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「大洲」はこの項目へ転送されています。地球上の地理的地域を大きく区分した大州については「大陸」を、その他の用法については「大州 (曖昧さ回避)」をご覧ください。 |
大洲市(おおずし)は、愛媛県の南予地方に位置する市。
概要
「伊予の小京都」と呼ばれる[注釈 1]。肱川の流域にある大洲城を中心に発展した旧城下町である。大洲市の城下町の取り組みは、2021年度にはグッドデザイン賞受賞[2][3][4]。
地理
地形
肱川の中下流域からなり、特に旧大洲地域は肱川と矢落川とが合流する地点で盆地を形成している。さらにその下流に向かっては谷を形成しつつ、長浜地域にて伊予灘に注ぎ込む。山は、肱川支流の河辺川源流では標高1000mを越える地点もあるが、それ以外は500〜800mの比較的なだらかな山々が連なっている。
山岳
- 主な山
河川
- 主な川
島嶼
- 主な島
気候
盆地型で、霧が発生しやすい。肱川河口(長浜)では、肱川あらしという現象が観察される。
冬は基本的には温暖なものの、寒波が来ると愛媛県内でも雪が降りやすい地域であり、20〜30cmの大雪となることもある。
台風等の来襲は少ないものの、肱川は下流で狭まっていることから、大洲盆地でボトルネックとなり、大雨が続くと増水しやすく、平成30年7月豪雨など過去に何度も浸水被害に見舞われている。
大洲(1991年 - 2020年)の気候
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月 |
1月 |
2月 |
3月 |
4月 |
5月 |
6月 |
7月 |
8月 |
9月 |
10月 |
11月 |
12月 |
年
|
最高気温記録 °C (°F)
|
21.4 (70.5)
|
24.4 (75.9)
|
26.2 (79.2)
|
32.2 (90)
|
34.5 (94.1)
|
34.9 (94.8)
|
38.2 (100.8)
|
38.3 (100.9)
|
37.4 (99.3)
|
32.6 (90.7)
|
28.4 (83.1)
|
24.5 (76.1)
|
38.3 (100.9)
|
平均最高気温 °C (°F)
|
9.8 (49.6)
|
11.2 (52.2)
|
15.2 (59.4)
|
20.9 (69.6)
|
25.6 (78.1)
|
28.0 (82.4)
|
32.2 (90)
|
33.4 (92.1)
|
29.4 (84.9)
|
23.8 (74.8)
|
17.8 (64)
|
12.0 (53.6)
|
21.6 (70.9)
|
日平均気温 °C (°F)
|
5.1 (41.2)
|
5.8 (42.4)
|
9.2 (48.6)
|
14.2 (57.6)
|
18.9 (66)
|
22.6 (72.7)
|
26.7 (80.1)
|
27.4 (81.3)
|
23.7 (74.7)
|
17.8 (64)
|
12.1 (53.8)
|
7.0 (44.6)
|
15.9 (60.6)
|
平均最低気温 °C (°F)
|
1.2 (34.2)
|
1.4 (34.5)
|
4.0 (39.2)
|
8.4 (47.1)
|
13.2 (55.8)
|
18.5 (65.3)
|
22.7 (72.9)
|
23.2 (73.8)
|
19.7 (67.5)
|
13.6 (56.5)
|
8.0 (46.4)
|
3.3 (37.9)
|
11.4 (52.5)
|
最低気温記録 °C (°F)
|
−5.0 (23)
|
−7.3 (18.9)
|
−4.2 (24.4)
|
−1.0 (30.2)
|
3.7 (38.7)
|
8.8 (47.8)
|
14.0 (57.2)
|
15.6 (60.1)
|
8.3 (46.9)
|
2.4 (36.3)
|
−0.4 (31.3)
|
−4.7 (23.5)
|
−7.3 (18.9)
|
降水量 mm (inch)
|
74.8 (2.945)
|
87.4 (3.441)
|
119.5 (4.705)
|
127.5 (5.02)
|
149.8 (5.898)
|
282.9 (11.138)
|
234.9 (9.248)
|
138.1 (5.437)
|
175.6 (6.913)
|
124.0 (4.882)
|
94.5 (3.72)
|
94.9 (3.736)
|
1,700.8 (66.961)
|
平均降水日数 (≥1.0 mm)
|
10.6
|
10.1
|
11.6
|
10.2
|
9.3
|
12.9
|
10.5
|
8.6
|
10.1
|
8.3
|
9.3
|
11.8
|
123.1
|
平均月間日照時間
|
86.2
|
113.5
|
154.6
|
179.4
|
190.5
|
127.2
|
176.0
|
200.3
|
148.2
|
140.4
|
104.8
|
81.4
|
1,708.4
|
出典1:Japan Meteorological Agency
|
出典2:気象庁[5]
|
長浜(1991年 - 2020年)の気候
|
月 |
1月 |
2月 |
3月 |
4月 |
5月 |
6月 |
7月 |
8月 |
9月 |
10月 |
11月 |
12月 |
年
|
最高気温記録 °C (°F)
|
20.2 (68.4)
|
22.4 (72.3)
|
25.7 (78.3)
|
28.0 (82.4)
|
30.6 (87.1)
|
35.5 (95.9)
|
35.5 (95.9)
|
35.9 (96.6)
|
36.0 (96.8)
|
31.4 (88.5)
|
27.1 (80.8)
|
24.1 (75.4)
|
36.0 (96.8)
|
平均最高気温 °C (°F)
|
9.8 (49.6)
|
10.2 (50.4)
|
13.1 (55.6)
|
17.6 (63.7)
|
21.7 (71.1)
|
24.5 (76.1)
|
28.9 (84)
|
29.9 (85.8)
|
26.7 (80.1)
|
22.3 (72.1)
|
17.4 (63.3)
|
12.4 (54.3)
|
19.6 (67.3)
|
日平均気温 °C (°F)
|
6.5 (43.7)
|
6.8 (44.2)
|
9.4 (48.9)
|
13.6 (56.5)
|
17.7 (63.9)
|
21.2 (70.2)
|
25.4 (77.7)
|
26.5 (79.7)
|
23.5 (74.3)
|
18.6 (65.5)
|
13.5 (56.3)
|
8.7 (47.7)
|
16.0 (60.8)
|
平均最低気温 °C (°F)
|
3.1 (37.6)
|
3.3 (37.9)
|
5.6 (42.1)
|
9.7 (49.5)
|
14.1 (57.4)
|
18.5 (65.3)
|
22.7 (72.9)
|
23.7 (74.7)
|
20.6 (69.1)
|
14.9 (58.8)
|
9.6 (49.3)
|
5.2 (41.4)
|
12.6 (54.7)
|
最低気温記録 °C (°F)
|
−2.6 (27.3)
|
−4.2 (24.4)
|
−2.5 (27.5)
|
0.9 (33.6)
|
5.0 (41)
|
10.0 (50)
|
14.9 (58.8)
|
17.5 (63.5)
|
11.3 (52.3)
|
4.1 (39.4)
|
1.6 (34.9)
|
−2.1 (28.2)
|
−4.2 (24.4)
|
降水量 mm (inch)
|
44.5 (1.752)
|
59.2 (2.331)
|
94.7 (3.728)
|
107.1 (4.217)
|
132.4 (5.213)
|
243.7 (9.594)
|
207.8 (8.181)
|
106.4 (4.189)
|
147.0 (5.787)
|
97.6 (3.843)
|
71.1 (2.799)
|
59.9 (2.358)
|
1,371.2 (53.984)
|
平均降水日数 (≥1.0 mm)
|
7.0
|
7.7
|
9.8
|
9.5
|
9.0
|
12.2
|
10.0
|
7.5
|
9.0
|
7.5
|
7.7
|
8.6
|
105.5
|
平均月間日照時間
|
104.9
|
129.0
|
169.7
|
196.1
|
217.5
|
161.9
|
207.1
|
231.5
|
171.0
|
168.1
|
127.0
|
98.8
|
1,982.7
|
出典1:Japan Meteorological Agency
|
出典2:気象庁[6]
|
人口
|
大洲市と全国の年齢別人口分布(2005年)
|
大洲市の年齢・男女別人口分布(2005年)
|
■紫色 ― 大洲市 ■緑色 ― 日本全国
|
■青色 ― 男性 ■赤色 ― 女性
|
大洲市(に相当する地域)の人口の推移
1970年(昭和45年)
|
58,755人
|
|
1975年(昭和50年)
|
56,996人
|
|
1980年(昭和55年)
|
57,014人
|
|
1985年(昭和60年)
|
57,263人
|
|
1990年(平成2年)
|
55,766人
|
|
1995年(平成7年)
|
53,850人
|
|
2000年(平成12年)
|
52,762人
|
|
2005年(平成17年)
|
50,786人
|
|
2010年(平成22年)
|
47,157人
|
|
2015年(平成27年)
|
44,086人
|
|
2020年(令和2年)
|
40,575人
|
|
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総務省統計局 国勢調査より
|
隣接自治体
- 愛媛県
- 山口県
歴史
近世
- 江戸時代
藩政期は大洲藩に属した。
近代
- 明治時代
現代
- 昭和時代
- 平成時代
行政区画の変遷
政治
旧・大洲市は大洲市・喜多郡地域の行政の中心地として栄えてきた。
西隣の八幡浜市や西宇和郡、西予市を含めた広域で見ると、八幡浜市に県の八幡浜地方局(のちに「支局」となる)が置かれるなど県の行政の中心となっている一方、司法関係では地裁・家裁支部や地検支部は大洲市に置かれている。なお、公共職業安定所(ハローワーク)や税務署などは両市に所在している。
行政
市長
- 歴代市長
代 |
氏名 |
就任 |
退任 |
備考
|
1 |
沼田恒夫 |
1954年(昭和29年)10月1日 |
1962年(昭和37年)9月30日 |
|
2 |
森永冨茂 |
1962年(昭和37年)10月1日 |
1965年(昭和40年)1月14日 |
|
3 |
村上清吉 |
1965年(昭和40年)2月13日 |
1977年(昭和52年)2月12日 |
|
4 |
近田宣秋 |
1977年(昭和52年)2月13日 |
1989年(平成元年)2月12日 |
|
5 |
桝田與一 |
1989年(平成元年)2月13日 |
2005年(平成17年)1月10日 |
|
代 |
氏名 |
就任年月日 |
退任年月日 |
備考
|
初 |
大森隆雄 |
2005年2月13日 |
|
旧大洲市議会議員
|
2 |
|
2009年8月15日 |
任期中死去
|
|
|
2009年8月16日 |
2009年9月13日 |
職務代理者
|
3 |
清水裕 |
2009年9月13日 |
|
|
4 |
|
|
|
5 |
|
2018年3月30日 |
任期中死去
|
|
松田眞 |
2018年3月31日 |
2018年5月20日 |
職務代理者(副市長)[11]
|
6 |
二宮隆久 |
2018年5月20日 |
|
前教育長
|
7 |
|
|
現職
|
役所
議会
2005年の市町村合併に際し、旧町村の不安に配慮する目的で議員に在任特例を適用したが、市民から反発を招き2005年(平成17年)9月、特例期間を一箇月残して自主解散。市民からのリコール運動も起こったが、自主解散すべきか審議中に海外旅行のため議会を欠席する議員が出るなど、その姿勢が問われた[12]。
市議会
- 大洲市議会
国会
- 衆議院
出先機関・施設
国家機関
県政機関
- 愛媛県八幡浜地方局大洲庁舎
- 愛媛県農業試験場蚕業支場
- 愛媛県食肉衛生検査センター
施設
警察
- 警察署
- 交番
- 駐在所
- 平野駐在所(大洲市西大洲)
- 菅田駐在所(大洲市菅田町菅田)
- 森山駐在所(大洲市森山)
- 新谷駐在所(大洲市新谷)
- 八多喜駐在所(大洲市八多喜町)
- 肱川駐在所(大洲市肱川町山鳥坂)
- 河辺駐在所(大洲市河辺町植松)
- 大和駐在所(大洲市長浜町下須戒)
- 警察官連絡所
- 柳沢警察官連絡所(大洲市柳沢)
- 宇和川警察官連絡所(大洲市肱川町宇和川)
- 櫛生警察官連絡所(大洲市長浜町櫛生)
消防
- 本部
- 消防署
- 支署
- 長浜(大洲市長浜甲461番地1)
- 川上(大洲市肱川町宇和川2992番地1)
医療・福祉
- 主な病院
- 市立大洲病院
- 大洲中央病院
- 大洲記念病院
- 喜多医師会病院
文化施設
- 図書館
- 生涯学習施設
対外関係
姉妹都市・提携都市
国内
- 提携都市
- その他
経済
第一次産業
農業
第二次産業
2017年の製造品出荷額等は297億円で、食料品、木材が上位を占めている[13]。
1973年に松下寿電子工業(現:PHCホールディングス)が進出。雇用や産業などで大きな役割を果たしてきたがリーマンショックなどによる急速な業績を悪化を受けて、2010年3月に工場が閉鎖された。2007年の製造品出荷額等では507億円で電子部品が最も大きな割合を占め、約500名の従業員を雇用しており閉鎖により市には大きな打撃となった[14][15]。
工業
- 工場・事業所がある主な企業
第三次産業
商業
- 主な小売店
本社を置く企業
教育
高等学校
- 県立
- 私立
中学校
- 市立
- 私立
小学校
- 市立
交通
鉄道
中心となる駅:伊予大洲駅
鉄道路線
- 四国旅客鉄道(JR四国)
バス
路線バス
都市間高速バス
道路
高速道路
- 西日本高速道路(NEXCO西日本)
国道
県道
すべて愛媛県道。
- 主要地方道
- 一般県道
道の駅
航路
船舶
- 青島海運
- 旅客船あおしま - 沖合13.5kmに浮かぶ青島と長浜港を結ぶ唯一の航路。乗船時間約45分。1日2往復。[2]
観光
名所・旧跡
- 城郭・館
- 寺院
- 史跡
観光スポット
- 温泉・温浴施設
- 小薮温泉 - 肱川上流の小薮渓谷に1870年代から湧くと伝えられ、以来湯治場として賑わう名湯。1913年(大正2年)築の木造3階建てで、2000年(平成12年)に国の登録有形文化財に登録されている「小薮温泉」が一軒宿。
文化・名物
祭事・催事
- 鵜飼い
- いもたき
- るり姫祭り(長浜町白滝)
- 大洲まつり
- 大洲川まつり花火大会
- つつじまつり
- 観光さくらまつり
- ながはま赤橋夏まつり
- ほたるまつり
- しょうぶまつり
- もみじまつり
- 滝まつり
- ドラゴンボート大会
- 肱川ふれあいまつり
- わらじで歩こう坂本龍馬脱藩の道
- おおず浪漫祭
- 川下り遊覧
名産・特産
- 大洲(旧大洲市)と長浜(旧長浜町)に製造業者があり、長浜の方がどちらかというともちもちしている。大洲まちの駅 あさもや、冨永松栄堂などで買い求めることができる。
- 長浜沖で獲れ、昭和40年頃が最盛期であった。今日では漁獲高は激減し、ふぐ漁専用の設備を持つ漁業者は10戸程度となっている。主として、広島、松山方面に出荷されるが、地元料理店にも卸される。長浜にはふぐ料理店も数店存在し、市外ではあまり知られないが、隠れた名物となっている。
出身の人物
ゆかりのある人物
作品
大洲市を舞台とした作品
音楽
映画
脚注
注釈
出典
外部リンク
ウィキメディア・コモンズには、
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