宇都宮貨物ターミナル駅(うつのみやかもつターミナルえき)は、栃木県河内郡上三川町大字多功にある日本貨物鉄道(JR貨物)の貨物駅である。東北本線(宇都宮線)所属。
歴史
駅構造
地上駅。南北に通る東北本線の東側に沿って2キロメートルほどの長い構内を持つ。
北側から、着発線、仕分け線、コンテナホームの順に並んでいる。ホームは2面2線、その東側に日本オイルターミナル宇都宮営業所(油槽所)が置かれている。さらに、その東側に東京福山通運宇都宮貨物ターミナル支店などが置かれている。また、仕分け線から日本たばこ産業宇都宮倉庫への専用線が分岐している。
着発線が上下本線に挟まれる形になっている。着発線と仕分け線を結ぶ線路と上り本線が平面交差しないように、上り本線は高架線で通り抜けている。
駅舎には、JR貨物宇都宮営業支店が入っている。駅業務は日本オイルターミナルの子会社である宇都宮ターミナル運輸(略称:UTT)が行っている。
また、当駅では日産自動車栃木工場で生産された自動車を、車運車によって本牧操駅近隣の日産自動車本牧専用埠頭まで輸送(これらは海外向けに出荷した完成車を輸送)するため「ニッサン号」を運行していた。出荷された車種はプレジデント・セドリック・グロリア・パルサー(欧州名:サニー)であった。セドリックの大半は香港・シンガポール向けタクシー車であり、残りは中東・中米メキシコの警察車両(パトカー)向けであった[注釈 1]。パルサーは欧州名サニーとして販売されており、英国以外の国向けで販売していた仕様であるが実際は国内向けパルサー同様富士重工の委託生産で行っていた。グロリアはクウェート向けとして販売していた。プレジデントは海外では香港とシンガポールのみの販売であった。以前から当駅を代表する盛んな貨物輸送であったが、現在はほとんどが鉄道輸送からキャリアカーに置き換えられてしまった。現在でも、駅構内には車運車へ自動車を積み込みするためのスロープの跡が残っている。
なお、営業活動が盛んでキャリアカーの不足する年度末に限定して、同区間をゼロ(旧・日産陸送)が保有するNISSANカーパックコンテナによって、1日に30台 - 36台の自動車を輸送している。現在輸送されている自動車は、本牧専用埠頭から海外に輸出する高級車である。
取扱貨物
貨物列車
本項の内容は、2014年3月15日時点のものである。
1985年時の常備貨車
「昭和60年版私有貨車番号表」『トワイライトゾーンMANUAL13』ネコ・パブリッシング、2004年
駅周辺
運送会社の倉庫などが多く、周辺は水田、住宅、工場などがみられる郊外地である。宇都宮市のゴミ焼却施設(クリーンパーク茂原)や陸上自衛隊宇都宮駐屯地にも近い。北関東自動車道が駅の上で交差している。
保存車両
かつてJR貨物が貨車の保存施設(貨物博物館)を造ることを計画しており、その展示予定車両として東北新幹線の高架の下にある38番線にコサ900形・ヤ550形・ワフ29500形などの貴重な貨車18両が保存されていた。
しかしこの計画が実現することはなく、宇都宮貨物ターミナルで保存するヨ5000形1両を除く17両が2011年6月に他施設へと譲渡された。これまで保存されてきた車両の形式と現在の保存場所は下記の表のとおり[5]。
ク5000形は2004年に、コキ5500形は2006年に追加された車両。その他の車両は1989年から1990年にかけて集められた。
その他
隣の駅
- 東日本旅客鉄道(JR東日本)
- ■東北本線(宇都宮線)
- 石橋駅 - 宇都宮貨物ターミナル駅 - 雀宮駅
脚注
注釈
出典
関連項目
外部リンク