ノットゥルノ(欧字名:Notturno、2019年4月16日 - )は、日本の競走馬[1]。2022年ジャパンダートダービー、2024年名古屋グランプリ、佐賀記念の勝ち馬である。
馬名の意味は、イタリア語で「夜想曲」。
戦績
デビュー前
2019年4月16日、北海道沙流郡日高町の下河辺牧場にて出生。2020年のセレクトセール1歳セッションに上場され、金子真人ホールディングス(株)に4300万円で落札された[3]。
2歳(2021年)
12月25日に行われた2歳新馬戦に武豊を鞍上に迎えてデビュー。2番人気に推されたが、4着に敗れた。
3歳(2022年)
3歳初戦として1月16日に行われた3歳未勝利戦に出走し、6着。
2月12日に行われた3歳未勝利戦では芝からダートに転向。単勝オッズ1.6倍の圧倒的1番人気に推された。レースでは好位追走から早めに先頭に立つと、後を追う2番人気のプラチナドリームを最後は5馬身突き放し勝利した。
3月5日に行われた3歳1勝クラスでは、1番人気に推された。レースでは途中一気にポジションを押し上げると前を行く2番人気のヴァレーデラルナをとらえ、1馬身3/4差つけて快勝した[4]。なお、このレースの8着には後にJBCクラシックを制するキングズソードが入っており、出世レースとなった。
5月4日に園田競馬場で行われたJpnII兵庫チャンピオンシップに出走。前年の全日本2歳優駿を制したドライスタウトに次ぐ2番人気に推された。レースでは最後の直線で4番人気コンシリエーレをかわすも、勝ち馬のブリッツファングには8馬身離され2着に敗れた[5]。
7月13日に大井競馬場で行われたダートの3歳王者を決める一戦である、JpnIジャパンダートダービーに出走。4番人気で迎えたレースでは好位集団の外を追走し、直線で先頭に立って押し切り2着の3番人気ペイシャエスに3/4馬身差をつけ優勝。GI/JpnI競走初制覇を果たした。鞍上の武豊騎手は2005年以来3回目となる日本ダービー(ドウデュース[注 1]で勝利)との同一年制覇を果たした[6]。鞍上の武は「何より馬の状態がとにかく良かったです。今までにないくらいの状態の良さを感じてゲートインできたので、自信を持って乗ることができました。枠順も外目だったので、スムーズなレースができて、馬のリズムが良かったので、馬場状態も考えて、早めに、少し早めに動こうと思いました。」「僕は53歳ですけど、馬はまだ3歳なので、一緒に頑張っていけたらと思います」と振り返った[7]。
3歳秋初戦として9月28日に行われたJpnII日本テレビ盃に出走。鞍上の武は凱旋門賞騎乗のためフランスに遠征しており、松山弘平に乗り替わった。4番人気で迎えたレースではスタートを決めて2番手を追走するも、最後の直線では失速し7着に敗れた。
次走は中京ダート1800のGI、チャンピオンズCに出走。再び武豊に鞍上が戻り、5番人気での出走となった。このレースには前年の覇者、テーオーケインズ、同年のUAEダービーを人気薄ながらも勝利を果たした、クラウンプライド、当時ダート5戦4勝のグロリアムンディらが揃った。テーオーケインズが少し出遅れた中で始まったレースでは7番手でレースを進めた。直線クラウンプライドが先頭に立ち、押し切るかと思われたが、3番人気、連勝中のジュンライトボルトが脅威の末脚を炸裂させ、クビ差躱し、初の戴冠となった。ノットゥルノは伸びきれず、8着に敗れた。
ノットゥルノは次走を年末の、東京大賞典(GI)に出走した。前走大敗を喫したものの、4番人気におされた。このレースには、5歳の春ダートに転向して、4戦3勝全てのレースで上がり最速を出している、ウシュバテソーロ、同年の、みやこSの勝ち馬、サンライズホープ、同年の帝王賞(GⅠ)の覇者、メイショウハリオらが揃った、スタート後にノットゥルノは4番手の位置につけてレースを進める。最後の直線外からウシュバテソーロが追い上げ、内からはメイショウハリオ、追いかけるようにしてノットゥルノが上がってくるも、ウシュバテソーロを捉えきれず、2着に敗れた。ウシュバテソーロはダート5戦4勝、GⅠ初制覇となった。
4歳 (2023年)
本馬は2月1日の、JpnI川崎記念から始動。引き続き、武豊騎手がまたがり4番人気で8着。以降は、5月20日のGIII平安Sを9着、6月28日のJpnI帝王賞を8着。このレースを勝利したメイショウハリオは連覇を飾った。10月9日のJpnI、MCS南部杯は同年の、フェブラリーSの覇者、レモンポップが2着のイグナイターに2秒差をつける大差勝ちを披露した。ノットゥルノは6着に敗れた。11月3日のJpnIJBCクラシックでは、キングズソードに0.9秒差をつけられ2着。12月3日のチャンピオンズCでは、8着に敗れる。12月29日の東京大賞典ではウシュバテソーロの4着に敗れた。
2023年はJBCクラシックの2着が最高着順となり、他全てのレースが馬券圏外の未勝利で終わった。
5歳 (2024年)
本馬は2月12日、佐賀競馬場で行われるJpnⅢ、佐賀記念に出走。このレースには、JpnⅡ名古屋グランプリ2着馬の、グランブリッジが1.7倍の1番人気、ノットゥルノは3.1倍の2番人気となった。ノットゥルノは斤量59kgを背負っていたが、2着キリンジに4馬身をつける圧勝。グランブリッジは4着だった。
しかし、続くJpnⅠ川崎記念では、3番人気で出走するも、ライトウォーリアの6着に敗れた。ライトウォーリアは、初のJpnⅠを制覇した。
5月6日、JpnⅡの名古屋グランプリに出走。1番人気に押された。終始先頭を逃げ、2着に8馬身差をつける、レコード制覇。このレースでは売得金額が9億5582万7200円を達成し、こちらもレコードとなった。[8]
続くレースはJpnI、帝王賞。前走の結果もあり、4番人気となる。このレースにはJBCクラシックの覇者、キングズソードや、2023年チャンピオンズC、東京大賞典2着、前走ドバイWC4着の、ウィルソンテソーロ、2023年の2月12日の新馬から、11月5日のみやこSまで5戦5勝、2024年の、ダイオライト記念(JpnII)の覇者、セラフィックコール、2023、24年と連覇を果たしたメイショウハリオ、川崎記念でノットゥルノを下した、ライトウォーリアらが揃った。レース終盤、先行策をとっていたキングズソードが直線先頭に立つと、ウィルソンテソーロも追い上げる。更には地方馬のディクテオンも凄まじい末脚で迫るが、キングズソードが押し切り、JpnI2勝目を飾った。2着にウィルソンテソーロ、3着にディクテオン、ノットゥルノは伸び切れず、7着に敗れた。
競走成績
以下の内容は、JBISサーチ[9]およびnetkeiba.com[10]の情報に基づく。
競走日 |
競馬場 |
競走名 |
格 |
距離(馬場) |
頭 数 |
枠 番 |
馬 番 |
オッズ (人気) |
着順 |
タイム (上がり3F) |
着差 |
騎手 |
斤量 [kg] |
1着馬(2着馬) |
馬体重 [kg]
|
2021.12.25
|
阪神
|
2歳新馬
|
|
芝1800m(良)
|
14
|
2
|
2
|
004.00(2人)
|
04着
|
R1:49.0(35.1)
|
-0.3
|
0武豊
|
55
|
ジャスティンカツミ
|
512
|
2022.01.16
|
中京
|
3歳未勝利
|
|
芝2000m(良)
|
11
|
7
|
8
|
006.20(4人)
|
06着
|
R2:02.7(35.5)
|
-0.8
|
0武豊
|
56
|
エイカイマッケンロ
|
508
|
0000.02.12
|
阪神
|
3歳未勝利
|
|
ダ1800m(良)
|
10
|
8
|
10
|
001.60(1人)
|
01着
|
R1:53.7(37.5)
|
-0.8
|
0武豊
|
56
|
(プラチナドリーム)
|
512
|
0000.03.05
|
阪神
|
3歳1勝クラス
|
|
ダ1800m(良)
|
12
|
1
|
1
|
002.00(1人)
|
01着
|
R1:53.3(38.3)
|
-0.3
|
0武豊
|
56
|
(ヴァレーデラルナ)
|
510
|
0000.03.26
|
中山
|
伏竜S
|
OP
|
ダ1800m(稍)
|
8
|
8
|
8
|
004.10(2人)
|
02着
|
R1:52.2(37.9)
|
-0.1
|
0武豊
|
56
|
デリカダ
|
508
|
0000.05.04
|
園田
|
兵庫CS
|
JpnII
|
ダ1870m(良)
|
12
|
3
|
3
|
003.90(2人)
|
02着
|
R2:02.7(39.5)
|
-1.3
|
0武豊
|
56
|
ブリッツファング
|
517
|
0000.07.13
|
大井
|
JDダービー
|
JpnI
|
ダ2000m(不)
|
14
|
8
|
14
|
005.60(4人)
|
01着
|
R2:04.6(38.3)
|
-0.1
|
0武豊
|
56
|
(ペイシャエス)
|
526
|
0000.09.28
|
船橋
|
日本テレビ盃
|
JpnII
|
ダ1800m(良)
|
13
|
3
|
3
|
005.30(4人)
|
07着
|
R1:54.6(41.2)
|
-1.6
|
0松山弘平
|
55
|
フィールドセンス
|
529
|
0000.12.04
|
中京
|
チャンピオンズC
|
GI
|
ダ1800m(良)
|
16
|
5
|
9
|
014.30(5人)
|
08着
|
R1:52.6(37.1)
|
-0.7
|
0武豊
|
56
|
ジュンライトボルト
|
516
|
0000.12.29
|
大井
|
東京大賞典
|
GI
|
ダ2000m(良)
|
14
|
2
|
2
|
007.10(4人)
|
02着
|
R2:05.3(37.7)
|
-0.3
|
0武豊
|
55
|
ウシュバテソーロ
|
516
|
2023.02.01
|
川崎
|
川崎記念
|
JpnI
|
ダ2100m(良)
|
10
|
6
|
6
|
011.70(4人)
|
08着
|
R2:19.3(42.7)
|
-3.3
|
0武豊
|
56
|
ウシュバテソーロ
|
522
|
0000.05.20
|
京都
|
平安S
|
GIII
|
ダ1900m(稍)
|
16
|
3
|
5
|
008.00(4人)
|
09着
|
R2:01.3(40.4)
|
-1.5
|
0武豊
|
59
|
グロリアムンディ
|
534
|
0000.06.28
|
大井
|
帝王賞
|
JpnI
|
ダ2000m(良)
|
12
|
5
|
5
|
007.60(5人)
|
08着
|
R2:03.4(38.1)
|
-1.5
|
0武豊
|
57
|
メイショウハリオ
|
529
|
0000.10.09
|
盛岡
|
MCS南部杯
|
JpnI
|
ダ1600m(稍)
|
14
|
5
|
7
|
026.30(6人)
|
06着
|
R1:36.1(35.8)
|
-2.3
|
0武豊
|
57
|
レモンポップ
|
538
|
0000.11.03
|
大井
|
JBCクラシック
|
JpnI
|
ダ2000m(良)
|
10
|
2
|
2
|
017.70(5人)
|
02着
|
R2:06.0(39.2)
|
-0.9
|
0森泰斗
|
57
|
キングズソード
|
511
|
0000.12.03
|
中京
|
チャンピオンズC
|
GI
|
ダ1800m(良)
|
15
|
6
|
10
|
156.4(14人)
|
08着
|
R1:51.5(37.5)
|
-0.9
|
0松若風馬
|
58
|
レモンポップ
|
522
|
0000.12.29
|
大井
|
東京大賞典
|
GI
|
ダ2000m(良)
|
9
|
2
|
2
|
014.10(5人)
|
04着
|
R2:07.6(37.7)
|
-0.3
|
0武豊
|
57
|
ウシュバテソーロ
|
514
|
2024.02.12
|
佐賀
|
佐賀記念
|
JpnIII
|
ダ2000m(稍)
|
12
|
8
|
11
|
003.10(2人)
|
01着
|
R2:08.2(38.1)
|
-0.7
|
0武豊
|
59
|
(キリンジ)
|
521
|
0000.04.03
|
川崎
|
川崎記念
|
JpnI
|
ダ2100m(重)
|
11
|
4
|
4
|
005.70(3人)
|
06着
|
R2:17.3(41.4)
|
-1.8
|
0武豊
|
57
|
ライトウォーリア
|
516
|
0000.05.06
|
名古屋
|
名古屋GP
|
JpnII
|
ダ2100m(良)
|
12
|
7
|
10
|
002.00(1人)
|
01着
|
R2:10.9(37.9)
|
-1.6
|
0武豊
|
58
|
(ヒロイックテイル)
|
525
|
0000.06.26
|
大井
|
帝王賞
|
JpnI
|
ダ2000m(稍)
|
13
|
4
|
5
|
004.80(4人)
|
07着
|
R2:08.7(39.5)
|
-1.8
|
0武豊
|
57
|
キングズソード
|
526
|
0000.11.04
|
佐賀
|
JBCクラシック
|
JpnI
|
ダ2000m(良)
|
11
|
5
|
5
|
003.60(3人)
|
05着
|
R2:09.6(38.7)
|
-1.6
|
0武豊
|
57
|
ウィルソンテソーロ
|
525
|
- Rはレースレコード勝ちを示す
- 競走成績は2024年11月4日現在
血統表
脚注
注釈
- ^ 奇しくも同じハーツクライ産駒である。
出典
外部リンク