『白い恐怖』(しろいきょうふ、Spellbound)は、1945年のアメリカ合衆国のサイコスリラー映画(英語版)。監督はアルフレッド・ヒッチコック、出演はイングリッド・バーグマンとグレゴリー・ペックなど。原作はフランシス・ビーディング(英語版)[注 1]の1927年の小説『The House of Dr. Edwardes』。記憶喪失を題材にした作品で、主人公が垣間見る印象的な幻想シーンにはサルバドール・ダリが協力している。原題の『Spellbound』には「魔法にかかった」「魅了された」「うっとりした」などの意味がある。
バーグマンの絶頂期の作品と言われ、美貌と演技力がともに発揮されている。[要出典]
ストーリー
バーモント州のグリーンマナー精神科医院の新しい病院長に就任したエドワーズ博士は、白地に縞のある模様を見ると発作を起こす奇妙な病癖を持っていた。やがて彼はエドワーズ博士とは別人であることが発覚する。本物のエドワーズ博士はどこにいるのかわからぬまま、疑いの目は「彼」に向けられるが、病院の勤務医で、「彼」と愛し合うようになっていたコンスタンスは「彼」の無罪を信じ、2人は協力して発作の原因である「彼」の記憶をたどっていく。警察に追われる身となった2人はコンスタンスの恩師であるブルロフ博士を訪ねる。ブルロフ博士は事情を知ると「彼」の記憶をたどる手伝いをする。その結果、エドワーズ博士がスキー場で亡くなったことがわかると、コンスタンスと「彼」は現場となったスキー場に向かい、そこで「彼」はエドワーズ博士が崖から転落して亡くなったこと、そして自分が「ジョン・バランタイン」であり、事故現場を目撃していたことを思い出す。こうして事件は解決したと思われたが、警察がエドワーズ博士の遺体を確認したところ、事故死ではなく、背後から銃で撃たれていたことが判明し、ジョンはエドワーズ博士殺害の容疑で逮捕され、有罪判決を受ける。それでもジョンの無罪を信じ続けるコンスタンスは、エドワーズ博士とは会ったことがないと明言していたマーチソン院長が実はエドワーズ博士と面識があるともらしたことから、院長が怪しいと睨み、彼と対峙する。追い詰められた院長はコンスタンスを銃で撃とうとするが、エドワーズ博士の殺害は神経衰弱で責任能力なしとされる可能性があるのに対し、今ここでコンスタンスを殺害すれば計画殺人として確実に死刑となるとのコンスタンスの言葉に、結局、その銃で自らを撃つ。こうして無罪放免となったジョンはコンスタンスと結婚し、新婚旅行に向かう。
キャスト
ヒッチコックのカメオ出演
バイオリンケースを右手に持ち、左手でタバコを吸いながらエレベーターから出てくる。
作品の評価
映画批評家によるレビュー
Rotten Tomatoesによれば、批評家の一致した見解は「『白い恐怖』の潜在意識の探究はもっと分析した方が良かったかもしれないが、アルフレッド・ヒッチコックのサイケデリックに飾り立てた演出は、イングリッド・バーグマンとグレゴリー・ペックのスターパワーとともに、この酔わせるようなスリラーを高めている。」であり、40件の評論のうち高評価は85%にあたる34件で、10点満点中7.20点となっている[1]。
受賞歴
脚注
注釈
出典
外部リンク
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