1975年の広島東洋カープ

1975年の広島東洋カープ
成績
日本シリーズ敗退
日本S 0勝4敗2分(対阪急
セントラル・リーグ優勝
72勝47敗11分 勝率.605
本拠地
都市 広島県広島市
球場 広島市民球場
球団組織
オーナー 松田耕平
経営母体 松田家(東洋工業創業者一族)
監督 ジョー・ルーツ(4月30日まで)
野崎泰一(4試合監督代理)
古葉竹識(5月4日から)
キャッチフレーズ
100%の努力
→ ハッスルプレーでスリルあるエキサイトしたゲームを
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1975年の広島東洋カープ(1975ねんのひろしまとうようカープ)では、1975年の広島東洋カープの動向をまとめる。

この年の広島東洋カープは、ジョー・ルーツが監督に就任したが、4月27日に指揮権を放棄し[1]古葉竹識が5月から監督に就任したシーズンであり、球団初のリーグ優勝を果たしたシーズンである。

概要

1974年オフに3年連続の最下位の責任を取ってチーム生え抜きの森永勝也前監督が辞任すると、打撃コーチとなっていたジョー・ルーツが新監督に昇格。ルーツ監督はそれまでチーム内に染みついていた負け犬根性からの脱却を図るべく、「紺色主体のユニフォームは弱く見える」としてユニフォームの変更を図ったものの球団の予算の関係もあり帽子だけが赤に変更された。更に主力投手の安仁屋宗八大石弥太郎を始め前年の正捕手西沢正次上垣内誠などを放出し、日本ハムから大下剛史阪神から若生智男阪急から宮本幸信を獲得、更に外国人選手もゲイル・ホプキンスリッチー・シェーンに一新するなど、戦力の大幅な入れ替えを行った。しかし、開幕15試合で借金が先行するなど波に乗れず、4月27日に赤ヘル生みの親であるルーツ監督が突然の辞任。ルーツ辞任後野崎泰一ヘッドコーチの代行を経て、古葉竹識が新監督となった。5月以降チームは山本浩二衣笠祥雄の両主砲と切り込み隊長大下に両外国人などが活躍、投手陣もエース外木場義郎池谷公二郎佐伯和司が安定したローテーションを形成し首位戦線に浮上。6月14日から5連敗するなど苦戦したが、前半戦を首位阪神から1.5ゲーム差の3位で折り返すと、7月19日のオールスター第1戦阪神甲子園球場)で山本浩二と衣笠祥雄が2打席連続ホームランを放ち、赤ヘル旋風が巻き起こった[2]。8月に前年最多勝ながら負傷で離脱していた金城基泰が抑えで復帰すると、チームは阪神・中日との三つ巴の争いから9月以降貯金15を稼いで抜け出し、10月15日の巨人戦に勝利して球団創設26年目での初優勝を達成し、古葉監督が胴上げされた[3]。初出場となった日本シリーズでは第4戦で外木場が13イニング200球の力投も勝利に結びつかず、打線は阪急のエース山田久志と新人山口高志に抑えられ、結局1勝もできず敗退した。シリーズ終了後、コーチ兼任だったかつての4番打者・山本一義が現役を引退し、一軍打撃コーチに就任した。

チーム成績

レギュラーシーズン

開幕オーダー
1 大下剛史
2 山本一義
3 山本浩二
4 ホプキンス
5 衣笠祥雄
6 シェーン
7 三村敏之
8 道原裕幸
9 外木場義郎
1975年セントラル・リーグ順位変動
順位 4月終了時 5月終了時 6月終了時 7月終了時 8月終了時 最終成績
1位 大洋 -- ヤクルト -- 広島 -- 中日 -- 広島 -- 広島 --
2位 阪神 0.5 広島 0.5 ヤクルト 0.5 阪神 0.5 中日 1.5 中日 4.5
3位 ヤクルト 2.5 阪神 1.0 阪神 1.0 広島 0.5 阪神 阪神 6.0
4位 広島 3.0 中日 1.5 中日 1.5 ヤクルト 1.5 ヤクルト 5.0 ヤクルト 16.0
5位 中日 3.5 大洋 2.5 大洋 5.5 大洋 7.0 大洋 8.0 大洋 21.5
6位 巨人 5.5 巨人 6.5 巨人 9.5 巨人 11.5 巨人 14.0 巨人 27.0
期間
成績
8勝9敗1分
勝率.471
12勝8敗3分
勝率.600
12勝9敗1分
勝率.571
8勝8敗
勝率.500
13勝9敗2分
勝率.591
19勝4敗4分
勝率.826


1975年セントラル・リーグ最終成績
順位 球団 勝率
1位 広島東洋カープ 72 47 11 .605 優勝
2位 中日ドラゴンズ 69 53 8 .566 4.5
3位 阪神タイガース 68 55 7 .553 6.0
4位 ヤクルトスワローズ 57 64 9 .471 16.0
5位 大洋ホエールズ 51 69 10 .425 21.5
6位 読売ジャイアンツ 47 76 7 .382 27.0

日本シリーズ

1975年 日本シリーズ
日付 試合 ビジター球団(先攻) スコア ホーム球団(後攻) 開催球場
10月25日(土) 第1戦 広島東洋カープ 3 - 3 阪急ブレーブス 阪急西宮球場
10月26日(日) 第2戦 広島東洋カープ 1 - 5 阪急ブレーブス
10月27日(月) 移動日
10月28日(火) 第3戦 阪急ブレーブス 7 - 4 広島東洋カープ 広島市民球場
10月29日(水) 第4戦 雨天中止
10月30日(木) 阪急ブレーブス 4 - 4 広島東洋カープ
10月31日(金) 第5戦 阪急ブレーブス 2 - 1 広島東洋カープ
11月1日(土) 移動日
11月2日(日) 第6戦 広島東洋カープ 3 - 7 阪急ブレーブス 阪急西宮球場
優勝:阪急ブレーブス(初優勝)

個人成績

投手成績

  • 色付き規定投球回(130イニング)以上の選手
  • 太字はリーグ最高
選手








































W
H
I
P
 
/外木場義郎 41 40 17 3 2 20 13 0 1174 287.0 240 29 89 9 193 3 0 105 94 2.95 1.15
/佐伯和司 40 36 12 3 2 15 10 0 1017 250.2 210 26 58 8 127 4 0 88 81 2.90 1.07
/池谷公二郎 45 36 10 2 2 18 11 1 1018 244.0 242 22 62 5 131 1 0 103 90 3.32 1.25
/宮本幸信 44 0 0 0 0 10 2 10 365 89.2 58 5 40 9 74 1 0 20 17 1.70 1.09
/渡辺弘基 55 0 0 0 0 3 3 1 323 77.2 68 3 24 2 40 2 0 18 16 1.85 1.19
/永本裕章 28 8 0 0 0 2 2 0 265 64.1 65 9 21 1 26 2 1 31 28 3.94 1.34
/若生智男 20 7 0 0 0 3 3 1 222 52.2 48 6 23 2 21 1 0 21 18 3.06 1.35
/三輪悟 22 0 0 0 0 0 1 0 125 32.1 22 2 10 2 13 0 0 7 7 1.97 0.99
/金城基泰 16 2 0 0 0 1 0 4 116 27.0 19 2 13 2 24 0 0 8 8 2.67 1.19
/児玉好弘 11 0 0 0 0 0 1 0 49 9.2 13 3 7 0 8 1 0 9 8 7.20 2.07
/小俣進 11 1 0 0 0 0 1 0 43 9.0 12 1 7 0 5 0 0 10 10 10.00 2.11
/川畑和人 3 0 0 0 0 0 0 0 27 6.2 5 1 3 0 8 0 0 1 1 1.29 1.20

打撃成績

  • 色付き規定打席(403打席)以上の選手
  • 太字はリーグ最高
選手











































O
P
S
 
/ホプキンス 130 547 496 72 127 20 1 33 248 91 1 2 1 4 36 2 10 53 15 .256 .319 .500 .819
/衣笠祥雄 130 532 479 66 132 22 1 21 219 71 18 4 0 4 44 2 5 61 21 .276 .343 .457 .800
/山本浩二 130 526 451 86 144 21 0 30 255 84 24 9 1 5 67 6 2 39 6 .319 .410 .565 .975
/大下剛史 117 510 471 59 127 12 1 3 150 19 44 20 7 1 27 0 4 43 4 .270 .315 .318 .633
/三村敏之 122 502 442 67 124 21 3 10 181 42 3 5 10 2 43 1 5 47 7 .281 .351 .410 .761
/シェーン 117 417 374 31 105 17 0 13 161 56 1 3 1 4 36 6 2 38 11 .281 .347 .430 .778
/水谷実雄 121 389 358 29 102 14 1 13 157 37 5 1 5 3 22 5 1 39 10 .285 .328 .439 .767
/水沼四郎 116 283 255 22 53 7 2 1 67 19 11 4 6 0 20 7 2 31 6 .208 .271 .263 .534
/道原博幸 75 157 149 8 30 3 1 1 38 3 0 1 1 0 6 2 1 19 4 .201 .237 .255 .492
/苑田聡彦 61 149 142 15 35 5 0 1 43 6 2 1 1 1 5 0 0 13 4 .246 .272 .303 .575
/山本一義 71 144 129 6 27 6 1 2 41 18 0 0 0 2 13 2 0 12 5 .209 .282 .318 .600
/外木場義郎 45 111 101 9 22 4 2 0 30 8 0 0 7 2 1 0 0 25 0 .218 .225 .297 .523
/深沢修一 108 93 87 19 18 2 0 1 23 7 9 2 1 1 3 0 1 10 0 .207 .242 .264 .506
/佐伯和司 44 86 81 0 6 0 0 0 6 3 0 0 1 1 3 0 0 27 2 .074 .107 .074 .181
/池谷公二郎 46 85 81 2 11 1 0 1 15 7 0 0 3 0 1 0 0 26 1 .136 .146 .185 .332
/久保俊巳 80 62 57 12 17 2 1 1 24 13 5 1 1 0 2 0 2 11 2 .298 .344 .421 .765
/守岡茂樹 28 27 27 1 5 1 0 0 6 0 1 0 0 0 0 0 0 6 1 .185 .185 .222 .407
/佐野嘉幸 17 17 16 2 4 0 1 0 6 2 0 0 0 0 1 0 0 4 1 .250 .294 .375 .669
/宮本幸信 44 16 15 1 3 1 0 0 4 3 0 0 0 0 0 0 1 7 0 .200 .250 .267 .517
/若生智男 21 16 16 1 1 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 6 0 .063 .063 .063 .125
/永本裕章 28 14 14 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 8 0 .000 .000 .000 .000
/渡辺弘基 56 13 13 0 1 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 6 0 .077 .077 .077 .154
/木下富雄 26 12 12 1 1 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 .083 .083 .083 .167
/金城基泰 16 9 9 1 1 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 5 0 .111 .111 .111 .222
/木本茂美 3 2 2 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 .000 .000 .000 .000
/米山哲夫 2 2 2 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 .000 .000 .000 .000
/児玉好弘 11 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 .000 .000 .000 .000
/小俣進 11 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 .000 .000 .000 .000

オールスターゲーム1975

  • 選出選手及びスタッフ
ポジション 名前 選出回数
投手 池谷公二郎
外木場義郎 11
二塁手 大下剛史 5
三塁手 衣笠祥雄 3
外野手 山本浩二 3
  • 太字はファン投票で選ばれた選手。

できごと

選手・スタッフ

表彰選手

リーグ・リーダー
選手名 タイトル 成績 回数
山本浩二 最優秀選手 初受賞
首位打者 .319 初受賞
大下剛史 盗塁王 44個 初受賞
外木場義郎 最多勝利 20勝 初受賞
沢村賞 初受賞
ベストナイン
選手名 ポジション 回数
外木場義郎 投手 初受賞
大下剛史 二塁手 8年ぶり2度目
衣笠祥雄 三塁手 初受賞
三村敏之 遊撃手 3年ぶり2度目
山本浩二 外野手 初受賞
ダイヤモンドクラブ賞
選手名 ポジション 回数
大下剛史 二塁手 3年ぶり2度目
山本浩二 外野手 4年連続4度目

ドラフト

順位 選手名 ポジション 所属 結果
1位 北別府学 投手 都城農業高 入団
2位 山根和夫 投手 日本鋼管福山 翌年シーズン後に入団
3位 長内孝 外野手 桐蔭学園高 入団
4位 小林誠二 投手 県立広島工業高 入団
5位 小川良一 捕手 駒澤大学 拒否・住友金属入社
6位 高月敏文 内野手 東洋紡岩国 入団

出典