Asianux(アジアナックス)は、2003年から2015年にかけて日本・中国・韓国の3か国の企業を中心にRed Hat Enterprise Linux (RHEL) をベースとして[1]共同開発されたLinuxOS、およびその開発プロジェクトの名称である。2015年9月にAsianux開発プロジェクトは解散し、Asianuxの商標は各国の企業が自国で保持している。
概要
Asianux は、米国の Red Hat Linux、欧州のSUSE Linuxと並ぶ、アジアを代表するLinux ディストリビューションを提供することを目的としていた。日本語・中国語・韓国語といったマルチバイト文字を扱う言語環境は世界的に見れば特殊な分野であり、これをコンピュータで適切に処理するのは困難な問題が存在した。Asianuxの大きな特徴は、これらの言語を標準でサポートすることであり、下記「参加企業」の項目の通り、日本・中国・韓国、およびベトナム(2007年8月参加)、タイ(2008年12月参加)、スリランカ(2010年7月)にまたがる6つの企業によって共同で開発が行われた。
沿革
2003年12月にミラクル・リナックス社(日本)、Red Flag社(中国)の2社でAsianuxプロジェクトはスタートした。2004年10月にHaanSoft社(韓国)がプロジェクトに参加し、3社による共同開発を開始。2007年12月にAsianux Co.を設立し、VietSoftware社(ベトナム)、WTEC社(タイ)、Enterprise Technology社(スリランカ)がAsianuxプロジェクトに参加し、ワールドワイドで製品名を「Asianux」という名称で統一し各国で販売が行われた。日本国内ではミラクル・リナックス株式会社(現サイバートラスト株式会社) により2007年9月に「Asianux Server 3 == MIRACLE LINUX V5」として出荷されている。その後、Asianuxプロジェクト終了し、2015年9月に解散した。なお、Asianuxは日本においてサイバートラスト株式会社の登録商標である。