AKB48の劇場公演(エーケービーフォーティーエイトのげきじょうこうえん)は、AKB48がAKB48劇場を主たる会場として行っている劇場ライブである。
AKB48は、東京・秋葉原のドン・キホーテ秋葉原店(ミナミビル)8階にある専用のAKB48劇場を本拠地として、2005年12月8日のチームAによる「PARTYが始まるよ」第1回公演以来、メンバーによる劇場公演を行い、2016年5月28日のチーム8による昼公演でAKB48劇場での劇場公演4,000回を達成した[1]。
後述のとおり、特別公演やひまわり組などを除いて通常の劇場公演は、原則としてチーム単位でオリジナルのセットリストによる公演を一定期間継続して行ってきた[2]。また、後述のように劇場公演セットリスト(演目)のなかには、他のチームで使用されたり、繰り返し使用されているものもある。
AKB48劇場での公演は、姉妹グループの出張公演などを含めて2015年2月25日に総動員数100万人を超えた[3]。
2020年3月12日、新型コロナウイルス感染症の流行拡大により、劇場オープン以来初めての配信限定の無観客での公演が行われた[4]。2020年9月以降は、観客数を劇場の定員(250人)よりも少ない人数[注釈 1]に制限しながら、出演メンバーの人数も通常公演では8人以下に制限して行っていた。
2024年2月4日の研究生による「そこに未来はある」公演から16人体制での通常公演が復活した[9]。
各公演は、チーム名と序数詞を使用して「A 1st」のように略記されることもある。なお、本節ではチームの構成メンバー再編を「組閣」と表現する。
メンバーが卒業する時には、卒業公演として通常公演とは一部異なるセットリストおよび卒業セレモニーを組み込んだ公演が行われることがある[10]。通常公演出演者16人以外の出演者が10人を超える場合もある。例としては、
著名人が考案したセットリストによる公演[60]
プロデュース公演
第8回AKB48選抜総選挙における80位以内に入った最多議席数のグループメンバーによる公演
柏木由紀が考案したセットリストによる公演
新型コロナウイルス感染症の流行の影響によって、少人数で行う公演
AKB48劇場では、正規メンバーによる公演の他に、研究生を中心にした公演も行われている。研究生公演は、正規チーム公演の演目・衣装を借用して行う。
研究生による公演は、2008年5月22日に4期生と5期生によって試験的に実施されたのが最初であり、好評により継続された[99]。
2009年に7期生の加入に合わせて研究生制度が改訂され、劇場公演を行う資格を判定するセレクション審査を合格したメンバーによってチーム研究生を結成し、劇場公演を行うことになった[100]。2009年3月からチーム研究生による公演が開始された。
2011年4月8日以降は正規チーム公演とチーム研究生公演という区別を取り去り、演目別の公演として正規メンバーの出演割合が低くても公演を実施できる体制に変更された[101]。その上で、研究生の参加数が過半数(9名以上)になると料金を一律1,000円値下げして、実質的な研究生公演扱いとした。
この時期の研究生公演扱いの公演は、正規メンバー不足によりやむを得ず研究生が上回ってしまったものと、研究生とチーム4メンバー中心の以前からの研究生公演と同様なものが混在している。演目としては「シアターの女神」がほとんどで、チーム4が欠員状態で公演スタートしてからは「僕の太陽」がしばしば研究生公演扱いになった。
13期生加入後の2012年3月29日からは「RESET」を、14期生加入後は「僕の太陽」を演目にした事実上の研究生公演が再開された。2012年11月1日からは演目別からチーム別公演に戻り、「僕の太陽」も研究生公演の位置づけで継続された。
2013年3月20日からは「パジャマドライブ」が研究生公演として始まった。同年8月24日には14期生までの研究生16人が正規メンバーとしてチーム4に昇格したが同公演に継続して出演した。15期生が全員出演しても研究生は半数以下であったが、同年10月27日の千秋楽まで研究生公演として行われていた。
16期生加入後の2017年2月11日から「16期研究生公演」として約3年半ぶりに再開された[102]。
2017年2月28日現在
2008年以降に初演の通常公演では、おおむね以下のようなフォーマットが取られている。なお、A6th・K6th・B5thではovertureの前に研究生によるオープニングアクト(A6th・K6thは前座ガールズ、B5thでは前座ガール)が入る。A7thでは自己紹介のパートが無く、MCパートで数人ずつ自己紹介をする。また、終演後に出演メンバー全員によるハイタッチ会やお見送りが行われるようになってからは、終演アナウンスが省略されている。
照明とセリ、ステージ後方のどんでん返しなどを使用した演出が行われる。 曲によっては、以下のような演出道具が使われることもある。
公演の中で、メンバーが楽器演奏を披露するものがある。
メンバーの誕生日を祝うイベントのこと。通常は誕生日またはその前後にあたる公演日に行われる[注釈 29]。おおまかな流れとしては、通常通りの公演の最後の挨拶の途中で仕切り役のメンバー[注釈 30]により「ちょっと待った。今日は○○(メンバー名)の生誕祭です。」などと発言して挨拶を中断すると「涙サプライズ!」のBGMが流れる[注釈 31]。舞台袖からニセモノのバースデーケーキ[注釈 32]が用意され、ろうそくに火が灯される。観客と共に全員で「ハッピー・バースデー・トゥ・ユー」を合唱し、当人がろうそくの火を吹き消し、観客にお礼の言葉や今後の抱負などを話すという流れである。オーソドックスな演出ツールは、サイリウム、バースデーケーキ、花束の贈呈だが、メンバーの両親や公演に出演していないメンバーからの手紙が読まれるなどの演出が行なわれることがある。
アンダー(understudy:代役)とは、レギュラーとして出演するメンバーが個人の仕事や体調不良などで休演する場合に他のメンバーが代理で出演すること、またはその代理メンバー自身のことを指す。
アンダーは、休演メンバーの担当部分すべてを一人で行う場合と、ユニット曲と全体曲とで別々に立てる場合とがある。アンダーは、基本的に研究生または同じチーム内のメンバーが務めるが、他チームのメンバーが務めることがある。チーム内でアンダーを務める場合、そのメンバーの元々のポジションに別のアンダーが入ることもある。
なお、ソロパートを持つメンバーが突然の体調不良などで休演となった場合、公演中でも他のメンバーがアンダーを務めたり、また、アンダーの手配が間に合わずその曲目が中止になってしまうこともある。
劇場への入場チケットの販売方法は、2024年12月8日以降の劇場公演はAKB48チケットセンターによる予約抽選制となっている[112][注釈 33]。当選者にはメールで通知され事前決済を行う。チケットはZAIKOによる電子チケットとなっている。通常、公演チケットの募集枠は、原則として以下の通りとなっている[113]。
2009年5月より、東京ドームシティアトラクションズ内シアターGロッソでも不定期で公演や握手会を実施していた。ただし、こちらは専用劇場ではなくスーパー戦隊シリーズのキャラクターショーなどとの共用であった。
通常の公演とは異なるセットリストにより行われるもので、出演メンバーも公演ごとに選ばれる。定期的に行われるものと不定期に行われるものがある。定期的に行われるものでは、元旦(元日)公演(1月1日)[115][116]や周年特別記念公演(12月8日)があり、2012年以降は、毎年3月11日に東日本大震災の復興支援特別公演が行われている[注釈 34][117]。不定期に行われるものは、CD購入特典やタイアップ企業のキャンペーン[118][119][120]などがあり、2018年6月20日には初めて修学旅行生を対象とした公演も行われた[121]。
メンバーがグループから卒業する際に行われる卒業公演は通常の劇場公演が開催された最後に卒業セレモニーという形式で行われるが、下記に示すような1公演分全てを特別なセットリストを組んで行われる場合がある。姉妹グループへの移籍者も卒業記念としてAKB48劇場での最後の公演が特別に行われることがある。
下記の出典[204][205][206]
2012年11月1日に実施された2度目のチーム再編成に伴い、新チームでの新公演が始まるまでのつなぎとして実施された公演。通常公演に準じた扱いになっている。AKB48グループ全楽曲の中から各チーム毎にキャプテンが中心になって話し合い選曲したセットリストで構成され、出演するメンバーは16名となり、毎回メンバーが入れ替わり公演を行う[208]。
公演フォーマットは通常公演にほぼ則っているが、通常公演ではメドレー曲を除くとフルコーラス演奏が基本であるのに対し、ショートバージョンの曲も交えている[要出典]。
各チームとも公演参加人数の16人よりもメンバーが多く、出演メンバーも固定していないため、研究生公演でも見られる複数ポジションを担当するメンバーが多いのもこの公演の特徴でもある[要出典]。
この公演は前述の通りメンバー自身が公演を構成しているために、チームAは一部楽曲の変更とセットリストの変更、チームKは一部楽曲の変更、チームBはの曲順の変更をそれぞれ行った。[要出典]さらにチームKは、2014年にチームKウェイティング公演II「最終ベルが鳴る」に演目を変更している。
当初、ウェイティング公演への研究生の出演は、楽曲のバックダンサーとしてのみとなっていた[注釈 45]が、2013年5月5日に状況によって研究生のアンダー出演を行うことが発表された[209]。さらに、2013年8月24日には、正規メンバーでもチームの垣根を越えたアンダー出演が可能となることが発表された[210]。
2014年4月に実施された3度目のチーム再編成により終了。
AKB48劇場で行われる劇場公演は、特別公演など一部を除いて有料ネット配信で観覧することができる。ネット配信には、公演終了後に視聴期間限定で掲載されるアーカイブ配信と、劇場からリアルタイムで配信される生配信がある[211]。