藤岡 佑介(ふじおか ゆうすけ、1986年3月17日[2]-)は、JRA(日本中央競馬会)栗東所属の騎手。滋賀県出身[2]。
父・藤岡健一は栗東所属の調教師であり、弟・藤岡康太は同じ栗東所属の騎手として2007年にデビューしたが、2024年に競走中の落馬事故で殉職している。
愛称は「豆」(藤田伸二による命名[3])。
来歴
競馬学校第20期生(同期には川田将雅、津村明秀、丹内祐次、吉田隼人らがいる)。2004年3月6日、中京競馬第2競走のシルクマイスターでデビューし、16頭立ての3着に入る[2]。初勝利は同年3月13日、中京競馬第1競走のアスカクイーン[2]。同年3月27日、中京競馬の沈丁花賞をトップオブワールドで制し、特別競走勝利を挙げると、その後も函館記念でワイルドスナイパーに騎乗し3着、暮れの朝日杯フューチュリティステークスでGI初騎乗を果たすなど、この年35勝を挙げ、JRA賞最多勝利新人騎手を獲得した[2]。
2005年1月30日の京都牝馬ステークスで父が管理するアズマサンダースに騎乗して勝利し重賞初制覇[2]。2007年~2010年、スーパーホーネットに騎乗し活躍。
2010年のサマージョッキーズシリーズでは、2位の柴田善臣とは2ポイントの僅差ながら優勝した[4]。これにより同年11月27日に実施した第24回ワールドスーパージョッキーズシリーズに出場した。
2013年4月16日から11月19日までフランスでの長期遠征を行い、6月21日のメゾンラフィット競馬場での一般レースで海外初勝利を挙げた[5]。
2013年11-12月、モーリシャスのシャン・ド・マルス競馬場で行われた国際騎手競走に出場、日本人騎手では初めてモーリシャスで騎乗した[6]。
地方で行われたダートグレード競走のJpnIで2勝している(2010年のJBCスプリントと2012年の全日本2歳優駿)。中央競馬では2018年5月5日終了時点で重賞における勝鞍は28勝(GII12勝・GIII16勝)、中央のGI(JpnIも含む)に限ると2着を7回記録していた。そして2018年5月6日、第23回NHKマイルカップでケイアイノーテックに騎乗し優勝(武豊の騎乗停止によるテン乗りであった)、GI競走86度目の挑戦にして念願の初制覇を飾っている(騎乗回数8566回目・通算690勝目・重賞29勝目)。
2018年2月11日、菊花賞で2着だったクリンチャーに騎乗して第111回京都記念を制しGII10勝目を挙げている。
2020年11月7日、JRA通算10,000回騎乗を達成(史上43人目、現役29人目)[7]。
2023年12月3日阪神競馬場12Rの3歳上2勝クラスで、2番人気トラベログ(牝3、美浦・岩戸孝樹厩舎)で1着となり、史上43人目・現役22人目のJRA通算1000勝を達成した[8]。なお同レースでは和田竜二騎手が史上6人目・現役5人目のJRA通算21000回騎乗を達成した[9]。
2024年2月18日、フェブラリーステークスで11番人気のペプチドナイルに騎乗して勝利、6年ぶりのGI2勝目となった。GIの連敗記録を54で止めた[10]。レースを振り返って藤岡は「(NHKマイルCの時は)接戦で分からなかったので今日はガッツポーズできて良かったですね。直線は本当に長かった。想像以上の手応えで、先頭に立つのは早かったけどよく頑張ってくれました」と語っている[11]。4月10日、6日の阪神競馬場での落馬事故により弟の康太が他界。netkeiba.comで連載しているコラムで弔文を寄稿している[12]。
評価
- 競馬学校卒業時、学校の教官は「クラス代表挨拶といえば誰もが「藤岡」と言うくらいのしっかり者。持ち前の頭脳プレーで今までにはないタイプの騎手になってくれるはず」としていた[13]。
- 調教師の矢作芳人は藤岡の騎乗技術について、「どの馬に乗せても折り合いの心配がないと言ってもいいくらい、…(中略)…馬を折り合わせるのが上手い」と評している。矢作は一方で、その馬が自分に合わないと思うと「とたんに自信のない乗り方になってしまうことがある」とも指摘している[14]。
主な騎乗馬
太字はGI級競走を示す
騎乗成績
|
日付 |
競馬場・開催 |
競走名 |
馬名 |
頭数 |
人気 |
着順
|
初騎乗 |
2004年3月6日 |
1回中京1日2R |
3歳未勝利 |
シルクマイスター |
16頭 |
2 |
3着
|
初勝利 |
2004年3月13日 |
1回中京3日1R |
3歳未勝利 |
アスカクイーン |
16頭 |
2 |
1着
|
重賞初騎乗 |
2004年5月29日 |
2回中京3日11R |
金鯱賞 |
アグネススペシャル |
12頭 |
10 |
12着
|
重賞初勝利 |
2005年1月30日 |
2回京都2日11R |
京都牝馬S |
アズマサンダース |
15頭 |
4 |
1着
|
GI初騎乗 |
2004年12月12日 |
5回中山4日11R |
朝日杯FS |
サクセスドマーニ |
16頭 |
13 |
13着
|
GI初勝利 |
2018年5月6日 |
2回東京6日11R |
NHKマイルカップ |
ケイアイノーテック |
18頭 |
6 |
1着
|
年度別成績
年度 |
1着 |
2着 |
3着 |
騎乗数 |
勝率 |
連対率 |
複勝率 |
表彰
|
2004年 |
35 |
22 |
32 |
432 |
.081 |
.132 |
.206 |
中央競馬関西放送記者クラブ賞
|
2005年 |
62 |
52 |
56 |
718 |
.086 |
.159 |
.237 |
|
2006年 |
51 |
41 |
72 |
714 |
.071 |
.129 |
.230 |
|
2007年 |
57 |
59 |
75 |
723 |
.079 |
.160 |
.264 |
中京競馬記者クラブ賞 中央競馬騎手年間ホープ賞
|
2008年 |
75 |
74 |
73 |
735 |
.102 |
.203 |
.302 |
|
2009年 |
67 |
68 |
71 |
741 |
.090 |
.182 |
.278 |
|
2010年 |
63 |
65 |
64 |
732 |
.086 |
.175 |
.262 |
フェアプレー賞 サマージョッキーズシリーズ優勝
|
2011年 |
42 |
59 |
49 |
661 |
.064 |
.153 |
.227 |
フェアプレー賞
|
2012年 |
39 |
57 |
35 |
633 |
.062 |
.152 |
.207 |
|
2013年 |
19 |
16 |
18 |
220 |
.086 |
.159 |
.241 |
|
2014年 |
39 |
47 |
45 |
619 |
.063 |
.139 |
.212 |
|
2015年 |
39 |
33 |
31 |
480 |
.081 |
.150 |
.215 |
|
2016年 |
37 |
33 |
44 |
414 |
.089 |
.169 |
.275 |
|
2017年 |
36 |
43 |
43 |
526 |
.068 |
.150 |
.232 |
|
2018年 |
74 |
65 |
57 |
625 |
.118 |
.222 |
.314 |
|
2019年 |
58 |
55 |
43 |
538 |
.108 |
.210 |
.290 |
|
2020年 |
68 |
74 |
43 |
581 |
.117 |
.244 |
.318 |
|
2021年 |
51 |
59 |
52 |
496 |
.103 |
.222 |
.327 |
|
2022年 |
47 |
41 |
49 |
454 |
.104 |
.194 |
.302 |
|
中央 |
959 |
963 |
952 |
11042 |
.087 |
.174 |
.260
|
地方 |
11 |
15 |
16 |
98 |
.112 |
.265 |
.429
|
脚注
参考文献
関連項目
外部リンク
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1980年代 | |
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1990年代 | |
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2000年代 | |
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2010年代 | |
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2020年代 | |
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上記以外の年は該当者なし |