守備成績

内野守備


一塁(1B) 二塁(2B) 三塁(3B) 遊撃(SS)
















































1967 MIN - 134 289 314 15 60 .976 - -
1968 - 117 262 280 18 48 .968 - 4 4 5 0 2 1.000
1969 - 118 244 302 17 80 .970 - -
1970 1 6 0 0 0 1.000 45 73 122 8 26 .961 - -
1971 - 142 321 329 16 76 .976 2 3 2 0 0 1.000 -
1972 - 139 331 378 16 85 .978 - -
1973 - 147 383 413 13 96 .984 - -
1974 - 148 375 416 33 114 .960 - -
1975 14 123 8 3 10 .978 123 285 369 18 79 .973 - -
1976 152 1394 108 16 149 .989 7 4 2 0 0 1.000 - -
1977 151 1459 121 10 161 .994 4 4 3 0 0 1.000 - -
1978 148 1362 105 16 134 .989 4 1 0 0 0 1.000 - -
1979 CAL 103 804 55 10 101 .988 - - -
1980 103 897 57 6 82 .994 - - -
1981 90 877 60 5 90 .995 - - -
1982 134 1339 94 12 115 .992 - - -
1983 89 890 42 6 94 .994 2 1 0 0 0 1.000 - -
1984 83 724 59 15 73 .981 - - -
1985 116 1055 65 7 121 .994 - - -
MLB 1184 10930 774 106 1130 .991 1130 2573 2928 154 664 .973 2 3 2 0 0 1.000 4 4 5 0 2 1.000
外野守備


左翼(LF)












1978 MIN 1 0 0 0 0 ----
MLB 1 0 0 0 0 ----
  • 各年度の太字はリーグ最高

タイトル

  • 首位打者:7回(1969年、1972年 - 1975年、1977年、1978年)

表彰

カルーのエンゼルス在籍時の背番号「29」。
カリフォルニア・エンゼルスの永久欠番1986年指定。
カルーのツインズ在籍時の背番号「29」。
ミネソタ・ツインズの永久欠番1987年指定。

記録

背番号

脚注

  1. ^ Rod Carew Biography” (英語). biography.yourdictionary.com. 2013年2月21日閲覧。

関連項目

外部リンク