「ブルーバード 」(英語 : Bluebird )は、ポール・マッカートニー とリンダ・マッカートニー による楽曲。ポール・マッカートニー&ウイングス の1973年のアルバム『バンド・オン・ザ・ラン 』に収録された。
解説
歌詞がとても甘く、ホーウィー・ケイシーのサックスとレミ・ケバカのパーカッションが印象的なポール・マッカートニー が得意とするアコースティック・バラード。
作家のジョン・ブラニーによると、この曲はジャマイカ での休暇の間に書かれたとしている[ 1] 。しかし、作家のヴィンセント・ベニテスは、1971年にニューヨークで行われたポールとリンダ・マッカートニー のインタヴューの間に彼らがこの曲を歌っていることから、1970年または71年の早い時期に書かれたと主張している[ 2] 。ヨーロッパではシングル「ミセス・ヴァンデビルト 」のB面としてリリースされた[ 3] 。
レコーディング
「ブルーバード」は1971年、マッカートニーがジャマイカでの休暇を取っていた期間に作られたと考えられる[ 4] 。『バンド・オン・ザ・ラン』の大半は1973年8月から9月にかけてナイジェリア のラゴス で録音されたが、この曲は1973年後半にロンドン のAIRスタジオ で完成した[ 5] 。しかしながら、この曲でパーカッション を担当したレミ・ケバカ はラゴス出身であったが、偶然にロンドンにいたことで録音が行われた[ 5] 。曲のハイライトの一つは、セッション・ミュージシャンのホーウィー・ケーシー によるサキソフォン である[ 1] [ 5] [ 6] 。ケーシーは1975年と76年のウイングスのワールド・ツアーでもこの曲でソロを担当した[ 5] 。その他の特徴としては、アコースティックギター とカリプソ調 のパーカッション である[ 6] 。
歌詞およびコード
歌詞は歌い手が愛情を持って自分自身を青い鳥と比較する[ 6] 。曲は単純でリズミカルなチャートを基本としたフレーズ「"I'm a Bluebird"」がマッカートニーによって繰り返され、リンダとデニー・レイン がハーモニーを歌う[ 6] 。ブラニーは「ブルーバード」を「愛の飛びぬけて優れた力と心身の束縛からの人間の精神の解放のための比喩」と解釈する[ 1] 。ベニテスは、ブルーバードを愛 - 飛びぬけて優れた自由の唯一の元である愛 - そのもののための比喩と考える[ 2] 。曲は序盤の動揺の後、歌い手の活性化について語る[ 1] 。ジョン・ランドー (英語版 ) は曲を「単純なラブソング」と言うが、「空を飛ぶ」モチーフがアルバム『バンド・オン・ザ・ラン』を通して流れる「脱出」というテーマを継続しているとする[ 7] 。歌い手は恋人に対して、ブルーバードとして彼女にキスすると、彼女もブルーバードになることができると話す。その時点で、彼らは全くの自由となる[ 2] 。
曲のキーはギターの調律によってEフラットメジャー に聞こえるが、実際はFメジャー である[ 2] 。ベニテスは「ヴァースとコーラスのハーモニーは、各々のヴァースの歌詞が質問となることを強く示唆する。そして、ブルーバードとしての感嘆を通して各々のコーラスに応える。」と曲について述べている[ 2] 。
レコーディング・メンバー
反応
オールミュージック のドナルド・ガリスコは「ブルーバード」を「なめらかなアレンジメントのおかげで魅力溢れる単純なアコースティック・ポップ」で「楽しく、快活なポップ曲」と評価した[ 6] 。作家のロイ・カーとトニー・タイラーはこの曲をマッカートニーの「軽快なタッチ...素晴らしい作品である『ブルーバード』(『ホワイトアルバム 』の「ブラックバード 」を思い出す)」とした[ 8] 。
ポール・マッカートニー&ウイングスは、日本への入国を拒否されツアーができなかったことで、日本のファンに対する謝罪として「ブルーバード」を録音した[ 1] 。ビデオの不完全なバージョンが『バンド・オン・ザ・ラン』25周年記念エディションに収録された。また、この曲の長尺バージョンが2001年のドキュメンタリー「Wingspan - An Intimate Portrait 」に収録された[ 1] 。
脚注
^ a b c d e f Blaney, J. (2007). Lennon and McCartney: together alone : a critical discography of their solo work . Jawbone Press. pp. 85-87, 236-237. ISBN 978-1-906002-02-2
^ a b c d e Benitez, V. (2010). The Words and Music of Paul McCartney . Praeger. p. 54. ISBN 978-0-313-34969-0
^ “Bluebird ”. dutchcharts.nl. 15 October 2011 閲覧。
^ Luca Perasi, Paul McCartney: Recording Sessions (1969-2013) , L.I.L.Y. Publishing, 2013, ISBN 978-88-909122-1-4 , p.105.
^ a b c d Madiger, C. & Easter, M. (2000). Eight Arms to Hold You . 44.1 Productions. pp. 188-189. ISBN 0-615-11724-4
^ a b c d e Guarisco, D.A.. “Bluebird ”. Allmusic . 2011年10月15日 閲覧。
^ Landau, J. (January 21, 1997). “Band on the Run Album Review ”. Rolling Stone . 2011年10月17日 閲覧。
^ Carr, R. & Tyler, T. (1978). The Beatles: An illustrated record . Harmony Books. p. 110. ISBN 0-517-53367-7
アルバム
シングル
1972年 1973年 1974年 1975年 1976年 1977年 1978年 1979年 1980年
ツアー フィルモグラフィ 関連項目
シングル
1970年代 1980年代 1990年代 2000年代 2010年代
アルバム
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