リニア・鉄道館
リニア・鉄道館〜夢と想い出のミュージアム〜(リニア・てつどうかん〜ゆめとおもいでのミュージアム〜 英語名:SCMAGLEV and Railway Park)は、東海旅客鉄道(JR東海)が2011年(平成23年)3月14日に愛知県名古屋市港区金城ふ頭に開館した、鉄道に関する事物を展示する博物館類似施設(鉄道保存展示施設)である。 概要JR東海が本社を置く名古屋市は、2007年(平成19年)に「モノづくり文化交流拠点構想」を策定した。これは、産業技術の継承と人材育成、産業振興・産業観光の推進、および新たな都市の魅力向上を目的として、名古屋港金城ふ頭約60ヘクタールに交流拠点を設けるものであり、2011年(平成23年)より段階的な整備を計画している[3]。 同市より参画要請を受けたJR東海では、2008年(平成20年)にJR東海博物館の開設を表明した。高速鉄道技術の進歩などを広く紹介することを目的とし、以下の3点をコンセプトとしている[4]。
2009年(平成21年)8月に着工。館内には、同社が計画中の超電導リニアをはじめ、歴代の鉄道車両を展示するほか、新幹線や在来線電車のシミュレータ、鉄道のしくみや歴史などについて展示コーナーを設置する予定とされ[5]、2010年9月16日にロゴと開館予定日とともに名称が「リニア・鉄道館〜夢と想い出のミュージアム〜」に決定したことが発表された[6]。 一方、同社が浜松市天竜区で営業していた佐久間レールパークは、展示車両の本館への移動にともない2009年(平成21年)11月に閉園した。 開館まで間近となった3月1日、リニア・鉄道館の完成を祝って開館式のテープカットが行われた。JR東海の山田佳臣社長(当時)は「39両の展示車両は、先人の汗と涙が詰まっている。日本中から見に来てもらえるように努力したい」とあいさつした[7]。また、河村たかし名古屋市長は祝辞の中で、「(同館へのアクセスルート)あおなみ線に蒸気機関車と小田急ロマンスカーを走らせてチョ。名鉄に悪いから名鉄の(パノラマカー)も」と“動く列車の博物館”構想をかかげた[8]。また、閉館音楽「蛍の「ひかり」号」はスギテツが手がけている。 2015年(平成27年)4月21日、開館後初となる特別親善大使にアイドルグループのSKE48を任命した。これは、同グループがシングル「コケティッシュ渋滞中」のCDジャケットの一部を当館内や東海道新幹線の駅で撮影したことがきっかけである[9][10]。 JRが運営する鉄道保存施設であるが、最寄り駅および近接する路線にJR線の駅は存在しておらず[注 1]、鉄道博物館や京都鉄道博物館と異なり営業用線路との接続もない[注 2]。 「リニア・鉄道館」は東海旅客鉄道の登録商標となっている(第53837887号、第5401383号、第5401387号、第5417756号、第5439392号)。 沿革
入館料入場料の決済にはTOICA(相互利用のSuicaやmanaca等も含む交通系ICカード全国相互利用サービスにも対応)が利用可能。
展示内容展示車両一覧展示車両は下記のとおりで[11]、ほとんどが東海地方にゆかりのある車両となっている。すべて静態保存であり、動態保存車はない。 屋内展示の35両と屋外展示の4両は2010年中にすべて搬入された[12]。 収蔵展示車両をはじめとする一部の車両は通常車内への立ち入りなどができないが、車内を見ることができる限定イベントなども行われている。 2011年(平成23年)6月15日より1か月限定で「955形新幹線試験電車」の車内特別公開イベントが行われた。 2014年(平成26年)1月2日より、新幹線700系電車・723-9001の先頭車が新たに展示車両に加わった。入れ替わる形で、300系323-20の展示が2013年12月27日を以って終了した。 蒸気動車 ホジ6014号が重要文化財指定を文化審議会答申(2019年(令和元年)3月18日付)で内定を受けた[13][14]。 2019年(令和元年)7月17日より、新幹線N700系電車の量産先行車X0編成のうち3両が屋外展示開始。このため、屋外展示されていた117系3両のうち1両は屋内収蔵車両エリアへ移設、残る2両は展示終了となった。さらに、現在収蔵車両エリアに展示されているクロ381-11は同年6月7日を以て展示終了となった[15]。 2024年(令和6年)10月27日、一日限定でキハ80系気動車(キハ82 73)の車内を限定公開。これは、JR東海の高山本線全線開通90周年キャンペーンの一環[16]。
展示予定車両
過去の展示車両
シミュレータ本館では下記のシミュレータが用意されている。
これらのシミュレータのうち「N700」と「車掌」は抽選式となっており、入館時に渡される記念カードの台紙に付属する抽選券を切り取って申し込む形となる。「運転」も開館当初は抽選式だったが2016年6月1日より先着順受付に変更となった[19]。「N700」と「車掌」についても多客期を除く期間限定で先着順で利用券を発売することがある。ただし、1枚の入館券で購入できる利用券はどちらか一枚、「N700」と「車掌」のシミュレーター利用券を両方購入することはできない。 難易度について難易度は見習い・練習・達人の3種類が用意されている。
その他の展示面積で日本最大となるHOゲージジオラマ(嵯峨野観光鉄道のジオラマ・京都・JAPANのものより若干面積が大きい)や初期マルスを利用した簡易的な発券システムが設置されている[20]。 ホール内に設置された休憩用座席には、新幹線300系電車のグリーン車で使用していた廃車発生品が使用されている。 館内の「デリカステーション[21]」ではジェイアール東海パッセンジャーズの駅弁が特別パッケージにて販売されている。 交通アクセス公共交通機関
自動車脚注注釈出典
関連施設
外部リンク
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