ステュムパーロス(古希: Στύμφαλος, Stymphālos)は、ギリシア神話の人物。ステュンパーロス、長母音を省略してステュムパロス、ステュンパロスとも表記される。アルカディアー地方の人物で、主に、
が知られている。以下に説明する。
リュカーオーンの子
このステュムパーロスは、アルカディアー地方の王リュカーオーンの50人の息子の1人。他の兄弟たちと同様に残虐な性格の持ち主だったために、ゼウスに滅ぼされた[1]。
エラロスの子
このステュムパーロスは、アルカディアー地方の王エラトスとキニュラースの娘ラーオディケーの子で[2]、アイピュトス、ペレウス、キュレーン、イスキュスと兄弟[3]。アガメーデース、ゴルテュス[4]、アゲラーオス[5]、パルテノペーの父。パルテノペーはヘーラクレースとの間にエウエーレースを生んだ[6]。
ステュムパーロスはアルカディアー地方の同名の都市ステュムパーロスを建設し、王となって支配した[7]。後にステュムパーロスはペロプスに攻撃されたとき、町を守り抜いた。しかしペロプスは友好の席にステュムパーロスを招いて謀殺し、ステュムパーロスを切り裂いて大地にばらまいた。この忌わしい行為によりギリシアに飢饉が起こったが、敬虔なアイアコスが祈りを捧げたために救われた[8]。
一説によれば、ヘーラクレースが退治したステュムパーロス湖の怪鳥はステュムパーロスがオルニスとの間にもうけた娘たちで、彼女たちはヘーラクレースを拒んでモリオネを歓迎したため、ヘーラクレースに殺されたという[9][10]。
系譜
脚注
- ^ アポロドーロス、3巻8・1。
- ^ アポロドーロス、3巻9・1。
- ^ パウサニアース、8巻4・4。
- ^ パウサニアース、8巻4・8。
- ^ パウサニアース、8巻35・9。
- ^ アポロドーロス、2巻7・8。
- ^ パウサニアース、8巻22・1。
- ^ アポロドーロス、3巻12・6。
- ^ ロドスのアポローニオス、2巻1052行への古註。
- ^ 高津春繁『ギリシア・ローマ神話辞典』p.138a。
参考文献