2000年の大阪近鉄バファローズ

2000年の大阪近鉄バファローズ
成績
パシフィック・リーグ6位
58勝75敗2分 勝率.436[1]
本拠地
都市 大阪府大阪市
球場 大阪ドーム
球団組織
オーナー 金森茂一郎
経営母体 近畿日本鉄道
監督 梨田昌孝
選手会長 大久保秀昭
« 1999
2001 »

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2000年の大阪近鉄バファローズ(2000ねんのおおさかきんてつバファローズ)では、2000年の大阪近鉄バファローズにおける動向をまとめる。

この年の大阪近鉄バファローズは、梨田昌孝監督の1年目のシーズンである。

概要

佐々木恭介前監督の辞任を受けて梨田新監督が就任したこのシーズン、チームは最下位脱出のため主力投手の佐野重樹小池秀郎中日へ放出して門倉健を獲得。また阪神を自由契約になった山村宏樹を獲得するなど、投手陣強化を図った。梨田監督は打撃陣のテコ入れとして阪神OBの真弓明信を打撃コーチに招聘し、広島OBの正田耕三も打撃コーチに迎えるなど首脳陣を一新。梨田監督は小林繁投手コーチと真弓打撃コーチと男前トリオを結成して、チームのイメージアップを図った。しかし、門倉や山村などの新戦力投入もむなしく4月を5位で終了。5月以降はまずまずの成績を残し最下位脱出が期待されたが、夏場の2か月で負け越すと最下位が確定的となった。力及ばず梨田監督の1年目は2年連続最下位で終了したが、長く二軍生活だった前川勝彦がローテーションに入り、山村が初のオールスターゲーム出場を果たすなど若手が台頭。打撃陣ではこの年も中村紀洋タフィ・ローズが打ちまくり、チーム事情から捕手に転向した礒部公一が規定打席未満ながらも3割を打つなど近鉄の看板であるいてまえ打線は健在で、彼らの活躍が翌年のリーグ優勝につながった。

チーム成績

レギュラーシーズン

オーダー変遷
開幕:4/1 5/2 6/1 7/1 8/1 9/1
1 武藤孝司 水口栄二 水口栄二 平下晃司 平下晃司 大村直之
2 大村直之 大村直之 平下晃司 水口栄二 水口栄二 水口栄二
3 中村紀洋 中村紀洋 中村紀洋 ローズ ローズ 中村紀洋
4 ローズ ローズ ローズ 中村紀洋 中村紀洋 ローズ
5 クラーク クラーク クラーク クラーク エイバッド 吉岡雄二
6 礒部公一 吉岡雄二 吉岡雄二 川口憲史 吉岡雄二 礒部公一
7 川口憲史 川口憲史 川口憲史 吉岡雄二 礒部公一 鷹野史寿
8 山下勝己 的山哲也 武藤孝司 武藤孝司 川口憲史 武藤孝司
9 前田忠節 武藤孝司 的山哲也 的山哲也 武藤孝司 的山哲也
ウォルコット 前川勝彦 ウォルコット エルビラ 山村宏樹 前川勝彦

[2]

2000年パシフィック・リーグ順位変動
順位 4月終了時 5月終了時 6月終了時 7月終了時 8月終了時 最終成績
1位 日本ハム -- 西武 -- 西武 -- ダイエー -- 西武 -- ダイエー --
2位 西武 0.5 オリックス ダイエー 0.0 西武 0.5 日本ハム 2.5 西武 2.5
3位 オリックス ダイエー 2.0 日本ハム 1.5 オリックス 2.5 ダイエー 3.0 日本ハム 4.5
4位 ダイエー 2.0 日本ハム 4.0 オリックス 2.0 日本ハム 4.5 オリックス 6.0 オリックス 8.0
5位 近鉄 6.0 近鉄 7.0 近鉄 6.5 ロッテ 6.5 ロッテ 10.5 ロッテ 9.0
6位 ロッテ 9.0 ロッテ 8.0 ロッテ 8.0 近鉄 10.0 近鉄 14.0 近鉄 15.0
期間
成績
8勝14敗
勝率.364
11勝12敗
勝率.478
11勝11敗
勝率.500
6勝11敗1分
勝率.353
10勝14敗1分
勝率.417
12勝13敗
勝率.480
2000年パシフィック・リーグ最終成績
順位 球団 勝率
1位 福岡ダイエーホークス 73 60 2 .549 優勝
2位 西武ライオンズ 69 61 5 .531 2.5
3位 日本ハムファイターズ 69 65 1 .515 4.5
4位 オリックス・ブルーウェーブ 64 67 4 .489 8.0
5位 千葉ロッテマリーンズ 62 67 6 .481 9.0
6位 大阪近鉄バファローズ 58 75 2 .436 15.0

[1]

オールスターゲーム2000

  • 選出選手
ポジション 名前 選出回数
投手 前川勝彦
山村宏樹
三塁手 中村紀洋 4
外野手 ローズ 4
  • 太字はファン投票による選出。

個人成績

投手成績

  • 色付きは規定投球回数(135イニング)以上の選手
  • 太字はリーグ最高
選手








































W
H
I
P
 
/前川勝彦 33 27 8 1 0 8 13 0 764 173.0 161 9 96 4 105 7 0 99 80 4.16 1.486
/山村宏樹 27 24 3 1 0 6 9 0 598 138.1 146 17 48 7 71 1 1 86 77 5.01 1.402
/門倉健 23 18 4 1 0 7 9 0 501 117.1 108 13 46 4 109 2 0 54 51 3.91 1.313
/エルビラ 27 21 2 2 0 6 7 0 481 110.2 97 9 53 3 73 2 1 60 57 4.64 1.355
/高村祐 17 12 0 0 0 3 5 0 301 68.1 65 6 35 2 41 4 0 38 37 4.87 1.463
/石毛博史 46 0 0 0 0 2 4 1 274 62.1 48 6 36 3 74 3 0 28 25 3.61 1.348
/田畑一也 10 10 0 0 0 3 4 0 258 53.0 67 11 30 3 27 2 0 42 40 6.79 1.830
/ウォルコット 17 7 0 0 0 3 4 0 198 44.1 50 7 21 1 26 1 2 30 30 6.09 1.602
/ユウキ 12 5 1 0 0 2 3 0 217 44.1 62 9 24 0 29 2 1 37 31 6.29 1.940
/大塚晶文 39 0 0 0 0 1 3 24 166 41.2 31 3 13 0 49 4 0 11 11 2.38 1.056
/真木将樹 15 5 1 1 0 2 2 0 171 38.0 35 2 26 2 27 0 0 14 14 3.32 1.605
/香田勲男 28 0 0 0 0 6 2 0 166 37.2 43 2 9 1 21 1 0 19 17 4.06 1.381
/丸尾英司 19 0 0 0 0 0 0 0 165 37.2 41 4 11 2 28 1 0 18 15 3.58 1.381
/奈良将史 33 0 0 0 0 1 1 0 162 36.0 30 1 22 6 16 0 0 17 16 4.00 1.444
/柴田佳主也 50 0 0 0 0 3 0 0 123 29.2 26 0 11 1 16 1 1 7 6 1.82 1.247
/岡本晃 9 3 1 0 0 0 2 0 119 25.0 35 5 10 1 10 1 0 21 21 7.56 1.800
/杉山賢人 27 0 0 0 0 0 1 0 104 22.0 28 6 15 1 12 0 0 16 15 6.14 1.955
/面出哲志 20 2 0 0 0 0 1 1 110 21.1 20 4 27 1 11 0 0 17 17 7.17 2.203
/廣田浩章 20 0 0 0 0 3 4 0 99 20.1 25 0 13 0 3 1 0 18 13 5.75 1.869
/古池拓一 8 0 0 0 0 0 0 0 58 12.1 11 2 9 0 12 1 0 7 7 5.11 1.622
/宇高伸次 8 0 0 0 0 0 0 0 50 11.1 11 2 5 0 6 0 0 7 3 2.38 1.412
/赤堀元之 3 1 0 0 0 0 1 0 40 9.0 6 1 7 1 5 1 0 5 5 5.00 1.444
/酒井弘樹 6 0 0 0 0 1 0 0 41 8.2 7 1 8 0 7 0 0 6 6 6.23 1.731
/西川慎一 11 0 0 0 0 1 0 0 39 7.0 10 2 7 1 5 1 0 8 6 7.71 2.429
/東瀬耕太郎 7 0 0 0 0 0 0 0 36 6.0 4 0 12 2 6 3 0 4 4 6.00 2.667
/松本拓也 5 0 0 0 0 0 0 0 27 5.1 5 0 6 0 9 0 0 3 3 5.06 2.063
/吉川勝成 3 0 0 0 0 0 0 0 24 4.1 7 0 4 0 6 0 0 3 3 6.23 2.538
/藤崎紘範 3 0 0 0 0 0 0 0 15 3.1 4 0 1 0 1 0 0 3 2 5.40 1.500
/盛田幸妃 3 0 0 0 0 0 0 0 14 2.0 3 1 3 2 3 0 0 4 4 18.00 3.000
/ツイドリー 1 0 0 0 0 0 0 0 5 0.0 4 0 1 0 0 1 0 5 5 - -

打撃成績

  • 色付きは規定打席(418打席)以上の選手
  • 太字はリーグ最高
選手











































O
P
S
 
/ローズ 135 589 525 85 143 25 2 25 247 89 6 6 0 4 58 5 2 134 10 .272 .345 .470 .815
/中村紀洋 127 564 476 82 132 26 0 39 275 110 1 1 0 5 80 5 3 112 17 .277 .381 .578 .959
/水口栄二 129 548 462 57 116 16 1 3 143 39 1 4 20 6 59 0 1 54 3 .251 .333 .310 .643
/吉岡雄二 115 481 434 58 126 27 4 18 215 65 2 3 2 3 41 3 1 93 9 .290 .351 .495 .846
/武藤孝司 119 436 366 62 114 20 6 1 149 41 20 9 15 3 46 0 6 31 3 .311 .394 .407 .801
/大村直之 124 420 366 45 93 17 5 3 129 44 7 8 25 4 24 0 1 38 6 .254 .299 .352 .651
/礒部公一 94 359 318 41 99 18 5 6 145 33 6 0 10 2 26 2 3 26 9 .311 .367 .456 .823
/川口憲史 96 295 263 24 66 13 1 5 96 28 3 3 2 0 29 1 1 43 5 .251 .328 .365 .693
/クラーク 66 274 252 31 65 9 2 10 108 33 0 1 0 1 14 1 7 27 13 .258 .314 .429 .742
/平下晃司 76 231 200 34 51 6 4 1 68 18 8 1 15 1 13 0 2 42 0 .255 .306 .340 .646
/鷹野史寿 86 225 186 30 55 10 2 6 87 31 2 2 0 0 27 3 12 40 4 .296 .418 .468 .886
/的山哲也 87 185 151 18 26 3 0 3 38 16 3 1 14 2 18 1 0 32 1 .172 .257 .252 .509
/前田忠節 100 165 143 13 28 2 1 0 32 9 6 1 9 0 11 0 2 32 2 .196 .263 .224 .487
/山下勝己 67 126 107 8 16 4 0 1 23 5 0 2 7 1 10 0 1 26 3 .150 .227 .215 .442
/エイバッド 32 102 92 7 15 1 0 4 28 13 0 0 0 1 9 0 0 17 1 .163 .235 .304 .540
/内匠政博 52 74 64 8 14 1 1 0 17 4 1 2 2 0 7 0 1 10 0 .219 .306 .266 .571
/鈴木貴久 11 20 20 1 2 0 0 0 2 2 0 0 0 0 0 0 0 6 1 .100 .100 .100 .200
/萩原誠 11 17 15 2 4 0 0 0 4 2 0 0 0 0 2 0 0 6 0 .267 .353 .267 .620
/藤井彰人 21 15 11 3 3 1 0 0 4 0 0 0 0 0 4 0 0 4 1 .273 .467 .364 .830
/吉田剛 7 14 12 1 5 1 0 0 6 1 0 0 1 0 1 1 0 2 7 .417 .462 .500 .962
/高嶋徹 9 12 12 0 2 0 0 0 2 0 0 0 0 0 0 0 0 2 0 .167 .167 .167 .333
/古久保健二 5 8 7 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 1 1 .000 .125 .000 .125
/大久保秀昭 5 7 7 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 3 1 .000 .000 .000 .000
/高須洋介 5 5 4 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 .000 .200 .000 .200
/森谷昭仁 6 1 1 1 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 0 1 0 .000 .000 .000 .000
/市原圭 4 1 1 0 1 0 0 0 1 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 1.000 1.000 1.000 2.000

できごと

4月

  • 4月1日 - 球団初の開幕戦外国人投手(ボブ・ウォルコット)で開幕。結果は0-2で敗戦。
  • 4月16日 - 鈴木貴久通算1500試合出場達成。

5月

中村紀洋が月間MVP。

  • 5月19日 - 対福岡ダイエー戦で、タフィ・ローズが福岡市内の宿舎に自分のユニフォームを忘れてしまったため、ダイエー側や審判団に許可を得て、石本貴昭バッティング投手(背番号113。なおローズは20番)のユニフォームを借りて出場。

6月

  • 6月20日 - ナルシソ・エルビラが史上69人目のノーヒットノーラン達成。外国人としては8人目。

7月

  • 最下位で前半戦終了。

9月

  • 9月5日 - 中村紀洋が対オリックス戦でパリーグ新となる6得点を記録。
  • 9月7日 - 中村紀洋が対オリックス戦で3打席連続・全方向ホームラン達成。3打席連続は自身2度目、全方向ホームランは両リーグ初。
  • 中村が5月に次いで2度目の月間MVP獲得。

選手・スタッフ

[3]

表彰選手

リーグ・リーダー
選手名 タイトル 成績 回数
中村紀洋 本塁打王 39本 初受賞
打点王 110打点 初受賞
ベストナイン
選手名 ポジション 回数
中村紀洋 三塁手 2年連続3度目
ゴールデングラブ賞
選手名 ポジション 回数
中村紀洋 三塁手 2年連続2度目
オールセンチュリーチーム[4]
選手名 ポジション 備考
野茂英雄 投手 球団OB

ドラフト

  • 網掛けの選手は逆指名による入団
順位 選手名 守備 所属 結果
1位 山本省吾 投手 慶應義塾大学 入団
2位 愛敬尚史 投手 松下電器 入団
3位 近澤昌志 捕手 京都・鳥羽高 入団
4位 阿部真宏 内野手 法政大学 入団
5位 牧田明久 外野手 鯖江高 入団
6位 金谷剛 捕手 中野実業高 入団

出典

  1. ^ a b 年度別成績 2000年 パシフィック・リーグ”. 日本野球機構. 2015年6月4日閲覧。
  2. ^ 『2001 ベースボール・レコード・ブック』ベースボール・マガジン社、2000年。ISBN 4-583-03599-3 
  3. ^ オリックス・バファローズ Legend Of Bs2013 Miracle!夢が叶ったあの時”. オリックス・バファローズ. 2015年6月4日閲覧。
  4. ^ 『2001 ベースボール・レコード・ブック』ベースボール・マガジン社、2000年、60頁。ISBN 4-583-03599-3