『エデンの海』(エデンのうみ)は、1946年に発表された若杉慧の小説。3度にわたり映画化され、舞台化[1]、テレビドラマ化もされている。
概要
瀬戸内の小さな高校に、東京から赴任してきた新任の教師と、自由奔放な女子生徒の交流を描く。
映画
1950年
1950年公開。制作は松竹。当時としては大変大胆な性描写がある映画で、その後の大映などの性典もののハシリになったとされる[2]。
劇場公開後に上映フィルムが長らく行方不明となっていたが、広島県竹原市の忠海町コミュニティづくり推進協議会が1997年に廃棄されるはずだったフィルムを保管していることが判明し、2013年に松竹が劣化部分を修復してデジタル化した[3]。同2013年10月に衛星劇場にてTV初放映される。
キャスト
スタッフ
1963年
1963年公開。制作は日活。監督の西河克己は、前作の1950年版で助監督を務めており、ロケハンも担当していた[4]。そのため、前作の撮影場所をよく覚えていて本作も同地域でロケハンを行ったが、竹原市出身の池田勇人が総理大臣になったことで道路整備が進み、周囲の風景が様変わりしていた[4]。学校の窓から海が見えるような場所を近くで探したものの、イメージに合う場所が見つからず、原作では広島だった舞台を香川県高松市と一部徳島県に変え、ロケが行われた[4]。さらに、後年に『世界の中心で、愛をさけぶ』で話題となった庵治町も登場する。夏の暑い時期に約一ヶ月のロケが行われた[4]。
キャスト
スタッフ
1976年
監督の西河克己と脚本の馬場当は共に1963年版でも監督と脚本を担当している。配給は東宝だが、他の山口百恵主演作品と同様。実際の製作は日活がホリプロから受託していることもあり、撮影、美術、編集も1963年版と同じメンバーである。また本作に出演している三崎千恵子も1963年版に別役で出演している。
山口百恵文芸シリーズ第4弾で、共演は南條豊。山口の主演映画では三浦友和以外の俳優が相手役になった唯一の作品である。
山口のクラスメート役をオーディションで40人選び[5]、更にその中から山口をいじめる重要な脇役の4人選んでいる。その一人に本作が映画デビューとなる浅野温子がおり、監督の西河はヤクザ映画の女壺振り役がやれそうな面構えだと思い「よござんすか」という仇名で呼んでいたという[5]。
静岡県賀茂郡松崎町でロケが行われた[6]。
山口百恵の引退・結婚を目前に控えた1980年10月8日、日本テレビ系列の19:30 - 20:54(JST)で放送された[7]。
キャスト
スタッフ
併映作品
『あいつと私』
演劇
松竹版より一年前の1949年に東宝で広島出身の女優・角梨枝子主演、豊田四郎監督で映画化が決定したが[1]、東宝争議で製作中止になった[1]。代わりに同じ角主演・豊田演出で、新宿セントラル劇場で舞台が行われている[1]。
テレビドラマ
1962年8月30日と同年9月6日の2回に渡って、日本テレビ系列の『武田ロマン劇場』(武田薬品工業一社提供。木曜22:30 - 23:15)で放送された[8]。
キャスト
スタッフ
脚注
- ^ a b c d 「第四部 広島県人国記 音楽・芸能界 角梨枝子」『広島県風土記』旺文社、1986年、531頁。
- ^ 大黒東洋士他「MOVIE GUIDE 今月の話題の映画はコレ! 読者と映画評論家の座談会 青春映画 『エデンの海』」『月刊平凡』1963年9月号、平凡出版、171–172頁。
- ^ 中村登監督「エデンの海」 幻のフィルム見つかる - スポニチ(2013年10月2日7時59分)
- ^ a b c d 西河克己・権藤晋『西河克己映画修業』ワイズ出版、1993年、273-277頁。ISBN 4948735159。
- ^ a b 『西河克己映画修業』、346-347頁。
- ^ 「百恵の新しい恋人 南條豊」『スタア』1976年6月号、平凡出版、38–39頁。
- ^ 『朝日新聞 縮刷版』朝日新聞社、1980年10月8日付ラジオ・テレビ欄。
- ^ a b c 参考:テレビドラマデータベース
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