名古屋市営バス(なごやしえいバス)は、名古屋市が運行する公営バスである。名古屋市交通局内にバスを担当する「自動車部」がある。単に市バスと略されている。
名古屋市全域を運行するほか、隣接する西春日井郡豊山町、海部郡大治町、清須市、尾張旭市、長久手市、日進市、豊明市、春日井市、大府市の一部地域を営業エリアとしている[注釈 1]。総営業キロ数は767km、系統数は163系統、保有車両数は1018両(いずれも2019年4月現在)。
2007年4月より大森営業所を名鉄バスに、2009年4月より浄心営業所を三重交通に、管理委託するなど、コスト削減を進めている。
日本初の中央車線をバスレーンとして走行する基幹バス(新出来町線)や、専用軌道と一般道を走行する名古屋ガイドウェイバスの運行受託、名古屋市内の人気観光スポットを周遊するなごや観光ルートバス(愛称「メーグル」)の運行受託など、多種多様な運行を行っている。
バス車体の表記は「市営」。
2022年現在、一般系統、基幹バス、都心循環バス、深夜バス、ゆとりーとライン、地域巡回バス、なごや観光ルートバスが運行されている。 2023年5月現在の路線は以下の通りである[11]。系統の詳細については各営業所記事を参照。
一般路線の系統番号は起点(一部途中停留所)の地名と数字の組み合わせからなっている。幹線路線は「幹」表示と起点と1桁の数字1から、その他路線は起点と2桁の数字11から始まる[注釈 2]。番号はおおむね起点(一部経由地)から見て北から時計回りに設定されている。起点は名鉄の神宮前駅(神宮11など)・有松駅(有松11など)等の一部の例外を除くと市営地下鉄の駅名が冠されているため、土地勘のない場所で乗るべき系統をバス路線図から見つける際や、公共・観光施設等のアクセス情報から系統名を基にして接続利用可能な地下鉄駅を探したりなど、特にバスと地下鉄の連絡乗車に都合がいいように配慮されている。かつては起点に関係なく通しの1 - 3桁の系統番号が付けられていた。系統番号に地名が入って以降、廃止になった番号は再使用されない。
方向幕は起点、系統ごとに色が割り振られており、主要地域は名駅(緑)、栄(桃)、金山または神宮東門(黒)、それ以外の幹線路線は(青)、その他一般路線は(白)、深夜路線は(黄)、臨時急行路線は(橙)、同じ系統内で経由が異なる路線と循環右回り路線は(茶)であったが、2003年度以降に導入されている車両については表示器は幕式ではなくLED表示式(オレンジ)であり、置き換えが進んだ結果2021年(令和3年)5月に全廃された。フルカラーLED表示器を搭載した車両は現時点では存在しないが、2023年度より白色LED表示器を搭載した車両が登場している。
車体はクリーム色に青帯を巻く塗装が基本であり、別の塗装になることもある。2010年からは、一部の車両において1960年代に見られた塗装を再現している(現在は廃車)。また、バスの一部に地元の子供たちが自由気ままに描いた『お絵かきバス』を数台走らせている。
C-758系統:名古屋駅→柳橋→納屋橋→広小路伏見→広小路本町→広小路栄→栄大津→ナディアパーク→白川通大津→矢場町→フラリエ→矢場町→若宮→大須本町通→上前津→大須万松寺通→大須赤門通→白川通大津→ナディアパーク→栄大津→広小路栄→広小路本町→広小路伏見→納屋橋→柳橋→笹島町→名古屋駅
なごや城系統:名古屋駅 →菊井町→外堀町通本町→名古屋城正門前→市役所→市政資料館→外堀町通本町→菊井町→名古屋駅
現在、名古屋城系統はメーグルとして運行している。
現在、1998年式・1999年式の小型バスは廃車され、中型ノンステップバスで運行されている。座席などはすべて一般バスのシートと変わらず、1999年式まで採用されていた灰色と赤色の座席はなくなっている。小型バスで運行されていた頃、ラッシュ時は満員だったが、現在は以前より混雑は緩和されている。
日中(10〜16時台)は10分間隔で運行されている。17時台以降は本数が減るものの、名駅16系統と同様に名古屋駅と地下鉄駅からやや離れた場所とを結ぶ通勤輸送の役割も担っている。
高速1:栄~上前津~鶴舞公園~東郊通三丁目~(高速区間)~有松町口無池~緑区役所~森の里団地
1980年2月15日運行開始。都心部から郊外へ直接結ぶために設置された系統であり、現在は中区の栄から途中名古屋高速道路を経由し、緑区の森の里団地までを結ぶ1系統のみ運行している。道路工事等で名古屋高速が通行止めになった場合は下道へ迂回する。迂回区間内の停留所は通過するが、栄への到着が遅くなるので、名城線乗り換えのため地下鉄堀田に停車する場合がある(降車のみ可、乗車は不可)
市バスの全系統で最も運行距離が長い。名古屋高速3号大高線区間を利用する場合は通常料金に加えて10円が必要である。manacaでの支払いも可能である(定期券の場合、チャージ残額から支払われるが高速料金のみ現金で支払うことも可能)。運賃箱の設定は220円であり、地上区間のみの乗車の場合には運転士にその旨を告げると設定を変更する。 定期券・1日乗車券・ドニチエコきっぷ利用の場合も10円が別途必要だが、敬老パス・福祉特別乗車券は免除される。
一般系統の車両を兼用で用いていたが、1998年に専用車両8台 (F-517~F-524) が導入され、2005年には高速走行に対応したノンステップバスも投入(ETC車上装置も搭載)。2010年には、全便ノンステップ化のためABS搭載の専用車が8台 (NH-264~NH-271) が導入された。間合い運用などで基幹1号系統にも使用されるため、前方・前扉右横に基幹用プレートが装備されている(常時変更可能)。専用車両の座席にはシートベルトが装備されているが、通常の車両と同様につり革や握り棒があり、立席乗車も可能である(名古屋高速は名前に高速が付いているが、一般有料道路と同じ扱いであり法定速度制限が60キロ以内なので、立席が可能。西鉄バスで運行される都市高速路線と同様)。
以前は〔高速2〕栄~上前津~鶴舞公園前~東郊通三丁目~(高速区間)~名南工高~花井~緑高校も存在したが、1982年3月に開業した〔基幹1〕と同じような経路を結ぶため、同系統の運行開始とともに廃止となっている。
2022年3月1日の中日新聞 朝刊にて、「高速1系統」を4月2日で廃止検討との記事が掲載される。[13]
廃止検討理由としては、
このため代替路線は、最寄りのJR南大高駅および大高駅、名鉄の有松駅および鳴海駅を経由した路線に再編成されたことにより、当系統は4月1日をもって運行を終了、翌2日のダイヤ改正によって廃止された。
1990年12月5日運行開始[9]。概ね地下鉄東山線のルートに沿って運行されるが、深夜2は亀島駅・本陣駅・中村日赤駅は経由せず太閤通駅(桜通線)を含めた太閤通(愛知県道68号名古屋津島線)を経由するルートとなる。停車する停留所も限定されている[注釈 3][WEB 5]。料金は普通料金の倍額の420円である[WEB 6]。一日乗車券や全線定期券を提示すれば深夜料金分の差額の支払いで乗車可能となっている[WEB 6](敬老パス・福祉特別乗車券の場合は免除される)。原則として、お盆・年末年始・祝日を除く月曜日から金曜日までの深夜のみ運行される[WEB 6]。
深夜1は2往復[WEB 7]、深夜2は1往復[WEB 8]運行されている。2014年より毎週金曜日と祝日の前日(お盆・年末年始、土曜日、日曜日、休日を除く)には地下鉄東山線の終電延長が行われているが、実施日に限り深夜1系統の1往復(発車時刻が早い方)が運休となる。
2020年からの新型コロナウイルス感染症感染拡大の影響により、深夜バスは2020年4月24日から運行を休止し[WEB 9]、同年6月5日に再開した[WEB 10]。しかしながら同年8月7日から再度休止している[WEB 11]。
2007年7月21日運行開始。名古屋市市民経済局観光推進室(現:名古屋市観光文化交流局観光推進室)が企画・運営し、名古屋市交通局が運行受託している。愛称は「メーグル」で金の鯱をイメージさせるゴールドを主体とした専用車両(中型車)を導入し、その車内は天井に窓枠を設け、視界を向上し観光車両として工夫されている。また、当初の予想以上の利用客があったことを受け、浄心営業所に所属する一般大型ノンステップバスに「メーグル」のPRラッピングを施し、休日などの多客時間帯に中型専用車の代わりとして運用に入っている。多客時においては通常一般市バス車両により増便が運行される場合もある。(方向幕は「名古屋市交通局」を表示)
2010年に増発用車両として日野自動車製大型ハイブリッドバスが導入された。車両自体は標準車体で納入された(車番M-05)。
2022年頃からM-05は故障が頻発し、運用離脱することが多くなった。この結果2023年1月24日付けで廃車となった。この際前任のメーグル予備車であったNS-38が交通局から観光文化交流局へ所有者が変更された。本来NS-38はもう1台の予備車NS-39と共に令和4年度末で廃車の予定であったが、M-05の穴埋めとして同車を利用した。2023年3月現在NS-38は車内の改造等や改番は行われておらず、車番や内装共に予備車時代のままで運用されている。
日曜・祝祭日等には午前中を中心に車内にボランティアガイドが同乗することがある。なお、正式な系統名は「観光1」号系統である。
土・日・祝日は20 - 30分に1本(名古屋駅午前9時30分から11時30分までは20分毎発、それ以降は30分毎発・1日18本)、平日は30分 - 1時間に1本(名古屋駅午前9時30分から17時00分まで1日13本)それぞれ運行している。月曜日は運休となる(但し祝日は運行し直後の平日が運休となる)。これは名古屋市の主要施設が原則として月曜日休館のためである。
運賃は、大人210円、小児100円であり、manaca・ドニチエコきっぷ・一日乗車券・市発行の敬老パス・福祉乗車券でも乗車可能であるが、定期券では利用できない。専用一日乗車券として、メーグル1DAYチケット(大人500円、小児250円)が発売されている。
車両は、現在5両の専用車両と2両の予備車が存在する。
専用車は1台を除き東京特殊車体での改造が施してある。PB-HR7JHAEは本来のレインボーではなくブルーリボンシティのフロントマスク。
予備車は名古屋市交通局所有のもので、メーグルのラッピングが施されている。車内は専用車とは異なり一般バス同様の仕様になっている。また平日は幹名駅2号系統・名駅17号系統・名駅11号系統・名駅15号系統などで運用されている。
毎年2月3日頃の節分に開催される笠寺観音の節分会向けに運行される臨時急行バス。新・笠系統は新瑞13号系統の補完となっている。運賃は他の一般路線バスと同額であり、manaca・ドニチエコきっぷ・一日乗車券・市発行の敬老パス・福祉乗車券でも乗車可能となっている(ドニチエコきっぷは運行日が土休日である場合のみ)。2021年は2月2日が節分会に当たったが新型コロナウイルス感染症対策の緊急事態宣言により運行休止となった[WEB 12]。
開業の翌年に中心部へ拡大した時の路線を示す。
系統番号を変更し、幹線路線を拡大した頃の系統を示す。
下記は名古屋市交通局のバスターミナル
上記の他に、タクシーなどの乗降も扱っている交通広場も存在する。下記の通り。赤池駅(日進市)には市バスの乗り入れはないが、交通広場が存在する。
日本メーカー5社とも導入されている。導入数は2019年現在いすゞ自動車が最多で日野自動車、三菱ふそうトラック・バス、日産ディーゼル(現在のUDトラックス)、トヨタ自動車の順となる。車体組立部門を持たない日産ディーゼル車の場合、富士重工業のボディが標準だったが、同社のバス車体組立撤退後は西日本車体工業のボディが架装されている[注釈 4]。また、いすゞのシャーシに富士重工業のボディという組み合わせも少数存在していたが、2011年度末までに全車廃車となった。三菱ふそう・エアロスターの車体は三菱自動車バス製造(現在の三菱ふそうバス製造)に一本化される前は三菱自動車工業名古屋製作所大江工場が架装を担当していたが、同工場にて車体が架装された車両は2009年度末までに全車廃車となった。
なお、かつては営業所ごとに納入するメーカーが決まっていた[注釈 5]が、現在は入札制度で車両が投入されるため、全営業所とも複数メーカーの車両を保有している[注釈 6]。
基幹バスの車両については、浄心・鳴尾・猪高・大森営業所に所属しており、浄心・猪高・大森所属車は基幹2系統に、鳴尾所属車は基幹1号系統で使用されている。また、特殊車両は、都心ループ専用車及びメーグル専用車は浄心営業所に、ガイドウェイバス専用車は大森営業所に所属している。
当局では下記の方法によって車両に局番を付番している(40番台は欠番)。
過去には車体構造を記号で表していた。
名鉄バスに管理委託されている大森営業所・野並営業所に所属するバスは、他の営業所の車両に装備されていない以下の装備がある。
また、以下の装備は他営業所とは異なり、2007年4月1日の管理委託開始時から運用されている。
野並営業所は2012年4月1日から管理委託開始。
原則標準尺で導入されている[注釈 8]。
令和6年3月(2024年)現在、全1021両が配属されている。(この数は、メーグル専用車両の5両を除いた数である)
平成23年(2011年)度末までに排ガス規制に適合しないKC代ディーゼル車は全廃。
かつては大型バスの場合車体前部に折り戸の入口、中央に引き戸の出口、さらに最後部に折り戸の出口という独特の3扉車がほとんどであった(基幹2号系統は例外で中央が4枚折り戸の入口)が、1999年式の車両より基幹2号系統と同じ2箇所の出入口に改められた。その後2001年式の車両よりすべてノンステップバス車に移行したため、現在3扉車を含めた大型ツーステップバス車は全車廃車。
CNG車は2005年度を最後に導入されていない。それは2006年度に導入されたADG-RA273MANより新長期規制に適合しているため、名古屋市では低公害車という位置づけをされていることが一因と考えられる。また、CNG車を除く全車がアイドリングストップ・スタートシステム(ISS)を搭載している。
2017年度をもって、CNG車はタンク寿命のために全廃になった。
2021年5月までに三菱ふそう製の中型車(7m中型車も含む)が全廃されたため、在籍している全車両がターボ車・縦置きエンジン車となった。同時に中型車はジェイ・バス製(いすゞ・エルガミオ、日野・レインボー)のみとなった[注釈 9]。
2022年3月末までに旧日産ディーゼル製のフルフラットノンステップバスが全廃されたため、在籍している全車両が前中扉間のみのノンステップバスとなった。またエンジンが全てSOHCになった。
2022年12月に三菱UFJフィナンシャル・グループの5社[注釈 10]から企業版ふるさと納税等を活用した寄付[20]により、MUFGデザインのトヨタ・SORAを一台導入し、翌2023年4月1日から鳴尾営業所配属且つ基幹1系統限定で運行を開始した。
2023年8月より納入されている新車は、行先表示器が白色LEDに変更された。
令和5年度末までに、日産ディーゼル製の車両は全車除籍された[注釈 11]。
市バスの営業所は全て名古屋市内にあるため、ナンバープレートは全車両名古屋ナンバーである。
※ 燃料電池車、メーグル専用車両を含む。
※ なおこの数は、燃料電池車とメーグル専用車両を含む。
なお、所有する全車ノンステップバス化を完了している。
※ なおこの数は、都心ループ専用の車両13両、燃料電池車2両、メーグルの専用車両4両を含む。
※ 新短期規制以前のディーゼル車および、長期規制適合車は、全車引退済み。
※ なおこの数は、都心ループ専用の車両13両、メーグル専用の車両4両を含む。
※ なおこの数は、都心ループ専用の車両13両、メーグル専用の車両5両を含む。
2005年頃からは毎年約百数十両という大量増備を行い、車両の取り替えのペースを上げている。2010年度までにノンステップバス比率を92%、アイドリングストップ車(CNG圧縮天然ガス車を除く)の比率を100%にする目標を掲げていたため、現在はアイドリングストップ車の比率が100%になった。この大幅取り換えには、排ガス規制の強化の対象となる8大都市圏に名古屋市が含まれるため、規制に適合しない車両の使用年限が12年に限られることも影響していた。なお、同バスで役目を終えた車両は全国の地方事業者(北海道中央バス・宮城交通・備北バス・西肥自動車・九州産交バス・しまバス・琉球バス交通・沖縄バス・那覇バスなど)に譲渡されている他、一部はミャンマーなど海外にも輸出されている。なお、2011年度(2012年3月末までに廃車)までに排ガス規制に適合しないすべての車両(KC代までのディーゼル車)の入れ替えが終了しており、排ガス規制に適合している2001年度(2002年3月末までに導入)以降のノンステップバスは車両使用年数を現在の12年から18年に延長し、車両購入費を抑えることで経営再建につなげることになっている[注釈 12]。平成24年度以降の車両置き換えは、経年の大型低公害ツーステップ車の入れ替えに限り行われ、平成28年度末に所有する全ての車両のノンステップバス化が完了した。
現在は、排出ガス新短期規制適合の車両をポスト新長期規制適合車両へ置き換えを進めている。
令和4年度の置き換え対象車は、PJ-LV234N1の46両(NS-31〜NS-39、NS-50〜NS80、NKS-1〜NKS-7)となっており、8月10日に開札された結果、三菱ふそうが落札した。三菱ふそうの落札は14年ぶり、現行のエアロスターの導入は初である。同時に2015年3月以来8年ぶりに直列6気筒エンジンの車両が導入される見込みである。
2000年以降に導入されたアイドリングストップ車には、アイドリングストップ時に車内にクラシックなどの音楽が流れる機能がついていたが、2012年4月をもって中止された。(但し、各路線で運転士が音楽スイッチをオンにしている時、極稀に流れることがある。)流れる音楽の種類は、車両の所属営業所によって異なっていた。楽曲は以下の通り。
アイドリングストップ時にそれぞれの曲が順番に頭から流れる。2006年頃まではアイドリングストップがスタートと曲の流れも連動していた。つまり、常に頭から再生されるのではなく、途中切れ・途中スタートとなっていた。
大森・稲西営業所の車両で流れている曲は、かつては鳴尾営業所の車両でも流れていた時期があった。
このような試みは遠州鉄道が考案し、徐々に他のバス事業者にも波及しつつある。詳細は、遠鉄バス#アイドリングストップ中の音楽を参照。
名古屋市営バスにおける乗車料金は以下のとおりとなる[21][22][注釈 13]。
小児料金は6歳以上12歳未満の小学生に適用する。1歳以上6歳未満の幼児は1人の大人、もしくは小児に同伴された4人まで無料。同伴の幼児5人目からや幼児1人での乗車は小児料金が必要であるが、1歳未満の乳児は無料となっている。
割引料金は障害者等に適用され、料金支払時に有効な障害者手帳等を乗務員に提示する必要がある。なお、介護者・付き添い人の割引は同行する最大3名までが適用である。
基本的に乗車時に料金を支払う「前乗り後ろ降り」の料金前払いシステムを採用しているが、基幹2号系統やゆとりーとラインでは「後ろ乗り前降り」の料金後払いシステムを採用している。乗車料金を超えるお金を入れるとお釣りが出る。
市営バスで使われている、運賃箱は、 2009年まで、小田原機器製RX-FA2形が使われていて、2010年からレシップ製LF-B形の運賃箱が使われてきた。2024年7月より導入された新紙幣への対応に伴い、これまでのレシップ製のものから、小田原機器製RX-FCM形に順次更新されている。市営バスで小田原機器製の運賃箱が導入されるのは15年ぶりである。なお、同市のガイドウェイバス、ゆとりーとラインでは、開業当初より小田原機器製の運賃箱が使われ続けられている。
満60歳から購入できる、市営バス全線(但し、共同運行区間の名鉄バスとゆとり〜とラインの大曽根〜小幡緑地間は対象外)に3か月10,370円で乗車できる格安定期乗車券。地下鉄の駅の駅長室と名古屋市交通局サービスセンターで購入できる。
2022年(令和4年)4月1日より、平日ダイヤで運行する日はバスを乗車する時間帯が10時〜16時(但し、基幹バス新出来町線は降車する時間帯が10時〜16時)のみ対象となる。この時間外に利用すると、普通旅客運賃の精算が必要となる。時刻表上では16時前に到着する便であっても、遅延によって16時を過ぎてしまった場合も例外とはならない。
基本的に通用開始後の払い戻しは受け付けていないが、先述の専用時間帯導入によって払い戻しを希望する旅客に対して、2022年(令和4年)3月15日から日割り計算による無手数料での払い戻しを行っている。
市バスの通勤定期券等を購入した旅客と一緒に市バスを乗車する家族で、土・日曜日・休日(土・日・休日ダイヤ特別運行日含む)の現金乗車に限り、大人110円・小児50円(身体障害者等は大人50円・小児30円)で市バスに乗車可能である。但し利用できる家族とは同居している配偶者、父母、祖父母、子、孫、兄弟姉妹までとなり、ゆとりーとライン全線と他社運行のバスは利用不可である。また、地下鉄定期券や通学定期券なども対象外となっている[22]。
ユリカはかつて名古屋市交通局が発行していたプリペイドカードの名称である。バス・地下鉄共通で利用できるタイプ、平日10時から16時までと土・日曜日・休日のみ使用できるバス専用、地下鉄専用のタイプがある。それぞれに大人用と小児用(障害者などの特割運賃にも利用可能)がある。そのうち、大人用のバス・地下鉄共通タイプのみが「トランパス」として利用可能である。トランパス導入前に発行したカードには「他社線では使用できません」の表記があったものの、導入後はそのまま他社線でも利用可能になった。
トランパスは、名古屋市営バス・名古屋市営地下鉄・名古屋鉄道(対応路線のみ)・名鉄バス(長距離高速バス等を除く)・あおなみ線・愛知高速交通(リニモ)で共通利用できる。また、共通ユリカで市バスと市バス、市バスと地下鉄、市バスとあおなみ線、地下鉄とあおなみ線は、90分以内の乗り換えの場合、80円(小児は40円)引きである。
なお、2011年2月11日にIC乗車カードmanacaが導入されたことで、ユリカを含めたトランパス対応カードは2月10日に販売を終了し、2012年2月29日で利用終了となった。
昼間割引は平日10時から16時まで利用可能(バスは乗車時(基幹2号は降車時)、地下鉄は改札入場時の時間を基準とする)。休日は終日利用可能である。
なお、営業所(分所)ごとのカード裏面の印字は、
となっている(正確には半角文字で表される)。また、かつては基幹バスの初め2文字の表示は「ハス」ではなく「キカ」であった。
2018年(平成30年)度の市バス事業は17億円の黒字となったが、依然として厳しい状況が続いている。市バス全163系統のうち、営業係数が100未満の黒字系統は39系統、100以上の赤字系統は124系統であり、全体の約75%が赤字系統で、営業係数の平均は110である。
黒字系統は以下の39系統である(2018年度。最新の営業係数は名古屋市交通局のウェブサイトより閲覧可能)[WEB 16]。
2020年度はコロナ禍の影響が大きく黒字系統は幹藤丘1号系統、平針11号系統、中村13号系統の3系統のみとなった。2021年度も影響が残っており、前年度の3系統に徳重11号系統、上社11号系統を加えた5系統のみが黒字となった。
一方、営業係数が200以上の系統は以下の系統である(2018年度)[WEB 16]。
地域巡回系統はすべて赤字であり、最も数値の低いものでも南巡回系統(神宮東門 - 神宮東門)の105である。
その他の系統についても名古屋市交通局のウェブサイトに記載されている[WEB 16]。
2011年8月24日、2010年度の物損事故のうち少なくとも23件について、虚偽の事故報告書を作成していたと毎日新聞が報じた[新聞 3]。これを受け、愛知県警察は9月6日、道路交通法違反の疑いで家宅捜索する方針を明らかにした[新聞 4]。
1997年から2006年にかけて、市営バスの運転士の中で事故を起こす回数が多かったなどの運転士に対し、「リフレッシュ研修」の名目でパワーハラスメントなどのいわゆるリストラ教育を行っていたことが毎日新聞によってリークされた。研修は「運転士の技術向上」が名目とされていたが、実際は指導官が研修を受けた乗務員に対して執拗に自主退職を迫るなどしていたという[新聞 5]。また、2007年には当時野並営業所所属の男性運転士がパワハラを受けたことを仄めかす遺書を残して焼身自殺している。
1990年9月25日21時45分頃、鳴尾営業所所属のバス運転手の男性(当時48歳・勤続28年目)が乗務中、南区の北頭交差点にある歩道橋から飛び降り自殺を図り、血を流して道路上に倒れている女性を発見した。乗客が乗車しているにもかかわらず、女性が他の車にひかれないように、バスを停車させた[新聞 6]。近くには名古屋市南消防署があり、付近にいた人が通報したが、サイレンが聞こえないことから、救急車が全て出動していると判断[注釈 15]。乗り合わせていた6名の乗客も全員が協力し女性をバスへと運び、本来の運行経路から外れた最寄りの救急病院まで搬送した[新聞 6]。女性は命に別条は無かった[新聞 6]。
無関係な通行人を乗せて、ルートから外れた病院まで搬送するという一連の行動は当時の運行規程違反であったが、名古屋市交通局は事態の重要性を鑑み、処分を行わなかった。運転手は、規定違反を承知の上で躊躇なく迅速な人命救助を行ったことが評価されてこの年のシチズン時計からシチズン・オブ・ザ・イヤーを受賞した[WEB 17][新聞 7]。交通局には称賛や激励の電話が多数寄せられたほか、のちに怪我から回復した女性が謝意を述べに訪れたという。
◎☆○名古屋鉄道 - ◎☆○名古屋市交通局(名古屋市営地下鉄) - ◎☆○名古屋臨海高速鉄道 - ☆○愛知高速交通 - ☆○名古屋ガイドウェイバス - ☆○豊橋鉄道
◎☆○名古屋市交通局(名古屋市営バス) - ☆○名鉄バス - ☆○名古屋ガイドウェイバス - ☆○知多乗合(知多バス) - ☆○名鉄東部交通 - ☆○岐阜乗合自動車(岐阜バス)
★名鉄海上観光船
☆○TOICA(JR東海) - ☆○ICOCA(JR西日本) - ☆○PiTaPa加盟各社(電子マネーを除く) - ☆○PASMO加盟各社(一部事業者を除く) - ☆○Suica加盟各社 - ☆○Kitaca(JR北海道) - ☆○SUGOCA(JR九州) - ☆○nimoca加盟各社 - ☆○はやかけん(福岡市交通局)
▽EX-IC/スマートEX(東海道新幹線/山陽新幹線/九州新幹線、全線全区間)- ▽新幹線eチケット(北日本方面「在来線/JR西日本/北海道区間を含め」全線) > 〇タッチでGo!新幹線(JR東日本管内全線、ただし盛岡駅を超えられない・新在通し不可・V字乗車不可)
桃花台新交通 - 名鉄西部観光バス
名古屋交通開発機構
記号の意味