いもなます

いもなます(芋膾)は、を使った料理

本項では長野県北信地方に伝わるいもなますと、江戸料理のいもなますの2種類について述べる。

長野県北信地方のいもなます

いもなますが伝わる北信地域飯山市[1]中野市[2]下高井郡山ノ内町[3]木島平村[4]野沢温泉村[5]下水内郡栄村[6])。このほか須坂市[7]などでも見られる。

長野県北信地方、飯山市などに伝わる郷土料理[8]、飯山市ではこれを市の選択無形民俗文化財に選択している[9]

千切りにして水にさらしたジャガイモを炒めて作る[1][10]冠婚葬祭のもてなしに、あるいは精進料理として供される[8]

調理法

出典[10][1]による。

  1. 皮をむいたジャガイモを千切りにし、水にさらしてデンプンを抜く。
    • 千切りの細さはマッチ棒程度。
    • 水にさらす時間は2時間ないし12時間程度。ときどき水を替える。デンプンを抜くと白く変色する。
  2. 鍋に多めのを引き、水気を取った1を炒める。イモが透明になったら砂糖を入れ、水気を飛ばす。
    • 炒め過ぎは本料理の特徴であるシャキシャキとした食感を失わせることになるため避ける。

味付けは醤油唐辛子カレー粉など家庭によって異なる[10]ニンジンを入れると彩りが良くなるが、葬儀の際は避ける[1]

江戸料理のいもなます

池波正太郎の小説『鬼平犯科帳』でも知られる江戸料理で[11]、古くは戦国時代の料理書『武家調味故実』にも見える[12]。蒸して皮をむいたサトイモの上にを載せて作る[11]

調理法

池波正太郎の江戸料理帳[11]による。

  1. 洗ったサトイモを皮のまま蒸し、柔らかくなったら皮をむく。
  2. スズキなど)をさばいて細切りにし、塩をなじませ、水気をふき取り、調味料で味を付ける。
  3. 食器に盛り付け、針ショウガ・うま酢をかける。

脚注

  1. ^ a b c d いもなますを作ろう!”. 信州いいやま観光局. 2019年5月24日閲覧。
  2. ^ なっちょポータル 四季の郷土料理 ~春~”. なっちょ (2019年5月9日). 2019年5月25日閲覧。
  3. ^ 信州の旅.com 須賀川そば -山ノ内町-”. ネットウェーブ. 2019年5月25日閲覧。
  4. ^ ふるさとづくり推進ポータルサイト ふるさとデジタル図書館 いもなます”. 総務省. 2019年5月25日閲覧。
  5. ^ “野沢菜尽くしの交流会 - 200人が参加して蕪主総会<野沢温泉村>”. 北信濃新聞 (北信濃新聞社). (2011年11月12日). http://www.kitashinano.com/archive/2011/11/2011_11_12.html 2019年5月25日閲覧。 
  6. ^ 栄村食文化レシピ”. 栄村 (2019年1月22日). 2019年5月25日閲覧。
  7. ^ 須坂のうまいもん いもなます(郷土料理)”. いけいけすざか. 2019年5月25日閲覧。
  8. ^ a b コトバンク いもなますとは(デジタル大辞泉プラスの解説)”. 2019年5月24日閲覧。
  9. ^ 指定文化財リスト”. 飯山市 (2018年2月7日). 2019年5月25日閲覧。
  10. ^ a b c 信州ふーどレシピ いもなます”. 長野県. 2019年5月24日閲覧。
  11. ^ a b c 池波正太郎の江戸料理帳 第13話 鬼平犯科帳5「兇賊」 芋膾”. 日本映画放送. 2019年5月24日閲覧。
  12. ^ a b コトバンク 芋膾とは(精選版 日本国語大辞典の解説)”. 2019年5月24日閲覧。

関連項目