1988年イタリアグランプリは、1988年F1世界選手権の第12戦として、1988年9月11日にモンツァ・サーキットで開催された。
概要
1988年はマクラーレンが圧倒的な強さを見せ、年間16戦のうち15勝を記録した。このレースは、1988年にマクラーレンが勝利を挙げられなかった唯一のレースだった。
フェラーリにとっては前月にエンツォ・フェラーリが死去したばかりで迎えた地元レースだったが、このレースで劇的な1-2フィニッシュを果たし、前年の最終戦1987年オーストラリアGP以来の勝利を収めた。
予選
マクラーレンのアイルトン・セナがシーズン12戦目にして10度目のポールポジションを獲得した。2番手にはチームメイトのアラン・プロストが入った。マクラーレンがフロントローを独占したのは、このシーズン8度目のことだった。フェラーリのゲルハルト・ベルガーとミケーレ・アルボレートがマクラーレンに続いた。
決勝
スタートに成功したプロストがセナの前に出るが、プロストは第1コーナーまでにセナに抜き返された。レースはセナが先頭でプロストがそれを追い、さらにフェラーリの2台が続く、予選通りの順位で展開した。プロストはスタート直後から軽いエンジントラブルに見舞われていた。
30周を過ぎるとプロストのエンジントラブルは悪化し、35周でピットインしたプロストはそのままリタイアした。この年、マクラーレンがエンジントラブルでリタイアしたのはこの1回だけだった。
レースの終盤にかけてフェラーリの2台が燃費に苦しむセナ[1]に迫り、残り2周の時点で2位のベルガーはセナの5秒後方につけた。セナはこの周の第1シケインで周回遅れのジャン=ルイ・シュレッサーに追いついた。病気で欠場したナイジェル・マンセルの代わりにウィリアムズをドライブしていたシュレッサーは、このコーナーのブレーキングに失敗しレーシングラインを外れた。これがデビューレースだったシュレッサーはコースアウトを逃れたが、シケインの2つ目のコーナーで失速したシュレッサーと、それを抜きに掛かったセナが接触した。セナのマクラーレンはスピンし縁石に乗り上げ、再スタートが切れなかったセナはマシンを降りた。
これで首位に躍り出たベルガーは、追走するアルボレートを僅差で従えゴールまで走り切り、フェラーリはこのシーズン唯一の勝利となったレースを1-2フィニッシュで終えることに成功した。
結果
予選結果
決勝結果
脚注