本作は2006年12月13日にiTunes Storeにて先行配信され、日本人アーティストとして初めて予約購入時にライブチケットの先行予約抽選権が贈与される特典が付けられた[3][4]。また本作を受けて実施されたコンサートツアー「KYOSUKE HIMURO TOUR 2007 ~IN THE MOOD~」では、ツアー中にiTunes Storeにて最新ライブ映像が配信されるという新たな試みが行われた[5]。本作はオリコンアルバムチャートにおいて最高位第3位となった。
背景
前作『Follow the wind』(2003年)リリース後、氷室は「KYOSUKE HIMURO TOUR 2003 "HIGHER THAN HEAVEN"」と題したコンサートツアーを同年8月29日の市原市市民会館からツアーファイナルとなった11月23日の国立代々木競技場 第二体育館公演まで30都市全38公演を実施[6]、約12万人を動員した[7]。
2004年2月にこれまで封印していたBOØWYの曲を氷室自らがセルフカバーするという計画が発表され、東京ドーム公演の5万5千枚のチケットは発売開始後5分で完売した[8]。その後8月22日にBOØWYの曲とソロの曲を共に演奏するライブコンサート「KYOSUKE HIMURO "21st Century Boowys VS HIMURO" An Attempt to discover new truths」が実施され[9]、5万5千人を動員した[8]。12月24日には同公演の模様を収録したライブDVDおよびライブ・アルバム『21st Century Boøwys vs Himuro ~An Attempt to Discover New Truths~』がリリースされ、ライブDVDは限定10万枚でのリリースとなった[8]。9月8日にはシングル「Wild Romance」をリリース、その後「KYOSUKE HIMURO TOUR 2004 "SOUL STANDING BY~"」と題したコンサートツアーを9月19日の羽生市産業文化会館からツアーファイナルとなった12月25日の国立代々木競技場 第一体育館まで、また追加公演となった2005年1月1日の日本武道館公演を含めて38都市全49公演を実施[10]、約14万人を動員した[8]。
同年9月14日に発売された映像作品『ファイナルファンタジーVII アドベントチルドレン』のエンディングテーマとして2枚目のアルバム『NEO FASCIO』(1989年)収録の「CALLING」が使用された[11]。これはスクウェア・エニックスのプロデューサーであった野村哲也が強く要望した事から実現する事となった[12][13][14]。この件に関して氷室は当時「日本最高峰のCG映像作品に、自分の楽曲を使ってもらって光栄です」と述べた[12][13][14]他、後年になって「自分の作ってきた作品がこうして世の中で認められている人たちに評価をしてもらえたということがとても喜ばしかった」とも述べている[15]。12月31日には幕張メッセ国際展示場にて「KYOSUKE HIMURO COUNTDOWN LIVE ~CROSSOVER 05-06~」と題したカウントダウンライブを実施[16]、同公演は1日2公演となり1回目の「1st STAGE」では公式携帯サイトから「聴きたい曲」を公募し、2万件以上におよぶエントリーが寄せられた[11]。
2006年2月8日には24枚目のシングル「EASY LOVE/BITCH AS WITCH」をリリース、8月2日には日本のロックバンドであるGLAYとコラボレーションした「GLAY feat.KYOSUKE HIMURO」名義のシングル「ANSWER」をリリース、8月5日および6日には味の素スタジアムにて「WONDA presents KYOSUKE HIMURO GLAY 2006 at AJINOMOTO-STADIUM「SWING ADDICTION」」と題したGLAYとのコラボレーションライブを2日間連続で実施[17]、約10万人を動員した[18]。
本作は氷室自身が非常に愛好している作品であると述べ、コンセプトは「ダサカッコいいビートの曲」をキーワードとして制作された[15]。経緯としてはアメリカのラジオ局KROQ-FM(英語版)にて、1960年代中期頃のポップスを現地のパンク・ロック系のミュージシャンが取り入れて昇華している曲が多く流れており、そのニュアンスを表現した曲「IN THE NUDE -EVEN NOT IN THE MOOD-」が完成した事から同曲を中心にアルバム制作が進められる事となった[15]。
批評家たちからの本作の音楽性に対する評価は概ね肯定的なものとなっており、音楽情報サイト『CDジャーナル』ではバラードからストレートなロックまで多様な曲が収録されている事を指摘した上で「どこを切っても氷室」であるとして、「個性と存在感ある声と歌メロが貫かれている」、「力強いビートの“ヒムロック・サウンド”が堪能できる」と肯定的に評価した[22]。音楽情報サイト『TOWER RECORDS ONLINE』では、「最強のロック・ヴォーカリスト氷室京介の存在感を誇示する最強のアルバム」であると絶賛した[1]。
本作を受けてのツアーは「KYOSUKE HIMURO TOUR 2007 ~IN THE MOOD~」と題し、2007年2月24日の市原市市民会館からツアーファイナルとなった7月8日のさいたまスーパーアリーナ公演まで30都市全47公演を実施[25]、約12万人を動員した[26]。しかし、4月15日に予定されていた鹿児島市民文化ホール公演は氷室の体調不良により急遽中止となり、スケジュール上の都合で振替公演なしが決定された[27]。
4月24日の神奈川県立県民ホール公演では「IN THE NUDE 〜Even not in the mood〜」から始まり、序盤にて「Sweet Revolution」「WILD ROMANCE」が演奏され、中盤では「LOVER'S DAY」「CALLING」「STRANGER」「Miss Murder」などを演奏、最終曲として「Say something」が演奏され本編は終了した[28]。アンコールも終了して客電が点灯し退場を促す場内アナウンスが流される中、鳴りやまないアンコールに答える形で急遽アンコールとして「SUMMER GAME」が演奏された[28]。