統一教会関連の企業と団体

統一教会関連の企業と団体(とういつきょうかいかんれんのきぎょうとだんたい)では、旧世界基督教統一神霊協会(統一教会、現・世界平和統一家庭連合)と役員・幹部など一定の関連を有するとされる企業と団体について述べる。旧統一教会そのものの支部施設は含めない。

なお、台湾にある統一企業集団との関連性は一切ない。

概略

旧統一教会には教祖である文鮮明の意向や計画を達成するための「摂理機関」と呼ばれる多数の関連企業、関連団体が存在する。多くが文鮮明や教会員により設立されたものであるが、オーナーが教会員になったケースや、買収によって傘下に入るケースもある。

一連の組織・企業群はかつては「統一グループ」と呼ばれ、非常に多数、かつ分野が多岐に渡る。1978年の「コリアゲート」事件に絡んで、旧統一教会のアメリカ議会工作を調査していたアメリカ下院国際関係委員会国際機構小委員会、通称フレイザー委員会は報告書の中で「文鮮明が関係している多数の教会、企業、委員会、財団その他の集団は文の中央集権的な指導と統制下にある実質上単一の世界的機関の一部分である」と規定し、「文機関」は韓国政府と親密な関係にあり、政治的影響力強化のためアメリカや日本の要人に対し積極的な工作を行っているとした[1]

2020年4月1日韓鶴子 総裁が世界の幹部らとの電話会議で世界平和統一家庭連合を『天の父母様教団(英語表記:Heavenly Parents Church)』に名称変更することを告知、4日世界本部が各国の支部に文書で通知した[2]。日本では徳野英治会長が関係者に向けた動画で発表した[3]。ところが、5月8日に至って韓鶴子 総裁は名称変更を取りやめ、あらたに『天の父母様聖会(英語表記:Heavenly Parent Holy Community)』なる新組織を作り、世界平和統一家庭連合を含むすべての摂理機関がその傘下に入ることとする発表をした[3]。これにより、例えば世界平和統一家庭連合は彼らの組織としては正確には『天の父母様聖会 世界平和統一家庭連合』と呼称する形としている。

ここでは、旧統一教会と一定の関係を有し、役員・幹部に教団の信者や職員らを含む企業、団体を取り上げる。

なお、一部の団体には表向きには統一協会とのかかわりを隠して偽装サークルとして活動しているケースもある[4]

関連団体一覧

以下は統一教会が設立した関連企業・団体の一部である。これら以外にも関連する団体があるばかりでなく、今後も設立される可能性があるので注意が必要[5]

産業

流通・金融

マスメディア

薬品・食品

  • 一和 [9][注釈 2](韓国:高麗人参製品とメッコールが主力商品) <HP>
  • 株式会社イルファジャパン(旧(株)ワールドサービス)[10]
  • グローバルビューティー(玉置祥子社長)[15] <HP>
  • 株式会社ワールドシーフーズ(冷凍海産物の輸入・卸売)所在地はハッピーワールドと同じ神宮前ハッピービル。 <HP
  • トゥルー・ワールド・フーズ(米国内において、水産物流通業を展開している)[16][17]
  • 株式会社コスモフーズ[18] - ウコンの力とキリンのiMUSEを受注製造している[19]

観光業

  • 龍平リゾート <HP(朝鮮語)>
  • 麗水 ジ・オーシャン・リゾート
  • パインリーズ・リゾート
  • 京都プリンスホテル[20]下鴨神社近くにあった。1987年買収、2000年12月閉鎖。西武鉄道グループのプリンスホテルとは無関係で、ザ・プリンス 京都宝ヶ池の前身名称が「京都宝ヶ池プリンスホテル」なのは、こちらが既に存在したため。)
  • ニューヨーカー・ホテル(ニューヨーク市マンハッタン8番街のホテル、en:New Yorker Hotel
  • 世一観光(旧名は「世一トラベル」。「ハッピーワールド」の旅行事業部に吸収された。教団関連のツアーも扱う) <HP >[10]
  • ブルースカイワールド(ハッピーワールドの関連会社)[10]
  • Blue Sky Tour(ハッピーワールドの関連会社)[10]
  • 世一旅行社[9][注釈 2](韓国にある旅行代理店。教団関連の航空券、ツアーも取り扱う) <HP>

自動車

その他

  • 統一産業 (韓国) (銃器製造メーカー、日本の「統一産業」〈旧・幸世物産、国際勝共連合の関連企業〉とは別企業)[22]
  • アングス(東京目黒・立川・池袋にある銃砲店。エアソフトガンも扱う。1976年に統一産業が設立)
  • 一信ジャパン(旧・一信石材)[6][注釈 2](霊感商法の壺や多宝塔などを製造して来た。) <HP>[10]
  • 一成建設
  • 一成総合建設[注釈 2]
  • (株)一成レジャー産業
  • (株)一興[注釈 2]
  • (株)精進化学
  • (株)統一航空
  • (株)一関自動車学校((株)ドライブ・ラボ一関)[注釈 5]<HP>
  • 伊万里自動車学校((有)伊万里自動車教習所)<HP>現在は関係なし。
  • 水沢自動車学校(旧:(財)岩手中央自動車学校会・現:岩手交通安全教育研修センター)[注釈 6]
  • 金成自動車学校(閉校)[注釈 7]
  • 株式会社KAHジャパン(旧(株)タカラ屋)[10]
  • 株式会社日本ジェイエス(旧クリスティーナハン)[10]
  • 美術世界 <HP>
  • 株式会社IJC(旧:株式会社男女美、株式会社さくらコーポレーション)[6][10]
  • 株式会社アラスカ青森市。ウェディングプラザ アラスカ〈旧・アラスカ会館〉経営[20]) <HP>
  • 金浦航空団地
  • カーアームズ(米国の中型セミオートマチック拳銃のメーカー)
  • 共栄
  • エム・ワン (印鑑・健康食品販売・和歌山市)[23][24][25]
  • サンハート・健美 (印鑑販売・大分市)[26]
  • 天運守護印(印鑑・多宝塔)
  • 有限会社 新世 (印鑑販売・渋谷区) 2009年の新世事件の裁判で統一教会との密接な関係が認定され、関係者に有罪判決[27]
  • 一心天助(魚の移動販売、(株)うおかつ)<HP>

宗教

政治運動・社会運動

文化

教育・学術

スポーツ

  • 世界平和武道連合
  • 鮮文平和サッカー財団(ピースカップ[9]を開催)
  • 超宗教平和スポーツフェスティバル(Interreligious Peace Sports Festival、IPSF) <HP>
  • 統一武道
  • 圓和道
  • 株式会社統一スポーツ (1988年設立)[36]
  • 城南一和天馬(韓国のプロサッカークラブ。2012年に経営から撤退し、市民クラブ「城南FC」へと改名。)
  • アトレチコ・ソロカーバ(ポルトガル語: Atlético Sorocaba)
  • セネ(ポルトガル語:CENE)
  • 国際友好釣連盟(国際釣友好連盟)[43]

医療

  • HJマグノリア国際病院(旧清心国際病院)[11] <HP>
  • 医療法人日心会(病院[9][10]。日心会が経営する「おおつか訪問看護ステーション」「一美歯科」「鍼灸マッサージ治療院オハナ」も統一教会関連の企業[10]。)
  • 一心病院[10] <HP> 創設者上崎道子が統一教会の信者である。院長の渡辺泰博も同様に統一教会の祝福を受けた信者であり、常勤医師にも信者が多い。ただ医師や職員は一般募集を行っているため職員全員が信者ということではない。病院エントランス部の待合室、及び2階のナースセンター前には統一教会創始者である文鮮明の揮毫が掲げられている。
  • 海外医療奉仕団(一心病院が運営)[10]
  • 株式会社IHM(旧・株式会社インターナショナルホームメディカル[10]。IHMの関連企業に「株式会社北海道メディカルシステムズ」「株式会社やまとメディカル」「株式会社首都圏メディカル」「株式会社中部メディカルシステムズ」「株式会社関西メディカルシステムズ」「株式会社西日本メディカル」「株式会社九州メディカル」がある[10]。これらも統一教会関連団体[10]。)

施設

  • HJマグノリアアートセンター
  • HJ天宙天寶修錬苑(旧天宙清平修錬苑)[5][11] <HP>
  • ナショナル・ウォンジョン霊園(ワシントン)[11] <HP>
  • 尾瀬霊園[11] <HP>

脚注

注釈

  1. ^ 1982年に買収。1998年にウルグアイ政府が株式の51%を取得。2003年時点で統一教会系のセントジョージ社の持ち株は48%であった。同年2月28日、政府は同行の整理を発表した。:共同通信「統一教会系銀行を整理へ ウルグアイ金融危機で」2003-03-02-12:53
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae af ag ah ai 「世界文化体育大典(WCSF)」公式ウェブサイトの「創設者紹介」で文鮮明が創設したとされていた
  3. ^ 2005年2月12日、文鮮明が視察に訪れ、同社を神に捧げるという意味を持つ「奉献式」という宗教的儀式を執り行った。[1]
  4. ^ 当時の中国共産党は自動車開発の遅れに焦っており、それに乗じて中国政権に食い込もうとして香港の郊外に設立された自動車製造会社[21]。設立・運転資金は統一教会の信者からの献金が使われている[21]。結局計画は実現していない[21]
  5. ^ 教習車や送迎車にペイントされている「ICHINOSEKI」の「O」の部分に統一教会関連企業であるハッピーワールドの社章(会社ロゴ)が模されている。
  6. ^ 一時期、ハッピーワールドや一関自動車学校の役員が学校運営や経営に関与していた。
  7. ^ かつては一関自動車学校の姉妹校であった(設置者(経営者)が同一人物)。
  8. ^ 統一教会では「当法人とは別組織であり、それぞれ設立目的や趣旨、活動などが異なる団体です。」と説明。
  9. ^ 国際勝共連合のダミー団体[29]
  10. ^ 統一教会が毎年、青年信者に行わせている自転車イベント[31]。自転車をリレーして、日韓トンネルなどの統一教会のプロジェクトの成功祈願のために行われている[31]
  11. ^ 韓国の農村部を回って、国際結婚を斡旋する団体[38]

出典

  1. ^ 岸・笹川・児玉と統一教会の繋がりを暴いた「フレーザー委員会」の報告書がウェブに公開される
  2. ^ 統一協会が再び名称変更 「天の父母様教団」へ”. クリスチャントゥデイ. 株式会社クリスチャントゥデイ. 2022年11月29日閲覧。
  3. ^ a b 統一教会が組織再編、全摂理機関と共に新包括組織『天の父母様聖会』の傘下に。政治家対策に影響も<政界宗教汚染~安倍政権と問題教団の歪な共存関係・第28回>”. ハーバー・ビジネス・オンライン. 扶桑社. 2022年11月30日閲覧。
  4. ^ 【独自解説】“統一教会”友好団体が「手芸サークル」と偽り宗教勧誘か 団体規約から消された「文鮮明」の名前、『WFWP』の活動実態を鈴木エイト氏が解説 2023年2月21日読売テレビサイト)
  5. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae af ag ah ai aj ak 山口広川井康雄阿部克臣木村壯中川亮久保内浩嗣佐高信『統一教会との闘い 三十五年、そしてこれから』旬報社、2022年11月10日、195頁。ISBN 978-4-8451-1777-2 
  6. ^ a b c d e f g h i 宗教法人「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)」及び関連団体への後援等の状況について 静岡市公式サイト 2022年9月7日
  7. ^ 林田豊「統一教会『世界日報』のマスコミ戦略」『現代の眼』第19巻第11号、1978年11月、171頁。 
  8. ^ 有田芳生『誰も書かなかった統一教会』集英社集英社新書〉、2024年5月22日、191頁。ISBN 978-4-08-721314-0 
  9. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p 新宗教研究会 『図解 新宗教ガイド』(九天社 2006年1月31日) ISBN 978-4861670817
  10. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab 山口広他『統一教会との闘い』p.194.
  11. ^ 文鮮明氏発言録ネット流出 天皇や首相に言及「日本向けより過激」 毎日新聞 2022年11月6日
  12. ^ キム・ジョンヨン (2023年10月24日). “韓国報道専門チャンネルYTNが有進グループの傘下に…3200億ウォンで落札”. 朝鮮日報日本語版. 2023年10月26日閲覧。
  13. ^ 旧・統一教会系、韓国の著名ニュース専門放送局、落札できず”. KOREA WAVE (2023年10月26日). 2023年10月26日閲覧。
  14. ^ 東京地方裁判所平成19年5月29日判決(判例タイムズ1261号215頁)
  15. ^ NYT「米国ですしを大衆化したのは韓国人」…彼は統一教の文鮮明”. 中央日報 (2021年11月8日). 2022年8月3日閲覧。
  16. ^ 小倉健一 (2022年7月31日). “大統領も読む保守紙を発行し、アメリカのSUSHIレストランの8割を供給する「統一教会」”. 現代ビジネス. pp. 2-3. 2022年8月3日閲覧。
  17. ^ 「ウコンの力」「iMUSE」製造で稼ぐ統一教会系企業週刊文春電子版
  18. ^ 旧統一教会への弱腰報道のなぜ──朝日新聞が暴露恐れる“宴席”の内容日刊サイゾー
  19. ^ a b 有田芳生『誰も書かなかった統一教会』集英社集英社新書〉、2024年5月22日、106頁。ISBN 978-4-08-721314-0 
  20. ^ a b c d e 山口広他『統一教会との闘い』p.40.
  21. ^ 有田芳生『誰も書かなかった統一教会』p.195.
  22. ^ 〈内部資料入手〉統一教会 コンプライアンス宣言後も年間600億円の献金集め 文春オンライン 2022年8月9日
  23. ^ 高額な印鑑販売で黒田の統一教会ら家宅捜索 わかやま新報 2009年10月21日
  24. ^ 2009/10/21 日本経済新聞 大阪朝刊 社会面 16ページ
  25. ^ 2010/01/19 日本経済新聞 西部夕刊 社会面 20ページ
  26. ^ 霊感商法 初の懲役刑 統一協会の犯罪認定 東京地裁「高度な組織性」”. しんぶん赤旗. 日本共産党中央委員会 (2009年11月11日). 2021年9月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年7月22日閲覧。
  27. ^ 鈴木エイト『自民党の統一教会汚染 追跡3000日』小学館、2022年10月1日、41頁。ISBN 978-4-09-380123-2 
  28. ^ 鈴木エイト『汚染』p.146.
  29. ^ 『思想新聞』1985年4月14日付
  30. ^ a b 鈴木エイト『汚染』p.51.
  31. ^ “天宙和平統一家庭黨”. 中華民国内政部. https://party.moi.gov.tw/PartyMainContent.aspx?n=16100&sms=13073&s=316 2023年7月9日閲覧。 
  32. ^ 米国政府への“逆失望”発言の首相補佐官に本紙副代表は1月から“失望中””. やや日刊カルト新聞 (2014年2月25日). 2022年7月20日閲覧。
  33. ^ 鈴木エイト『汚染』p.214.
  34. ^ a b 日本共産党渋谷区議団
  35. ^ a b 川瀬貴也 著「第2章 近代日韓のこじれた歴史と統一教会問題」、島薗進 編『これだけは知っておきたい 統一教会問題』東洋経済新報社、2023年9月12日、89頁。ISBN 978-4-492-22413-7 
  36. ^ 櫻井義秀『統一教会 性・カネ・ハンから実像に迫る』中央公論新社中公新書〉、2023年3月25日、200頁。ISBN 978-4-12-102746-7 
  37. ^ 櫻井『統一教会』pp.200-201.
  38. ^ 藤本拓也 著「第6章 統一教会における家族・結婚・性-金光教の立場から考える」、島薗進 編『これだけは知っておきたい 統一教会問題』東洋経済新報社、2023年9月12日、236頁。ISBN 978-4-492-22413-7 
  39. ^ 全国弁連、統一協会関連団体に注意呼び掛け”. クリスチャントゥデイ (2004年7月5日). 2023年9月18日閲覧。
  40. ^ 「あの人たちがいなかったら当選していなかったかも…」旧統一教会関連団体の選挙応援 富山政界に浸透する巧妙な手口 | 富山県のニュース|チューリップテレビ (3ページ)”. チューリップテレビ ニュース. 2022年8月28日閲覧。
  41. ^ 統一教会関連団体の理事まで務めた「萩生田政調会長」抜擢にネットで批判殺到! それでもテレビ・新聞が萩生田を追及しない理由 (2022年8月11日) - エキサイトニュース(3/6)”. エキサイトニュース. 2022年8月28日閲覧。
  42. ^ 久保木修己

関連項目