ラオメデイア [ 7] [ 8] (Neptune XII Laomedeia) は、海王星 の第12衛星 である。
発見と命名
ラオメデイアは、2002年 8月13日 にマシュー・J・ホルマン が率いる観測グループによって、セロ・トロロ汎米天文台 の 4 m 望遠鏡およびマウナ・ケア山 のカナダ・フランス・ハワイ望遠鏡 を用いた観測で発見された[ 9] [ 10] [ 11] [ 12] 。発見は、ハリメデ 、サオ の発見と合わせて、翌2003年 1月13日に国際天文学連合 のサーキュラーおよび小惑星センター のサーキュラーで公表され、S/ 2002 N 3 という仮符号 が与えられた[ 9] [ 10] [ 11] 。
海王星に新たに衛星が発見されるのは1989年 に探査機ボイジャー2号 が海王星をフライバイした時以来であり、また地上観測による海王星の新衛星の発見は、1949年 にジェラルド・カイパー がネレイド を発見して以来のことであった[ 11] [ 注 1] 。非常に暗く遠方を公転している衛星であるため、ボイジャー2号のフライバイの際には観測できなかったと考えられている[ 2] 。
その後2007年 2月3日に、ギリシア神話 における海の女神であるネレイデス の一人ラーオメデイアに因んで命名され、Neptune XII という確定番号が与えられた[ 16] [ 17] 。
特徴
海王星の不規則衛星の軌道要素を表した図。半径方向の軸は軌道長半径 、角度方向は軌道傾斜角 を表しており、横軸の上にあるものは順行軌道、下にあるものは逆行軌道で公転していることを示している。青い数値は、海王星のヒル球 の半径に対する軌道半径の割合を表している。黄線は近点から遠点 までを示しており、この長さが軌道離心率 の大きさに対応している。また、点の大きさは各衛星のサイズを表している。図の中心にあるネレイドの右上に位置しているのがラオメデイアである。
ラオメデイアは、海王星の周囲を順行 軌道で公転 している不規則衛星 であり[ 1] 、同時に発見されたサオ、および2024年 に発見された S/2002 N 5 と似た軌道要素を持っていることが知られている[ 18] 。木星 や土星 の不規則衛星は、似た軌道長半径や軌道傾斜角を持ったいくつかのグループに分けられる。同じグループに属する衛星は似た表面の特徴を持っているため、より大きい母天体の破片であることが示唆されている。ラオメデイアとサオも軌道要素が似ているため、海王星の不規則衛星にもこのようなグループが存在している可能性が示されていたが[ 12] 、この3つの衛星も軌道要素が似ているため、太陽系内の多くの衛星を発見しているスコット・S・シェパード はこの3つの衛星を「サオ群 (Sao group)」というグループにまとめている[ 1] 。
ラオメデイアの直径は、アルベド を0.04と仮定すると 42 km と推定される[ 5] 。他の巨大惑星の不規則衛星と同様に、大きな衛星 と小惑星 や彗星 の衝突の後に形成されたと考えられている[ 2] 。ただし、太陽系 年齢の間のハリメデとネレイドの衝突確率が 41% と高いのに対し、ラオメデイアとネレイドの衝突確率は無視できるほど小さく、また他の不規則衛星との衝突確率も同様であると推定されている[ 12] 。
脚注
注釈
^ 海王星の衛星ラリッサ は1981年 に地上からの掩蔽 観測で1回だけ検出されているが[ 13] [ 14] 、衛星であることが確定したのはボイジャー2号によって再発見された後である[ 15] 。
出典
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^ a b c d “In Depth | Laomedeia – Solar System Exploration: NASA Science ”. NASA (2017年12月5日). 2019年1月24日 閲覧。
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^ a b c Sheppard, Scott S.; Jewitt, David C.; Kleyna, Jan (2006). “A Survey for "Normal" Irregular Satellites around Neptune: Limits to Completeness”. The Astronomical Journal 132 : 171–176. arXiv :astro-ph/0604552 . Bibcode : 2006AJ....132..171S . doi :10.1086/504799 .
^ “Natural Satellites Ephemeris Service ”. Minor Planet Center . 2024年3月2日 閲覧。 (「Selection of Objects」にて「All Neptunian outer irregular satellites」と「I require Orbital Elements」にチェックを入れて「Get Information」と表示されると海王星の全ての不規則衛星の軌道要素が表示されるが、ここに表記されているのは他の天体からの摂動の影響を除外していない特定の日時を元期とした軌道要素であることに留意)
^ “衛星日本語表記索引 ”. 日本惑星協会 . 2019年3月9日 閲覧。
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