「大声ダイヤモンド 」(おおごえダイヤモンド)は、日本 の女性アイドルグループ・AKB48 の楽曲。楽曲は秋元康 により作詞、井上ヨシマサ により作曲されている。2008年 10月22日 にAKB48のメジャー10作目のシングル としてキングレコード から発売された[ 注釈 1] 。楽曲のセンターポジションは前田敦子 と松井珠理奈 の2人が務めた[ 1] 。同グループの代表曲の一つ[ 2] 。
背景とリリース
「Japan Expo 2009」でのライブ(フランスにて)
AKB48のシングルは、当時はソニー・ミュージックエンタテインメント の子会社であったデフスターレコーズ (現在のソニー・ミュージックレーベルズ )から発売されていたが、『桜の花びらたち2008 』をもって契約が打ち切られたあと、配信限定シングル『Baby! Baby! Baby! 』のリリースを経て、講談社 の子会社であるキングレコード へ移籍した。『大声ダイヤモンド』は移籍後初のシングルである。楽曲は2008年10月19日に初日を迎えた『チームA 5th Stage「恋愛禁止条例」 』で使用されているものである。
楽曲のシングル盤は通常盤と劇場盤の2種類がリリースされた。通常盤はYou, Be Cool! 、劇場盤はNEW KING RECORDS のレーベルとなっており、後者は販路限定盤でサイト「キャラアニ 」を通して発売された。通常盤、劇場盤ではジャケット、収録曲、付属DVDが異なっている。また、特典として通常盤(初回プレスのみ)には握手会参加券(福岡・大阪・愛知・新宿)およびアナザージャケット(本楽曲の選抜メンバーのうち松井珠理奈を除く選抜メンバーに対応した全19種からランダムで1種)が封入されており、劇場盤には劇場握手会参加券(AKB48劇場 ・SUNSHINE STUDIO )および生写真全90種のうちランダムで1枚が封入されている。通常盤・劇場盤ともにオフヴォーカル バージョンの収録はなく、「大声ダイヤモンド」の各チームバージョン、研究生バージョン、SKE48バージョンが収録されている。
楽曲は2008年9月15日に放送されたbayfm の特別番組『Holiday Special bayfm meets AKB48 3rd Stage〜REAL〜』で解禁されたが、同年9月9日未明に編曲前の曲がインターネット上に流出した。AKS 側は法的な処置を執る方針を公式ブログで表明した[ 3] [ 注釈 2] 。また、流出後に決定したコンサートタイトル『AKB48 まさか、このコンサートの音源は流出しないよね?』[ 注釈 3] に引用された。
AKB48の楽曲にSKE48メンバーから初選抜された松井珠理奈(2014年5月の写真)
楽曲を歌唱する選抜メンバーとして20人が選ばれている。5期生の北原里英 、宮崎美穂 、指原莉乃 の他に姉妹グループとして結成されたSKE48 のメンバーである松井珠理奈 の4人が初選抜となった。5期生の3人は4期生よりも早い初選抜となり、松井はレコーディングの時点では公演デビュー前でSKE48の正式メンバーですらなかったが、11歳228日で選抜入りし、奥真奈美 の持つシングル選抜メンバー選出最年少記録(11歳237日)を更新した。前作の選抜メンバーから離脱した菊地彩香 の他に中西里菜 、梅田彩佳 、大堀恵 が外れた。さらに、松井は前田敦子 とともに楽曲のセンターポジションを務めているほか、シングル盤のジャケットも単独で飾っている。AKB48以外のメンバーがジャケット写真に起用されたのは本作が初めてだった[ 注釈 4] 。
楽曲のキャッチコピー は「大声で叫べば、ダイヤモンドになる」。CDなどに印字されている「大声ダイヤモンド」の文字は、チームKの小野恵令奈 [ 注釈 5] によるもの。
AKB48は、この楽曲を境にグループとしての方向性が大きく変化したとされることが多く、作曲者の井上ヨシマサ は「AKBの存在を全国に知らしめる最初の曲」と評している[ 5] 。秋元康 は「大声ダイヤモンドぐらいからメンバーと同年代の、特に若いファンが増えてきました」と述べている[ 5] 。AKB48結成当初からの主力メンバー高橋みなみ も、「この曲あたりから、ファンの方々がどんどん増えてきてくださったような実感」がしてきたと語った[ 6] 。渡辺麻友 も「この曲がターニングポイントだった」と振り返っている[ 7] 。
楽曲には英語バージョンも存在し、フランス ・ヴィルパント (パリ 郊外)でのJapan Expo 2009、NEW YORK ANIME FESTIVAL、フランス・カンヌ のMIPCOMにおけるライブなどの日本国外公演で披露された。英語バージョンのメインボーカルは、メンバー内で英語を比較的得意とする秋元才加 。Japan Expo公演1週間前に参加予定メンバーが集められ、「英語で1曲全部歌えないと(公演に)連れて行かない」と告げられ練習した曲[ 8] のため、選抜メンバーでも日本国外の公演に参加経験のないメンバーは歌えない[ 9] 。
ライブでの「好き」コールは、当時チームBメンバーだった浦野一美 がシアター公演で呼びかけたものである[ 10] 。
楽曲は2011年8月26日放送の『ミュージックステーション 』で披露されている。
2017年に放送された第68回NHK紅白歌合戦 の歌唱曲目投票企画において本曲は3位となり、「視聴者が選んだ夢の紅白SPメドレー」3曲のうちの1曲として松井珠理奈センターで歌唱された[ 11] 。
アートワーク
ジャケットの写真は通常盤・劇場盤どちらも松井珠理奈が起用されている。通常盤のジャケットは、大声ダイヤモンドという楽曲名にちなんで、松井珠理奈が大声で叫ぶ姿であり、このとき叫んでいるのは「麻里子様 」である[ 12] 。これはSKE48に加入してまもなく、AKB48の選抜メンバーに選ばれたため、雰囲気に馴染めなかった松井珠理奈に、最初に声をかけたのが篠田麻里子だったからである[ 12] 。
チャート成績
楽曲は、オリコン週間シングルチャート最高3位を記録した。『BINGO! 』『僕の太陽 』『ロマンス、イラネ 』での6位の記録を更新し、初めてTOP5入りを果たした。
ミュージック・ビデオ
PV撮影が行われた文化学院(東京・神田駿河台)
「大声ダイヤモンド」のミュージック・ビデオ は、「桜の花びらたち2008 」以来となる高橋栄樹 が監督を務めている。ビデオはショートドラマ仕立てで、架空の高校『松岡女子高等学校』の文化祭において、講堂での出し物として「『AKB48をやる女子高生』を演じるのがAKB48」[ 13] という設定。2年B組の生徒(松井珠理奈)が、文化祭で「大声ダイヤモンド」を一緒に歌う有志を募集、集まったメンバーがPVを見ながら自主練習を始めるものの、ものにならない様子を見かねた校内ダンスグループメンバー(宮澤佐江、秋元才加、高橋みなみ、板野友美)も参加、指導を買って出るが、参加はしたものの呑み込みが悪く、さらに受験勉強を気にして練習に身が入らない生徒(前田敦子)とダンスグループリーダー(宮澤)が教え方をめぐって喧嘩、本番当日に前田が姿を現さない中、イントロが流れ他のメンバーは慌てて講堂のステージに立つというストーリー展開になっている。
喧嘩のシーンでは、当事者の宮澤・前田以外のメンバーには、叩くシーンが伏せられた状態の台本が渡されており、宮澤・前田両名にのみ渡された台本には、そのシーンの口外を禁じる監督のコメントが含まれていた[ 13] 。撮影には、選抜メンバーを含む収録時に在籍していたメンバー69名(研究生含む)、SKE48松井珠理奈のほか、ステージシーンの観客エキストラとして一般の女性も多数動員されている[ 13] 。撮影は、2008年9月に、東京都 千代田区 神田駿河台 にある文化学院 の入口付近、講堂、廊下、教室、図書室、ラウンジなどを使って行われた[ 14] ほか、松井珠理奈が階段を駆け上がるオープニングシーンの撮影は同校近くの明治大学猿楽町校舎の間にある「男坂」で行われた。
メディアでの使用
楽曲は以下のメディアで使用された。
シングル収録トラック
通常盤
CD[ 15] 全作詞: 秋元康 。 # タイトル 作詞 作曲 編曲 時間 1. 「大声ダイヤモンド」 秋元康 井上ヨシマサ 井上ヨシマサ 4:08 2. 「109(マルキュー)」 秋元康 伊藤心太郎 野中“まさ”雄一 3:57 3. 「大声ダイヤモンド (team A ver.)」 秋元康 井上ヨシマサ 井上ヨシマサ 4:08 4. 「大声ダイヤモンド (team B ver.)」 秋元康 井上ヨシマサ 井上ヨシマサ 4:07 合計時間:
16:21
DVD[ 15] # タイトル 作詞 作曲・編曲 監督 1. 「大声ダイヤモンド」 高橋栄樹 2. 「Making of 「大声ダイヤモンド」」
劇場盤
CD[ 16] 全作詞: 秋元康。 # タイトル 作詞 作曲 編曲 時間 1. 「大声ダイヤモンド」 秋元康 井上ヨシマサ 井上ヨシマサ 4:08 2. 「109(マルキュー)」 秋元康 伊藤心太郎 野中“まさ”雄一 3:57 3. 「大声ダイヤモンド (team K ver.)」 秋元康 井上ヨシマサ 井上ヨシマサ 4:08 4. 「大声ダイヤモンド(研究生 ver.)」 秋元康 井上ヨシマサ 井上ヨシマサ 4:08 5. 「大声ダイヤモンド (SKE48 ver.)」 秋元康 井上ヨシマサ 井上ヨシマサ 4:06 合計時間:
20:27
DVD[ 16] # タイトル 作詞 作曲・編曲 監督 1. 「大声ダイヤモンド」 高橋栄樹 2. 「告白映像」 3. 「SKE48の軌跡」
選抜メンバー
収録アルバム
カバー
大声ダイヤモンド
脚注
注釈
出典
参考文献
外部リンク
現役メンバー
13期 15期 元チーム8 ドラフト2期 16期
鈴木くるみ
田口愛佳
長友彩海
武藤小麟
山内瑞葵
ドラフト3期 17期
太田有紀
佐藤綺星
橋本恵理子
畠山希美
平田侑希
布袋百椛
正鋳真優
水島美結
山﨑空
研究生
18期
秋山由奈
新井彩永
工藤華純
久保姫菜乃
迫由芽実
成田香姫奈
八木愛月
山口結愛
19期
伊藤百花
奥本カイリ
川村結衣
白鳥沙怜
花田藍衣
20期
元メンバー(チームは卒業・移籍時点)
チームA チームK チームB チーム4 チーム8
奥洞千捺
森脇由衣
岩﨑萌花
藤村菜月
山本亜依
北玲名
近藤萌恵里
吉野未優
福地礼奈
谷優里
濵松里緒菜
阿部芽唯
舞木香純
廣瀬なつき
早坂つむぎ
下青木香鈴
谷口もか
長久玲奈
野田陽菜乃
横道侑里
人見古都音
中野郁海
谷川聖
佐藤栞
山田菜々美
伊藤きらら
佐藤七海
寺田美咲
太田奈緒
山本瑠香
布谷梨琉
井上美優
塩原香凜
立仙愛理
長谷川百々花
佐藤朱
松村美紅
蒲地志奈
宮里莉羅
尾上美月
鈴木優香
春本ゆき
横山結衣
奥本陽菜
福留光帆
御供茉白
平野ひかる
濵咲友菜
無所属 研究生 大人AKB48 バイトAKB
メディア出演(○は継続中、●は放送予定、△は番組は継続中だがAKB48メンバーの出演は終了)
テレビ番組
ラジオ番組 映画作品 ネット配信 ゲーム タイアップ
カテゴリ
現役メンバー
チームS チームKII チームE 研究生
12期
伊藤虹々美
奥野心羽
柿元礼愛
河村優愛
倉本羽菜
高村紗弥
長谷川雅
松川みゆ
南澤恋々
メディア出演(○は放送中、△は番組継続中だが、SKE48メンバーの出演は終了)
カテゴリ
2005年 2006年 2007年 2008年 2009年