T7は、かつてチェコスロバキア(現:チェコ)のプラハに存在したČKDタトラが製造した路面電車車両(タトラカー)。従来車を改良する形で設計が行われ、ソビエト連邦向けのT7B5が製造されたが、社会情勢の変化から総数は8両のみに終わった[1][2]。
概要・運用
1985年からソビエト連邦向けに生産が行われていたT6B5を基に、各部に改良を加えた形式。乗降扉や前面形状が変更され主電動機の出力が50 kwに向上した一方、車体重量はT6B5(18.4 t)よりも重い20 tとなった。制御装置はT6B5と同様にサイリスタチョッパ制御方式のTV3形が用いられた[1][2][4]。
1988年に最初の試作車2両が製造されチェコの首都・プラハのプラハ市電で試験を兼ねた営業運転に用いられたが、1両は2002年に廃車された一方、もう1両は1991年にČKDタトラの工場で改造を受け、ノルウェーの首都・オスロを走るオスロ市電へ譲渡された。1995年にイベント用車両として改造された後、1999年以降はスウェーデンのヨーテボリ市電(スウェーデン語版)に在籍している[1][5]。
更に同1988年にはもう2両の試作車が製造され、プラハ市電での短期間の使用を経てソビエト連邦(現:ロシア連邦)のモスクワ(モスクワ市電)に導入された。1993年にはモスクワ市電向けの量産車が製造されたが、東側諸国の民主化やソビエト連邦の崩壊などの社会の変化により4両の生産に留まった。これらの車両は2010年まで定期運転に使用され、2020年現在も一部が保存車両として残存している[1][2][3]。
ギャラリー
脚注
注釈
出典