1987年8月、メタリカに影響を与えたバンドのカヴァー曲をレコーディングした『The $5.98 E.P. Garage Days Re-Revisited - (邦題:メタル・ガレージ - )』(EP)を発表。一時期は入手困難のため、かなりの高額で取引されていたが、2018年にはオリジナル・フォーマットに準拠したリマスター盤が発売された。
1988年9月、4thアルバム『...And Justice for All (邦題:メタル・ジャスティス - ) 』発表。「One」を収録し、映画『ジョニーは戦場へ行った』とのコラボレーションとなった初のミュージック・ビデオも発売され、アルバム プロモーションツアーでは、CDジャケットの石像が崩れ落ちる大仕掛けなセットであった。
1991年8月、スラッシュメタルから完全に脱却した5thアルバム『Metallica - (邦題:メタリカ) 』(通称 Black Album (ブラック・アルバム))を発表。全米初登場1位を4週連続獲得し、全世界で2000万枚を超える大ヒットを飛ばす。3年に亘る長期間のワールドツアーを終えた後、暫く休養期間に入る。
1992年8月8日、ジェイムズが、ガンズ・アンド・ローゼズとのスタジアムツアーでのメタリカのステージで、"Fade to Black"のオープニングにおいてパイロテクニクスの事故が発生し、腕や顔などにII〜III度の大やけどを負う。事故後わずか17日でステージへと戻り、その後4週間、ライヴではジェイムズがヴォーカルのみを担当し、リズム・ギターをメタル・チャーチのギタリスト、ジョン・マーシャルが代行した。
2004年、8thアルバム『St. Anger』が完成するまでの3年間に密着した(1600時間もの膨大なテープを編集した)映画『Some Kind of Monster -(邦題:メタリカ:真実の瞬間- )』が製作され、日本では2005年7月より限られた劇場でのみ上映された。
2006年8月、千葉と大阪で行なわれたサマー・ソニック'06へ参加。アルバム『Master of Puppets』の発表から20周年を迎えるこの年を記念して、アルバム全曲を曲順通りに演奏した。演奏終了時にヴォーカルのジェイムズ・ヘットフィールドは「Master Of Puppets! Happy 20 years anniversary!」と咆哮、モニタ画面には故クリフ・バートンの遺影が映しだされた。
2009年4月4日、オハイオ州クリーブランドでの授賞式にてロックの殿堂入りを果たした。スピーチは、ライブにゲスト出演するなどの親交を持つレッド・ホット・チリ・ペッパーズのフリーが務めた。ライブでは、ジェイソンも参加して「Master of Puppets」「Enter Sandman」の2曲が演奏された。さらに初代ベーシストであるロン・マクガヴニーと、クリフ・バートンの両親、その他メンバーの親族150人も授賞式に出向いた[13]。元メンバーのデイヴ・ムステインは、メガデスとジューダス・プリーストとのヨーロッパ・ツアーで参加できなかったが、受賞を祝福する声明が発表された。
2014年1月、グラミー賞で中国のピアニスト、ラン・ランと最優秀ハード・ロック/メタル・パフォーマンス賞にノミネートされていたサウンドトラック・アルバム『Metallica Through The Never - (邦題:メタリカ・スルー・ザ・ネヴァー)』から「One」を演奏。メタリカがグラミー賞で演奏するのは、生中継が初めて行われた1991年以来23年振りとなる。
2016年3月23日、3rdアルバム『Master of Puppets』が、アメリカ議会図書館が「文化的、歴史的、芸術的に重要な録音物を保存すること」を目的に2000年から毎年行っている『全米録音資料登録簿』の2016年度作品に登録された[16]。ヘヴィメタルの作品としては初の登録となる[17]。11月、10thアルバム『Hardwired... to Self-Destruct - (邦題:ハードワイアード…トゥ・セルフディストラクト -)』を発表。全米チャート1位を獲得[18]。
同じくBIG 4と称されるメガデスのフロントマン兼ギター・ボーカル。メタリカ結成時のメンバーの一人であり、リード・ギタリスト及びメイン・ソングライターとして、初期メタリカの楽曲スタイルに多大な貢献をしたが、1stアルバムのレコーディング直前に解雇された。脱退時にムステインは自分の曲を使わないよう求めたが、1st・2ndにはムステインのクレジットされた楽曲が収録されている(例えば、メタリカの1st収録の“The Four Horsemen”とメガデスの1st収録の“Mechanix”は異名同曲であり、デモテープ“No Life Till Leather”に入っている“Mechanix”をオリジナルとする)。
メタリカ時代のエピソードとしては、ムステインvsジェイムズとロンの派手な喧嘩がよく語られる。ロンの車(ポンティアックGTO)をムステインの犬が引っ掻いたため、ジェイムズがその犬を蹴ったことから口論となり、ムステインは、ジェイムズの顔面を殴り、背後から飛びかかってきたロンを部屋の反対側まで投げ飛ばした。ムステイン、ジェイムズ、ラーズ、ロン、それぞれの言い分は若干異なるものの、この件によって、ムステインと他のメンバーとの間にあった軋轢が表面化し、ムステインの解雇へつながることとなった(出典『Mustaine: A Heavy Metal Memoir』It Books 2010年)。
この解雇により長年確執を抱いているとされていた両者だったが、2004年に公開されたメタリカのドキュメンタリー映画「Some Kind OF Monster」内で、ラーズとデイブが対面し過去の出来事を真摯に受け止める様子が記録されている。
そして2010年から2011年にかけて、BIG 4が一堂に会するライブツアー「The Big 4」が行われ、ついにメタリカとメガデスが同じステージ上で共演することとなった。さらにその後、メタリカ30周年を記念したライブで、ゲストギタリストとして出演。およそ30年ぶりにメタリカのメンバーとして共演を果たした。
2009年にはロックの殿堂入りにて現ベースのロバートを含めた5人のメンバーで「Master of Puppets」、「Enter Sandman」を演奏。これによりメタリカ史上初の新旧ベーシスト共演が実現した。その後も2011年に数日に渡って行われた30周年記念ライブにも登場し、5人のラインナップで数曲共演するなど現在の関係は良好である。
^George-Warren, Holly; Pareles, Jon; Romanowski, Patricia, eds (2001) [1983]. Rolling Stone Encyclopedia of Rock & Roll. Touchstone. p. 642. ISBN978-0-743-20120-9
^ abcPhillips, William; Cogan, Brian (2009). Encyclopedia of Heavy Metal Music. Santa Barbara, California: ABC-CLIO. pp. 160-162. ISBN978-0-313-34801-3
^McPadden, Mike (2012). If You like Metallica...: Here Are Over 200 Bands, CDs, Movies and Other Oddities That You Will Love. Backbeat. p. 130. ISBN978-1-476-81358-5