|
「みはらふれあい号」はこの項目へ転送されています。堺市が運行する現行の乗合タクシーについては「堺市乗合タクシー」をご覧ください。 |
堺市ふれあいバス(さかいしふれあいバス)は、大阪府堺市がかつて運行していたコミュニティバス。2000年10月2日運行開始[1]。堺市各エリアの老人福祉センターと地域を結んでいた福祉バス「堺市立老人福祉センター送迎バス」を前身とする。運行は南海バス(堺営業所)に委託していた。
なお、美原区においては、堺市編入前の旧南河内郡美原町時代から「みはらふれあい号」を別に運行しており[2]、南海バス(泉北営業所金剛車庫)と近鉄バス(松原営業所)に運行委託していた。本項では、みはらふれあい号についても記述する。
利用状況の低迷などを理由に、堺市は2013年6月30日をもって「堺市ふれあいバス」と「みはらふれあい号」を廃止した[3]。同年7月1日以降は代替措置として、65歳以上の市民を対象とした「おでかけ応援バス制度」の拡充や、阪堺電車の高齢者運賃割引制度の利用日を拡大する施策を実施するとした[3]。
また、コミュニティバスの見直しと廃止を受け、実証実験を経て翌2014年3月10日から運行開始された乗合タクシー「堺市乗合タクシー」(さかいしのりあいタクシー)の一部停留所は、堺市ふれあいバス・みはらふれあい号のものとほぼ同位置にあるほか、停留所の形状もふれあいバスのものを踏襲している。
本項では「みはらふれあい号」についても記述する。堺市乗合タクシーについては当該記事を参照のこと。
堺市ふれあいバス
運行内容
- 運行担当:南海バス堺営業所
- 運賃は大人100円、小学生50円。障害者割引があった。
- 各路線の運行曜日が決まっており、本数も日に3本から5本程度であった。
- 休日、敬老の日以外の祝日、年末年始(12月29日 - 1月3日)は運休日となっていた。
- 美原区を除く6区で運行していた。
- 行政区ごとに運行していたが、区を越えての系統は基本的に連絡し合っていなかった。複数の区から乗り入れてくるバス停は、北老人福祉センター(堺区・北区)、阪和第二泉北病院前(中区・北区)、八下中学校前(東区・北区)など。一部区間が他区を走っている例が数箇所あった。
鉄道との連絡
運行の核となっている各区役所は、以下の駅に近い。
これ以外の停留所で駅と連絡する箇所もあったものの、運行本数が少ないこともあり、鉄道からバスへ乗り継ぐには有用とは言い難かった。
路線
- 路線図(Wayback Machine)
- 北老人福祉センター→錦綾小学校前→錦西小学校前→堺市役所→市立堺病院→ザビエル公園前→堺駅前→寺地町駅前→堺市役所→北老人福祉センター
- 北老人福祉センター→サンスクエア堺前→堺市役所→市立堺病院→中央図書館前→堺老人福祉センター→神石市之町→楠町→市立堺病院→堺市役所→北老人福祉センター
- 路線図(Wayback Machine)
- 東区役所前→初芝駅前→八下中学校前→初芝高校前→初芝駅前→東区役所前→南野田りんご公園前→東区役所前
- 東区役所前→初芝体育館前→白鷺駅前→東区役所前→西小学校前→西野→福町→西小学校前→東区役所前
- 路線図(Wayback Machine)
- 南老人福祉センター→美木多→南区役所前→新檜尾台センター→桃山台センター→堺西高校前→南区役所前→美木多→南老人福祉センター
- 南老人福祉センター→城山台センター→南区役所前→三原台中学校前→竹城台東小学校前→宮山台小学校前→南区役所前→城山台センター→南老人福祉センター
- 南老人福祉センター→庭代台4丁東→南区役所前→高倉台センター→槇塚台センター→若松台中学校前→南区役所前→庭代台4丁東→南老人福祉センター
- 南老人福祉センター→原山台中学校前→南区役所前→釜室南→畑→釜室南→南区役所前→原山台中学校前→南老人福祉センター
- 路線図(Wayback Machine)
- 中区役所前→中老人福祉センター→商大堺高校前→ソフィア堺前→中老人福祉センター→中区役所前→東陶器小学校前→あみだ池→うぐいす谷集会所前→中区役所前
- 中区役所前→中老人福祉センター→深坂北→中老人福祉センター→中区役所前→東百舌鳥小学校前→深井中央中学校西→阪和第二泉北病院前→ソフィア堺前→中区役所前
- 路線図(Wayback Machine)
- 西区役所前→上野芝駅前→上野芝中学校前→八田寺公園前→西区役所前→上→万崎東→太平寺→山田公民館前→福泉東小学校前→堺上高校前→西区役所前
- 西区役所前→大鳥神社前→鳳西町南→浜寺公園駅前通→浜寺諏訪森町中1丁→石津神社前→浜寺中学校前→浜寺公園駅前通→鳳西町南→西区役所前
- 路線図(Wayback Machine)
- 北老人福祉センター→北花田駅前(駅前広場)→長尾中学校前→堺市産業振興センター→大泉緑地前→八下中学校前→大泉小学校前→北区役所前→長尾中学校前→北老人福祉センター
- 北老人福祉センター→北花田駅前(側道)→金岡公園東口→北区役所前→金岡神社前→蟻ヶ池→中もず駅前通→百舌鳥八幡宮東→赤畑町郵便局前→阪和第二泉北病院前→もず梅町→蟻ヶ池→北区役所前→金岡公園東口→北老人福祉センター
車両
「堺市ふれあいバス」の使用車両は、いずれも南海バスが所有していた。
初期の車両は「堺市立老人福祉センター送迎バス」から引き継いだ日野・リエッセを使用していた。塗装は南海バスの一般路線車とは異なり、4パターンの色調に花の絵をあしらったデザインであった。
ふれあいバス運行開始後は、車両数増大の必要にかられ、増備車として日野・レインボーHR(7m車)を導入した。この車両から南海バスの一般路線カラーを青系に変更したものを正式塗装とした。
その後はリエッセの老朽化もあり、レインボーHR(7m車)を増備した。後期車からは行先表示器のLED化や後方行先表示器の追加が行われた。さらにリエッセの置き換えのため、2010年代より日野・ポンチョを増備し、リエッセはふれあいバスの運用から完全に撤退した。
廃止後
特に住宅地の入り組んだ場所の坂上にある中老人福祉センターは代替手段が希薄なため、南海バスがふれあいバスと同じ1日5便の一般路線バス(中百舌鳥駅前 - 中老人福祉センター前)を新設して代替路線とした。新設路線の系統番号は52系統が付番され、形式上は51系統(中百舌鳥 - 伏尾)の「堺東泉ヶ丘線」の一部として、途中の小阪まで同一ルートを走る。52という系統番号は、かつての中百舌鳥 - 津久野間のバス路線に付けられていたものを引き継いでいる。
ふれあいバスで使用していた小型バスは、堺営業所と東山営業所へ転属し、一般路線車と同仕様の運賃箱や運賃表示機が設置されるとともに、南海バスの一般路線車のカラーリングへ変更された。2013年9月1日のダイヤ改正より一般路線用として運用開始され、同社の小型車運行区間のうち、大型車に置き換えられた堺東駅 - 白鷺駅(ダイヤ改正後に金岡町停留所より延伸)以外の路線に投入された。
中老人福祉センター行き52系統にもこれらの小型バスが使用され、ふれあいバス廃止前と同様の車両が使用された。また、ふれあいバス廃止は同社に残存していたリエッセの置き換えと小型車のノンステップ化を推進することとなった。なお、レインボーHRとポンチョが南海バスカラーで一般路線に投入されるのはこれが初である[注釈 1]。
みはらふれあい号
正式名称は、美原公共施設循環バス(みはらこうきょうしせつじゅんかんバス)[2]。
堺市編入前の旧南河内郡美原町から引き継いだものであり、運行内容が堺市ふれあいバスと異なっていた。2000年に運行開始、ふれあいバスと同様に2013年6月30日をもって廃止[3]された。南コースと西ルートの運行は南海バス、東ルートと北ルートの運行は近鉄バスにそれぞれ委託していた。
運行内容
- 運行担当:南海バス泉北営業所金剛車庫、近鉄バス松原営業所
- 運賃は無料。
- 運行曜日は平日のみ、各路線とも本数は日に5本程度であった。
- 土曜、休日、祝日、年末年始(12月29日 - 1月3日)は運休日となっていた。
- 美原区のみで運行。
- 基本的には美原区内で完結していたが、北野田東口(東区)など東区内を走っている箇所があった。
- 鉄道駅のない美原区内で運行されており、鉄道との連絡は考慮されていない。
路線
- 美原総合福祉会館→美原区役所・図書館→東多治井→さつき野センター北→美原区役所・図書館→美原総合福祉会館
- 美原総合福祉会館→美原区役所・図書館→平尾→青南台2丁目→菅生→美原区役所・図書館→美原総合福祉会館
- 美原総合福祉会館→美原区役所・図書館→北野田東口→南余部→農芸高校前→美原区役所・図書館→美原総合福祉会館
- 美原総合福祉会館→美原区役所・図書館→真福寺公園前→太井→美原区役所・図書館→美原総合福祉会館
車両
ふれあいバスとは異なり、「みはらふれあい号」では専用車両としてマイクロバスの日野・リエッセIIを使用していた[2]。塗装はシンプルなもので、白一色の車体に、全面と側面に「みはらふれあい号」のロゴが描かれ、ドア前側にはコースを示す行先標とその板を差し込むサボ受けが設置されていた[2]。
脚注
注釈
- ^ ふれあいバスに限らず、南海が各地で受託運行しているコミュニティバスでは専用カラーのポンチョが導入されているほか、金色の専用車両が使われる一般路線「堺シャトルバス」にもレインボーHRの9m車(観光マスク)が導入されている。
出典
関連項目
外部リンク