私刑
私刑 (しけい、英 : Lynching )とは、国家 ないし公権力 の法 に基づく刑罰権を発動することなく、個人または特定集団により執行される私的な制裁 [ 1] 。社会的な非行 を行った者に対し、法的手続なしに加えられる集団的な暴力的制裁[ 2] 。日本では同音異義語の「死刑 」と区別するため、英語 に由来するリンチ もよく使われる。
概要
近代以前には、私刑が広く行われた[ 2] 。近代国家 が刑罰 権を独占すると、国家的制裁制度としての刑罰制度が確立し、国家のみが、厳格な要件を満たし、法的な手続に従って、公的な制裁としての刑罰を加えることが許されるようになった[ 2] 。近代刑罰制度のもとでは、私刑(私的制裁)は、違法であり、犯罪 とみなされる[ 2] 。
集団による超法規的殺人 であるリンチは、違反容疑者や違反者を罰したり、人々を脅迫 するために、群衆・暴徒による非公式の公開処刑として行われることが多い[ 3] 。リンチや集団暴行事件はどの社会でも発生している[ 4] [ 5] [ 6] 。
私刑は、熱狂 ・ヒステリー 状態下にあるものを含め、観衆・集団のある程度の支持のもとなされる場合がある。民族紛争 の際に民兵 集団により行われる非戦闘員への残虐行為も私刑といえる。紛争地域や無政府状態の地域では、私刑は21世紀 になっても決して珍しいものではなく、殺人 の現行犯や単なる泥棒 、或いは民族紛争時の戦争犯罪人 などと認定された者が民衆に袋叩きにされ、最終的には恐らく被疑者の殺害に至っている映像や写真が数多く出回っており、英語圏ではこうした私刑をMob Justice (暴徒による正義)と呼称している。
国・地域別の歴史と実例
中国
中国 では公的権威が古く確立していたが、古くから私刑が行われていた[ 1] 。同族集落における盗犯や姦淫などについて私的制裁が行われ、清 代末の秘密結社 青幇 や紅幇 の規約違反者に対しても私的制裁が科された[ 1] 。
フィリピン
フィリピン の自警団ダバオ・デス・スクワッド は法律違反者と麻薬密売人の殺人(私刑)を行っているとされる。
ヨーロッパ
中世 以前のヨーロッパ では、フェーデ やアハト のような私刑原理があり、合法であった。しかし1400年代 になり公権力 による刑罰権の回収が行われると私刑は違法になった。ドイツ では1495年 、マクシミリアン1世 による「ラント平和令 」の制定によって一切の私刑が禁止された。
アメリカ合衆国
アメリカ合衆国南部 にてリンチの犠牲となったアメリカ黒人 (1889年)
アメリカ合衆国 テキサス州 にてリンチの犠牲となったアフリカ系アメリカ人(1920年)。
アメリカ合衆国 の西部開拓時代 、フロンティア の地などでの犯罪者に対し、法の裁きを経ず民衆による私的制裁が加えられており、この行為を、アメリカ独立戦争 時、暴力的行為を働くことで知られた チャールズ・リンチ (英語版 ) 大佐、ウィリアム・リンチ (英語版 ) 治安判事に因み、「リンチ」と呼称するようになった[ 7] [ 1] 。チャールズ・リンチが治安判事の権限をこえてロイヤリスト (王党派)を処罰したことがリンチ lynching の語源という[ 8] 。
南北戦争 以前において、私刑は治安や秩序維持のために行われるものとされ、素行の悪い奴隷 や共同体の規範を逸脱するものに対し、民衆の自警団 によって行われるものであった。その後、白人至上主義 のKKK が結成され、アフリカ系アメリカ人 を対象に私刑を率先して行う役割を持ち、リンチの持つ意味が秩序統制から異人種憎悪の表現へと変化していった[ 7] [ 注 1] 。
ハワイ
1889年、ハワイ島 ホノカアの官約移民(政府斡旋移民) だった後藤濶 が白人商店主らによってリンチ殺害され、電柱に死体を吊るされた[ 9] 。後藤は官約移民として初めて商店を開き、得意な英語で日本人移民の相談役となるなど、有力者だった[ 9] 。
イギリス
1860年 のイーストボーンの悲劇 では教師が生徒を体罰で殺害した。教師は裁判で無罪を主張したが、有罪となった。
第一次世界大戦 終結後の1919年 のリヴァプール で、白人と黒人の船員の間で一連の人種暴動が発生した。 パブで黒人船員がタバコを与えることを拒否したために白人船員2人に刺されると、翌日黒人船員の友人らが報復した。その際に警官が負傷したため、警察が黒人地区の下宿を襲撃し、双方に死傷者が出た。 白人暴徒が、黒人船員チャールズ・ウートンをマージー川 で溺死させた[ 10] 。
1988年 、ベルファスト で、2人の私服イギリス兵がIRA暫定派 の葬列の方向へ車を走らせていたところ、特殊空挺部隊 員と間違われ、群衆に殺害された[ 11] 。
ロシア・ソ連
ロシア革命 で、社会の混乱が極度に進むなか、強盗など犯罪が多発し、同時に、帝政時代の司法制度が崩壊したことで、私刑(サモスード)が横行した[ 12] 。泥棒がその場で群衆に殴り殺されたり、また、「人民裁判 が最も公正で、最も迅速」であるとして、その場で満場一致で死刑判決を下し、殺害する事件も多発した[ 12] 。また、ボリシェヴィキ による赤色テロル でも非常事態と称して、厳格な法的手続きのない方法で制裁や殺害が多数行われた。
トルコ
2016年トルコクーデター未遂事件 の余波で、トルコ軍 兵士に対するリンチが発生した[ 13] 。
メキシコ
革命後のメキシコ では、リンチは超法規的暴力の手段として頻繁に起こっている[ 14] 。 宗教的な動機が関係していることもある[ 15] 。
1968年、プエブラ州 のサン・ミゲル・カノア村で、プエブラ自治大学の職員5人が共産主義者だとみなされて、村民からリンチを受けた。 リンチは司祭の扇動によるもので、職員2名と滞在先の家主が殺され、職員3名は指を切断されるなどの重傷を負った[ 16] 。 扇動者は起訴されず、逮捕された数名は証拠不十分で釈放された[54]。
2004年11月23日、トラワク・リンチ事件では、麻薬関連犯罪を捜査していた私服捜査官3人が、小学校の外で写真を撮っているのを見て、住民が、子供を誘拐する犯罪者だと誤認し、怒った300人の群衆によってリンチを受け、生きたまま焼かれた[ 17] [ 18] [ 19] 。
メキシコ革命後の形成期、1930年から1960年の数十年間におけるリンチの歴史は、リンチが国家の不在や政策の失敗というよりはむしろ、コミュニティの住民によって拒否されたり、模倣される虐待的で強要的な慣行を通じて、地方レベルでの国家権力がいかに作動するのかを示しているし、長期的な政治的文化的推進力にも影響を及ぼすものである[ 19] 。
ジェマ・クロッペ・サンタマリアは、リンチは宗教的信念、魔術による告発、政治的対立によって引き起こされる[ 19] 。また、リンチは、違反者や犯罪容疑者に対する迅速かつ超法規的で、致命的な刑罰を求める国民によって支持されてもいる。メキシコやラテンアメリカ諸国の国民は、脆いつかの間の安全感と正義感のために、問題を自分たちの手で解決しようとして、暴力に参加する。彼らは法に違反し、「他者」とみなされた人々を排除し、傷つけ、最終的に、平和で包摂的な社会を構築する可能性を損なっていると述べている[ 19] 。
ブラジル
サンパウロ大学 の社会学者ホセ・デ・ソウザ・マルティンスによれば、ブラジル では、過去60年間で、150万人ものブラジル人がリンチに参加している。ブラジルでは現在、暴徒が1日に1人以上の犯罪容疑者を殺害、あるいは殺害しようとしている[ 20] 。
ボリビア
リンチ殺害されたグアルベルト・ビジャロエル大統領
1946年7月21日、ボリビア の首都ラパス で、ストライキ を起こした学生、教師、鉱山労働者の暴徒が、グアルベルト・ビジャロエル大統領や、政府高官をリンチし、殺害したうえで、遺体は街灯に吊るされた[ 21] 。
ドミニカ
ドミニカ [要曖昧さ回避 ] では、窃盗から殺人までさまざまな犯罪を犯した容疑者に対するリンチを含む超法規的処罰は一定の支持を得ており、 2014年のラティノバロメトロの調査によると、ドミニカ共和国はラテンアメリカで私刑を受け入れる率が最も高かった[ 22] 。 こうした傾向は北部で顕著である[ 23] 。
ハイチ
2010年のハイチ地震 後、救援物資の配布が遅れ、多数の被災者が発生したことにより、略奪行為や略奪容疑者に対する暴徒による正義を特徴とする社会不安に対する懸念が生じた[ 24] [ 25] [ 26] [ 27] [ 28] 。 2010年のコレラ流行 では、ブードゥー教 の司祭ら45人が、病気の蔓延の責任を責められて、暴徒によってリンチを受けた[ 29] 。
アフリカ
南アフリカ では、犯罪者や政敵へ鞭打ちや、ガソリン を入れ得たタイヤ を首などに掛けて焼き殺すタイヤネックレス などによる私刑が、アパルトヘイト 時代の1980年代に発展した。 反アパルトヘイト運動の支持者は、「人民法廷」を結成し、政府のアパルトヘイト政策の協力者と見なされた同胞の黒人に対して、私刑や殺害を行った[ 30] 。 ネルソン・マンデラ の妻でアフリカ民族会議 の幹部だったウィニー・マンデラ がタイヤネックレスを支持したとき、物議をかもした[ 31] 。最近では、麻薬売人他のギャングメンバーが自警団 パガド によってリンチを受けている。
ナイジェリア やカメルーン では、リンチを含む私刑は「ジャングルの正義」「暴徒の正義」と呼ばれ、広く普及している[ 32] [ 33] [ 34] 。何時間も泥の中で転がされる「泥の治療」[ 35] やタイヤネックレス など私刑方法は様々ある[ 36] 。
若者の自警団バカシ・ボーイズ[ 37] [ 38] [ 39] [ 40] や2012年のリバーズ州 オビオ/アクポル地区アルーにおいて、債務者に借金を返すよう要求した学生4人に対して、債務者が泥棒だと騒ぎ、住民がタイヤネックレスなどを用いたリンチで殺害した事件が挙げられる[ 41] [ 42] [ 43] [ 44] 。
ケニア では頻繁にリンチが発生しており、有罪だと見做された人物を暴徒が処刑し、2年間で2900人以上のリンチ事件の報告があり、1980年から 2021年までに一万人以上のリンチ犠牲者がいるともされる[ 45] 。
パレスチナ
パレスチナ では、イスラエル と協力した疑いのあるパレスチナ人が群衆によってリンチされ殺害される事件が起こっている[ 46] [ 47] [ 48] 。
パレスチナ自治政府 が設立される前の第1次インティファーダ の期間(1987-1993)中、イスラエルへの協力者とみなされる数百人が、時にはパレスチナ解放機構 の暗黙の了解のもとでリンチ、拷問、殺害された[ 49] 。 2000年10月12日、ラマッラー のリンチ事件では、誤ってパレスチナに入国した2人のイスラエル国防軍予備役が、殺害され、遺体は踏みつけられ、火をつけられた[ 50] [ 51] 。群衆は切断された2人の遺体をアルマナラ広場まで引きずり、勝利祝賀会を始めた[ 52] [ 53] [ 54] [ 55] 。
イスラエル
2015年10月18日、ベエルシェバ でエリトリア 人の亡命希望者がイスラエル治安部隊の誤認でリンチされ、射殺された[ 56] [ 57] [ 58] 。
2012年8月、パレスチナ人の青少年数人に対するリンチ未遂の容疑で7人のイスラエル人の青少年がエルサレムで逮捕された[ 59] 。
インド
2014年以来、ヒンズー教 で神聖視されている牛を守るという名目で、ヒンズー教主義者が非ヒンズー教徒に対して暴力を加えるという「牛を守る自警団によるリンチ事件(Cow vigilante violence)」が多発している[ 60] [ 61] [ 62] [ 63] [ 64] 。ヒンズー教の暴徒によるインドのイスラム教徒 [ 65] [ 66] とダリット (不可触民) へのリンチが行われている[ 67] [ 68] 。 2015年のウッタル・プラデーシュ州 ダドリ近郊ビサーダ村で牛を屠殺したとの廉で男性が殺害された集団リンチ事件[ 69] 、2016年のジャールカンドでの集団リンチ事件[ 70] [ 71] [ 72] があり、ラージャスターン州 アルワル では、2017年[ 73] [ 74] 、2018年に3度目となる集団リンチ殺害事件が発生した[ 75] 。2018年には、インドの航空閣外大臣が、2017年にラムガルで貿易業者をリンチして有罪判決を受けた牛の自警団8人に花輪を贈り、栄誉を与えた[ 76] 。2019年7月には、ビハール州 サラーン県チャプラで牛窃盗で男性3名が暴徒に撲殺され、リンチを受けた[ 77] 。
「牛を守る自警団」によるリンチ以外の事件としては、2006年、マハーラーシュトラ州 バンダラ地区のカイランジ村で、ダリットの家族4人がクンビ・カーストによってリンチされ虐殺された[ 78] 。
2015年のナガランド州 ディマプル でのリンチでは、8000人の暴徒が刑務所に侵入し、裁判を待っていた強姦容疑者をリンチし、撲殺した[ 79] [ 80] [ 81] 。
2017年5月にジャールカンド州で7人がリンチを受けて以来、児童誘拐と臓器収奪に関するフェイクニュース がWhatsApp を通じて拡散し、暴力殺害事件(Indian WhatsApp lynchings)が相次いだ[ 82]
ジャールカンド州 では、2019年6月にでイスラム教徒が、「Jai Shri Ram(ジャイ シュリ ラム、ラーマ に栄光あれ)」というヒンズー教の挨拶を唱えるよう強制されたうえで撲殺された[ 83] [ 84] 。7月には、同州グムラ県のナガール・シカリ村民12人が長老会議 (パンチャーヤト) での決議を通じて、黒魔術を行っているという理由で4人をリンチし、殺害した[ 85] 。
インドでのリンチは、民族コミュニティ間の緊張を反映しているとされるが、カースト制度 だけでなく、人種的・民族的文化における対立も強いとされる[ 86] [ 87] 。
アフガニスタン
2015年3月19日、アフガニスタン のカーブル で、イスラム教のコーランを燃やしたとして地元のムラーから告発された女性が群衆にレンガで頭を殴られるなど撲殺され、焼かれた。 女性は「私はイスラム教徒です。コーランを燃やすことはしない。」と述べたが、群衆は聞き入れなかった[ 88] 。警察と聖職者らは、群衆には信仰を守る権利があると述べ、リンチを擁護した[ 89] 。捜査官によれば、女性がコーランを燃やした証拠はみつからなかった[ 88] 。アシュラフ・ガニー 大統領 政府は、「いかなる個人も自らを裁判官にし、暴力を用いて他人を罰することは許されない」と述べるとともに、コーランとイスラムの価値観への軽視を引き起こすいかなる行為も強く非難すると付け加えた[ 89] 。
日本
日本では、中世でも私刑的なものはあったが、公刑に対して私刑が確立するのは近世 からである[ 1] 。江戸時代 の幕府 は公刑主義だったが、村方では博奕 者などへの過料 、または村八分 や、放蕩者を座敷牢 に入れるような私刑が広く行われたほか、敵討 や切捨御免 も公権力に認められていた[ 1] 。明治 以後、国家が刑罰権を独占し、私刑は犯罪として禁止された[ 1] 。しかし、以下のように、近代以降、現代にいたるまで、リンチ事件、リンチ殺人事件は多数発生している。
明治時代 の沖縄県 では、サンシー事件 や具志頭制縛致死事件 が起きた。
関東大震災 では、朝鮮人虐殺事件 や中国人虐殺事件 が起きた。
その他、1970年代に起きた上尾事件 や首都圏国電暴動 も、国鉄 の一般利用者たちによる、当時の国鉄労働組合 ・国鉄動力車労働組合 が行った順法闘争 に対する暴力的な集団私的制裁という面もあり、広義の意味で私刑といえなくもない。
病院など
1879年(明治12年)、相馬藩 主相馬誠胤 が精神病 者として自宅座敷牢 に監禁された相馬事件 が起こる。
1966年から1986年までに50件以上の患者への暴行や殺害などの精神科病院事件が発生した[ 90] [ 91] 。1983年には宇都宮病院事件 が起きた[ 92] 。1997年には大阪府 柏原市 の大和川病院で、暴行などによる患者の不審死28件が発覚した大和川病院事件 が起きた。同病院は医療法人認可取消処分となり、倒産 した[ 93] [ 94] [ 91] 。
2012年、千葉市 の石郷岡病院で、患者が暴行を受け、のちに死亡した石郷岡病院事件が発生した[ 95] [ 96] 。
監禁リンチ殺人
少年犯罪
少年犯罪 によるリンチ事件も多数発生している。
政治集団
スパイ 容疑での査問(粛清 )や、内ゲバ などで私刑事件が発生した。
日本共産党 については、1933年に日本共産党スパイ査問事件 でリンチ事件が発生した[ 97] 。1951年2月14日には日本共産党 「国際派 」の牙城だった東京大学 細胞 において、スパイとみなされた戸塚秀夫 、不破哲三 、高沢寅男 がリンチ査問を受けた東大スパイ・リンチ査問事件 が発生した[ 98] [ 99] [ 100] 。1952年には、所感派 の学生が、立命館大学の学生を共産党国際派 の反戦学生同盟員 であるがゆえに「帝国主義者のスパイ」としてリンチし、5年後に被害者が自殺した立命館事件や[ 98] 、日本共産党独立遊撃隊による横川元代議士襲撃事件 が起きた。
1970年代には、日本の新左翼 組織同士での対立により、リンチ殺人を含む内ゲバ 暴力事件が多発した。
また、部落解放同盟 員が日本共産党 や日本民主青年同盟 員らを暴行する事件が1974年9月から10月にかけて兵庫県 朝来郡 で連続した(元津事件 など)。同年11月、同県養父市 で八鹿高校事件 で教職員約60名を部落解放同盟員が監禁、暴行した[ 101] 。
新右翼 による内ゲバ殺人事件としてスパイ粛清事件 (1982)がある。
学校・教育
学校 においても、体罰 やいじめ 、校内暴力 、体罰 などで私的制裁が行われ、殺害までに発展した事件が多数ある。
宗教
テレビ・報道
インターネット・メディア
インターネット
インターネット 上では、悪事を犯したと目される人物を正義感をもって衝動的に私刑しようとする行為(ネット自警団 )が見られる[ 103] 。特定の個人を名指しして個人情報 (当該人の電話番号や住所・実名・本人の写真・家族構成、家族や兄弟の勤務先や通学先など)を晒し出したり、名指しで批判や暴言を投稿している場合がある[ 104] 。対象はいじめの相手 ・掲示板やSNSで炎上した一般人・犯罪を犯した被疑者 ・被告人 ・暴言や失言及び不祥事を起こした芸能人 を含む著名人など多岐にわたる。
ジャーナリスト安田浩一 は、川崎市中1男子生徒殺害事件 での犯人探しや、スマイリーキクチ中傷被害事件 などを「ネット私刑」としている[ 105] 。
メディア・リンチ
ジャーナリスト浅野健一 はマスメディアによる私刑的な行動を、メディア・リンチと呼んでいる[ 106] 。
脚注
注釈
^ アメリカにおいて1880年から1930年にかけてリンチの犠牲となった者は、白人723人に対し、黒人3220人であった。
出典
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関連項目
外部リンク
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