愛知県内の通り(あいちけんないのとおり)は、愛知県下にある各市町村ごとの道路通称、道路愛称、街道、その他の名のある道路等を一覧として集約したものである。
前説・総論
名称からその地域の地理歴史を連想させるもの、地域振興のために選考委員会が新たに選定したものなどがあり、どれ一つとっても興味深いものである。名古屋市・稲沢市・江南市・春日井市・尾張旭市・岡崎市・豊田市・豊橋市などでは標識令に基づく規格の「道路の通称名」(119)(あるいは古いものでいまだに「街路の通称名」が残存している市町村もある)の案内標識を設置しているが、一宮市・長久手市・みよし市・豊川市・蒲郡市などではオリジナルデザインの案内標識を設置している市町村もある。
しかし必ずしも実際の道路で通り名が分かるように標識等が設置されているとは限らず、地域で呼び習わされているもの、市販の地図には記載されているが標識が存在せず地域の人々の認識の世界に存在するものなどがあり、注意が必要である。例えば、愛知県には東海道が通っており地域住民であれば誰もが当該道路が東海道であることを認識しているが、「東海道」の標識を設置している市町村は少ない。
自動車などのモーターサイクルで通行できるものがほとんどであるが、なかには道路愛称の付いた歩道・未舗装路・山越えする道など歩行者を主眼とするものも含まれている。
愛知県内では全54市町村のうち、名古屋市を含め、13の市町村で道路通称・道路愛称の制度を採用されている。
名古屋市内中心部の通り
県庁所在地たる名古屋市は、愛知県下では格段に通り名が多い。とくに碁盤目状に整然と町割りされた中区の中心市街地では、いくつかの東西・南北方向の道路に通称が付けられている。名古屋開府の際に建設され、碁盤割と呼ばれた道路が現在まで引き継がれたものも少なくない。
南北方向の通り
中心街の碁盤目状道路で華やかな呉服町通
大須の門前町通で画像左右を大須通が通る
- 四間道
- 木挽町通
- 皆戸通
- 竪三蔵通
- 中ノ町通
- 御園通
- 堀川東通
- 西大須通
- 常盤通
- 桑名町通
- 長島町通
- 長者町通
- 本町通
- 七間町通
- 呉服町通
- 伊勢町通
- 大須本通
- 門前町通
- 裏門前町通
- 新天地通
- 武平通
- 東栄通
- 前津通
- 西川端通
- 東川端通
- 千代田通
- 七本松通
- 中央線西通
東西方向の通り
新天地通の商店街
アーケードの付いた円頓寺通の入口で画像左へ行けば四間道
- 京町通
- 上中通
- 魚ノ棚通
- 杉ノ町通
- 伝馬町通
- 袋町通
- 本重町通
- 入江町通
- 三蔵通
- 白川通
- 矢場町通
- 瓦通
- 東陽通
- 花園通
- 大須観音西通
- 赤門明王通
- 赤門通
- 大須観音通
- 万松寺通
- 仁王門通
- 東仁王門通
- 松元通
- 松ヶ枝通
- 宇津木橋通
金城埠頭中心部の通り
名古屋市内幹線道路の通り
名古屋市内の主要な幹線道路には通り名が付けられていることが多い。
南北方向の通り
赤門通と裏門前町通が交わる交差点の名物信号機。周囲は電気街
東西方向の通り
久屋大通北側を望む
名古屋の市街地を南北に貫く大津通で画像左右に錦通が交差する
環状道路の通り
西尾張地区の通り
一宮市内の通り
尾張一宮駅から放射状に延びるように道路が形成されている一宮市では、駅周辺地域をはじめとして通り名が西尾張ではいちばん多い。
名駅通(画像の建造物はミッドランドスクエア)
空港線の東片端
稲沢市内の通り
名古屋駅から桜通を眺める
江南市内の通り
名古屋のメインストリート広小路通
東山通の起点の標識
扶桑町内の通り
東尾張地区の通り
春日井市内の通り
春日井市では都市計画道路を中心として「線」が付く道路が多い。
路傍に残る佐屋街道の道標
名古屋城周辺の航空写真。写真内にある伏見通・大津通・出来町通・外堀通などは正式名称よりも通称名で呼ばれることが圧倒的に多い。(2020年撮影)
国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成
- 白山線
- 気噴線
- 廻間線
- 駅広線
- 桃花台春日井線
- 高山線
- 朝宮線
- 朝宮公園線
- ケローナ通り
- 上八田線
- 下八田線
- 東野線
- 弥生線
- 味美線
- 二子山線
- 惣中線
- 下条線
- 道風線
- 如意申線
尾張旭市内の通り
名古屋城外堀の清水橋付近の出来町通。画像奥は愛知県庁や県警本部など
丘陵地帯を通る山手グリーンロード
長久手市内の通り
長久手市内の都市計画道路を中心とした道路に愛称を付けるため市民から募集し、選考委員会により道路愛称が決定した。自動車交通量の多い比較的大きな道路に付けられている。
画像左右の道路が白山線で道路沿いにはアピタ高蔵寺店などがある
春は満開の桜まつりで夏は花火大会で賑わう竹千代通り
西三河地区の通り
岡崎市内の通り
歴史的に西三河の筆頭格たる岡崎市は、城下町周辺をはじめ名のある道が多い。単に通り名という概念よりも長い距離にわたる地域間を結ぶ道が幾つかある。古くから存在する道が多い。
連尺商人で賑わった岡崎城下の連尺通り
石のまち岡崎の歴史が根付く石屋町通り
かつての職人町木まち通り
定期市が開かれる八幡通り
豊田市内の通り
東西の幹線道路である竜南メーンロード
自動車産業で発展した豊田市は、大型のトラックやトレーラーが通行できるような広く大きい幹線道路が非常によく整備されている。しかし、道路通称は近隣の市町村と比較して数が少ない。
みよし市内の通り
山林地帯を切り開いて急速に住宅地化が進んだみよし市北部では、三好ヶ丘駅のある三好丘を中心として丘陵地帯に道路が良好に整備されている。
豊橋鉄道東田本線の路面電車が通る駅前大通り
- 福谷通り
- 三好丘通り
- 三好丘北通り
- 三好丘東通り
- ひばり丘通り
東三河地区の通り
豊橋市内の通り
東三河の中心的都市である豊橋市は、古くから街道名称が付けられた道が多い。そういった街道名称はそのまま現在でも市が認定している。また公募により決定した愛称もいくつかある。
中央に路面電車が走る駅前大通り
豊橋市の繁華街、広小路通り
多米街道の前畑停留場付近
豊川市内の通り
豊川稲荷などがある豊川市は、開運通や寿通など縁起の良い通り名が多い。
運動公園通りの運動公園前停留場
イオン豊川店の利用客が多く通る開運通
蒲郡市内の通り
竹島などの三河湾の景勝地を抱える観光都市である蒲郡市は、幡豆街道や国坂街道などの古来からの街道のほかに、温泉街道や西浦シーサイドロード、マリンロードなどの観光を意識した道路愛称がある。
南大通の河岸段丘
西浦温泉の温泉郷で西浦シーサイドロードが通る
出典・参考文献
関係項目