本作は前作によって確立されたレコーディング手法をもとに過去作の再アレンジを行うという方針で制作された。本来であれば『狂った太陽』の曲は収録しない意向であったが、レコード会社の思惑により収録せざるを得なくなった経緯から、副題として「This is NOT Greatest Hits」と付けられることになった。また、本題の「殺シノ調ベ」とは『HURRY UP MODE』のサブタイトルとして使用されていた言葉である。その他、ジャケット写真に使用されている建物は埼玉県にある東野高等学校の大講堂である。
当初メンバーは『狂った太陽』に収録されている楽曲を収録するつもりはなかったが、レコード会社側の強い要望でいわゆる「ベスト・アルバム」としての商品価値を持たせるため、『狂った太陽』収録のシングル3曲も収録せざるを得えなくなってしまった。そのため、既に作品として完成されているこの3曲の再アレンジにあたり、メンバーはかなり苦心したようである。特に「M・A・D」はまったく原形を留めておらず、歌詞以外に共通項の無い別の楽曲となっており、リリース時のインタビューで今井は「(「M・A・D」は)原曲が完璧なのでああするしかなかった」と述べている[5]。また、星野も「JUPITER」冒頭のコーラスをインタビュアーに「苦肉の策」と指摘された[3]。「This is NOT Greatest Hits」という内容と相反するサブタイトルにはこういった経緯に対するメンバーの自虐的なメッセージが込められている。
本作を受けたコンサートツアーは、「殺シノ調べ This is NOT Greatest Tour」と題して1992年3月14日、3月15日の横浜アリーナ2日間連続公演から5月26日、5月27日の日本武道館2日間連続公演まで、20都市全23公演が行われた。本作リリース以降のライブにおいて本作収録曲が演奏される場合、いわゆる「殺シノ調ベVer.」であることが殆どだが、「LOVE ME」は旧バージョンでも演奏されている。
また、同年9月10日および9月11日には「Climax Together」と題した単独公演が横浜アリーナにて2日間連続で行われた[8]。同公演はライブ・ビデオ撮影のために開催されたものであり、「殺シノ調べ This is NOT Greatest Tour」終了後のオフ期間中にメンバーはビデオ撮影のためのミーティングをスタッフと幾度となく行っていた[8]。横浜アリーナは前回のツアーで初日公演が行われた場所であるが、前回とは異なり楕円形のホールを横に長く使用する舞台設営となったほか、ビデオ撮影のための巨大なクレーンが客席の中央に配置された[8]。開演と同時にステージを覆うように下げられた白い薄手のカーテンに聖母像や宗教画がスライドで投影され、賛美歌の終了と共にメンバーの姿が投影されて「JUPITER」のイントロが開始された[9]。その他に「Brain,Whisper,Head,Hate is noise」「LOVE ME」「地下室のメロディー」「MY FUNNY VALENTINE」が演奏され、櫻井敦司はバラの花を持ちながら「TABOO」を歌唱した[10]。「HYPER LOVE」の演奏中にはステンドグラスに十字架が浮かび上がり、メンバーの立ち位置の下からライトを浴びせて5人のシルエットが浮かび上がる演出などが行われた[10]。メンバー紹介の後に後半に入り、「VICTIMS OF LOVE」「MISTY BLUE」「ナルシス」などのスローテンポおよびミドルテンポの曲が続き、その後「M・A・D」「悪の華」といったハイテンポのシングル曲が演奏され、最後は「太陽ニ殺サレタ」「KISS ME GOOD-BYE」が演奏され本編は終幕となった[10]。アンコールでは「ICONOCLASM」「SEXUAL×××××!」「スピード」「JUST ONE MORE KISS」が演奏され、本編の重厚さと対比するような構成となった[10]。同公演の模様は同年12月2日にライブ・ビデオ『Climax Together』としてリリースされた。
シングル版よりもテンポを速くしている[5]。ヤガミによれば、「悪の華」や「JUST ONE MORE KISS」と同様の手法でアレンジされたとのこと[5]。通常ライブではスタジオ録音版よりもテンポを落とすことが多いが、本曲では逆になっていることが特徴であるとヤガミは述べている[5]。櫻井は「ギター・シンセを入れることでよりポップな雰囲気になったと思う」と述べたほか、「最初にこの曲を聴いたときの気持ちで歌えればいいな、と思って声を出した」とも述べている[11]。
イントロが原曲よりも長く、サビの一部のキーが低くなっており、次曲と繋がった構成になっている。樋口は原曲とは一部のコード進行が異なるだけであると述べている[11]。また、1991年11月から12月にかけて3公演行われた「CLUB QUATTRO BUCK-TICK」においてすでに同アレンジで演奏されており、スムーズにレコーディングが行われたと樋口は述べている[5]。
1.バクチク現象 at THE LIVE INN - 2.MORE SEXUAL!!!!! - 3.Sabbat I - 4.Sabbat II - 5.悪の華 - 6.M・A・D - 7.BUCK-TICK - 8.Climax Together - 9.CATALOGUE 1987-1995 - 10.SWEET STRANGE LIVE FILM - 11.DREAM BOX - 12.ONE LIFE, ONE DEATH CUT UP - 13.BUCK-TICK PICTURE PRODUCT - 14.BUCK-TICK TOUR2002 WARP DAYS 20020616 BAY NK HALL - 15.PICTURE PRODUCT II - 16.Climax Together Collector's Box - 17.Mona Lisa OVERDRIVE -XANADU- - 18.at the night side - 19.悪魔とフロイト -Devil and Freud- Climax Together - 20.13th FLOOR WITH DIANA - 21.BUCK-TICK SINGLES on Digital Video Disc - 22.BUCK-TICK FEST 2007 ON PARADE - 23.TOUR2007天使のリボルバー - 24.memento mori 090702 - 25.TOUR 2010 go on the“RAZZLE DAZZLE” - 26.THE DAY IN QUESTION 2011 - 27.B-T LIVE PRODUCT -1987/1989/1992 VICTOR YEARS- - 28.BUCK-TICK FEST 2012 ON PARADE - 29.TOUR 夢見る宇宙 - 30.劇場版BUCK-TICK 〜バクチク現象〜 - 31.TOUR2014 或いはアナーキー -FINAL- - 32.TOUR アトム 未来派 No.9 -FINAL- - 33.CLIMAX TOGETHER ON SCREEN 1992-2016 / CLIMAX TOGETHER 3rd - 34.THE PARADE 〜30th anniversary〜 - 35.THE DAY IN QUESTION 2017 - 36.TOUR no.0 - 37.ロクス・ソルスの獣たち - 38.B-T LIVE PRODUCT -Ariola YEARS- - 39.TOUR2020 ABRACADABRA ON SCREEN / ABRACADABRA LIVE ON THE NET
書籍
写真集
1.BUCK-TICK - 2.HYPER - 3.HYPER NUMBER 3 - 4.BT8992 - 5.SHAPELESS - 6.TOUR GUIDE BOOK/13th FLOOR WITH MOONSHINE - 7.BUCK-TICK TOUR 2009 memento mori PIX
関連書籍
1.LOVE ME - 2.天使のざわめき - 3.WORDS BY BUCK-TICK - 4.IKONOKRUSM - 5.ORAL HISTORY-20th ANNIVERSARY SPECIAL BOOK