特産品(とくさんひん)とは、ある特定の国や地域でのみ生産されたり、収穫される物品のことで、その地域を代表し、その土地の気候風土を生かした物品のことをいう。特産物(とくさんぶつ)、名産品(めいさんひん)、名物(めいぶつ)ともいう。
概要
特産品は、該当地域で生産される、その地域の産品であることが他によく知られているものである。代表的な特産品の例としては、農産物や海産物やそれらを加工したもの(加工食品や工芸品など)、菓子や惣菜などの食品(郷土料理を含む)、衣服や玩具ないし装飾品など、その種類は多岐にわたる。みかんやリンゴなどのように気候風土と密接に結びついたもの、また京野菜、芋焼酎、古酒などのようにその文化風土と密接に結びついたものなど、その成立の過程もバラエティに富んでいる。
これらは、主にその地域を訪れた観光客によって消費されたり、鉄道やトラック、飛行機などの輸送機関を用いて、その国の全土や広く全世界の消費地に向けて輸送されたりする。日本の特産品では注文や発送を郵便小包を通してシステム化したふるさと小包のように、パッケージ化・通信販売化したものもあり、消費者へ提供する手段(流通)も多様化している。また最近では、地域で生産された特産品をその地域で消費しようという地産地消運動も盛んに行なわれている。
こういった特産品が発達する背景には、現地の気候や風土といったものから、特定の産業として発達する歴史的な経緯、あるいは流通の都合など近隣地域との地理条件など様々な要因が挙げられ、更にはそれらが密接に関係しあっている例も珍しくはない。例えば日本において精密機械工業では諏訪湖周辺(長野県#産業参照)のそれがよく知られ、「東洋のスイス」の異名があり、そのスイスも機械式時計や光学機器など精密機械の産業が盛んである。
それぞれの国や地域では、観光や雇用、収入源などを創出する産業として特産品の新規開拓や生産を大いに奨励しており、観光地との相乗効果で主要な産業へと発展をとげている。こういった観光に役立つ生産物に関しては観光資源にも位置づけられる。
日本各地の特産品
Eマーク
「優れた品質」 (Excellent Quality)、「正確な表示」 (Exact Expression)、「地域の環境と調和」 (Harmony with Ecology) の3つのEを図案化したマーク。各都道府県が定める品質等の基準を満たしていると認証した特産品に表示され、生産者の販路拡大や消費者の安心・安全につなげる(地域特産品認証事業)[4][5]。青森県・岩手県・宮城県・栃木県・群馬県・埼玉県・東京都・富山県・石川県・福井県・山梨県・長野県・三重県・大阪府・兵庫県・和歌山県・鳥取県・島根県・高知県・宮崎県・鹿児島県で実施されている[6]。
脚注
関連項目
外部リンク