航空機メーカーの一覧(こうくうきメーカーのいちらん)は、世界の航空機製造会社の一覧である。
航空機メーカーの合併や改称がある場合、原則として記事執筆時点で存続している会社名の下にインデントして、合併前の会社や改名前の会社名を列挙する。会社名の後ろの括弧でくくった年号はその名前での活動期間である。
なお、合併によりどちらかが同名称で残った場合には重複して表記することはしない。
概要
黎明期の機体は木製であったため、木材を取り扱う会社や木材加工技術を有する家具メーカーからの参入もあったが、次第に金属が主要材料となると純粋な航空機メーカーが多く創業した。
現代では自動車産業と同じく多数の下請け会社から購入した部品を組み立てる形態となっている。自動車メーカーとは異なり、エンジンはエンジンメーカーから購入した完成品を取り付けるため、旅客機の場合には複数のエンジンメーカーから顧客がエンジンを選定するのが普通である。また航空機は販売後のサポートも重要であり、技術力だけでなくサポート網の構築などサービス体制も重要である。
アジア
日本
日本の航空機メーカーは重工業や機械製造の分野からの参入が多かったが、第二次世界大戦の敗戦を機に多くが航空事業から撤退した。
戦後の完成機はYS-11やFA-200などごく少数だった。2000年代からはMitsubishi SpaceJetなどが日本国外にも販売されている。他にも部品や素材の製造で多くの企業が関わっている。
2019年現在、航空機の部品を製造し日本国外メーカーへ納入する企業は多数存在するが、自社設計の機体を国内で生産しているのは三菱航空機(三菱重工業の子会社)・川崎重工業航空宇宙システムカンパニー(川崎重工業の社内カンパニー)・SUBARU航空宇宙カンパニー(SUBARUの社内カンパニー)・新明和工業などの戦前からのメーカーの4社である。この他、本田技研工業が航空機生産をするため分社化して2006年にアメリカ合衆国内に設立したホンダ エアクラフトがある。
上記の他、オーダーメイドで小型機の設計を請け負う企業として有限会社オリンポスがある。また自動車部品メーカーのサードが富裕層向けの小型水上スポーツ機の開発を予定している[1]。また技術者の有志団体が有限会社オリンポスの支援を受け超軽量動力機のキットをベースにした小型飛行艇の開発を進めている。
日本国外のメーカーが日系企業に買収された例として、2015年にアメリカのクエスト・エアクラフトがツネイシホールディングスの子会社となっている。
無人航空機のメーカーは複数存在し、ホビー用や農業機として販売され、自衛隊にも納入されている。
1960年ごろまでは日本飛行機などが民間向けグライダーを製造していたが、現在では全て撤退している。有限会社オリンポスが初級滑空機と電動モーターグライダーのキットの開発を表明している[2]。
イスラエル
1948年の独立時に周辺が全て敵国であったイスラエルは、当初フランス製やイギリス製、1960年代中盤以降には主にアメリカ製の軍用機を輸入して使用しているが、自国での航空機開発および輸出も行っている。また、旅客機の貨物機への改造(Cargo Conversion)でも有名である。近年、無人航空機の開発や運用も積極的に進めている。
インド
インドはパキスタンに対抗するため、1960年代から航空宇宙分野に力を入れており、国営のHALを設立した。
インドネシア
インドネシアはスハルトによる開発独裁体制化で、国営航空企業が設立された。
- ヌサンタラ航空機工業(IPTN、1985年 - )
イラン
ウズベキスタン
大韓民国
韓国では1998年の金融危機によるIMF導入によって財閥が解体され、3社の航空宇宙分野が統合された。
台湾
長く軍事開発を行うAIDCのほかに、民間機企業としてTACが設立された。
中華人民共和国
中国は1990年代の資本主義化の影響で、政府直轄の航空部門が2度にわたって分割され、
- 中国航空工業第一集団公司(AVICI、1997年 - )
- 中国航空工業第二集団公司(1997年 - )
- ↑中国航空工業総公司(1993年 - 1997年)
後にさらに2008年、2社に再合同した。
近年では他国のメーカーを買収し傘下に収める例もある。
パキスタン
北米・南米
アメリカ合衆国
当初個人の工房で手作りされており、職人が個人で製作する工房クラスのメーカーも無数に存在した。またボーイングのような木材関係の企業からの参入もあった。
大型旅客機のメーカーは規制が強化されたこともあり1990年代末から急速に統合が進み、小型機メーカーもコングロマリットなどに子会社化された例が多い。ホームビルト機を製造する小規模なメーカーは現代でも新規参入がある。
カナダ
ブラジル
チリ
アルゼンチン
旧ソ連圏
ロシア
ロシア帝国・ソビエト連邦期も含む。設計局も参照。
- 統一航空機製造会社
- MiG(ミグ、MiG;ロシア語(以下同):ミカヤーン・(イ・)グリェーヴィチ、МиГミーク)
- スホーイ(Su;スホーイ、Суスー)
- ツポレフ(Tu;トゥーパリェフ、Туトゥー)
- カモフ(Ka;カモーフ、Каカー)
- ミル(Mi;ミーリ、Миミー)
- ヤコヴレフ(Yak;ヤーカヴリェフ、Якヤーク)
- ラヴォーチキン(La;ラーヴァチュキン、Лаラー)
- グドコフ(Гудковグトコーフ、Гуグー)
- ラヴォーチキン・ゴルブノフ・グドコフ(LaGG;Лавочкин, Горбунов, Гудковラーヴァチュキン・ガルブノーフ・グトコーフ、ЛаГГラーック)
- ポリカルポフ(Po;パリカールパフ、Поポー)
- イリューシン(Il;イリユーシン、Илイール)
- ベリエフ(Be;ベーリィエフ、Беビェー)
- ミャシシチェフ(M;ミスィーシチェフ、Мエーム)
- イルクート
- ロシアン・ヘリコプターズ
- ヴォロネジ航空機製造合同(VASO)
- シコルスキー(S;スィコールスキイ、Сエース)→アメリカへ
- アヴィアコル(Авиакор)
- アヴィアインペクス(Авиаимпексアヴィアイムピェークス)
- アヴィアヴニート(Авиавнитоアヴィアヴニータ)
- アレクサンドロフ(Александровアリクサーンドラフ)
- R.Je.アレクセエフ(Р.Е.Алексеевエール・イェー・アリクスェーイェフ)
- S.M.アレクセエフ(С.М.Алексеевエース・エーム・アリクスェーイェフ)
- アナトラ(Анатра)
- アーネンコフ(Анненловアーンニェンカフ)
- アルハンゲリスキー(Архангельскийアルハーンギェリスキイ)
- ロース・アエロプログレス(РОС-Аэропрогрессロース・アエラプラグリェース)
- アエロプラクチカ(Аэропрактикаアエラプラークチカ)
- バルチニ(Бартиниバルチーニ)
- ベドゥンコヴィッチ(Бедунковичビドゥンコーヴィチ)
- ベリエフ(Беляевビリャーイェフ)
- ベレズニャーク(Березнякビリズニャーク)
- ビスノヴァート(Бисноватビスナヴァート)
- ボク(Бокボーク)
- ボルホヴィッチノフ(Болховитинов)
- ボロフコフ(Боровков)
- ブラトゥーヒン(Братухин)
- ヴァフミストロフ(Вахмистровヴァフミストローフ)
- ギドロプラーン(Гидропланギドラプラーン)
- グリボフスキー(Грибовскийグリボーフスキイ、Гゲー)
- グロホーフスキイ(Гроховскийグラホーフスキイ、Гゲー)
- グルーシン(Грушинグリューシン)
- デメンチエフ(Дементьевヂミェーンチイェフ)
- エルモラエフ(Ермолаевイルマラーイェフ)
- ZIG(ЗИГズィーク)
- KAI(КАИカーイ)
- KVZ(КВЗカーヴェーゼー)
- クルィローフ(Крыловクルィローフ)
- コルパコフ・ミロシュニチェンコ(Колпаков-Мирошниченко)
- コルチャーギン(Корчагинカルチャーギン)
- KOMTA(КОМТА)
- コズローフ(Козловカズローフ)
- コンベールスィヤ・アエロ(Конверсия-Аэроカンヴィェールスィヤ・アエラ)
- OKB-LA(ОКБ-ЛА)
- チェルノーフ(Черновチルノーフ、Чеチェー)
- コンスタンチノフ(Константинов)
- クザコフ(Кузаков)
- クルバラ(Курбала)
- ラーダ・レンド(Лада Лэнд)
- リスノフ(Лисунов)
- レーベヂェフ(Лебедевリェービェヂェフ)
- リスィーチュキン(Лисичкинリスィーチュキン、НИАИ)
- MAI(МАИ)
- マールコフ・スカールボフ(Марков, Скарбовマールカフ・スカールバフ)
- モスカ(Моска)
- モスカリョーフ(Москалев)
- モールニヤ(Молнияモールニヤ)
- ニキーチン・シェフチェーンコ(Никитин, Шевченкоニキーチン・シフチェーンカ)
- ネーマン(Неманニェーマン)
- OOS(ООС)
- パシーニン(Пашинин)
- ラファエリャンツ(Рафаэлянц)
- トマーシェヴィチ(Томашевичタマーシェヴィチ)
- テフノアーヴィア(Техноавиаチフナアーヴィア)
- TREK(ТРЭКトレーク)
- タイーロフ(Таировタイーラフ)
ウクライナ
- アントノフ(An;ウクライナ語:アントーノフ、Анアーン;ロシア語:アントーナフ、Анアーン)
- アエロコプター(ウクライナ語(以下同):Аэрокоптерアエロコープテル)
- アエロプラクト(Аэропрактアエロプラークト)
- アエロプログレス(Аэропрогрессアエロプロフレース)
- グリゴローヴィチ(Григоровичフルィホローヴィチ)
- カリーニン(Калининカリーニン、Кカー)
- リリエンターリ(Лилиентальリリエンターリ)
- NARP(НАРП)
- アヴィアント
- ハルキウ航空機製造企業
欧州
共同
イギリス
フランス
ドイツ
イタリア
スイス
スペイン
オランダ
スウェーデン
フィンランド
- ヴァルメト
- ワルシオン・レントコネテーダス(国立飛行機工場)
オーストリア
チェコ
ブルガリア
- アヴィアテフニカ(ブルガリア語(以下同):Авиатехникаアヴィアテフニーカ)
- ダール・ボジュリシテ(ДАР-Божурищеダール・ボジュリシテ、ДАРダール)
- 国営航空機工場(Държавна самолетна фабрика、ドゥルジャーヴナ・サモリェーティカ・ファーブリカ)
ルーマニア
ポーランド
旧ユーゴスラヴィア
アフリカ州
南アフリカ
オセアニア
オーストラリア
脚注
関連項目