自由民主党シャドウ・キャビネット(じゆうみんしゅとうシャドウ・キャビネット)は自由民主党が2010年9月22日[1]に設置した政策決定機関である。英文名は"LDP Shadow Cabinet"(SC)[1]。2012年に自民党が政権復帰したことにより廃止された。
概要
シャドウ・キャビネット(SC)は政府与党に対抗する組織として自民党内の政策決定権を持つ機関とし、党総裁を「影の首相」、党政務調査会長を「影の官房長官」とした。「影の大臣」は党政務調査会の各部会長を、「影の副大臣」は各部会長代理を充てる[2]こととし、「影の閣僚」の人数は内閣法で定められた閣僚定員を超えない数の17人とした。週一回程度の「閣議」を開催していた。
過去に、日本社会党(シャドーキャビネット)、新進党(明日の内閣)、民主党(次の内閣)といった政権交代を狙う野党第1党が政策決定機関を影の内閣に模した組織とする試みはあったが、政権担当経験のある野党が影の内閣を組織するのは日本初[3]となるため、谷垣総裁は「日本初の本格的なシャドウ・キャビネットである」としている。
沿革
自由民主党は2009年(平成21年)8月の衆議院選挙で敗北し、翌月、野党となった。直後の党総裁選挙で総裁に選ばれた谷垣禎一は政権奪還への意欲から「シャドウ・キャビネット(影の内閣)を作る必要がある」[4]と発言して党政策決定機関の改組について党内で検討を重ねた。
2010年(平成22年)4月、党選挙対策本部の下に政権奪還に向けた対策として影の内閣を模した「政権力委員会(ネクスト・ジャパン)」を設置した。英文は"Next Japan"(ネクスト・ジャパン[5])。担当・副担当に党の政策分野ごとのリーダー、次世代のリーダーを配し、党に政権を作っていく力、政権力があることを示した。同時に、テレビなどのメディアにおいても、それぞれの政策分野の代表として担当・副担当が積極的にディベートを行い、党の政策の優位性をアピールする、「チーフ・ディベーター」としての役割を果たす事を目的とした。ただ、この政権力委員会は試行段階、先行段階という位置づけの機関として、2010年7月の参議院選挙後にさらに検討を重ねて案がまとまれば来年の党大会で正式な機関とするという方向であった[6]。
2010年(平成22年)7月に実施された参議院選挙で自民党は改選議席で第1党となった。同年9月の党役員人事刷新後、党政務調査会との一体化が必要との判断のもと、シャドウ・キャビネット(SC)の設置を決めた。9月21日に「影の閣僚」名簿を内定、発表し、翌22日に初会合を開き、発足した。なお、シャドウ・キャビネットの設置に伴い、機能が重複する機関である上記の政権力委員会(ネクスト・ジャパン)と政権政策委員会を廃止した。
2012年(平成24年)10月には、同年9月に総裁に選出された安倍晋三が新たなシャドウ・キャビネットを発足させた。
閣僚名簿
谷垣禎一「ネクスト・ジャパン」(政権力委員会)
2010年4月6日設置。同年9月廃止。
谷垣禎一「シャドウ・キャビネット」(SC)
2010年9月22日発足。
※1 2011年7月8日就任。同年6月23日までは岩屋毅が在任。
※2 2010年10月1日就任。
※3 同年6月23日までは河野太郎が在任。
第二次谷垣禎一「シャドウ・キャビネット」(SC)
2011年10月14日発足。
※4 2012年9月11日までは松浪健太が在任。
総理大臣補佐官
安倍晋三「シャドウ・キャビネット」(SC)
2012年10月22日発足。同月25日副大臣・副長官等追加発表。
総理大臣補佐官
脚注
関連項目
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前身: 自由党・日本民主党 |
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保守本流 |
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宏池会(池田派 → 前尾派 → 大平派 → 鈴木派 → 宮澤派) → 木曜研究会(加藤派 → 小里派 → 谷垣派 → 古賀派に合流×) 、※新財政研究会(堀内派 → 丹羽・古賀派) → 宏池政策研究会(古賀派 → 岸田派 → ×)、※大勇会(河野派) → 為公会(麻生派) → 志公会(麻生派)、※有隣会(谷垣グループ → ×)
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木曜研究会(佐藤派) → 周山会(佐藤派) → 周山クラブ(保利グループ → 福田派に合流×)、※七日会(田中派) → 政治同友会(田中派) → 木曜クラブ(田中派 → 二階堂派 → ×)、※経世会(竹下(登)派 → 小渕派) → 平成政治研究会(小渕派) → 平成研究会(小渕派 → 橋本派 → 津島派 → 額賀派 → 竹下(亘)派 → 茂木派)、※改革フォーラム21(羽田・小沢派 → 新生党に合流×)
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白政会(大野派) → 睦政会(大野派) → 一新会(船田派 → ×)、※一陽会(村上派) → 巽会(水田派 → ×)
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保守傍流 |
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十日会(岸派 → ×)、※党風刷新懇話会 → 党風刷新連盟 → 紀尾井会(福田派) → 八日会(福田派) → 清和会(福田派 → 安倍(晋太郎)派 → 三塚派) → 21世紀を考える会・新政策研究会(三塚派 → 森派) → 清和政策研究会(森派 → 町村派 → 細田派 → 安倍(晋三)派 → ×)、※政眞会(加藤派 → 新生党に合流×)、※愛正会(藤山派 → 水田派に合流×)、※(南条・平井派 → 福田派に合流×)、※交友クラブ(川島派 → 椎名派 → ×)、※(亀井グループ → 村上・亀井派に合流×)
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春秋会(河野派 → 森派 → 園田派 → 福田派に合流×)、※新政同志会(中曽根派) → 政策科学研究所(中曽根派 → 渡辺派 → 旧渡辺派 → 村上派 → 村上・亀井派に合流×) → 志帥会(村上・亀井派 → 江藤・亀井派 → 亀井派 → 伊吹派 → 二階派 → ×)、※近未来政治研究会(山崎派 → 石原派 → 森山派 → ×)、※さいこう日本(甘利グループ)、※国益と国民の生活を守る会(平沼グループ → 日本のこころに合流×)
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政策研究会(松村・三木派) → 政策同志会(松村・三木派) → 政策懇談会(松村・三木派 → ) → 政策懇談会(三木派) → 新政策研究会(河本派) → 番町政策研究所(河本派 → 高村派 → 大島派 → 山東派 → 麻生派に合流×)、※(松村派 → ×)、※(早川派 → 福田派に合流×)
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火曜会(石橋派)、二日会(石田派 → 三木派に合流×)
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青嵐会 |
青嵐会、自由革新同友会(中川グループ → 石原グループ → 福田派に合流×)
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保守新党 |
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83会 |
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水月会 |
さわらび会(石破グループ) → 水月会(石破派 → 石破グループ)
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無派閥 |
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※は派閥離脱、太字は現在への系譜、括弧内矢印は派閥継承。 |
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