桜井市(さくらいし)は、奈良県中部、中和地域に位置する市である。
縄文時代や弥生時代の土器の欠片が一般の畑などでも見られるなど歴史の深さを窺わせる。また、弥生時代や古墳時代の前方後円墳などの古墳が多く今日まで残る。そのためヤマト王権の中心的な地域であったと考えられ、その前期は三輪王権とも言われるが、今日の三輪地域を指しているとされる。
日本で最も古い神社の一つともいわれる三輪の大神神社、初瀬の長谷寺、多武峰の談山神社、等弥神社などの由緒ある社寺も数多く見られる。宗教的にも歴史が深く古代信仰の形体を知る上でも重要な地区である。また、土舞台(現桜井公園)は日本芸能発祥の地と言われ、“万葉のあけぼのの地”などと呼称されることもある。
地理
市西部および北部は奈良盆地の東南に位置し、寺川や初瀬川(大和川)が流れる比較的平坦な田園地帯で、桜井駅および三輪駅周辺や国道165号沿線を中心として市街地を形成している。南部から東部にかけては竜門山地がそびえ立ち、その冷涼な気候を利用して大和茶や素麺の生産が行われている。なお、山間部の集落では過疎化が著しく、麓の市街地とは対照的な表情を見せている。
隣接する自治体
歴史
市域の変遷
明治22年 |
明治23年 |
明治24年 |
明治25年 |
明治29年 |
昭和17年 |
昭和29年 |
昭和30年 |
昭和31年 |
昭和34年 |
昭和38年 |
現在
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奈良県
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十市郡 |
磯城郡 |
桜井市 |
桜井市 |
桜井市
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大福村
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香久山村
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安倍村 |
桜井町
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多武峰村
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桜井村 |
桜井町 |
桜井町
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式上郡 |
城島村
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城島村
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朝倉村
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上之郷村
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初瀬村 |
初瀬町
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三輪村 |
三輪町 |
大三輪町
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織田村
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纏向村
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行政
市長
市議会
- 議員定数は16名[3]。
- 議会は通常3月、6月、9月、12月の年4回開かれる。
なお、衆議院議員選挙の選挙区は「奈良県第3区」、奈良県議会議員選挙の選挙区は「桜井市選挙区」(定数:2)となっている[4]。
経済
名産・特産
奈良県各地の木材の集散地であるため、製材業が盛んである。そのため“木の町”と有名で[5]、
木材製品の展示会や木材の工作室を子供たちや市民に対して開かれるなど、木材の振興も盛んである。
蜜柑の生産地としても有名で、山間部では蜜柑の生産農家が多い。また副業として手延べ素麺を製造している兼業農家も多く、その手延べ素麺は日本三大手延べ素麺“三輪素麺”として全国に知られ愛好者も多い。
主な企業
金融機関
農業協同組合
- 奈良県農業協同組合(JAならけん)
- 桜井しき・宇陀地区統括部 / 織田支店(芝)
- 桜井支店(外山(とび))
- 三輪支店(三輪)
- 纒向支店(巻野内)
- 初瀬支店(初瀬)
- 上之郷支店(小夫(おおぶ))
- 大福支店(大福)
日本郵政グループ
(※2014年6月現在)
- 桜井郵便局(粟殿(おおどの)) - 集配局。
- 纒向(まきむく)郵便局(巻野内)
- 桜井大泉郵便局(大泉)
- 三輪郵便局(三輪)
- 桜井戒重郵便局(戒重(かいじゅう))
- 桜井北本町郵便局(桜井)
- 桜井西本町郵便局(桜井)
- 桜井薬師郵便局(桜井)
- 安倍郵便局(阿部)
- 朝倉郵便局(慈恩寺(じおんじ))
- 桜井忍阪(おつさか)郵便局(忍阪)
- 初瀬郵便局(初瀬) - 元集配局。
- 上之郷郵便局(小夫)
- 大福簡易郵便局(大福) - 2016年5月16日から一時閉鎖。
- 桜井下簡易郵便局(上之宮)
- ゆうちょ銀行
- 大阪支店 イオン桜井店内出張所(上之庄)(ATMのみ/ホリデーサービス実施)
- その他簡易郵便局を除く各郵便局にATMが設置されており、桜井郵便局ではホリデーサービスを実施。
桜井市内各区域の郵便番号は「633-00xx」「633-01xx」(いずれも桜井郵便局の集配担当)となっている
[注釈 1]。
友好都市
地域
人口
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桜井市と全国の年齢別人口分布(2005年)
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桜井市の年齢・男女別人口分布(2005年)
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■紫色 ― 桜井市 ■緑色 ― 日本全国
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■青色 ― 男性 ■赤色 ― 女性
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桜井市(に相当する地域)の人口の推移
1970年(昭和45年)
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52,081人
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1975年(昭和50年)
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54,314人
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1980年(昭和55年)
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56,439人
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1985年(昭和60年)
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58,894人
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1990年(平成2年)
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60,262人
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1995年(平成7年)
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63,225人
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2000年(平成12年)
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63,248人
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2005年(平成17年)
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61,130人
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2010年(平成22年)
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60,146人
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2015年(平成27年)
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57,244人
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2020年(令和2年)
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54,857人
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総務省統計局 国勢調査より
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平成22年国勢調査(速報値)より前回調査からの人口増減をみると、1.61%減の60,146人であり、増減率は県内39市町村中9位。
奈良県統計
- 2007年10月1日現在 : 60,762人
- 人口増加率(2002年→2007年) : -2.4%
施設
消防
学校教育
近年の少子化のため小学校の生徒数は減り続け、1学年1クラスの学校が増えている。
小学校
- 桜井市立朝倉小学校
- 桜井市立安倍小学校
- 桜井市立織田小学校
- 桜井市立桜井小学校
- 桜井市立桜井西小学校
- 桜井市立桜井南小学校
- 桜井市立城島小学校
- 桜井市立大福小学校
- 桜井市立初瀬小学校
- 桜井市立纒向小学校
- 桜井市立三輪小学校
中学校
- 桜井市立大三輪中学校
- 桜井市立桜井中学校
- 桜井市立桜井西中学校
- 桜井市立桜井東中学校
高等学校
大学校
社会教育
- ホール・集会場
- 公民館
- 桜井市民会館
- 中央公民館
- 桜井東ふれあいセンター
- 桜井西ふれあいセンター
- 桜井北ふれあいセンター
- 吉隠公民館
- 博物館
- 図書館
- 体育施設
- その他
その他
交通
大阪方面へ通勤、通学するため近鉄大阪線を利用する客が多く、朝夕の桜井駅は大変混雑する。また京都方面への通勤、通学客も見られ、京都まで直通列車がある大和八木駅へ行くため近鉄大阪線を利用する客も多い。正月の大神神社に訪れる初詣客は、主にJR桜井線を利用し三輪駅は普段の数十倍混雑する。また、国道169号も利用される。
鉄道
中心となる駅 : 桜井駅
隣接市町村への連絡
- 橿原市
- 近鉄大阪線(耳成駅、大和八木駅)- 耳成駅は桜井・橿原市境に近く、当市からも直接利用できる。
- JR桜井線(香久山駅)- 駅前を桜井・橿原市境が通るため、当市からも直接利用できる。
- 天理市
- JR桜井線(柳本駅)
- 宇陀市
- 近鉄大阪線(榛原駅)
バス
道路
一般国道
主要地方道
一般県道
その他
名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事
神社
寺院
- 長谷寺 - 西国三十三所第八番札所、本堂、銅板法華説相図、長谷寺経の3件が国宝、建造物2件(17棟)・美術工芸品13件が重要文化財
- 法起院 - 西国三十三所番外札所
- 安倍文殊院 - 木造騎獅文殊菩薩及び脇侍像(快慶作)が国宝、白山神社本殿が重要文化財
- 聖林寺 - 木心乾漆十一面観音立像が国宝
- 平等寺
- 玄賓庵-木造不動明王坐像が重要文化財
- 慶田寺‐織田有楽斎墓所
- 石位寺 - 石造浮彫伝薬師三尊像(忍阪区管理)が重要文化財
古道(ハイキングコース)
史跡
観光スポット
祭事
- 江包・大西の御綱(お綱祭り・重要無形民俗文化財)
- 大和さくらい万葉まつり
- おんぱら(祭綱越神社)
- 春の大神祭(大神神社)
- 繞道祭(大神神社)
- 蹴鞠祭(談山神社)
- 嘉吉祭(談山神社)
- 伊勢太神楽(玉列神社)
- 安倍文殊院の文殊お会式
出身著名人
桜井市にゆかりのある和歌
- 三輪山をしかも隠すか雲だにも情あらなも隠さふべしや (額田王『枕草子 十段』)
- 巻向の檜原もいまだくもゐねば小松が末ゆあは雲流る (大伴家持)
- 憂かりける人を初瀬の山おろしよはげしかれとは祈らぬものを (源俊頼)
- 大和は国のまほろばたたなづく青垣山ごもれる大和し美し (倭建命『古事記』)
- こもりくの 泊瀬の国に さよばひに 我が来たれば たな曇り 雪は降り来 さ曇り 雨は降り来 野つ鳥 雉はとよむ 家つ鳥 かけも鳴く さ夜は明け この夜は明けぬ 入りてかつ寝む この戸開かせ (作者未詳『万葉集』)
- こもりくの 泊瀬小国に よばひせす 我が天皇よ 奥床に 母は寝ねたり 外床に 父は寝ねたり 起き立たば 母知りぬべし 出でて行かば 父知りぬべし ぬばたまの 夜は明け行きぬ ここだくも 思ふごとならぬ 隠り妻かも (作者未詳『万葉集』)
- こもりくの 泊瀬小国に 妻しあれば 石は踏めども なほし来にけり (作者未詳『万葉集』)
関連項目
脚注
注釈
- ^ 郵政民営化以前は「633-01xx」区域(東部山間部地域)の集配業務は初瀬郵便局が担当していたが、同局は2007年(平成19年)3月5日付で集配業務を桜井郵便局に移管した。「集配拠点等の再編実施局」日本郵政公社近畿支社(当時)2007年2月26日付報道発表資料より。
出典
外部リンク
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