この項目では、日本福岡県の市について説明しています。1986年~1995年の間に韓国忠清南道にあった大川市については「保寧市 」をご覧ください。
大川市 (おおかわし)は、福岡県 南西部にある市 。筑後地方 に属している。家具 の大生産地(大川家具 )として知られる。
地理
大川市中心部周辺の空中写真。 2008年5月3日撮影の10枚を合成作成。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービス の空中写真を基に作成。
筑後川に面した九網と遠くに広がる大川市街地(新田大橋から)
福岡県の南西部に位置し、福岡市 から西鉄天神大牟田線 の電車とバスを乗り継いで1時間強である。市の西部を筑後川 が北東から南西へと流れ、これが家具の町を形成した主因である。また市の中心部を花宗川 が流れ、筑後川へ注いでいる。木工関連産業や商業施設が多数集積しており、独立した経済圏を形成している。福岡県久留米市 への通勤率は8.1%である(平成22年国勢調査 )。
市域全体が筑後平野 の一角をなしており、地形は平坦である。
東端:東経130度25分25秒 (中八院)
西端:東経130度20分22秒 (大野島)
南端:北緯33度10分15秒 (紅粉屋)
北端:北緯33度14分41秒 (道海島)
河川
橋
島
隣接する市町村
福岡県
佐賀県
人口
大川市と全国の年齢別人口分布(2005年)
大川市の年齢・男女別人口分布(2005年)
■ 紫色 ― 大川市■ 緑色 ― 日本全国
■ 青色 ― 男性■ 赤色 ― 女性
大川市(に相当する地域)の人口の推移
1970年 (昭和45年)
51,637人
1975年 (昭和50年)
50,395人
1980年 (昭和55年)
49,537人
1985年 (昭和60年)
47,837人
1990年 (平成2年)
45,704人
1995年 (平成7年)
43,341人
2000年 (平成12年)
41,338人
2005年 (平成17年)
39,213人
2010年 (平成22年)
37,448人
2015年 (平成27年)
34,838人
2020年 (令和2年)
32,988人
総務省 統計局 国勢調査 より
地名
旧大川町
旧三又村
鐘ヶ江 かねがえ
下林 げばやし
下青木 しもあおき
道海島 どうかいじま
中古賀 なかこが
諸富 もろどみ
旧川口村
九網 くあみ
新田 しんでん
津 つ
一木 ひとつき
紅粉屋 べにや
旧田口村
上巻 あげまき
鬼古賀 おにこが
北古賀 きたこが
郷原 ごうばる
坂井 さかい
幡保 はたほ
三丸 みつまる
旧木室村
大橋 おおはし
荻島 おぎしま
上白垣 かみしらがき
下木佐木 しもきさき
下白垣 しもしらがき
下八院 しもはちいん
下牟田口 しもむたぐち
中木室 なかきむろ
中八院 なかはちいん
本木室 ほんきむろ
旧大野島村
歴史
若津港と花宗水門
若津港導流堤(デ・レーケ導流堤)
大川橋
江戸時代以前
近代
第二次世界戦後
※参考文献『大川市史』
市町村合併
「昭和の大合併」で市となった。「平成の大合併」では、隣接する大木町との合併を目指し、2004年 (平成16年)4月1日 に大川市・大木町合併協議会を設立したが、2005年 (平成17年)1月26日 に解散した。また、同じく隣接する柳川市との合併を模索したが、実現には至っていない。
行政
市長
代
氏名
就任年月日
退任年月日
備考
初-3
龍野喜一郎
1954年5月10日
1966年5月9日
4-6
中村太次郎
1966年5月10日
1976年4月17日
7-8
古賀龍生
1976年5月30日
1984年5月29日
9-10
中村晃生
1984年5月30日
1989年6月7日
衆院選 出馬のため辞職
11
山崎健
1989年7月23日
1993年7月22日
12-13
福永邦男
1993年7月23日
2001年7月22日
14
江上均
2001年7月23日
2005年7月22日
15-16
植木光治
2005年7月23日
2013年7月22日
17
鳩山二郎
2013年7月23日
2016年9月9日
衆院補選 出馬のため辞職
18-19
倉重良一
2016年10月23日
2024年10月22日
消防
(大川市消防本部 は2019年3月31日廃止)
警察
議会
市議会
定数:14人
任期:2023年4月30日 - 2027年4月29日
衆議院
産業
第一次産業
農産物
水産物
第二次産業
家具 ・建具 (大川市の基幹産業)
大川市とその近隣(福岡県 柳川市 、大木町 など)地域に家具関連の木工製造業者が300以上集まっている。源流は筑後川や有明海の水運に使われた船をつくった船大工 にある[ 3] 。市内を見渡すと必ず家具関連の施設が目に入るほどで、特に大川家具工業団地と呼ばれる企業の密集地帯は大川市を代表する企業の倉庫や工場がずらりと並ぶ。大川市だけでなく、隣接地域にも家具関連の企業が非常に多い。住宅様式の変化による据付け家具の増加、低価格な外国産の家具の増加、少子化 による学習机 の需要の減少、結婚 の様式の変化に伴う婚礼家具などの需要が減少。市内や周辺木工所などでは、廃業や倒産の連鎖が問題となる。大川市の家具生産額は2014年で約312億円と、1991年に比べ4分の1の規模に縮小した。打開策として、高い加工技術を要するデザイン性が高い家具や内装品の請負(JR九州 「ななつ星 in 九州 」にも採用)、猫 用の小さな家具製作による技術力のアピールなどに取り組んでいる[ 3] 。大川市も産官学連携 を促すなどして、インテリア産業の復興を模索している[ 4] 。
主な家具関連企業
(株)関家具、(株)松田家具、(株)サカイ工芸、(株)マーゼルン、大丸木工(株)、(株)上久商店、内田工芸(株)、(株)HARA TECH JAPAN、アートウッド(株)、不二貿易(株)、(株)馬場木工、(株)アルファタカバ、大丸木工(株)
オーダー ※完全受注生産企業
岡家具工業(株)、(株)河口家具製作所、古賀清木工(株)、(株)園田産業、マルセイリビング(株)、(株)マルヨシ民芸家具
近年は通信販売に力を入れる企業が多く、完全に製造を断ち切って専業とする企業も少なくはない。特に近隣には家具関連企業が密集していることから、上記で挙げたような企業に在庫を持たせていても、即座に仕入れることが出来る強みがある。
日本酒 、酢
第三次産業
ゆめタウン大川
医療 、福祉 、教育 、娯楽
娯楽施設
商業施設
姉妹都市
大川市とイタリアの家具工業界どうしの交流が契機。大川市から同様の家具の街であるポルデノーネに提携を打診。
教育
国際医療福祉大学大川キャンパス
大学
私立
専門学校
私立
高等学校
中学校
市立
廃校
大川中学校 (2020年大川桐英中学校に統合)
大川南中学校(同上)
大川東中学校(2020年大川桐薫中学校に統合)
三又中学校(同上)
小学校
市立
幼稚園
市立
私立
白鷺幼稚園(酒見)
梅花幼稚園(榎津)
一木幼稚園(一木)
三又幼稚園(中古賀)
若津幼稚園(向島)
保育園
市立
私立
大川保育園(向島)
かささぎ保育園
木室保育園
清力保育園(鐘ヶ江)
田口保育園
風浪宮保育園(酒見)
むつごろう保育園
あそか保育園(小保)
金融機関
大川信用金庫本店
銀行
大川信用金庫 本店、酒見支店、川口支店、田口支店、鐘ヶ江支店、木室支店。ATMコーナー:ゆめタウン大川店内、若津ATMコーナー
筑邦銀行 大川支店
西日本シティ銀行 大川支店、ATMコーナー:ゆめタウン大川店内
福岡銀行 大川支店、ATMコーナー:大川市役所内、ゆめタウン大川店内、高木病院内
福岡中央銀行 大川支店
佐賀銀行 大川支店
郵便局
ゆうちょ銀行熊本支店 ゆめタウン大川内出張所(ATM)
防災行政無線
交通
有明海沿岸道路・有明筑後川大橋
空港
最寄り空港は佐賀空港 であり市中心部から約15km。大川市役所前発着のリムジンタクシーがある。
発着路線数・便数の面で福岡空港 のほうが利便性が高いが福岡空港と大川市内を直結する交通機関は存在しない。
鉄道
1987年 に国鉄佐賀線 が廃止されたことにより現在市内に鉄道路線は通っていない。
最寄り駅は市中心部並びに南部では柳川市 にある西鉄天神大牟田線 西鉄柳川駅 、市東部は大木町 にある八丁牟田駅 、柳川市にある蒲池駅 、市北部は久留米市 にある大善寺駅 である。蒲池駅以外の3駅と佐賀駅 からはバスが運行している。
かつては以下の路線が存在した。
佐賀線 - 1933年開業(大川市内)、1987年廃止。大川市内には筑後若津駅 、筑後大川駅 、東大川駅 の3駅があった。
西鉄大川線 (前身:三潴軌道→大川鉄道) - 1912年開業、1951年に筑後川河川改修工事のため休止ののち復活せず1966年に廃止となった。廃線跡として新橋水門付近に橋脚が残っている。
三潴軌道 - 1909年開業、1930年廃止。
道路
高速道路
※有明海沿岸道路は無料で通行可能であるが、全国的な高速道路網とは直接つながっていない。なお、全国的な高速道路網につながっている高速道路の最寄りインターチェンジは九州自動車道 八女IC である。
一般国道
主要地方道
一般県道
路線バス
西鉄バス久留米 により以下の4路線が1時間に1-2本運行されている(カッコ内の太字 は大川市内の主要な経由地)。
(詳細:大川市内の路線バス案内 - 大川市)
路線バス(廃止路線)
若津 - 蒲池駅
若津 - 本木室 - 城島町江上(現、久留米市) - 西鉄大善寺駅
若津 - 東町 - 中原 - 八丁牟田 - 羽犬塚駅(21世紀初頭頃まで大野島農協前行きと1時間毎に交互に運行していた)
大川橋 - 小保 - 九網 - 紅粉屋入口 - 北間 - 沖端 - 西鉄柳川駅
西鉄柳川駅 - 中原 - 諸富橋 - 早津江 - 佐賀空港
西鉄柳川駅 - 筑後川昇開橋(若津)
おおかわ愛のりバス(生活支援バス)
無料運行される福祉バス。各地区週3日運行。対象は高齢者、障碍者のみで運賃無料。
名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事
風浪宮
旧吉原家住宅
古賀政男記念館
高橋家住宅母屋・庄分酢
吉原義郎家住宅と小保の通り
三潴銀行記念館(九州貨幣博物館)
大川市立清力美術館
大川市文化センター
おおかわ交流プラザ
文化財
重要文化財(国指定)
福岡県指定文化財
福岡県指定有形民俗文化財
天然記念物(国指定)
福岡県指定天然記念物
大川市指定文化財
久留米藩 御用絵師画稿類など
旧清力酒造株式会社事務所(現在は市立清力美術館)
旧三潴銀行本店(現在は、三潴銀行記念館・九州貨幣博物館)
宗教施設
神社
風浪宮 (酒見)
正一位稲荷大明神
水天宮 (榎津、上新田)
三柱神社 (向島 )
日吉神社
小保八幡神社 (小保)
住吉神社(小保)
大海神社 (榎津)
江神社(下新田)
仏閣
博物館など
市立清力美術館
市立古賀政男記念館
三潴銀行記念館
温泉施設
年間行事・祭事
風浪宮例大祭(2月上旬)
肥後街道を行く(4月下旬)
筑後川昇開橋スタンプラリー/筑後川フェスティバルin大川/昇開橋まつり(5月下旬)
大川花火大会(8月上旬から中旬ごろ)
大川木工まつり(10月上旬)
雲助道中(若津地区のみ)
著名な出身者
大川市が登場または舞台となる作品
電話
市外局番は0944(瀬高MA)
脚注
出典
外部リンク
ウィキメディア・コモンズには、
大川市 に関連するカテゴリがあります。