デーヴァナーガリー文字 (Unicodeのブロック)
Devanagari 範囲
U+0900..U+097F (128 個の符号位置 ) 面
基本多言語面 用字
デーヴァナーガリー 主な言語・文字体系
割当済
128 個の符号位置 未使用
0 個の保留 Unicodeのバージョン履歴
1.0.0
108 (+108) 4.0
109 (+1) 4.1
110 (+1) 5.1
112 (+2) 5.2
117 (+5) 6.0
127 (+10) 7.0
128 (+1) 公式ページ
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デーヴァナーガリー文字 (デーヴァナーガリーもじ、英語 : Devanagari )は、Unicode の23個目のブロック 。
解説
インド の第一言語であるヒンディー語 やインド・マハーラーシュトラ州 の公用語であるマラーティー語 、カシミール地方 で話されるカシミール語 などをはじめとしたインド中北部の多くの言語、ネパール の公用語であるネパール語 、ヒンドゥー教 や仏教 などの宗教文化に大きな影響を与えたサンスクリット語 など、南アジア 地域におけるインド・ヨーロッパ語族 インド語派 やドラヴィダ語族 の多くの言語を記述するために用いられるデーヴァナーガリー を収録している。
デーヴァナーガリーはサンスクリット語の表記のためにブラーフミー文字 から派生した所謂ブラーフミー系文字 (インド系文字)の一つであり、音素文字 のうち子音字単独では短母音/-a/を伴って発音され、別の母音にする際に母音記号を付加することで発音を切り替えるアブギダ に分類される。母音記号はものによっては文字の左側に付けられることがあるが、Unicodeにおいては子音字→母音記号の順に入力することとなっており、符号上の文字の置かれる順序と実際のレンダーにおける表示順とが入れ替わる場合がある。
また、頭子音を伴わない単独の母音にも子音字同様に独立した文字が充てられており、子音連続など子音のみで発音する場合は半子音字(英語 : half-form )と呼ばれる形に変化したり、特殊な子音字同士の合字を形成したり、あるいは単に殺母音記号であるヴィラーマ という記号を子音字の下に付加したりする。鼻母音化記号(チャンドラビンドゥ)や前鼻音化記号(アヌスヴァーラ 、或いはビンドゥ)のように、母音字や子音字に付加される結合文字 (ダイアクリティカルマーク )もいくつか存在する。
書字方向 はラテン文字 やキリル文字 などと同様に左から右へと横書き(左横書き )し、下に行を送る。単語毎に分かち書き をし、ベンガル文字 やグルムキー文字 などと同様に同じ単語内ではシローレーカー(śirorekhā)と呼ばれる上部の水平線を繋げて書かれる。
子音字は有声音 と無声音 の弁別に加えて、有気音 であるか無気音であるかを区別する。そのため、各調音点における破裂音 には計4種類の子音字が存在する。また、母音字については母音の長短 によって文字が分けられている。
符号位置の順序はおおむね伝統的なブラーフミー系文字の順序に従っている。母音はa, i, u, e, oの順、子音字はまず破裂音について調音点が喉の側から口の側の順に並び、各調音点内では無声無気音、無声有気音、有声無気音、有声有気音、鼻音の順に並んでいる。また、破裂音の後に接近音 及び流音 (y, r, l, v)、摩擦音 (s, h)が並んでいる。これらの順序はおおむね日本語の五十音順 と一致しているが、これは五十音表がサンスクリット語の音韻学に由来しているためである。[ 1]
加えて、アラビア文字 やタイ文字 などと同様に独自の数字体系(デーヴァナーガリー数字 )を有している。アラビア文字における数字のことを「インド数字 」と呼称することがあるが、これはデーヴァナーガリー数字とは異なるものである。
Unicodeのバージョン1.0においても「デーヴァナーガリー文字(Devanagari)」というブロック名で制定されていた。[ 2]
収録文字
「ラテン文字 転写」の列はブラーフミー系文字のラテン文字への翻字 方式の一つであるISO 15919 (及び一部はIAST )に従う。
コード
文字
文字名(英語)
用例・説明
ラテン文字転写
各種記号
U+0900
ऀ
DEVANAGARI SIGN INVERTED CANDRABINDU
U+0901
ँ
DEVANAGARI SIGN CANDRABINDU
アヌナーシカ、或いはチャンドラビンドゥ。
母音字や母音記号に付き、母音を鼻母音 で発音することを表す。
m̐
U+0902
ं
DEVANAGARI SIGN ANUSVARA
アヌスヴァーラ 、或いはビンドゥ。
直後に音節が後続する子音字に付き、直後の子音と同じ調音点 の鼻音 が挿入されることを表す。日本語 における「ん 」に相当する。
ṁ
U+0903
ः
DEVANAGARI SIGN VISARGA
ヴィサルガ 。
音節末に[h ]を伴うことを表す。
ḥ
独立母音字
U+0904
ऄ
DEVANAGARI LETTER SHORT A
アワディー語 で短母音の[e ]を表す。[ 3]
ラクナウ の出版社による南インド 諸言語とカシミール語 のデーヴァナーガリー翻字にも使用されている。[ 3]
U+0905
अ
DEVANAGARI LETTER A
短母音[ɐ ]を表す。
a
U+0906
आ
DEVANAGARI LETTER AA
長母音[ɑː]を表す。
ā
U+0907
इ
DEVANAGARI LETTER I
短母音[i ]を表す。
i
U+0908
ई
DEVANAGARI LETTER II
長母音[iː]を表す。
ī
U+0909
उ
DEVANAGARI LETTER U
短母音[u ]を表す。
u
U+090A
ऊ
DEVANAGARI LETTER UU
長母音[uː]を表す。
ū
U+090B
ऋ
DEVANAGARI LETTER VOCALIC R
音節主音 化した短母音としてのR(IPA :[ɹ̩])を表す。
現代のヒンディー語では[ɾiː]と発音される。
r̥[ 4]
U+090C
ऌ
DEVANAGARI LETTER VOCALIC L
音節主音 化した短母音としてのL(IPA:[l̩])を表す。
l̥[ 5]
U+090D
ऍ
DEVANAGARI LETTER CANDRA E
サンスクリット語では常に長母音で発音される母音[ɛ ]の短母音を表す。
ドラヴィダ語族 の言語などの翻字に用いられる。
ê
U+090E
ऎ
DEVANAGARI LETTER SHORT E
サンスクリット語では常に長母音で発音される母音[e ]の短母音を表す。
ドラヴィダ語族 の言語などの翻字に用いられる。[ 3]
カシミール語 、ビハール語 (ボージュプリー語 、マガヒー語 、マイティリー語 ) でも用いられる。[ 3]
ĕ
U+090F
ए
DEVANAGARI LETTER E
長母音[eː]を表す。
e
U+0910
ऐ
DEVANAGARI LETTER AI
長母音[ɛː]を表す。元は二重母音[ɑɪ]を表していた。
ai
U+0911
ऑ
DEVANAGARI LETTER CANDRA O
サンスクリット語では常に長母音で発音される母音[ɔ ]の短母音を表す。
ドラヴィダ語族 の言語などの翻字に用いられる。
ô
U+0912
ऒ
DEVANAGARI LETTER SHORT O
サンスクリット語では常に長母音で発音される母音[o ]の短母音を表す。
ドラヴィダ語族 の言語などの翻字に用いられる。[ 3]
カシミール語 、ビハール語 (ボージュプリー語 、マガヒー語 、マイティリー語 ) でも用いられる。[ 3]
ŏ
U+0913
ओ
DEVANAGARI LETTER O
長母音[oː]を表す。
o
U+0914
औ
DEVANAGARI LETTER AU
長母音[ɔː]を表す。元は二重母音[ɑʊ]を表していた。
au
子音字
U+0915
क
DEVANAGARI LETTER KA
子音[k ]を表す。
k
U+0916
ख
DEVANAGARI LETTER KHA
子音[kʰ]を表す。
kh
U+0917
ग
DEVANAGARI LETTER GA
子音[ɡ ]を表す。
g
U+0918
घ
DEVANAGARI LETTER GHA
子音[ɡʱ]を表す。
gh
U+0919
ङ
DEVANAGARI LETTER NGA
子音[ŋ ]を表す。
ṅ
U+091A
च
DEVANAGARI LETTER CA
子音[c ]を表す。
c
U+091B
छ
DEVANAGARI LETTER CHA
子音[cʰ]を表す。
ch
U+091C
ज
DEVANAGARI LETTER JA
子音[ɟ ]を表す。
j
U+091D
झ
DEVANAGARI LETTER JHA
子音[ɟʱ]を表す。
jh
U+091E
ञ
DEVANAGARI LETTER NYA
子音[ɲ ]を表す。
ñ
U+091F
ट
DEVANAGARI LETTER TTA
子音[ʈ ]を表す。
ṭ
U+0920
ठ
DEVANAGARI LETTER TTHA
子音[ʈʰ]を表す。
ṭh
U+0921
ड
DEVANAGARI LETTER DDA
子音[ɖ ]を表す。
ḍ
U+0922
ढ
DEVANAGARI LETTER DDHA
子音[ɖʱ]を表す。
ḍh
U+0923
ण
DEVANAGARI LETTER NNA
子音[ɳ ]を表す。
ṇ
U+0924
त
DEVANAGARI LETTER TA
子音[t ]を表す。
t
U+0925
थ
DEVANAGARI LETTER THA
子音[tʰ]を表す。
th
U+0926
द
DEVANAGARI LETTER DA
子音[d ]を表す。
d
U+0927
ध
DEVANAGARI LETTER DHA
子音[dʱ]を表す。
dh
U+0928
न
DEVANAGARI LETTER NA
子音[n ](特に歯音 の[n̪ ])を表す。
n
U+0929
ऩ
DEVANAGARI LETTER NNNA
ドラヴィダ語族 の言語では歯音と歯茎音 とで文字に区別がある[ 6] ため、翻字において歯音のn[n̪]ではなく歯茎音のn(拡張IPA :[n͇])であることを明示するために用いられる。[ 3]
ṉ
U+092A
प
DEVANAGARI LETTER PA
子音[p ]を表す。
p
U+092B
फ
DEVANAGARI LETTER PHA
子音[pʰ]を表す。
ph
U+092C
ब
DEVANAGARI LETTER BA
子音[b ]を表す。
b
U+092D
भ
DEVANAGARI LETTER BHA
子音[bʱ]を表す。
bh
U+092E
म
DEVANAGARI LETTER MA
子音[m ]を表す。
m
U+092F
य
DEVANAGARI LETTER YA
子音[j ]を表す。
y
U+0930
र
DEVANAGARI LETTER RA
子音[r ]を表す。
r
U+0931
ऱ
DEVANAGARI LETTER RRA
ドラヴィダ語族 の言語では歯音と歯茎音 とで文字に区別がある[ 7] ため、翻字において歯音のr[r̪]ではなく歯茎音のr(拡張IPA :[r͇])であることを明示するために用いられる。[ 3]
ネパール語 でも用いられ、半子音字(half-form)では「まつ毛のR(Eyelash RA)」と呼ばれる形状に変化する。[ 8]
ṟ / r̆[ 9]
U+0932
ल
DEVANAGARI LETTER LA
子音[l ]を表す。
l
U+0933
ळ
DEVANAGARI LETTER LLA
マラーティー語 で用いられる。
子音[ɭ ]を表す。
ḷ
U+0934
ऴ
DEVANAGARI LETTER LLLA
ドラヴィダ語族 の言語では歯音と歯茎音 とで文字に区別がある[ 10] ため、翻字において歯音のl[l̪]ではなく歯茎音のl(拡張IPA :[l͇])であることを明示するために用いられる。[ 3]
ḻ
U+0935
व
DEVANAGARI LETTER VA
子音[ʋ ]を表す。
v
U+0936
श
DEVANAGARI LETTER SHA
子音[ɕ ]を表す。
ś
U+0937
ष
DEVANAGARI LETTER SSA
子音[ʂ ]を表す。
ṣ
U+0938
स
DEVANAGARI LETTER SA
子音[s ]を表す。
s
U+0939
ह
DEVANAGARI LETTER HA
子音[h ]を表す。
h
従属母音記号
U+093A
ऺ
DEVANAGARI VOWEL SIGN OE
カシミール語 、ビハール語 (ボージュプリー語 、マガヒー語 、マイティリー語 ) で用いられる。[ 3]
短母音[ə ]を表す。
ạ
U+093B
ऻ
DEVANAGARI VOWEL SIGN OOE
カシミール語 、ビハール語 (ボージュプリー語 、マガヒー語 、マイティリー語 ) で用いられる。[ 3]
長母音[əː]を表す。
ạ̄
各種記号
U+093C
़
DEVANAGARI SIGN NUKTA
ヌクター。子音字を拡張して新たな発音を表す際に用いられる。[ 3]
U+093D
ऽ
DEVANAGARI SIGN AVAGRAHA
アヴァグラハ。連音 (サンディ )によって語頭の母音 a が消えたことを表す。
現代のヒンディー語では母音を長母音化することを表す。
’
従属母音記号
U+093E
ा
DEVANAGARI VOWEL SIGN AA
長母音[ɑː]を表す。
ā
U+093F
ि
DEVANAGARI VOWEL SIGN I
短母音[i ]を表す。
文字の左側にレンダーされるため、符号上の文字順序と表示上の順序とが入れ替わる。[ 3]
i
U+0940
ी
DEVANAGARI VOWEL SIGN II
長母音[iː]を表す。
ī
U+0941
ु
DEVANAGARI VOWEL SIGN U
短母音[u ]を表す。
u
U+0942
ू
DEVANAGARI VOWEL SIGN UU
長母音[uː]を表す。
ū
U+0943
ृ
DEVANAGARI VOWEL SIGN VOCALIC R
音節主音 化した短母音としてのR(IPA:[ɹ̩])を表す。
現代のヒンディー語では[ɾiː]と発音される。
r̥[ 4]
U+0944
ॄ
DEVANAGARI VOWEL SIGN VOCALIC RR
音節主音 化した長母音としてのR(IPA:[ɹ̩ː])を表す。
r̥̄[ 11]
U+0945
ॅ
DEVANAGARI VOWEL SIGN CANDRA E
サンスクリット語では常に長母音で発音される母音[ɛ ]の短母音を表す。
ドラヴィダ語族 の言語などの翻字に用いられる。
記号名を「チャンドラ」とも言う。[ 3]
ê
U+0946
ॆ
DEVANAGARI VOWEL SIGN SHORT E
サンスクリット語では常に長母音で発音される母音[e ]の短母音を表す。
ドラヴィダ語族 の言語などの翻字に用いられる。[ 3]
カシミール語 、ビハール語 (ボージュプリー語 、マガヒー語 、マイティリー語 ) でも用いられる。[ 3]
ĕ
U+0947
े
DEVANAGARI VOWEL SIGN E
長母音[eː]を表す。
e
U+0948
ै
DEVANAGARI VOWEL SIGN AI
長母音[ɛː]を表す。元は二重母音[ɑɪ]を表していた。
ai
U+0949
ॉ
DEVANAGARI VOWEL SIGN CANDRA O
サンスクリット語では常に長母音で発音される母音[ɔ ]の短母音を表す。
ドラヴィダ語族 の言語などの翻字に用いられる。
ô
U+094A
ॊ
DEVANAGARI VOWEL SIGN SHORT O
サンスクリット語では常に長母音で発音される母音[o ]の短母音を表す。
ドラヴィダ語族 の言語などの翻字に用いられる。[ 3]
カシミール語 、ビハール語 (ボージュプリー語 、マガヒー語 、マイティリー語 ) でも用いられる。[ 3]
ŏ
U+094B
ो
DEVANAGARI VOWEL SIGN O
長母音[oː]を表す。
o
U+094C
ौ
DEVANAGARI VOWEL SIGN AU
長母音[ɔː]を表す。元は二重母音[ɑɪ]を表していた。
au
ヴィラーマ
U+094D
्
DEVANAGARI SIGN VIRAMA
ヴィラーマ 、或いはハラント。殺母音記号。母音/-a/を発音せず子音のみが読まれることを表す。[ 3]
レンダー上は次の文字と繋がって合字を形成したり、半子音字形(half-form)と呼ばれる形状に変化する。文字によってはただ単にヴィラーマ記号が子音字の下に書かれることもある。
従属母音記号
U+094E
ॎ
DEVANAGARI VOWEL SIGN PRISHTHAMATRA E
歴史的にのみ使用され、現在は使われていない。[ 3]
母音eと結合して二重母音aiを、長母音āと結合して母音oを、母音oと結合して二重母音auを形成する。[ 3]
文字の左側にレンダーされるため、符号上の文字順序と表示上の順序とが入れ替わる。
U+094F
ॏ
DEVANAGARI VOWEL SIGN AW
カシミール語 、ビハール語 (ボージュプリー語 、マガヒー語 、マイティリー語 ) で用いられる。[ 3]
短母音[ɔ ]を表す。
ọ
記号
U+0950
ॐ
DEVANAGARI OM
ヒンドゥー教などにおける聖音のオーム を表す記号。
ヴェーダ用声調記号
U+0951
॑
DEVANAGARI STRESS SIGN UDATTA
ウーダッタ(高声調)、或いはスヴァリタ(下降声調)。ヒンドゥー教やバラモン教 などにおける聖典であるヴェーダ を記すヴェーダ語 の朗唱において用いられる声調記号。
文字名は「ウーダッタ」となっているが、主に下降声調のスヴァリタに使用され、高声調のウーダッタにはあまり使用されない。[ 3] [ 12]
他の文字体系で書かれたヴェーダの文献でも使用されている。[ 3]
U+0952
॒
DEVANAGARI STRESS SIGN ANUDATTA
アヌーダッタ(低声調)。ヒンドゥー教やバラモン教 などにおける聖典であるヴェーダ を記すヴェーダ語 の朗唱において用いられる声調記号。
他の文字体系で書かれたヴェーダの文献でも使用されている。[ 3]
アクセント記号
U+0953
॓
DEVANAGARI GRAVE ACCENT
U+0954
॔
DEVANAGARI ACUTE ACCENT
従属母音記号
U+0955
ॕ
DEVANAGARI VOWEL SIGN CANDRA LONG E
アヴェスター語 (アヴェスター文字 )の翻字に用いられる。[ 3]
カシミール語用の従属母音記号
U+0956
ॖ
DEVANAGARI VOWEL SIGN UE
短母音[ɨ ]を表す。
ü
U+0957
ॗ
DEVANAGARI VOWEL SIGN UUE
長母音[ɨː]を表す。
ǖ
追加の子音字
U+0958
क़
DEVANAGARI LETTER QA
アラビア語 などからの借用語 で子音[q ]を表す。
q
U+0959
ख़
DEVANAGARI LETTER KHHA
アラビア語 などからの借用語 で子音[x ]を表す。
k͟h
U+095A
ग़
DEVANAGARI LETTER GHHA
アラビア語 などからの借用語 で子音[ɣ ]を表す。
ġ
U+095B
ज़
DEVANAGARI LETTER ZA
アラビア語 などからの借用語 で子音[z ]を表す。
z
U+095C
ड़
DEVANAGARI LETTER DDDHA
英語 などからの借用語 で子音[ɻ ]を表す。
ṛ
U+095D
ढ़
DEVANAGARI LETTER RHA
英語 などからの借用語 で子音[ɻʱ]を表す。
ṛh
U+095E
फ़
DEVANAGARI LETTER FA
アラビア語 などからの借用語 で子音[f ]を表す。
f
U+095F
य़
DEVANAGARI LETTER YYA
ẏ
サンスクリット語用の追加母音字
U+0960
ॠ
DEVANAGARI LETTER VOCALIC RR
音節主音 化した長母音としてのR(IPA:[ɹ̩ː])を表す。
r̥̄[ 11]
U+0961
ॡ
DEVANAGARI LETTER VOCALIC LL
音節主音 化した長母音としてのL(IPA:[l̩ː])を表す。
l̥̄[ 13]
U+0962
ॢ
DEVANAGARI VOWEL SIGN VOCALIC L
音節主音 化した短母音としてのL(IPA:[l̩])を表す。
l̥[ 5]
U+0963
ॣ
DEVANAGARI VOWEL SIGN VOCALIC LL
音節主音 化した長母音としてのL(IPA:[l̩ː])を表す。
l̥̄[ 13]
インド諸文字用の一般句読点
U+0964
।
DEVANAGARI DANDA
ダンダ。デーヴァナーガリーにおける句点。ラテン文字などにおけるピリオド(.)に相当する。韻文では半詩節の終わり(パダ)を表す。
この記号はデーヴァナーガリー以外の文字体系でも句点として使用される。[ 3]
.
U+0965
॥
DEVANAGARI DOUBLE DANDA
デーヴァナーガリーにおいて段落の終わりを表す記号。韻文においてスタンザ (詩節)の終わりを表す。
数字
U+0966
०
DEVANAGARI DIGIT ZERO
デーヴァナーガリーにおける数字の0 。
0
U+0967
१
DEVANAGARI DIGIT ONE
デーヴァナーガリーにおける数字の1 。
1
U+0968
२
DEVANAGARI DIGIT TWO
デーヴァナーガリーにおける数字の2 。
2
U+0969
३
DEVANAGARI DIGIT THREE
デーヴァナーガリーにおける数字の3 。
3
U+096A
४
DEVANAGARI DIGIT FOUR
デーヴァナーガリーにおける数字の4 。
4
U+096B
५
DEVANAGARI DIGIT FIVE
デーヴァナーガリーにおける数字の5 。
5
U+096C
६
DEVANAGARI DIGIT SIX
デーヴァナーガリーにおける数字の6 。
6
U+096D
७
DEVANAGARI DIGIT SEVEN
デーヴァナーガリーにおける数字の7 。
7
U+096E
८
DEVANAGARI DIGIT EIGHT
デーヴァナーガリーにおける数字の8 。
8
U+096F
९
DEVANAGARI DIGIT NINE
デーヴァナーガリーにおける数字の9 。
9
追加の記号
U+0970
॰
DEVANAGARI ABBREVIATION SIGN
デーヴァナーガリー文字特有の略語を意図している。[ 3]
U+0971
ॱ
DEVANAGARI SIGN HIGH SPACING DOT
ヌクター記号(U+093C ़)のネパール における異体字。Yohlmo語、Lhomi語、Takale Kham語において声調記号や母音の変音記号として用いられる。結合記号ではなく文字幅を持ったスペーシング文字として書かれる。[ 14]
マラーティー語用の独立母音字
U+0972
ॲ
DEVANAGARI LETTER CANDRA A
マラーティー語 で母音[æ ]を表すのに用いられる。[ 15]
ă[ 15]
独立母音字
U+0973
ॳ
DEVANAGARI LETTER OE
カシミール語 、ビハール語 (ボージュプリー語 、マガヒー語 、マイティリー語 ) で用いられる。[ 3]
短母音[ə ]を表す。
ạ
U+0974
ॴ
DEVANAGARI LETTER OOE
カシミール語 、ビハール語 (ボージュプリー語 、マガヒー語 、マイティリー語 ) で用いられる。[ 3]
長母音[əː]を表す。
ạ̄
U+0975
ॵ
DEVANAGARI LETTER AW
カシミール語 、ビハール語 (ボージュプリー語 、マガヒー語 、マイティリー語 ) で用いられる。[ 3]
短母音[ɔ ]を表す。
ọ
カシミール語用の独立母音字
U+0976
ॶ
DEVANAGARI LETTER UE
短母音[ɨ ]を表す。
ü
U+0977
ॷ
DEVANAGARI LETTER UUE
長母音[ɨː]を表す。
ǖ
追加の子音字
U+0978
ॸ
DEVANAGARI LETTER MARWARI DDA
マールワーリー語 及びその他のラージャスターニー語 で子音[ɖ ]を表すのに用いられる。マールワーリー語では歴史的に通常のडが流音化した[ɽ ]に用いられていた。[ 16]
U+0979
ॹ
DEVANAGARI LETTER ZHA
アヴェスター語 (アヴェスター文字 )の翻字に用いられる。[ 3]
ž
U+097A
ॺ
DEVANAGARI LETTER HEAVY YA
破擦音 の滑音(glide)に用いられるJJYA。[ 3]
シンド語の入破音字
U+097B
ॻ
DEVANAGARI LETTER GGA
シンド語 において入破音 の子音[ɠ ]を表す。
U+097C
ॼ
DEVANAGARI LETTER JJA
シンド語 において入破音 の子音[ʄ ]を表す。
声門破裂音
U+097D
ॽ
DEVANAGARI LETTER GLOTTAL STOP
デーヴァナーガリーでリンブー語 を書くのに使われる。[ 3]
書体によっては文字上部に隣の文字のシローレーカーと接続するバーがあることもある。[ 3] [ 17]
シンド語の入破音字
U+097E
ॾ
DEVANAGARI LETTER DDDA
シンド語 において入破音 の子音[ɗ ]を表す。
U+097F
ॿ
DEVANAGARI LETTER BBA
シンド語 において入破音 の子音[ɓ ]を表す。
小分類
このブロックの小分類は「各種記号」(Various signs )、「独立母音字」(Independent vowels )、「子音字」(Consonants )、「従属母音記号」(Dependent vowel signs )、「ヴィラーマ」(Virama )、「記号」(Sign )、「ヴェーダ用声調記号」(Vedic tone marks )、「アクセント記号」(Accent marks )、「カシミール語用の従属母音記号」(Dependent vowel signs for Kashmiri )、「追加の子音字」(Additional consonants )、「サンスクリット語用の追加母音字」(Additional vowels for Sanskrit )、「インド諸文字用の一般句読点」(Generic punctuation for scripts of India )、「数字」(Digits )、「追加の記号」(Additional signs )、「マラーティー語用の独立母音字」(Independent vowel for Marathi )、「カシミール語用の独立母音字」(Independent vowels for Kashmiri )、「シンド語の入破音字」(Sindhi implosives )、「声門破裂音」(Glottal stop )の18個となっている。[ 3] 本ブロックでは、Unicodeのバージョン更新時の文字追加が隙間を埋める形で行われた影響で、同一の小分類に属する文字が飛び飛びの符号位置に割り当てられていることがある。
各種記号(Various signs )
この小分類にはデーヴァナーガリーのうち、母音字や子音字に結合する発音記号などの様々な記号が収録されている。
独立母音字(Independent vowels )
この小分類にはデーヴァナーガリーのうち、頭子音のない母音の音節を表す際に用いられる独立した母音字が収録されている。
子音字(Consonants )
この小分類にはデーヴァナーガリーのうち、基本的な子音字が収録されている。子音字は何も母音記号が付かない場合は母音/-a/を伴って発音される。なお、現在のヒンディー語では短語末にある子音字は原則として母音が脱落して子音字のみで読まれる。
従属母音記号(Dependent vowel signs )
この小分類にはデーヴァナーガリーのうち、子音字に結合する母音記号が収録されている。文字によっては子音字の左側に結合されるため文字の符号上の順序とレンダー上の順序が入れ替わる場合があり、また、組み合わせる先の子音字によっては特殊な合字を形成することがある。
ヴィラーマ(Virama )
この小分類にはデーヴァナーガリーのうち、ヴィラーマ (殺母音記号)と呼ばれる、子音字の持つ母音/-a/を読まずに子音のみを発音することを表す記号1つのみが収録されている。この記号はレンダー上は子音字を半子音字形(half-form)に変形したり、後続する別の子音字と合字を形成するための制御文字 として働くことが多い。但し、文字によっては半子音字形を持たずただ単にヴィラーマが子音字の下に付く場合もある。
記号(Sign )
この小分類にはデーヴァナーガリーのうち、ヒンドゥー教などにおいて聖音として扱われるオーム を表す記号1文字のみが収録されている。
ヴェーダ用声調記号(Vedic tone marks )
この小分類にはデーヴァナーガリーのうち、ヒンドゥー教やバラモン教 における聖典のヴェーダ を記す際に用いられる声調記号が収録されている。
アクセント記号(Accent marks )
これらのアクセント記号は、もともとサンスクリット語のラテン文字 への翻字を目的としていたが、現在は代わりにU+0300 ̀ 及びU+0301 ́ を使用する必要がある。これらの2つのアクセントは、ブラーフミー系文字の形状特性がないため、デーヴァナーガリー文字では使用しないことが推奨されている。[ 3]
カシミール語用の従属母音記号(Dependent vowel signs for Kashmiri )
この小分類にはデーヴァナーガリーのうち、カシミール語 で用いられる、子音字に結合する母音記号が収録されている。
追加の子音字(Additional consonants )
この小分類にはデーヴァナーガリーのうち、借用語や特定の言語で用いられる拡張子音字が収録されている。
サンスクリット語用の追加母音字(Additional vowels for Sanskrit )
この小分類にはデーヴァナーガリーのうち、サンスクリット語の表記に用いられる音節主音 化した母音字としての流音 の文字が収録されている。
インド諸文字用の一般句読点(Generic punctuation for scripts of India )
これらの句読点は、文字名に「デーヴァナーガリー(DEVANAGARI)」という名前が付けられているが、インドの他の文字体系でも一般的に使用されている。また、南インド の一部の文字では略語記号としても使用されている。[ 3]
数字(Digits )
この小分類にはデーヴァナーガリーで用いられる固有の数字 が収録されている。
追加の記号(Additional signs )
この小分類にはデーヴァナーガリーのうち、特殊な用途で用いられる2種類の記号が収録されている。
マラーティー語用の独立母音字(Independent vowel for Marathi )
この小分類にはデーヴァナーガリーのうち、マラーティー語 において用いられる、頭子音のない母音の音節を表す母音字が収録されている。
カシミール語用の独立母音字(Independent vowels for Kashmiri )
この小分類にはデーヴァナーガリーのうち、カシミール語において用いられる、頭子音のない母音の音節を表す母音字が収録されている。
シンド語の入破音字(Sindhi implosives )
この小分類にはデーヴァナーガリーのうち、パキスタン との国境近くで話されるシンド語 で用いられる入破音 の子音を表す子音字が収録されている。
声門破裂音(Glottal stop )
この小分類にはデーヴァナーガリーのうち、ネパール やインドのシッキム州 に話者が存在する、シナ・チベット語族 に属するリンブー語 をデーヴァナーガリーで表記する際に用いられる子音字1文字のみが収録されている。
文字コード
0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
A
B
C
D
E
F
U+090x
ऀ
ँ
ं
ः
ऄ
अ
आ
इ
ई
उ
ऊ
ऋ
ऌ
ऍ
ऎ
ए
U+091x
ऐ
ऑ
ऒ
ओ
औ
क
ख
ग
घ
ङ
च
छ
ज
झ
ञ
ट
U+092x
ठ
ड
ढ
ण
त
थ
द
ध
न
ऩ
प
फ
ब
भ
म
य
U+093x
र
ऱ
ल
ळ
ऴ
व
श
ष
स
ह
ऺ
ऻ
़
ऽ
ा
ि
U+094x
ी
ु
ू
ृ
ॄ
ॅ
ॆ
े
ै
ॉ
ॊ
ो
ौ
्
ॎ
ॏ
U+095x
ॐ
॑
॒
॓
॔
ॕ
ॖ
ॗ
क़
ख़
ग़
ज़
ड़
ढ़
फ़
य़
U+096x
ॠ
ॡ
ॢ
ॣ
।
॥
०
१
२
३
४
५
६
७
८
९
U+097x
॰
ॱ
ॲ
ॳ
ॴ
ॵ
ॶ
ॷ
ॹ
ॺ
ॻ
ॼ
ॽ
ॾ
ॿ
U+A8Ex
꣠
꣡
꣢
꣣
꣤
꣥
꣦
꣧
꣨
꣩
꣪
꣫
꣬
꣭
꣮
꣯
U+A8Fx
꣰
꣱
ꣲ
ꣳ
ꣴ
ꣵ
ꣶ
ꣷ
꣸
꣹
꣺
ꣻ
履歴
以下の表に挙げられているUnicode関連のドキュメントには、このブロックの特定の文字を定義する目的とプロセスが記録されている。
バージョン
コードポイント[ a]
文字数
L2 ID
ドキュメント
1.0.0
U+0901..0903,0905..0939,093C..094D,0950,
0952..0954,0958..0970,097B..097C,097E..097F
106
(to be determined)
U+0931
1
L2/99-026
James E. Agenbroad (27 January 1999), Devanagari--Eyelash RA (third version) (英語)
L2/05-147
Eric Muller (12 May 2005), Comments on PRI 65: Devanagari Eyelash Ra (英語)
U+0951
1
L2/08-219
Peter Scharf (13 May 2008), Devanagari examples of Vedic tone Yajurvedic Mid-char Svarita (英語)
L2/09-340
Shriramana Sharma (19 October 2009), Request for change of annotation of 0951 Devanagari Stress Sign Udatta (英語)
4.0
U+0904
1
L2/09-321
Anshuman Pandey (22 September 2009), Proposal to Deprecate Devanagari Short Letter A (英語)
4.1
U+097D
1
L2/02-394
Peter Constable; Steve Smith (2 November 2002), Proposal for Encoding Devanagari Glottal Stop (英語)
5.1
U+0971
1
L2/06-137
Jonathan Kew (21 April 2006), Proposal to encode Devanagari Sign High Spacing Dot (英語)
U+0972
1
L2/07-027
Peter Constable (26 January 2007), Encoded Representation of Devanagari Candra A (英語)
L2/07-133
L2 / Constable (30 April 2007), Proposal to Encode Devanagari Letter Candra A in the UCS (replaces L2/04-264, by addition of proposal summary form only) (英語)
5.2
U+0900,094E,0955,0979..097A
5
(to be determined)
6.0
U+093A..093B,094F,0956..0957,0973..0977
10
L2/09-311
Yuri Shardt; Aleksandr Andreev (4 September 2009), Letter from Swaran Lata re Kashmiri Additions to Devanagari (英語)
L2/09-320
Anshuman Pandey (22 September 2009), Proposal to Encode Additional Short Vowel Characters for Devanagari (英語)
L2/09-369
India NB (26 October 2009), Proposal to add Six characters in the Devanagari block for representation of Kashmiri language in Devanagari script (WG2 N3710) (英語)
L2/09-377
Anshuman Pandey (27 October 2009), Comments on India’s Proposal to Add Devanagari Characters for Kashmiri (N3710 L2/09-369) (英語)
L2/09-389
Michael Everson (30 October 2009), Consensus on Kashmiri additions for Devanagari (英語)
L2/09-403
Anshuman Pandey (1 November 2009), Comments on 'Consensus on Kashmiri additions for Devanagari' (N3727 L2/09-389) (英語)
7.0
U+0978
1
L2/10-475
Anshuman Pandey (31 March 2011), Proposal to Encode the Marwari Letter DDA for Devanagari (英語)
^ 提案されたコードポイントと文字の名前は、最終決定と異なる場合がある。
出典
^ なお、サ行とハ行の位置が異なるのは、中世以前の日本語ではそれぞれ/ts/, /p/のような音で発音していたためである。
^ “3.8: Block-by-Block Charts ”. The Unicode Standard . Unicode Consortium . 2024年6月20日 閲覧。
^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae af ag ah ai aj ak al "The Unicode Standard, Version 15.1 - U0900.pdf" (PDF) . The Unicode Standard (英語). 2024年6月20日閲覧 。
^ a b IAST ではṛと表記される。
^ a b IAST ではḷと表記される。
^ 例えばタミル語 のタミル文字 では歯音のn[n̪]はந、歯茎音のṉ[n͇]はனである。
^ 例えばタミル語 のタミル文字 では歯音のr[ɾ]はர、歯茎音のṟ[r]はறである。なお、現代のタミル語では発音が変化しているため調音点のみの区別ではなくなっている。
^ 例えば子音"य(ya)"の前に付いた場合は"ऱ्य(r̆ya)"のような形状になる。
^ まつ毛のRの時はr̆となる。
^ 例えばタミル語 のタミル文字 では歯音のl[l]はல、歯茎音のḻ[ɻ ]はழである。なお、現代のタミル語では発音が変化しているため調音点のみの区別ではなくなっている。
^ a b IAST ではṝと表記される。
^ Shriramana Sharma (2009年10月19日). “Request for change of annotation of 0951 Devanagari Stress Sign Udatta ” (英語). Unicode. 2024年6月20日 閲覧。
^ a b IAST ではḹと表記される。
^ Jonathan Kew (2006年4月21日). “Proposal to encode Devanagari Sign High Spacing Dot ” (英語). Unicode. 2024年6月20日 閲覧。
^ a b L2 / Constable (2007年4月30日). “Proposal to Encode Devanagari Letter Candra A in the UCS (replaces L2/04-264, by addition of proposal summary form only) ” (英語). Unicode. 2024年6月20日 閲覧。
^ Anshuman Pandey (2011年3月31日). “Proposal to Encode the Marwari Letter DDA for Devanagari ” (英語). Unicode. 2024年6月20日 閲覧。
^ Peter Constable; Steve Smith (2002年11月2日). “Proposal for Encoding Devanagari Glottal Stop ” (英語). Unicode. 2024年6月20日 閲覧。
関連項目