広島県立広島国泰寺高等学校
広島県立広島国泰寺高等学校(ひろしまけんりつ ひろしまこくたいじこうとうがっこう、英: Hiroshima Prefectural Hiroshima Kokutaiji High School)は、広島県広島市中区国泰寺町に所在する県立高等学校。 概要歴史1877年(明治30年)創立の「広島県立第一中学校」(旧制中学校)を前身とする。2017年(平成29年)に創立140周年を迎えた。 設置課程・学科
校訓
旧制中学時代に既に定められていた三訓をそのまま継承している。戦後永く「質実剛健」「礼節気品」のニ訓とされていた。戦前の学寮制から続く「自治協同」に関してはGHQによる指導により長らく排除されていたが2005年を境に明文化された[3]。 校章楠の葉三枚と鷹の羽2枚を組み合わせて図案化したもの。原子爆弾投下前、近くにあった国泰寺(戦後移転)の大楠を象徴化したものである「楠の葉」と、国泰寺が浅野氏の菩提寺であるところから浅野氏の家紋である「鷹の羽」で構成されている。また、楠は香気高く、永遠に変わらぬその操守、気品を、鷹は剛健・質実・責任を象徴している。鷹のイメージが教育目標の「質実剛健」になり、楠のイメージが「礼節気品」になった[4]。 校歌旧制中学時代の軍国主義色濃厚な校歌を廃止、1950年(昭和25年)に制定。歌詞は全日制・定時制の両生徒と職員に募集され、当時定時制に在学していた堀田晃の作品が採用され、音楽教諭の白井威彦が曲をつけた。歌詞は3番まであり、校名は登場しない。 なお同校では旧制中学時代より「鯉城の夕」(児玉琢四朗 作詞)がいわゆる「第二の校歌」として継承されているが[5]、こちらにも校名は登場しない[6]。また、「征け友よ」という応援歌のようなものもある。 校風スクールカラーは紫である。昔から「一中魂」と呼ばれる、いわゆる硬派、一方で自治協同の自由闊達な校風として地元で知られてきたが、特に平成に入ってから、侵略、暴力的なイメージ、内容を持つ「一中魂」は嫌われ、継承されてきた多くの応援歌などとともに衰退した。上述「鯉城の夕」についても応援団の消滅とともに一時、全く歌われないものになっていた。しかし近年、卒業生教員らによって、侵略、暴力的な内容部分を排した「一中魂」が復活、「鯉城の夕」も再び学校公式行事の場で歌われるようになっている[7]。今日、学校の公式発表でも「旧制広島一中以来の人間教育の伝統を受け継ぎ、社会の至宝となるべき有為の人材を育成する。」をミッションとし、文武両道の校風のもと、名門校復活の学校改革に積極的に取り組むとしている[8]。 施設・設備校舎300号棟(5階建て)と400号棟(4階建て)の二つの校舎があるが、どちらも老朽化が目立つ。2006年(平成18年)から400号棟のリフレッシュ工事が行われ、2007年(平成19年)3月に完了した。また、2022年には2018年6月に大阪で発生した外壁の倒壊事故をうけ外壁の工事が行われた。 2012年、300号棟そばに設置されていたプールを撤去し鯉城会館が設立された。令和4年までは同窓生むけに宿泊事業をしていたが、廃止された。[9]現在では、外部講師を招いて講演を行ったり、科学部の研究発表に用いられている。同年には300号棟にエレベーターが設置された。 体育館体育館のある建物は2階建てで、1階には柔道部、剣道部、レスリング部の競技場や用具倉庫、シャワールームがあり、2階には一般的な大きさの室内競技場がある。 同窓会新制高等学校発足時の校名にちなみ「鯉城同窓会」(りじょう)と称している。地元広島の同窓会のみならず、東京などにも分会があり、その活動は盛んである。同窓会幹事(当番幹事)は卒業時、各学級ごとに数名決められ、23年後にクラスメートに連絡、有志を募り1年間、総会などの同窓会活動を担当する。これはちょうど男性のいわゆる「厄年」にあたるように設定されており、いわゆる「厄祓い」「げんかつぎ」とされている[10]。 姉妹校
沿革
旧制中学校
新制高等学校
部活動文化系部
体育系部
理数ゼミ趣旨
概要理数ゼミ活動とは、放課後に各教科(物理・生物・ソリューション・化学・数学・天文地学)のグループに分かれて、様々な研究をするというものである。イメージ的には部活動と同じである(部活動扱いのときもある)。しかし、利便上、校外で発表するときなどは「理数ゼミ…班」ではなく、「科学部…班」と名乗る事が多い。 部活動と異なる点は、顧問である国泰寺高校の教員の他に、TA(ティーチングアシスタント)として地元大学から院生や教員を招き、研究の指導・助言等を依頼している点である。理数ゼミ活動はスーパーサイエンスハイスクールの一環であり、理数コースの生徒は全員所属している(普通コースの生徒も一部所属)。また、1年に一度、SSH事業報告会の中で研究発表が行われる。 主なイベント参加コンテスト等
これまでの大きな研究成果これまで大きな成果をあげた研究としては、物理班の「水中の泡の運動」(JSEC2005でアジレント・テクノロジー賞受賞)や「単振り子の運動は、単純か?〜単振り子の振動周期の長期的変動の謎を追って〜」(JSEC2006で横河電機賞、審査員奨励-賞基礎研究部門-受賞)、ソリューション班のKNOPPIXを利用したMPIの研究(JSEC2004で優秀賞受賞)、生物班のオオサンショウウオのDNA解析、天文地学班の「惑星状星雲の観測提案」(すばるマカリィスクール最終審査出場(2005年))などがある。特に物理班は、3年連続国際学生科学技術フェア(ISEF)(世界大会)に出場・派遣されるなど多くの成果をあげている。 各班の主な研究・活動内容
生徒指導校則
キャンペーン
著名な出身者・関係者→「広島県立広島国泰寺高等学校の人物一覧」を参照
交通アクセス最寄りの鉄道駅
最寄りのバス停周辺脚注
関連項目
外部リンク
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