長万部駅(おしゃまんべえき)は、北海道山越郡長万部町字長万部にある北海道旅客鉄道(JR北海道)の駅である。駅番号はH47。電報略号はマン。事務管理コードは▲140129[3][4]。
概要
長万部町の代表駅で、函館本線を所属線とし、当駅を起点とする室蘭本線を加えた2路線が乗り入れている。また1987年(昭和62年)3月16日に廃止された瀬棚線は隣駅の国縫駅から当駅まで直通しており、実質的な起点であった。そのため、往年は長万部機関区(→長万部運転所)をはじめとした鉄道関係施設が設けられた一大拠点、いわゆる鉄道の町であり、現在も車両基地の一部であった側線が残存する[7]ほか、長万部駅で折り返す気動車への給油設備を有する。
2030年度(令和12年度)末に予定されている北海道新幹線の新函館北斗駅 - 札幌駅間延伸時には途中停車駅となる。
さらに、延伸に併せて並行在来線となる函館本線函館駅 - 当駅間が経営分離・旅客営業廃止、山線区間である当駅 - 小樽駅間が廃線・バス転換となる見込みである。
運行系統について
路線名称上は倶知安・小樽・札幌方面及び森・函館方面が「函館本線」、東室蘭・苫小牧方面が「室蘭本線」となるが、当駅を挟んで函館本線の函館方面・室蘭本線(苫小牧方面)を経由するルートは、札幌と函館・本州方面を結ぶ特急・貨物列車が全て通過するなど広域輸送の大動脈の一部として一体のルートを成している。その一方、函館本線の小樽方面にそれらの列車の運行はなく、小樽方面は1日4本の普通列車のみが運行される事実上のローカル線区間となっており[新聞 1]、JR北海道が制定している駅番号・区間カラーにおいても札幌駅 - (千歳線) - 沼ノ端駅 - (室蘭本線) - 長万部駅 - (函館本線) - 函館駅にかけてが一体の区間として「H」の記号・青が割り振られている一方で、札幌駅 - 小樽駅 - 長万部駅間の函館本線には別途「S」の記号・赤が割り振られている。
普通列車の運行系統は当駅を境に分かれており、いずれの方面においても当駅乗り入れの普通列車は全て当駅が始発・終着となる。なお、普通列車は本数が少ないことや特急列車主体のダイヤ編成をしていることもあり、当駅での普通列車同士の接続は最短でも1時間前後となる。
歴史
駅構造
在来線
島式ホーム2面4線を有する地上駅[1]。ホーム間の移動は跨線橋で行う。なおエレベーター等は設置しておらず、バリアフリー化はされていない。
社員配置駅。長万部ブロックの主管駅でもある。みどりの窓口・話せる券売機[2]・旅行相談室設置。
普通列車は3・4番のりばから発着するが、朝の倶知安駅発の列車1本のみ2番のりばへ到着する。
管理駅として函館本線の国縫駅-熱郛駅と室蘭本線の静狩駅-大岸駅間(小幌駅を除く)を管理下においている。
のりば
番線 |
路線 |
方向 |
行先 |
備考
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1
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■函館本線
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上り
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森・函館方面
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特急列車
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2
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■室蘭本線
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下り
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東室蘭・札幌方面
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3・4
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■函館本線
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上り
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森・函館方面
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普通列車
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■函館本線
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下り
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倶知安・小樽方面
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■室蘭本線
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下り
|
東室蘭・札幌方面
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新幹線
在来線ホームの西側に島式ホーム2面4線で3階の位置に配置される計画である[新聞 3]。計画当初は相対式ホームの2面2線、通過線2線の計2面4線の地上駅[18]となっていたが、北海道および長万部町より「駅は街の中心地にあり、街が分断される」などとして高架化を要望した[19][新聞 4]ため、2017年6月30日に高架構造への変更が正式決定した[報道 4]。これに関連し、現在の駅舎は取り壊される予定になっている[新聞 3]。長万部市街は線路によって街が分断されていたが、新幹線開業時に東西自由通路も建設される。
駅弁
主な駅弁は下記の通り[20]。
- かなやのかにめし
- 1947年 - 1960年の期間、ホームで「ゆで毛蟹(煮蟹)」を販売していたのがきっかけで、1950年(昭和25年)、駅ホームでのかにめしの対面販売が始まった[新聞 5]。1998年(平成10年)からは特急列車の停車時間が1分弱となったことから、客室乗務員が乗客から注文を受け、車内に積み込む形で販売してきた。2019年(平成31年)2月、特急「スーパー北斗」での車内販売が終了に伴い、車内への積み込みが終了した[報道 3]。一部報道では、「かなやのかにめし」は2019年(平成31年)2月28日をもって駅弁としての歴史に幕を下ろしたと報じられている[新聞 5]。なお、現在でも駅前の店舗で弁当の販売は続けられている。
利用状況
乗車人員の推移は以下の通り。年間の値のみ判明している年度は日数割で算出した参考値を括弧書きで示す。出典が「乗降人員」となっているものについては1/2とした値を括弧書きで乗車人員の欄に示し、備考欄で元の値を示す。
また、「JR調査」については、当該の年度を最終年とする過去5年間の各調査日における平均である。
乗車人員推移
年度
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乗車人員(人)
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出典
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備考
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年間
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1日平均
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JR調査
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1978年(昭和53年)
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805.0
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[21]
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2017年(平成29年)
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184.4
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[22]
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2018年(平成30年)
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176.0
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[23]
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北海道新幹線の札幌延伸開業時には洞爺湖・登別市(登別温泉)・室蘭市方面への往来を想定し、1日当たり4,400人の利用を見込む[新聞 3]。
駅周辺
長万部市街中心部に位置する。
隣の駅
- 北海道旅客鉄道(JR北海道)
-
- ■■函館本線
- 普通
- 国縫駅 (H49) - *
中ノ沢駅 (H48) - 長万部駅 (H47) - 二股駅 (S32)
- *
打消線は廃駅
- ■室蘭本線
- 普通
- 長万部駅 (H47) - *
旭浜駅 - 静狩駅 (H46)
- *
打消線は廃駅[報道 5]
開業予定の路線
- 北海道旅客鉄道(JR北海道)
- 北海道新幹線(事業中)
- 新八雲駅(仮称) - 長万部駅 - 倶知安駅
脚注
出典
報道発表資料
新聞記事
参考文献
関連項目
ウィキメディア・コモンズには、
長万部駅に関連するカテゴリがあります。
外部リンク
乗り入れ路線と駅の一覧 |
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※新中小国信号場 - 木古内間は、海峡線との線路共用区間 | | 建設中 (2030年度以降開業予定) | |
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