普陀山

普陀山観音像

座標: 北緯30度00分39秒 東経122度23分11秒 / 北緯30.0108度 東経122.3864度 / 30.0108; 122.3864

普陀山(ふださん、拼音: Pǔtúo Shān)は、中華人民共和国浙江省舟山群島にある中国四大仏教名山仏教聖地五台山九華山峨眉山、普陀山)の一つで、観音菩薩が祀られている。

中華人民共和国国家級風景名勝区(1982年認定)[1]中国の5A級観光地(2007年認定)で[2]、年間360万人を超える観光客が訪れる。

由来

普陀山の海岸と寺院

当地が観音霊場となった由来は、後述の「普済禅寺」の項にも記述される通り、916年、中国への渡来僧である慧萼(えがく)が、中国留学を終えて日本に帰国しようとした際、日本に招来しようとした観音像が当地で日本に渡ること拒んだ(=不肯去)、という故事にちなんでいる。よって、その観音像は「不肯去観音」と称されており、そのお堂は「不肯去観音院」と呼ばれる。以後、この舟山群島中の普陀山は、観音菩薩の浄土である補陀落に擬せられ、人々の信仰を集める中国有数の霊場となった。「普陀山」という名称の由来も、「補陀落」である。

普陀山の浜辺を俯瞰する

地理

普陀山は杭州湾の出口から東シナ海海上を東に約100海里にあり、全島面積早く12.5平方キロメートル。細長い形をした島で、最高地点は仏頂山で海抜約300メートル。

行政的には浙江省舟山市普陀区中国四大仏教名山のうち唯一の海上聖地であり、「海天佛国」と呼ばれる。

「磐陀石」「二亀聴法石」「説法台石」などの奇岩が多い。

宗教活動

普陀山の海辺の洞窟

全山方丈

  • 妙善:1979年に全山代理方丈に推挙され、1989年より正式に全山方丈となる。2000年死去。
  • 戒忍:2002年12月に全山方丈となる。

主な寺院・施設

観光

普陀山多宝塔
  • 仏頂山ロープウェイ
  • 「普陀山の春旅行フェスティバル」:普陀山管理委員会、中国旅遊協会が開催する旅行関連イベント。
  • 心字石

交通

航空

フェリー

  • 高速フェリー:寧波大謝埠頭から70分で到着。舟山島沈家門埠頭からは10分で到着。

備考

  • 江戸時代後期の平戸藩主・松浦静山は『平戸考』・『美祢良久考』を著し、普陀山が「和漢ノ境」にあり、かつて日本の領域であったという説を引用し、江戸幕府に調査の必要性を働きかけたが認められなかったという[3]

脚注

  1. ^ 中華人民共和国国務院 (1982年11月8日). “国务院批转城乡建设环境保护部等部门关于审定第一批国家重点风景名胜区的请示的通知” (中国語). 北京法院法規検索. 2023年2月5日閲覧。
  2. ^ 舟山市普陀山风景名胜区”. www.mct.gov.cn. 中華人民共和国文化観光部 (2021年7月22日). 2023年2月2日閲覧。
  3. ^ 吉村雅美「松浦静山のみた境界と「属地」-普陀山をめぐる考証から」井上泰至 編『近世日本の歴史叙述と対外意識』(勉誠出版、2016年) ISBN 978-4-585-22152-4

参考文献

外部リンク