2100形(更新前)
京急2100形電車 (けいきゅう2100がたでんしゃ)は、1998年 (平成 10年)3月28日 に営業運転を開始した[ 1] 、京浜急行電鉄 の特急形車両 である。
本項では、特記のない限り各種文献に倣い、京急本線 上で南側を「浦賀 寄り」または「浦賀方」、北側を「品川 寄り」または「品川方」、東側を「海側」、西側を「山側」と表記する。編成番号は浦賀方先頭車の車両番号で表記する。
また、「新1000形」は2002年 (平成14年)登場の1000形(2代) 、「1000形」は1959年 (昭和34年)登場の1000形(初代) 、「700形」は1967年 (昭和42年)登場の700形(2代) 、「600形」は1994年 (平成6年)登場の600形(3代) を指すものとする。
概要
主に京急本線・久里浜線 を運行する快特 で使用されていた2000形 の後継車として製造され、8両編成10本(80両)が在籍する[ 4] 。京浜急行電鉄の創立100周年を記念し、21世紀 をかけて、21世紀へ向かう車輛という意味を込めて「2100」の形式称号が与えられた[ 5] [ 6] 。
本形式では車内居住性の向上を重視し、コストダウンとメンテナンス低減・車両性能の向上のため、主制御器・主電動機、座席や座席表地に日本国外製品を数多く導入した車両である[ 5] 。関東私鉄で唯一のオール転換クロスシート 車両である。
主として京急線内の快特 に使用され、有料の「イブニング・ウィング号」や「モーニング・ウィング号」 にも使用されることから、特急形車両 に分類される場合もある。
車両概説
車体
アルミニウム合金 製で車体外板は赤 、窓回りをアイボリー に塗装 している[ 3] 。
前面デザイン は600形 をベースとし[ 3] 、「都会」・「洗練」・「知的」と「スピード感」をイメージした流線型形状とし[ 3] 、21世紀 に向かう京急のイメージリーダーにふさわしい車両を目指した。先頭車正面窓下アイボリー塗装のワイパー カバーには、形式名(2100)がスリット 状の打ち抜き文字で表現されている[ 3] 。これは分割併合 時にスリットを通して連結器 を見通せるようにしたためである。詳細については後述のバリエーションの節 を参照のこと。
中間車は基本の連結面間距離18,000 mm だが、先頭車はこれより170 mm長い18,170 mmとした[ 3] 。側面の出入口は片側2扉構造[ 注 1] で、両開き1,200 mmドア幅である[ 3] 。
1500形 アルミ車と600形で採用したLED 表示灯は経年変化による照度低下が著しく、また電球 の寿命も延びたことから尾灯 ・急行灯 および車側灯 が2灯の電球となった[ 8] 。尾灯と急行灯の位置は4次車で逆転し、それ以前の編成も変更した。行先表示器 は字幕式で、当初は黒地に白文字表記だったが、その後、全車両がローマ字 併記の白地に黒文字表記式に変更され、さらに2015年1月 - 3月にかけて全先頭車の前面のみがLED式に変更された。車両間には新たに転落防止幌 が設置された[ 2] 。正面の排障器 (スカート)は600形のものと類似した形状であるが、600形のものと比較して横幅が狭くなっている[ 3] 。
側窓はすべて濃色グレーの熱線吸収・複層ガラス 構成とし、結露 防止と空調の効率化のために全てが固定窓である[ 9] 。側窓は天地寸法を950 mmと大きくとり、さらに外板とフラット化を図り、側面見付けを向上させている[ 9] 。カーテン にはパープル系色の西陣織 の横引き式プリーツカーテンを設置する[ 8] 。なお、車端部のボックス席の窓以外全ての窓が固定式のため、非常時の換気 のための排気扇 を各車に2台設置している[ 8] 。
内装
内装のコンセプト はCasual&Free/「若者と自然のエリア」 とし、メルティな乗り心地、ソフトでやさしい、深く透き通るような客室空間を演出した[ 10] 。
車内は淡い琥珀色の大理石 模様化粧板 張りとし、連結面の妻壁は淡いパープル系の化粧シート仕上げとした[ 8] 。車椅子スペース は先頭車の乗務員室 次位の扉直後に設置をしている[ 3] 。天井部はFRP 製の曲面天井構成で、補助送風機はなく、空調吹き出し口を設置するのみである[ 8] 。車内照明にはアクリル 製のカバー付蛍光灯 を使用している[ 8] 。
床材は新造車としては初めての塗り床構造とし、ベージュとレッド系のモザイク 柄としている[ 8] 。電動車の床面には600形と同様に駆動装置点検蓋が設置されているが、点検ブタは縁取りをなくし、床面のフラット化を図った[ 8] 。
室内はオールクロスシート で、ドア間は京急で初採用となる転換クロスシート、車端部は4人掛けボックスシート(固定座席)である[ 3] 。先頭車の運転席背面は前向きの固定座席としており、運転席背後以外のドア前には補助腰掛を設置している。
空港連絡列車に使用することを考慮し、一部の固定座席は座面を上げて荷物置場にできる構造となっている[ 3] 。ドア間の座席はノルウェー ・エクネス社 (Georg Eknes) 製、座席表地はスウェーデン ・ボーゲサンズ社 (Bogesunds) 製である[ 11] 。なお、車端部ボックスシートと補助座席は日本製となっている。座席はいずれも瑠璃色 (紺色系)に茜色 (赤色)の水玉模様入りジャカード織(模様入り)で、枕カバーは一般席が赤色、優先席 は灰色系で区別している[ 8] が、2019年 10月26日 のダイヤ改正より土休日の一部の快特に設定される指定席「ウィング・シート」に該当する2号車の枕カバーは一般席・優先席とも緑色のものに変更された。
転換クロスシート部は座席を向かい合わせで用いないことを前提に間隔を詰めており、シートピッチ は850 mmである[ 3] 。営業運転中は一方に向きが固定され、乗客による座席の転換はできない。座席の転換は空気圧による一括転換式を採用しており、始発駅で車掌 のスイッチ操作により進行方向へ座席の向きを合わせる[ 3] 。終着駅に到着した際は、到着ホーム でそのまま折り返す場合も降車扱いの後ドアを閉め、座席転換後に乗車扱いをする措置がとられている。導入直後、座席の向きを無理やり変えようとした乗客が座席を破損させる事例が生じたため、その後座席の枕カバーに「イスの向きは変えられません」と表示されるようになった。
座席につかみ手がつけられているもののつり革 はドア周辺のみの設置[ 12] で、通路も狭くなっている。なお肘掛と掴み手の形状は2次車増備時に改良され、その後1次車も仕様を統一した。
補助腰掛は出入口と転換腰掛を仕切る壁としての役割がある[ 3] 。背ずりは固定されており、座面が手前に引き出してくる形状である[ 3] 。乗務員室 からの操作で鎖錠・解錠が可能で、混雑時には固定され、閑散時は引き出して使用することができる[ 3] 。なお、この補助腰掛の使用可否についてはこの上部のランプで確認することができ、ランプが点灯している間は使用できない。
側扉と連結面貫通扉 は軽量化のためにペーパーハニカム構造 を採用した[ 8] 。貫通扉は各連結面に設置しており、側扉については室内側は化粧板仕上げ、ドアガラスは側窓同様のグレーの複層ガラスである[ 8] 。各扉上部には京急初採用となるLED文字スクロール 表示による車内案内表示器 を設置している[ 8] 。
乗務員室
ベージュ系の配色、運転台計器台は濃い灰色の色調である[ 8] 。計器盤は600形よりも60 mm低くして、特に連結時における前方下部の視認性向上を図った[ 8] 。主幹制御器 はT字形ワンハンドル式[ 8] で、力行 1 - 5ノッチ ・常用ブレーキ1 - 5段・非常 で構成される。マスコンハンドル右端には非常時に使用する「緊急スイッチ 」を新たに設置した[ 8] 。
機器類
Powered by SIEMENSの表記がある車内製造銘板
制御装置はドイツ ・シーメンス 社製の GTO 素子 「SIBAS32(シーバス32)」による VVVFインバータ制御 を採用した。車内の製造ステッカーには製造会社の下に「Powered by SIEMENS」の表記がある。発車時の電動機およびインバータ装置から発する磁励音 が音階に聞こえることが特徴で、このことから鉄道ファン の間では「ドレミファインバータ」や「歌う電車」とも呼ばれている。但し、回生ブレーキ の失効速度が8 - 6 km/h 前後と高く、停車時には音階は聞こえない。
主制御器はG1450 D1130 / 560 M5-1形で、VVVFインバータ装置、フィルター リアクトル 、断流器などを「トラクションコンテナ」と呼ばれる一体箱に収めた構成とした[ 8] 。また、この制御装置はベクトル制御やスリップ・スライド制御(空転滑走制御)など高い精度での電動機のトルク制御を行い、本系式の高い性能を実現している[ 8] 。
主電動機は1:1というMT比 で高速性能と高加速度を両立するため、高出力の1TB2010-0GC02形かご形三相誘導電動機 を採用した。なお、電動機の京急における制式名称はKHM-2100形 である。
基礎ブレーキ は従来からの金属製ブレーキシリンダをゴムシリンダ(ダイヤフラム式)に変更しており、各車両に増粘着装置が取り付けられている[ 6] 。
台車 は空気ばね (枕ばね)を車体に直結させるダイレクトマウント式のボルスタアンカー (枕梁)付き台車であり、軸箱支持方式は高速走行時の乗り心地の観点から乾式ゴム入りの円筒案内式である[ 2] 。動力台車は「TH-2100M形」、付随台車は「TH-2100T形」と称する[ 2] 。さらに上下振動を減少させ、乗り心地の向上を図るため、軸ばねの外側に軸ダンパを設置していた[ 2] が、後年に撤去された。
補助電源装置にはIGBT 素子を使用した三菱電機 製の150 kVA出力静止形インバータ (NC-WAT150C形)で、本形式より車内の低圧補助回路の電圧を三相交流 440Vへと向上させた[ 13] 。電動空気圧縮機 にはドイツ・クノールブレムゼ 社製の100パーセント稼働率のスクリュー式(SL-22形、吐出量は1600 L /min )が採用され[ 13] 、これまでの8両編成3台装備から2台へ削減された[ 6] 。新1000形(5次車まで)にも同形の物が採用された。
集電装置 は東洋電機製造 製のPT7117-A形シングアーム式を使用している。空調装置 は三菱電機製のCU-71G形を使用し、能力は41.8 kW(36,000 kcal/h)としている。外観では装置の前後にFRP製の曲面カバーを設置し、丸みを強調したものとした[ 13] 。
次車別解説
1998年から2000年にかけ、4次にわたって製造された。すべて4M4Tの8両編成で、4両 (2M2T) で1ユニットを組む。各次車における主な変更点は以下のとおりである[ 14] 。
1次車
1998年 2 - 3月に落成。この2編成のみ(白幕化当時は)方向幕の字が細かったが、機器更新の際に他編成と同じく字が太いものに交換されている。落成時にはワイパーカバーのスリットに各先頭車の車両番号を表記していた(例:デハ2101は「2101」とスリット表記)。その後、2次車の落成時期に2次車と同様の表記方式に変更した[ 注 2] 。さらに3次車の落成に合わせて2次車とともに3次車に合わせた表記方法に変更した。
2次車
1998年10 - 11月に落成。ワイパーカバーの車両番号表記を形式名「2100」表示に変更した。このため、車両番号は正面非常扉の白色部の下に4桁表示で記載された。書体 は600形などと同様の「スミ丸ゴシック体」であった(1次車も同様の表記に変更)。
先頭車にある車椅子スペース部において、カーテンが省略されていたが、新たに設置した。さらに乗務員室背面仕切壁を側面と同様の化粧板張りから、妻面と同じパープル系の化粧シート仕上げに変更した。
また、運転席直後の椅子では、立客が寄りかかるため座席の補強をし、暖房 器具を隠すカバーを設置し、転換式腰掛の窓側肘掛位置の変更などが実施された。
3次車
1999年 4 - 5月に落成。非常扉側の車両番号の表記を落成当初から現行表記とした。正面非常扉にあった4桁の車両番号表記を、白色部への下2桁表示に変更した。書体はワイパーカバーの表記に合わせたものである。同時期に1・2次車もこの仕様に変更し、以後の標準となった。
4次車
2000年 10 - 11月に落成。急行灯を落成当初から車両の外側とした。細かな点では、座席の肘掛を灰色から紺色に変更した。
更新工事
制御装置の更新
本形式と新1000形アルミ車両(1 - 5次車)で採用したドイツ・シーメンス社製の電機品は、日本製の機器とは仕様が異なる点があり、特に保守面において不利な点があるなど問題があった。このため、導入から約10年を経て機器の更新時期を迎えた車両より順次、日本製の機器への置き換えが開始された[ 15] 。この機器更新は2015年3月の2133編成をもって全編成への施工が完了した[ 16] [ 注 3] 。
新しい制御装置は東洋電機製造 製のIGBT 素子 を使用した2レベルVVVFインバータ制御装置(PGセンサレスベクトル制御・1C4M制御方式)を採用した。制御装置は従来の周辺機器一体形から制御装置本体やフィルタリアクトル等などが個別設置されたものとなっている。主電動機についても東洋電機製造製の1時間定格190 kWのかご形三相誘導電動機に交換された[ 17] 。主電動機取り付け寸法は交換前の主電動機と同一で、駆動装置や台車の変更はない。
制御装置形式:東洋電機製造製RG6008-A-M形 1C4M制御
主電動機形式:東洋電機製造製TDK6163-A形かご形三相誘導電動機 1時間定格190 kW
この更新工事は京急ファインテック 久里浜事業所において定期検査の前に入場させ、約2週間の工期で機器更新を行い、その後定期検査を施工して出場させている。この際車内掲示の製造ステッカーは「Powered by SIEMENS」表記のないものに変更されている[ 注 4] 。
施工順序は以下のとおり。
2008年度:2165編成(2008年12月13日付[ 18] )
2009年度:2101編成(2009年9月)・2109編成(2009年12月)[ 19]
2010年度:2125編成(2010年6月)・2117編成(2010年9月)[ 20]
2011年度:2149編成(2011年8月)[ 21]
2012年度:2157編成(2012年3月)・2173編成(2012年8月)[ 22]
2013年度:2141編成(2014年1月)
2014年度:2133編成(2015年3月、後述の更新工事も同時施工[ 16] )
車体更新
2013年8月15日 [ 23] に更新後の試運転を行った2101編成から車体更新工事が施工されている。工事内容は以下の通り。「*」表記は600形・新1000形10次車以降で採用済みのもの、「**」表記は新1000形11次車以降で採用済みのもの。
2020年6月現在では全編成の更新が完了している。
冷房装置 をCU-71H-G2に交換。
空調装置操作器を浦賀寄り運転台に追加設置。
各ドア上部に1台、17インチ 液晶ディスプレイ ・停車駅案内枠設置。*
液晶ディスプレイは600形・新1000形10次車以降とは異なるデザインとなり、東京メトロ16000系 などと同様にアニメーション表示がある。
ドアチャイムを設置。新1000形10次車以降に採用されたドアチャイムが使用されているほか、誘導音も動作する。*
ドアの色調をアイボリーからホワイトへ変更
優先席のモケットの地と柄の配色を反転。
車内照明を蛍光灯からLED灯による間接照明に変更[ 24] 。**
車端部窓の開閉可能化。この部分のみはカーテンが縦引き式(ロールアップカーテン)に変更された。
排気扇を半減。
車両の前面非常口部分にけいきゅんのステッカーを貼り付け。
客室窓枠下の帯など、部品の交換。
車上情報管理装置の設置。
また、これとは別に、2017年5月1日からのウィング号とモーニング・ウィング号 の全席指定化 に伴い、同年4月までに補助席も含む全ての席に座席番号が割り振られた。これらはイブニング・ウィング号とモーニング・ウィング号の全座席のほか、「ウィング・シート」が設定されている快特の2号車でのみ有効となり、「ウィング・シート」設定のない快特・特急・急行での運行時は従来通り全席自由席となる。
更新後の2100形
更新後の車内
配色が変更された優先席
ドア廻り
LED化された照明
運用
都営フェスタで並んだ2100形と京成AE100形 原則的に、自社線内の本線・久里浜線の快特 として泉岳寺駅 ・品川駅 - 京急久里浜駅 ・三崎口駅 間を運転する。日中時間帯は一部列車を除く泉岳寺駅発着快特の全列車に使用される[ 25] 。朝および土休日夜間には特急 や急行 (朝の一部列車のみ)にも使用される[ 25] 。平日夜間は「イブニング・ウィング号」、平日朝は「モーニング・ウィング号」として運用される。立席定員が少ない上に2ドアで乗降に時間が掛かるため、平日朝ラッシュ時 最混雑時間帯の本線上り列車には「モーニング・ウィング号」および女性専用車両 の設定対象外の品川駅行き快特3本(金沢文庫駅 まで特急)を除き使用されない。[ 26] また、午前中のみ空港線 ・羽田空港 へ乗り入れる[ 25] 。本線の堀ノ内駅 - 浦賀駅 間は平日朝しか運用されない[ 25] 。逗子線 は定期運用はない[ 25] ものの、稀に事故や悪天候等による運用変更で代走として充当されることがある。 [要出典 ] 平日の京急久里浜駅 -三崎口駅間 については、2021年10月18日のダイヤ改正で2100形で運用されていた泉岳寺駅 -三崎口駅間 の快特が京急久里浜駅 発着に短縮されたため[ 27] 、この区間への2100形の乗り入れが大幅に削減された[ 25] [ 28] [ 29] 。
当初は羽田空港と成田空港 を結ぶエアポート快特 への投入が検討されていたため、先頭車は地下鉄線への乗り入れに必要な非常用貫通扉 を装備するが、2扉・クロスシートという構造から東京都交通局 (都営地下鉄 )が定期列車としての乗り入れを認めなかったため、 [要出典 ] 自社線内のみで運転されている[ 注 5] 。このため、8両編成12本96両の製造計画に対して [要出典 ] 10本80両が落成したところで車両の増備は新1000形 に変更され、2100形の製造は2000年に終了した。
編成が10本しかないことから、検査や工事などでの入場時には運用可能な編成が足りなくなる場合があり、その場合は3扉の1500形・600形・新1000形が代走する。 [要出典 ]
京急社内で使用されている列車の車両組成を表す表には「8E」[ 30] と表記される。
イベント・ラッピング列車
「KEIKYU BLUE SKY TRAIN」色の2157編成 (2006年10月26日 津久井浜駅
2代目「KEIKYU BLUE SKY TRAIN」色の2133編成 (2021年4月19日 新馬場駅
2005年 6月11日 からは、2157編成が600形606編成と同様に車体の塗装を青色 に変更し、「KEIKYU BLUE SKY TRAIN 」(京急ブルースカイトレイン)として営業運転を開始した。その後、更新工事に伴い2015年 3月 をもって2157編成は「KEIKYU BLUE SKY TRAIN」を退役し、標準塗装に戻された。代わりに同年3月10日 に更新工事から出場した2133編成が青色に変更され、2代目「KEIKYU BLUE SKY TRAIN」として就役した[ 16] 。
これまでに運行されたものは以下のとおりである。
2001年
2004年
2005年
6月下旬 - 7月14日 「KEIKYU BLUE SKY TRAIN」にて事前に募集した新1000形「羽田第2ターミナルPR電車」と600形「KEIKYU BLUE SKY TRAIN」の写真や絵画を車内で展示。
11月下旬 - 2006年 1月 「KEIKYU BLUE SKY TRAIN」は600形と同様虹 のラッピングを貼付し『レインボートレイン』として運行。詳細は600形 を参照。
2006年
2007年
4月9日 2133編成が横須賀市市制100周年記念ラッピング電車となっている。側面中央の窓下には『横須賀が好き!』と大書され、客用ドア横には横須賀市の名所をイメージしたラッピングが貼付されている。
2009年
2010年
5月16日 から「羽田空港国際ターミナル」ラッピング電車が運行。当初は3月からの運行予定だったが、同年3月27日 に「国際ターミナル駅」(当時の仮称、同年5月14日 に羽田空港国際線ターミナル駅 に正式決定)で発生した火災の影響により中止となっていた[ 31] 。
6月18日 - 8月31日 2133編成が京急環境電車として運行、車体に「ノルエコ」のラッピングを行った。
2011年
2012年
2014年
2015年
10月5日 -11月22日 2165編成に「カワサキ ハロウィン2015」と「かわさきジャズ2015」をPRするラッピングを施した「Kawasaki Autumn号」を運行。
2016年
2月1日 - 3月14日 2149編成がバレンタイン列車「KEIKYU LOVE TRAIN」として運行。車内のシートカバーをバレンタイン仕様に変更するとともに、2155号車の優先席の一部(4席分)を「相合席」に、吊り革の一部をハート型に変更した[ 34] 。
2月22日 - 6月5日 台湾鉄路管理局 との友好鉄道協定締結1周年を記念し、台鉄で活躍する客車(普快車 )と「KEIKYU BLUE SKY TRAIN」の車体色が類似していることから、「KEIKYU BLUE SKY TRAIN」色の2133編成を普快車のデザインに近づけるため、車体、排障器にラッピングを施して、台鉄列車の普快車のデザインとしたラッピング列車を運行した。車両の前後には友好鉄道協定を記念したヘッドマークを掲出していた[ 35] 。当初は3月26日で運行終了予定だったが、好評だったことから6月4日まで運行を延長することとなった。なお、何らかの都合で翌5日までこのラッピングで運行を継続している。
11月14日 - 12月17日 ソニックシリーズ 並びにぷよぷよ シリーズ発売25周年を記念して、空港線 大鳥居駅 近くに事業所があるセガゲームス とのコラボレーションで、「KEIKYU BLUE SKY TRAIN」にソニックシリーズとぷよぷよシリーズのキャラクターをラッピングした「京急セガトレイン」を運行[ 36] 。
2018年
5月14日 - 6月23日 2149編成が京急環境電車として運行、車体に「ノルエコ」のラッピングを行った。油壷マリンパーク号(2019年3月)
2018年 - 2019年
9月1日 - 3月31日 2149編成が油壺マリンパーク号として期間限定運行
10月21日 - 1月12日 2133編成がけいきゅんの7歳の誕生日で、けいきゅん号として運行
※2133編成は1月13日をもってラッピング終了。最後は京急久里浜駅でマリンパーク号と車両交換。
2019年
1月1日 初日1号に充当、都営浅草線内を初めて営業運行。2019年1月1日の元日に走らせる「初日号」(特急 三崎口行)の「初日1号」については以前から「都心から乗り換えなしでお出かけできるよう、都営浅草線・浅草橋駅始発となります」とのアナウンスがあり、都営浅草線浅草橋駅始発となった[ 37] 。
2020年
2月29日 - 4月18日 春の定期購入キャンペーンの一環で、すみっコぐらし×京急プレミアポイントのラッピングが2149編成で運行された。
9月19日 - 11月28日 「HANEDA INNOVATION CITY」オープン記念に行われた「たべる!あそべる!イノべーる!GO!SKY AREA」キャンペーンではねぴょん号が2133編成で運行された。
編成表
← 浦賀
製造メーカー
竣工日
備考
形式・車種
デハ2100形 (Muc)
サハ2100形 (T)
サハ2100形 (Tp)
デハ2100形 (Mu)
デハ2100形 (Ms)
サハ2100形 (T)
サハ2100形 (Tp)
デハ2100形 (Msc)
機器配置
VVVF・CP
BT
SIV
VVVF
VVVF
BT
SIV
VVVF・CP
車両重量
33.0 t
24.5 t
26.5 t
30.5 t
30.5 t
24.5 t
26.5 t
33.0 t
1次車
2101
2102
2103
2104
2105
2106
2107
2108
東急車輛
1998年2月9日
2109
2110
2111
2112
2113
2114
2115
2116
川崎重工
1998年3月4日
2次車
2117
2118
2119
2120
2121
2122
2123
2124
川崎重工
1998年10月27日
2125
2126
2127
2128
2129
2130
2131
2132
東急車輛
1998年10月19日
2133
2134
2135
2136
2137
2138
2139
2140
東急車輛
1998年11月2日
「KEIKYU BLUE SKY TRAIN」第3編成(2015年3月 - )
3次車
2141
2142
2143
2144
2145
2146
2147
2148
東急車輛
1999年4月19日
2149
2150
2151
2152
2153
2154
2155
2156
東急車輛
1999年5月17日
京急油壺マリンパーク 50年記念
2157
2158
2159
2160
2161
2162
2163
2164
川崎重工
1999年5月21日
「KEIKYU BLUE SKY TRAIN」第2編成(2005年6月 - 2015年3月)
4次車
2165
2166
2167
2168
2169
2170
2171
2172
川崎重工
2000年10月30日
2173
2174
2175
2176
2177
2178
2179
2180
東急車輛
2000年11月8日
凡例
VVVF:主制御器 (1C4M)
SIV:補助電源装置(静止形インバータ)
CP:空気圧縮機
BT:蓄電池
備考
脚注
注釈
^ 扉を増設して、3扉化できるように設計されている[ 7] 。
^ ただし、デハ2172が事故でワイパーカバーを破損した際、デハ2101が「2100」のカバーを貸与し、その後しばらくは落成時の「2101」表示で運用していた。
^ 本形式同様にシーメンス製の制御装置を持つ新1000形やJR東日本E501系も、既に全編成がIGBT方式の制御装置に更新されている。
^ 東芝 製のVVVFインバータ装置に更新された新1000形1405編成も同様。
^ なお、馬込車両検修場 でのイベント時のように非営業で浅草線へ入線した実績はある他、2019年1月1日には臨時列車として都営浅草線浅草橋始発特急「初日1号」が当2100形で運転され、都営浅草線内での旅客営業を果たしている。翌年の2020年1月1日も同様の運用に就いている。
出典
参考文献
JTBキャンブックス『京急クロスシート車の系譜 - 京濱・湘南電鐵より今日の京急まで歴代の名車を綴る - 』
JTBキャンブックス『京急の車両 - 現役全形式・徹底ガイド - 』
広岡友紀 、『日本の私鉄 京浜急行電鉄』、毎日新聞社 、2010年7月30日発行
吉本尚『京急ダイヤ100年史』電気車研究会 、1999年。ISBN 4885480930 。
京浜急行電鉄(株)鉄道本部車両部車両課「新車ガイド 京急2100形」『鉄道ファン 』第38巻第5号、交友社 、1998年5月、51-56頁。
鉄道図書刊行会 『鉄道ピクトリアル 』
1998年5月号「京浜急行電鉄2100形」
1998年7月臨時増刊号「特集:京浜急行電鉄」
2010年10月臨時増刊号鉄道車両年鑑「京浜急行電鉄2100形VVVF制御装置更新工事」(京浜急行電鉄 (株) 鉄道本部運転車両部車両課 金子芽美 著)
佐藤良介『JTBキャンブックス 京急電車の運転と車両探見』JTBパブリッシング、2014年。ISBN 9784533097058 。
外部リンク