『題名のない音楽会』(だいめいのないおんがくかい、英字表記:Untitled Concert)は、1964年8月から放送されているクラシック系音楽番組。
放送開始当初から1966年3月までは、日本科学技術振興財団テレビ事業本部(東京12チャンネル、現在テレビ東京)が制作。その後1966年4月より日本教育テレビ(NETテレビ)→テレビ朝日の制作に移行し、一時の放送休止期間をはさみつつ2024年現在も放送中である。
クラシック音楽を中心にさまざまな分野の音楽を取り上げ、そのテーマとなる音楽の楽しみ方を解説することが番組の中心となる。
東京交響楽団やシエナ・ウインド・オーケストラなどをはじめとするオーケストラや吹奏楽編成による演奏が行われるのが特徴。主に公開録画で収録され、応募により観覧が可能。ただし、単独楽器と、その演奏のみ取り上げたり、スタジオでの非公開録画の場合もある。
スポンサーは前身の『ゴールデン・ポップス・コンサート』時代から一貫して、石油会社「出光興産」による一社提供であり[注 3]、2020年8月以降は「(アポロマーク)idemitsu」の表示となった[注 4]。
番組の本編中にコマーシャルは一切入らない。これは協賛社・出光興産創業者の出光佐三が「芸術には中断はない」と考えていることからである。このためCMが流れるのは番組冒頭とエンディングのみである。1985年夏頃から2017年春頃までのそのうちの1本は出光美術館で開催されている催しのお知らせで、これは関東地区およびBS朝日で放送していた(それ以外の地域は出光興産の企業CMに差し替え)。かつて分館が大阪と福岡にあった頃は、朝日放送と九州朝日放送では分館の催しのお知らせに差し替えて放送されていた。
また出光興産は、本番組が放送開始25周年を迎えた1990年に、若手音楽家の育成を主眼とした出光音楽賞(いでみつおんがくしょう)を制定している。
英語タイトルの"Untitled Concert"(アンタイトルド・コンサート)は、かつては番組のタイトルとして直接出てくることはなかったが、『題名のない音楽会21』では舞台の装飾などでその文字が認められることがあった。その後、2008年4月にタイトルロゴが変更された際、そのサブタイトルとして挿入されている(→歴史を参照)。
クラシック番組としては世界最長寿である(後述)と同時に、現在テレビ朝日全体でも最長寿の番組である[注 5]。また、同社で最初にステレオ放送を実施した番組でもある(1978年12月24日 - )なお、2004年4月4日から2016年3月27日までは、5.1chサラウンド放送であった。一方、字幕放送の実施については2020年4月4日放送分からとなった。
1964年8月1日、当時の東京放送(現:TBSホールディングス)との専属契約を打ち切られて苦境に陥っていた東京交響楽団の活動の場を与える意味で、土曜20:30 - 21:00に日本科学技術振興財団テレビ事業本部(以下東京12チャンネル、現:テレビ東京)の制作で『ゴールデン・ポップス・コンサート 題名のない音楽会』として始まった。当初の司会は作曲家の黛敏郎で、日頃余り聞きなれないクラシック音楽を家族で楽しんでもらえるようにとの趣旨でスタートした。東京12チャンネルの開局から4か月後のことだった[1]。第1回のゲストは歌手の松尾和子[1]。
この『題名のない音楽会』というネーミングは、黛が考案した『題名のないコンサート』という題名を放送作家が改題したもので、これに東京12チャンネルの編成課長・ばばこういちが「どうしても題名に『ゴールデン』という文字を入れて欲しい」と要求し上記の題名に落ち着いた[2]。黛敏郎は著書『題名のない音楽会』(1977年、角川文庫)で、番組タイトルについてみなアイデアが浮かばなくなり、半ば投げやりな調子で言ったものが採用されたと明かしている[1]。
番組開始に先立ち、スポンサードを行うかどうかの判断材料にするために出光興産の社内でパイロット版を放送し社員にアンケートを取ったが、賛成はわずか17%ほどに過ぎなかったという[3]。しかし出光興産としては初の番組提供であり、同族経営の出光興産としては番組に強いこだわりを持っていた[1]。
その後、東京12チャンネルの経営難による放送時間短縮(1966年4月より。詳しくはテレビ東京#設立前(科学テレビ時代)を参照)の影響で放送継続が困難になり、スタッフは「司会者・楽団・スタッフはそのままで番組を継続できること」を条件に他局への番組の移籍を検討する。元々、出光興産は「会社がつぶれるまで提供を継続する」方針であり[注 6]、「優良スポンサーつきの番組であり、ぜひ放送したい」と他の在京キー局が一斉に手を挙げたが、最終的にNET・日本教育テレビ(現:テレビ朝日)が当時専属の交響楽団を持たなかったことが決め手となり[注 7]、1966年4月1日に放送がNETに移り『題名のない音楽会』として再スタート。NETテレビで放送された最初の2本分は、東京12チャンネルが制作したものである。
アニメ番組を除く放送番組が他の放送局に移籍するのは、現在ではもちろん当時としても異例のことである[注 8]。
その後、本番組は1968年9月29日放送分で一旦終了し、1968年10月6日から1969年6月29日までは同時間帯にて『黛敏郎の間奏曲』が放送された。1969年7月6日放送分より再び放送を開始し、以降は週末のNETテレビ⇒テレビ朝日で特番や緊急時を除き、間断なく放送を続けている。
黛の司会担当時は主に現代音楽を取り扱い、ポップスや軽音楽が披露されるのは稀だった[4][注 9]。また後述のように様々な企画が実施された一方で、黛の政治思想が色濃く反映され、お蔵入りになるケースもあった。
1997年4月10日に、番組開始から約33年に渡って司会を担当した黛が急逝。これを受け、同月放送分までは生前に収録されたストック分を放送し、さらに5月以降は永六輔による代理司会の時期を経て、10月5日からタイトルを『新・題名のない音楽会』に改め、武田鉄矢が正式な司会として起用された。この時期から31年ぶりにアシスタントも復活し、テレビ朝日の女性アナウンサーが務めている。前述の通り現代音楽がメインであった改題前に対し、改題後はポップス中心に移行し軽音楽を扱う機会も増えるようになった。
2000年4月2日放送分からは『題名のない音楽会21』に再び改題、羽田健太郎が7年あまりの間司会を務め、オープニングテーマ・エンディングテーマの作曲も担当した。2007年6月2日に羽田が死去した後は、2008年3月30日放送分までアシスタントの久保田直子(テレビ朝日アナウンサー)と週替わりのゲスト司会という体制を採った。
2008年4月6日放送分からは『題名のない音楽会』にタイトルを戻し、指揮者で出光音楽賞受賞者の佐渡裕が司会を務める[注 10]。このリニューアルに伴いロゴも変更され、1980年代から使われ続けてきた手書き調のものから、「題名のない音楽会 Untitled Concert」と書かれた紙が、新たな番組コンセプトである「ページを1枚めくる」を表現した、向かって右下の部分が折れてめくれている図案に変更されている。この「ページを1枚めくる」というコンセプトは譜面をめくる動作に準え、番組を見た視聴者が音楽への好奇心を深めていくことを意味している。タイトルロゴのみならず番組の出だしにもこのコンセプトは反映されており、リニューアル後は司会の挨拶のあと、「みなさんと一緒に、新しいページをめくりましょう!」と掛け声をかけてから番組が開始されている。
佐渡が担当した当時は、指揮者になってみたい一般の人を募集しオーケストラの指揮をしてもらう「振ってみまSHOW!」、青島広志(アドバイザーとして番組制作にも携わっていた)が往年のクラシックの作曲家に仮装するシリーズ、高嶋ちさ子による「クレーマー・ちさ子教授シリーズ」、宮川彬良による「アキラさんの大発見シリーズ」などのコミカルな企画が定期的に行われた。元々コンサートホールでの収録が多い番組ではあるが、佐渡のスケジュールに合わせスタジオ収録や海外ロケも行われるようになった。佐渡時代の番組スタイルについては、佐渡自身が「レナード・バーンスタインがニューヨーク・フィルハーモニックを指揮していた『ヤング・ピープルズ・コンサート』を下敷きとしている」と語っている[1]。
2009年に放送開始45周年を迎えるのを機に、2月に「世界一長寿のクラシック音楽番組」としてギネス世界記録に記録認定を申請、その結果前述の通り『黛敏郎の間奏曲』による中断期間があったことから、1969年7月以降の放送が対象となり、5月28日に「1969年7月以来継続放送されているクラシック音楽番組」として、世界記録の認定を受けた[5]。
2010年12月6日、第17回日本プロ音楽録音賞「放送メディア」放送作品部門にて、2010年5月16日放送分「坂本龍一〜箏の魅力」(坂本龍一作曲の箏とオーケストラのための協奏曲を沢井一恵が演奏)が最優秀賞を受賞した。
2011年3月13日は東日本大震災のANN報道特別番組のため休止。また、4月24日・5月1日の放送分では「東日本大震災復興応援〜今、音楽にできること〜」と題して、復興支援の音楽コンサートの模様を放送した(BS朝日では4月30日・5月7日に放送)[注 11]。また、2013年9月8日・2015年2月1日も『報道ステーション SUNDAY』を9:00から1時間繰り上げ・拡大して放送したため休止していた[注 12]。
2015年10月4日放送分(第2431回)から、ヴァイオリニストの五嶋龍が司会を務める[6] こととなり、その初回収録は7月30日に行われた。五嶋で6代目の司会、最年少(27歳)での就任となる。これは佐渡が2015年9月から、ウィーン・トーンキュンストラー管弦楽団の音楽監督を務めることとなったためであり、2015年6月28日放送分でも「年間4か月近くウィーン(オーストリア)に滞在する生活になります。引き続きヨーロッパを中心に客演指揮者としてオーケストラの指揮活動をしていくことを考えると、どうしても毎週番組を作っていくことが物理的に不可能になってしまいました」と、番組降板の理由・経緯を説明している[7]。リニューアルに伴いタイトルロゴも再変更され[8]、アシスタントも松尾由美子に交代した。
ほとんどの回でサブタイトルが「○○の音楽会」の形式に統一され、エンディングには音楽に関する「偉人の名言」も紹介されている。
本番組への出演期間中も、五嶋は東京に仕事の場を移すことなく、番組収録の度に自宅のあるニューヨークから来日するというスケジュールで司会を続けていたが、2017年3月26日放送分をもって本番組を卒業。過去に本番組にゲストとして出演した経験を持つミュージカル俳優の石丸幹二に、翌4月2日放送分から司会が引き継がれた[9]。
2017年10月の改編にて、情報番組『サンデーLIVE!!』[注 13]の開始に伴い[注 14]、本番組も10月7日放送分よりテレビ朝日ほか一部地域では、放送時間がローカル枠の土曜10:00 - 10:30に変更された[注 15][10][11]。多くのネット局は同時間帯にローカルワイド番組など独自の編成をしており、これ以降当番組は全国で放送時間が異なることになった。
2019年10月20日には、特別番組『題名のない音楽会スペシャル オーケストラと夢をかなえる夢響'19』を『スペシャルサンデー』第1部(10:00 - 11:00)で放送[12]、2年強振りに日曜午前に本番組が放送された。
2022年5月28日放送分からはオープニング・エンディングが一新し、エンディングの音楽に関する「偉人の名言」も提供読み前での紹介となった。
太字はテレビ朝日アナウンサー(元職を含む)。
このほか、俳優・作家・歌手・政治家など著名人1人を招いての『わが青春の歌』シリーズ(藤山一郎・浜田幸一・金田一春彦ほか)などのシリーズものや当時の流行を取り入れた娯楽性の高い企画も多く放送されていた(例えば、1970年代後半には日本テレビの『テレビ三面記事 ウィークエンダー』やNHK総合テレビの『ホントにホント?』のパロディ版を放送したこともある)。
「ベートーベンから浪花節まで」を基本コンセプトとした内容であったため、黛の人脈の広さからおよそクラシック音楽とは関連性が薄いと思われる芸能人や大物著名人なども数多くゲスト出演していた。したがって、必ずしもポップスや軽音楽を軽視していたわけではない。またクラシックの演奏家であっても専門とは違う分野に挑戦させられることも少なくなかった(指揮者の小林研一郎がテノール歌手として出演するなど)。以上の理由から、出演者や取り上げる音楽は黛敏郎本人の政治的主張とは必ずしも一致しない場合が少なくなく、かつ作曲者の政治的立場と音楽作品の価値とは常に峻別していた。
字幕放送は、ANNフルネット局とBS朝日のみ実施。
開始当初は日曜9:30 - 10:00だった(1967年10月6日から1968年3月29日の間は金曜23:00 - 23:30に放送されていた)。1969年10月4日からは土曜23:00 - 23:30で、1971年4月3日からは土曜23:30 - 翌0:00で、1972年4月1日から土曜22:30 - 23:00で放送されていた。しかし、腸捻転の解消に伴い、朝日放送(当時)制作枠が入ってくるため、1975年4月6日に日曜10:00 - 10:30へ移動した。
その後、日曜10時台の朝日放送(当時)制作枠へ変更の影響で1980年以降、日曜9:00 - 9:30に移動したが、前述のとおり、2017年10月より『サンデーLIVE!!』(日曜 5:50 - 8:30、テレビ朝日・メ〜テレ・朝日放送→朝日放送テレビ共同制作)開始のため、土曜10:00 - 10:30[注 14]への放送時間の移動が実施された(テレビ朝日・福島放送・琉球朝日放送の場合。左記3局以外の同系列フルネット21局では時差ネットに移行し、系列外局5局〈このうち福井テレビのみ同時ネットから遅れネットに移動〉では従来の時間に据え置きとなる)[32]。
系列は当時の系列。
提供画面表示はかつてはタイトル入りの静止画像に組み込まれ、後にVTR編集時に挿入されていたが、現在テレビ朝日・BS朝日の個別による送出マスターのテロップ出しとなっている(書体自体はどちらも同じだが、ホワイトバック画面での表示のため「提供」が白文字となっている)。
1.殺意のバカンス - 2.好きと言いなさい - 3.青い週末 - 4.Temptation(誘惑) - 5.1986年のマリリン - 6.Sosotte - 7.HELP - 8.the Cross -愛の十字架- - 9.Oneway Generation - 10.CRAZY NIGHTS/GOLDEN DAYS - 11.HEART BREAK - 12.孤独なハリケーン - 13.悲しみSWING - 14.あなたと、熱帯 (MINAKO with WILD CATS) - 15.STAND UP (Full Metal Armor) (MINAKO with WILD CATS) - 16.勝手にさせて (MINAKO with WILD CATS) - 17.7th Bird "愛に恋" - 18.SHANGRI-LA - 19.つばさ - 20.ら・ら・ば・い〜優しく抱かせて - 21.僕の部屋で暮らそう - 22.shining eyes - 23.風のうた - 24.Honey - 25.ナージャ!! - 26.新世界
1.Fall In I Love You -恋に落ちて-
1.星空
1.好きからはじめよう
1.M'シンドローム - 2.LIPS - 3.CANCEL - 4.OVERSEA - 5.Midnight Swing - 6.WILD CATS (MINAKO with WILD CATS) - 7.豹的 (TARGET) (MINAKO with WILD CATS) - 8.JUNCTION - 9.晴れ ときどき くもり - 10.AVE MARIA - 11.時
1.心を込めて... - 2.ETERNAL HARMONY - 3.ラスト・コンサート - 4.AGAIN
1.MINAKO COLLECTION - 2.Look over my shoulder - 3.LIFE -Minako Honda. Premium Best- - 4.I LOVE YOU - 5.ANGEL VOICE 〜本田美奈子.メモリアル・ベスト〜 - 6.クラシカル・ベスト〜天に響く歌〜 - 7.Anthem of Life ~Sweet Ballads Best~
1.アメイジング・グレイス - 2.優しい世界
ミス・サイゴン - 屋根の上のバイオリン弾き - 王様と私 - レ・ミゼラブル - ひめゆり - 十二夜 - クラウディア
長崎歌謡祭 - ザ・ベストテン - パパはニュースキャスター - 魔法騎士レイアース - HUNTER×HUNTER - 明日のナージャ - たけしの誰でもピカソ - 題名のない音楽会 - ミュージックフェア - 徹子の部屋 - ドリーム・プレス社 - KIDS IN TOSHIBA かぼちゃークラブ - ラジオDE ME HER ヤングアイドル・ナイトパーティ
高杉敬二 - 河村和奈 - 松本伊代 - 松崎しげる - 杏里 - 工藤夕貴 - 坂本冬美 - 秋元康 - 筒美京平 - 岩谷時子 - 島田歌穂 - 岸田敏志 - 市村正親 - 岩崎宏美 - 森公美子 - 早見優 - 牧田和男 - 服部克久 - 井上鑑 - 岡野博行 - 羽田健太郎 - 岸谷五朗 - 寺脇康文 - YU-KI(TRF) - 福山雅治 - 中島忠幸(カンニング) - フィリッパ・ジョルダーノ - ヘイリー・ウェステンラ
本田美奈子.のディスコグラフィ - 朝霞市 - ボンド企画 - リブ・フォー・ライフ美奈子基金 - wish - NAONのYAON - ACジャパン - 急性骨髄性白血病 - 骨髄バンク