大和郡山市(やまとこおりやまし)は、奈良県北部にある市。
金魚の名産地として全国に知られ、「全国金魚すくい選手権大会」が毎年開催され[2]、漫画『すくってごらん』の舞台にもなっている[3]。
地理
大和郡山市は奈良盆地北部に位置し、佐保川や富雄川が南流している。市域は概ね平坦だが、富雄川以西では矢田丘陵が広がるため起伏が大きくなっている。また市内には池が数多く見られるが、これはため池や金魚の養殖池として用いられていたものである。
古くからの市街地は近鉄郡山駅やJR郡山駅周辺に広がり、現在でも細かな路地が入り組んでいる。佐保川の東側の稗田集落は、中世的な環濠集落の姿を留めていることで知られている。
隣接している自治体
河川
歴史
古代の大和国添下郡村国郷、矢田郷、添上郡大宅郷、平群郡額田郷の地である。延喜式内の矢田坐久志玉比古神社(矢田町)や菅田神社(八条町)、菅田比売神社 (筒井町)、賣太神社(稗田)が鎮座する。
都市の形が形成されたのは、戦国時代末期に筒井順慶が郡山城に拠り、その城下町が発達してからである。順慶亡き後1585年に豊臣秀長(当時羽柴秀長)が郡山城に入り、郡山はこの時期大和国の中心都市として栄えた。
江戸時代に入ってからは一時奈良奉行所の管轄となったが荒廃する。大坂夏の陣後に同戦役で活躍した水野勝成が入り、以後松平忠明に始まる松平家、本多政勝に始まる本多家と続き、享保9年(1724年)には、享保の改革における幕府直轄領拡大政策に際して甲斐国が幕領化され甲府藩藩主であった柳沢吉里が転封され、明治維新まで柳沢氏が郡山藩藩主家として一帯を統治した。また、片桐且元または片桐貞隆に始まる片桐氏が市内、小泉町の小泉陣屋に入り、小泉藩(片桐藩)藩主となった。
版籍奉還・廃藩置県に始まる紆余曲折を経て、1887年に奈良県が再設置された。1889年の町村制実施で8つの町村(郡山町、筒井村、矢田村、本多村、平端村、治道村、平和村、片桐村)が誕生。1896年に添下郡と平群郡が合併、生駒郡が成立、現在の大和郡山市役所に生駒郡役場が置かれた。
沿革
市域の変遷
明治22年 |
明治29年 |
昭和10年 |
昭和16年 |
昭和25年 |
昭和28年 |
昭和29年 |
昭和32年 |
現在
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奈良県
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添下郡 |
生駒郡 |
大和郡山市 |
大和郡山市
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郡山町 |
郡山町 |
郡山町
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筒井村
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矢田村
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平群郡 |
平端村 |
昭和村
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平端村
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本多村
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添上郡
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治道村
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平和村
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添下郡 |
生駒郡
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片桐村 |
片桐町
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行政
なお、衆議院議員選挙の選挙区は「奈良県第2区」、奈良県議会議員選挙の選挙区は「大和郡山市選挙区」(定数:3)となっている[10]。
経済
金魚
市では、江戸時代より武士の副業として始められた金魚の養殖が大変に盛んであり、輸出もされている。山形県の庄内金魚と市場を大きく二分するほどのシェアを誇る。しかし、最近では後継者不足や市場の低迷から廃業して養殖池を宅地などに転用する業者が相次いでおり、かつては市内のあちこちに見られた養殖池は年々減少。この事から近年では市の後援や地元の業界団体などにより「全国金魚すくい選手権大会」などが開催されるなど、市場の活性化に向けた様々な試みが行われている。
昭和工業団地
市南部の昭和地区には、昭和40年代頃から多くのメーカーの工場が誘致され、現地では昭和工業団地として知られる。この工業団地の周辺には西名阪自動車道が存在する。
市内にある主なメーカー・企業
商業施設
金融機関
- 南都銀行 郡山支店(南郡山町)、矢田南出張所(小泉町)、筒井支店(筒井町)、中央市場支店(筒井町)
- 京都銀行 大和郡山支店(南郡山町)
- りそな銀行 やまと郡山支店(高田町)、小泉支店(小泉町)
- 奈良信用金庫 本店(南郡山町)、小泉支店(小泉町)、筒井支店(筒井町)
農業協同組合(JAならけん)
- 郡山支店(北郡山町)
- 平和支店(美濃庄町)
- 治道支店(発志院町)
- 矢田支店・郡山経済センター(外川町)
- 昭和支店(昭和町)
- 片桐支店(池之内町)
日本郵政グループ
(2013年7月現在)
- 日本郵便株式会社
- 大和郡山郵便局(杉町) - 集配局
- 大和郡山九条郵便局(九条町)
- 大和郡山本町郵便局(本町)
- 近鉄郡山駅前郵便局(朝日町)
- 大和郡山高田郵便局(高田口町)
- 平和郵便局(美濃庄町=みのしょうちょう)
- 大和郡山矢田郵便局(矢田町)
- 大和郡山西田中郵便局(新町)
- 大和郡山小泉郵便局(小泉町)
- 大和郡山筒井郵便局(筒井町)
- 奈良県中央卸売市場内郵便局(筒井町)
- 昭和郵便局(額田部北町=ぬかたべきたまち)
- 外川(とがわ)簡易郵便局(外川町)
- 大和郡山小林簡易郵便局(小林町)
- 治道(はるみち)簡易郵便局(横田町)
- 大和郡山発志院(はっしいん)簡易郵便局(白土町=しらつちちょう)
- ゆうちょ銀行
- 大阪支店 アピタ大和郡山内出張所(田中町)(ATMのみ/ホリデーサービス実施)
- 大阪支店 イオンモール大和郡山内出張所(下三橋町)(ATMのみ/ホリデーサービス実施)
- その他簡易郵便局を除く各郵便局にATMが設置されており、大和郡山郵便局ではホリデーサービスを実施。
※大和郡山市全域の郵便番号は「639-10xx」「639-11xx」(生駒郡安堵町の全域も同じ/いずれも大和郡山郵便局の集配担当)となっている。
GDP
本市のGDPは4,452万円(2019年度)であり、奈良市に次いで県内2位である[19]。
姉妹都市・提携都市
地域
人口
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大和郡山市と全国の年齢別人口分布(2005年)
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大和郡山市の年齢・男女別人口分布(2005年)
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■紫色 ― 大和郡山市 ■緑色 ― 日本全国
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■青色 ― 男性 ■赤色 ― 女性
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大和郡山市(に相当する地域)の人口の推移
1970年(昭和45年)
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57,456人
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1975年(昭和50年)
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71,001人
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1980年(昭和55年)
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81,266人
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1985年(昭和60年)
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89,624人
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1990年(平成2年)
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92,949人
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1995年(平成7年)
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95,165人
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2000年(平成12年)
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94,188人
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2005年(平成17年)
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91,672人
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2010年(平成22年)
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89,023人
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2015年(平成27年)
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87,050人
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2020年(令和2年)
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83,285人
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総務省統計局 国勢調査より
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- データ出典 奈良県統計課の調査による各年10月1日の人口。
- 2007年10月1日現在:93,452人
- 人口増加率(2002年→2007年):−3.3%
かつては橿原市に次ぎ、県内3位の人口であった。2008年には9万人を割り込んでいる。
県の施設
教育
高等専門学校
高等学校
- 過去にあった高校
中学校
小学校
その他の学校
交通
町の中心部の道路は城下町の町割が残り細い路地が多く迷路のようになっている。
市内を東西に貫く国道25号は昼夜を問わず交通量が多い。
鉄道
JRは大阪駅・天王寺駅・JR難波駅へ直通する。1時間に4本程度の頻度で大和路快速・区間快速が運転されている。朝は本数が多くなる。JR京都駅、新大阪駅へも朝の通勤時間帯に直通が存在する。
バス
夜行高速バス
京成バスと共同運行
道路
高速道路・自動車専用道路
国道
主要地方道
一般県道
市の交通機関
観光
名所・旧跡
博物館施設
寺社
※説明文中の「重文」は国の重要文化財を示す。
祭事
- 記憶力大会(記憶力日本選手権大会)(2月)古事記編纂に携わった稗田阿礼に因んでいる。
- お城まつり(4月)城址の桜が有名
- 大和の夏まつり(8月)
- 全国金魚すくい選手権大会(8月第3日曜日「金魚すくいの日」)
- バサラ祭り(8月)
- 矢田ふる里まつり(10月)
- 親子まつり(11月)
関連人物
出身者
ゆかりのある人物
- 福井敏雄(お天気キャスター)出身地ではないが、気象庁退官後この地に居を構えた。
- 赤塚不二夫(漫画家)終戦後、1945年から1949年までの4年間を前身の郡山町内で暮らした。
- タージン(タレント)全国金魚すくい選手権大会の総合司会(第1回から20回連続)。
- 岩本計介(アナウンサー)郡山高校卒業。
- 小日向えり(タレント)郡山高校卒業。
- 岡田よしたか(絵本作家)大阪府出身で、現在、市内在住。
- 田中邦裕(実業家。さくらインターネット代表取締役社長)1979年から1989年までの約10年間、幼少期を市内で過ごす。大和郡山市立片桐西小学校に通っていた。
- 司茜(詩人)現在、市内在住。
- 河野純喜(アイドル)郡山高校卒業。現在、ボーイズグローバルグループJO1のメンバー。
脚注
参考文献
関連項目
外部リンク