イングリッシュ・エレクトリック (英 English Electric )は、1918年 に設立された、当初は電動機 を生産し、後には鉄道 の機関車 、航空機 、コンピュータ などを生産していたイギリス の総合電機メーカー である。1968年 にゼネラル・エレクトリック・カンパニー に買収された。
日本では、その前身の1つであるディック・カー・アンド・カンパニー(Dick, Kerr & Co. )から来ている「デッカー」という通称がよく知られている。
歴史
2006年に撮影されたイギリス空軍 のキャンベラ
製品
航空機
ディック・カー・アンド・カンパニーと、フェニックス・ダイナモ・マニュファクチャリングのソーンベリー、ブラッドフォードでは、第一次世界大戦 の時から飛行艇を含む航空機を製造しており、例えばフェリックストウ (Felixstowe )のシープレーン・エクスペリメンタル・ステーション(Seaplane Experimental Station )で開発された飛行艇や、ショート・ブラザーズ(Short Brothers )が開発したショート 184 を62機、爆撃機 を6機製造するなどしていた。
イングリッシュ・エレクトリック キングストン飛行艇は、フェニックスがイングリッシュ・エレクトリックに合併してから同社の設計を元に開発されたものである。このイングリッシュ・エレクトリックの航空業界への参入の試みは、キングストンへの発注が1機もなかったため1926年に断念された。
イングリッシュ・エレクトリックの航空業界への再度の参入は、第二次世界大戦を前にしたイギリス空軍の拡張計画の中で実現し、まず、他のメーカの設計したハンドレページ ハンプデン爆撃機の"shadow production"からスタートした。1939年、空軍省はイングリッシュ・エレクトリックにセームルズベリー空港に工場を建設することを指示した。イングリッシュ・エレクトリックによるハンプデンの最初の機体は、1940年2月22日 に初飛行し、1942年までに770機のハンプデン(ハンプデン全生産機数の半分以上)をセームルズベリー工場から送り出した。1940年、第2工場が建設され滑走路が延長されて、ハンドレページ ハリファックス重爆撃機の生産が開始された。1945年までに5つの工場と3つの滑走路が建設され、またイギリス空軍第9集団(No. 9 Group RAF )の基地ともなった。戦争終結までに2000機を超えるハリファックスを含む、3000機を超える爆撃機がセームルズベリーから送り出された。
第二次世界大戦末から、イングリッシュ・エレクトリックは、イギリスの2番目のジェット戦闘機であるデ・ハビランド バンパイア をセームルズベリーで1300機生産した。独自の機体設計は、元はウエストランド・エアクラフト で設計を行っていたW.E.W. ペッター(W.E.W. Petter )により第二次世界大戦後に始められた。ブリティッシュエアロスペースに合流する前にイングリッシュ・エレクトリックが送り出した航空機は2種類しかないが、設計チームは多くの空軍のプロジェクトに助言を与えている。
コンピュータ
イングリッシュ・エレクトリックのコンピュータ事業への参入は、RCA との契約によって始まった。最終的にはこの事業はICLの一部となった。1963年にJ.リヨンズ・アンド・カンパニーの傘下のLEOコンピュータとコンピュータ事業を統合してイングリッシュ・エレクトリックLEOを設立した。さらにリヨンズはその持ち分をマルコーニに売却し、マルコーニとイングリッシュ・エレクトリックLEOを合併させてイングリッシュ・エレクトリックLEOマルコーニ・コンピューターズとなり、最終的にはICLになった。
DEUCE(DEUCE )1955年
KDF6
KDF8(KDF8 )
KDF9(KDF9 )1960年
イングリッシュ・エレクトリック コンピューターズ・システム4 1965年、システム4-50とシステム4-70は、本質的にRCA Spectra 70であり、それはIBM System/360 のクローンである。
誘導兵器
戦車
鉄道
イギリス国立鉄道博物館 に保存されているイングリッシュ・エレクトリック5型(イギリス国鉄55形ディーゼル機関車)「アリシドン」
イギリス国鉄50形ディーゼル機関車 50035 「
アーク・ロイヤル 」ドンカスター工場にて2003年7月27日撮影
日本国鉄ED17形電気機関車 ED171(旧日本国鉄ED50形)
遠州鉄道ED28形電気機関車 ED282(旧豊川鉄道電機50形→日本国鉄ED28形)
西武鉄道E41形電気機関車 E43(旧青梅鉄道2号形→日本国鉄ED36形)
ニュージーランド国鉄DF形ディーゼル機関車 DF1501
エンジン
12CSVディーゼルエンジン
6SRKTディーゼルエンジン
鉄道車両
路面電車
香港 の路面電車の1912年 から1918年 にかけての第二世代車両をユナイテッド・エレクトリック・カーが製造し、その会社をイングリッシュ・エレクトリックが買収している。その後イングリッシュ・エレクトリックは香港の第三世代路面電車を1918年から1930年代にかけて製造している。
関連項目