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この項目では、日本の島根県にある市について説明しています。
- 同市にあるJR西日本山陰本線の駅については「大田市駅」をご覧ください。
- 大韓民国忠清南道にあった大田市については「大田広域市」をご覧ください。
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東京都の「大田区」あるいは群馬県の「太田市」とは異なります。 |
大田市(おおだし)は、島根県のほぼ中央部にある市。石見地域の東部に位置する。浜田市、益田市とともに「石見三田」(いわみさんだ)とも呼ばれている[1]。
大田市の地形は地理的・歴史的には出雲地域と石見地域の中継点としての性質を有しており、石見地域の中では特に出雲地域との繋がりが強い。
地理
日本海に面しており、中国山脈に接する。
- 主な山岳:三瓶山(標高1126.2m)、大江高山(標高808m)、鶴降山(標高538.1m)、仙山(標高537.5m)
- 主な池沼:浮布池(三瓶町)、姫逃池(三瓶町)、室ノ内池(三瓶町)、上野池(大田町)、徳田池(富山町)
- 主な河川
- 静間川水系 静間川、三瓶川、忍原川、銀山川
- 江の川水系 祖式川
- 神戸川水系 伊佐川
- 潮川水系 潮川
地名
- 朝山町(朝倉、仙山)
- 五十猛町
- 大代町(大家、新屋)
- 大田町(大田、野城、吉永)
- 大森町
- 大屋町(大国、大屋、鬼村)
- 川合町(忍原、川合、吉永)
- 久手町(刺鹿、波根西)
- 久利町(市原、久利、佐摩、戸蔵、松代、行恒)
- 三瓶町(池田、上山、小屋原、志学、多根)
- 静間町
- 祖式町
- 富山町(神原、才坂、山中)
- 鳥井町(鳥井、鳥越)
- 長久町(稲用、土江、長久、延里)
- 仁摩町(天河内、大国、宅野、仁万、馬路)
- 波根町
- 水上町(荻原、白坏、福原、三久須)
- 山口町(佐津目、山口)
- 温泉津町(井田、今浦、太田、荻村、上村、小浜、西田、飯原、福田、福光、湯里、温泉津、吉浦)
気候
大田(1991年 - 2020年)の気候
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月 |
1月 |
2月 |
3月 |
4月 |
5月 |
6月 |
7月 |
8月 |
9月 |
10月 |
11月 |
12月 |
年
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最高気温記録 °C (°F)
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18.4 (65.1)
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23.2 (73.8)
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24.8 (76.6)
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30.6 (87.1)
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32.0 (89.6)
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35.1 (95.2)
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37.5 (99.5)
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39.2 (102.6)
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37.6 (99.7)
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32.7 (90.9)
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27.4 (81.3)
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22.8 (73)
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39.2 (102.6)
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平均最高気温 °C (°F)
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8.8 (47.8)
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9.8 (49.6)
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13.4 (56.1)
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18.8 (65.8)
|
23.7 (74.7)
|
26.6 (79.9)
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30.3 (86.5)
|
32.2 (90)
|
27.9 (82.2)
|
22.7 (72.9)
|
16.9 (62.4)
|
11.2 (52.2)
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20.2 (68.4)
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日平均気温 °C (°F)
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5.0 (41)
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5.5 (41.9)
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8.3 (46.9)
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13.3 (55.9)
|
18.0 (64.4)
|
21.7 (71.1)
|
25.8 (78.4)
|
27.0 (80.6)
|
22.7 (72.9)
|
17.2 (63)
|
12.1 (53.8)
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7.3 (45.1)
|
15.3 (59.5)
|
平均最低気温 °C (°F)
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1.8 (35.2)
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1.6 (34.9)
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3.5 (38.3)
|
7.8 (46)
|
12.8 (55)
|
17.5 (63.5)
|
22.3 (72.1)
|
23.1 (73.6)
|
18.7 (65.7)
|
12.7 (54.9)
|
8.0 (46.4)
|
3.9 (39)
|
11.1 (52)
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最低気温記録 °C (°F)
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−5.8 (21.6)
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−7.5 (18.5)
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−2.8 (27)
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−1.9 (28.6)
|
3.0 (37.4)
|
7.8 (46)
|
11.6 (52.9)
|
15.6 (60.1)
|
7.0 (44.6)
|
3.6 (38.5)
|
0.6 (33.1)
|
−2.7 (27.1)
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−7.5 (18.5)
|
降水量 mm (inch)
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119.6 (4.709)
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104.0 (4.094)
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131.6 (5.181)
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125.3 (4.933)
|
144.4 (5.685)
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193.1 (7.602)
|
238.3 (9.382)
|
144.8 (5.701)
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193.0 (7.598)
|
113.9 (4.484)
|
121.5 (4.783)
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141.1 (5.555)
|
1,772.8 (69.795)
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平均降水日数 (≥1.0 mm)
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16.5
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13.4
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12.9
|
10.1
|
9.7
|
11.2
|
11.5
|
9.5
|
10.5
|
9.7
|
11.8
|
15.7
|
142.9
|
平均月間日照時間
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63.6
|
87.5
|
147.6
|
190.5
|
212.4
|
166.4
|
179.3
|
213.4
|
164.6
|
162.4
|
114.5
|
69.2
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1,767.3
|
出典1:Japan Meteorological Agency
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出典2:気象庁[2]
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隣接する自治体
人口
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大田市と全国の年齢別人口分布(2005年)
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大田市の年齢・男女別人口分布(2005年)
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■紫色 ― 大田市 ■緑色 ― 日本全国
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■青色 ― 男性 ■赤色 ― 女性
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大田市(に相当する地域)の人口の推移
1970年(昭和45年)
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51,475人
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1975年(昭和50年)
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49,433人
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1980年(昭和55年)
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49,570人
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1985年(昭和60年)
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49,277人
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1990年(平成2年)
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47,291人
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1995年(平成7年)
|
44,953人
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2000年(平成12年)
|
42,573人
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2005年(平成17年)
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40,703人
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2010年(平成22年)
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37,996人
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2015年(平成27年)
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35,166人
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2020年(令和2年)
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32,846人
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総務省統計局 国勢調査より
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歴史
大田市の大半は、旧安濃郡と旧邇摩郡である。ただし、大田市祖式町、大代町新屋・大家(新屋地区、大家本郷地区、北佐木地区の一部)はかつての邑智郡、大田市山口町山口・佐津目は昔の出雲国(旧簸川郡)にあたる。
神話の地
大田市の東部にある三瓶山は、古くは「佐比売山」と呼ばれ『出雲国風土記』の国引き神話において、「火神岳」(大山)とともに島根半島を引き寄せて繋ぎ止めた杭であるという。
石見銀山
市域西部の大森は、戦国時代から江戸時代にかけて日本最大の銀山とされた石見銀山の地でもある。
1526年、大内氏の支援によって博多の豪商の神屋寿禎が開発に成功した。その後、大内氏やその後継である毛利氏と出雲の尼子氏の間で銀山争奪戦が繰り返された。江戸時代には幕府直轄領(天領)となり、石見銀山領が置かれた。江戸期にほぼ掘り尽し、1920年代には完全に閉山した。
2007年、「石見銀山遺跡とその文化的景観」として世界遺産に登録された。
平成の大合併
2001年10月設置の大田市・邇摩郡合併問題合同研究会、2002年9月設置の大田市・温泉津町・仁摩町合併任意協議会を経て2003年1月に大田市・温泉津町・仁摩町合併協議会が設置され[3]、合併特例法の期限であった2005年3月末までの合併を目指して協議を始めた[4]。新市の名称については公募の後、協議会での投票により「石見銀山市」が最終候補となった[5]。後は協議会で「石見銀山市」に決定するのみであったが大田市で反発があり、決定を先送りした[5]。「大田市」を求める大田市議会と「石見銀山市」を求める温泉津町議会・仁摩町議会で対立し、1市2町の首長と議長による6者協議会に持ち込まれた[6]。最終的に、新市の名称を「大田市」とし、石見銀山遺跡の世界遺産登録時に「石見銀山市」の是非について検討することで妥結した[7]。新市名称をめぐる混乱により協議などが遅れ、当初の目標から遅れて2005年10月1日に合併が実現した[7][8]。また市名を再検討する条件から市章は当面新たに制定せず、暫定的に旧大田市章を使うこととした[9]。
2007年7月の石見銀山遺跡の世界遺産登録後、9月に市名問題検討特別委員会を設置し市内の団体の代表からの意見聴取などを行った[10][11]。意見聴取では、変更には経費がかかることや市名が定着していることなどを理由に24人中19人が変更に否定的であった[10][12]。特別委員会、市議会を経て2008年1月に市名を変更しないと決めた[12]。なお、市章については旧大田市章を引き続き使用することを確定した[12]。
年表
行政区画の変遷
行政・議会
市長
1953年に成立した大田市の歴代の市長は以下の通り。
- 田原孝二老(1953年1月25日 - 1969年2月24日)
- 林恒孝(1969年4月11日 - 1985年4月10日)
- 石田良三(1985年4月11日 - 1989年4月10日)
- 熊谷國彦(1989年 - 2005年)
2005年に成立した大田市の歴代の市長は以下の通り。
代 |
氏名 |
就任年月日 |
退任年月日 |
備考
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熊谷國彦 |
2005年10月1日 |
2005年10月30日 |
市長職務執行者。旧大田市長
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初-3 |
竹腰創一 |
2005年10月30日 |
2017年10月29日 |
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4-5 |
楫野弘和 |
2017年10月30日 |
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市議会
公共機関
警察機関
消防機関
医療機関
政府所管法人
国立研究開発法人
文化施設
体育館
図書館
- 大田市立大田市中央図書館
- 大田市立仁摩図書館
- 大田市立温泉津図書館
姉妹都市・提携都市
教育
小学校
中学校
高等学校
大学
- 島根大学生物資源科学部附属生物資源教育研究センター森林科学部門三瓶演習林
学校教育以外の施設
産業
大田市の主要産業として農業、畜産業、水産業(漁業、水産加工業)、瓦製造業(石州瓦)、観光業などがある。
農業
漁業
- 久手漁港
- 波根東漁港
- 柳瀬漁港
- 鳥井漁港
- 和江漁港
- 五十猛漁港
- 仁万漁港
- 友漁港
- 湯里漁港
- 日祖漁港
- 温泉津漁港
- 湯戸漁港
- 今浦(福浦)漁港
工業
商業
商業施設
- 大型店
-
- スーパーマーケット
-
- 家電量販店
-
- ホームセンター
-
- ドラッグストア
-
- コンビニエンスストア
-
- その他
-
本社を置く主要企業
金融機関
交通
鉄道
- 西日本旅客鉄道(JR西日本)
バス
路線バス
高速バス
道路
自動車専用道路
国道
県道
道の駅
観光
名所・旧跡・景勝地
博物館・資料館
寺社
- 物部神社 - 石見国一宮
- 喜多八幡宮
- 南八幡宮
- 清水寺
- 羅漢寺
- 佐毘売山神社
- 大元神社
- 大年神社
- 佐比賣山神社(日本遺産『石見の火山が伝える悠久の歴史』「佐比賣山神社と多根神楽」)
- 山辺八代姫命神社
- 大屋姫命神社
- 金毘羅神社
- 大国主神社
- 五十猛神社
- 韓神新羅神社
- 韓島神社
- 静間神社
- 城上神社
- 白石神社
- 霹靂神社
- 刺鹿神社
温泉・温泉施設
名水
祭事・催事
- 天領さん(毎年8月上旬)
- おおだ彼岸市(毎年春分の日・秋分の日)
- にまごいせ祭
- ゆのつ温泉夏祭り
- 隆慶祭
- 三瓶高原クロスカントリー大会
- 五十猛海と山のふれあい祭
- 石見銀山陶器まつり
- てくてく市
- しずま菜の花まつり
- とんど&凧あげまつり
コンサート・コンベンション施設
名物・特産品
伝統芸能
大田市を舞台とした作品
著名な出身者
脚注
- ^ “くじらご飯 島根県”. 農林水産省. 2024年1月17日閲覧。
- ^ “大田 過去の気象データ検索”. 気象庁. 2024年3月21日閲覧。
- ^ 「大田市・温泉津町・仁摩町合併協議会を設立」『大田市・温泉津町・仁摩町合併協議会だより』創刊号、大田市・温泉津町・仁摩町合併協議会事務局、2003年2月、2頁、 オリジナルの2005年7月29日時点におけるアーカイブ。
- ^ 「第一回合併協議会を開催」『大田市・温泉津町・仁摩町合併協議会だより』創刊号、大田市・温泉津町・仁摩町合併協議会事務局、2003年2月、3–4、 オリジナルの2005年7月29日時点におけるアーカイブ。
- ^ a b 「“迷走”する新名称(しまねの市町村合併・最前線:1)」『朝日新聞』朝日新聞社、2004年3月16日、朝刊 島根、29面。
- ^ 「法定協の開催延期 大田市の合併協」『読売新聞』読売新聞大阪本社、2004年11月6日、大阪朝刊 島根、31面。
- ^ a b 筆谷慶三「新名称は「大田市」、来年10月1日誕生--大田・温泉津・仁摩合併協」『毎日新聞』毎日新聞社、2004年11月6日、地方版 島根、21面。
- ^ 「県内の市町村21に 新・浜田市、新・大田市、吉賀町が誕生」『朝日新聞』朝日新聞社、2005年10月2日、朝刊 大阪島根全県、28面。
- ^ 「大田市、新市章当面作らず 浜田市は旧デザイン継続」『読売新聞』読売新聞大阪本社、2006年3月3日、大阪朝刊 島根、31面。
- ^ a b 中村正夫「市名「大田市」で決着へ 特別委「住民の意見尊重」 20日に議会報告」『朝日新聞』朝日新聞社、2007年12月18日、朝刊 大阪島根全県、28面。
- ^ 船津健一「「石見銀山市」問題:再び幻に 市名問題検討特別委、「大田市のまま」と結論」『毎日新聞』毎日新聞社、2007年12月18日、地方版 島根、21面。
- ^ a b c 「大田市存続を市長が表明 市名変更問題、完全に決着」『読売新聞』読売新聞大阪本社、2008年1月17日、大阪朝刊 島根、29面。
- ^ 「島根県西部地震発生から1週間 建物被害1000件超 復旧課題」『山陰中央新報』2018年4月17日。2018年4月21日閲覧。
- ^ “農研機構について/組織概要”. 農研機構. 2020年2月3日閲覧。
- ^ 「砂時計」のロケ地を巡る旅 2020年2月3日閲覧
関連項目
外部リンク
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