『白い秘密』(しろいひみつ)は、1976年(昭和51年)10月1日から1977年(昭和52年)4月1日まで、TBS系列で放送されたテレビドラマ。田宮二郎主演の「白いシリーズ」第4作である。製作、松竹株式会社・TBS。全25話。
本作は、田宮二郎演じる三村京介医師が手術の失敗で、ある女性患者を死なせ、城東医科大学の有能な脳神経外科医の道を捨て、日本からブラジルへ渡り、コーヒー園で働き始める。しかし、友人の医師が急死したことを手紙で知り、ブラジルから日本へ一時帰国する。一度は捨てた医師の世界から再び脳神経外科医に戻る作品である。東海大学医学部付属病院の全面的な協力を得ていることが特徴。
田宮二郎が『白い影』以来の白衣の医師を演じる。「白い」シリーズ第4弾だが、本作の後、片平なぎさ主演で『白い波紋』がスタートし、のちに本作は「片平なぎさ「白い」シリーズ」第1弾と位置づけられた。
失明にも両親を亡くした事にもめげずに明るく生き抜こうとする孤独な少女・宗方夕子(むなかたゆうこ、片平なぎさ)と脳神経外科医・三村京介医師が織りなす愛の物語。宗方夕子は頭蓋咽頭腫が原因で失明する5年前、手術ミスで母を死なせた医師・三村京介の顔を覚えていた。ある日、夕子は事故に遭い、病院に運ばれる。ところが皮肉にも担当医は三村京介だった。
ある日、「2,3日、人間ドックに入院する」と言って、城東医科大学病院に入院する。しかし、数日後、急に心臓の調子が悪くなり、急死する。入院中の昭和51年(1976年)9月9日から4日間の日記が破られていた。主治医は江田信彦。担当看護婦は、中沢早智子。心電図 (ECG) には特に異常は見られなかったが、江田はその癒着問題をもみ消すための絶好のチャンスとしてとらえ、意図的にジギタリスを多量に注射し、それが原因で死亡するが、江田は急性心筋梗塞で死亡したと家族に告げる。妻の有田しず子は、三村にまさゆきが死亡したことをエアメールで連絡し、それを見て不審に思った三村がブラジルから一時帰国する理由となった。
盲目の少女が編み物をしている姿から始まり、その手を止めて、左手の時計の針を右手人差し指で触り、時間を15:07と確認し、立ちあがってバラの花を匂いを嗅ぐ。手術着を着ている三村京介医師の厳しい表情の姿、その後、手術室で盲目の少女がまだ目が見えているときに、執刀医チームが母親の手術をする。そして、手術中に亡くなる母親とその執刀医である医師が手術室から出てきたところで、少女がストレッチャーに載せられて亡くなってシーツを掛けられて横たわっている母親の胸に「お母さん、お母さん、お母さん」と言いながら号泣してしがみ付き、その少女が執刀医(三村京介医師)を睨み付け、赤色のバラの花が砕け散るというものである。
夕子の瞳は大きかった。清く爽やかであった。しかし、その瞳の奥には、何も映らなかった。夕子はこの不幸にもめげず、強く、明るく生きようとしていた。
ただひとつ、5年前に、手術の失敗によって母を殺したひとりの男の顔だけは、見えぬこの目の奥深く、今もはっきりと焼き付いていた。
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