アルマームード(Almahmoud、1947年 - 1971年)とは、アメリカ合衆国の競走馬・繁殖牝馬である。繁殖牝馬として成功し大牝系を築いた。ノーザンダンサー、ヘイローの祖母としても知られ、現代競馬において多大なる貢献をした名牝の一頭に数えられる。
概要
父はエプソムダービー馬マームードである。現役時代は11戦して4勝、2歳時のコリーンステークスと3歳時のヴァインランドハンデキャップに勝った程度で、はまれば強いが安定しないという評価だった。
繁殖牝馬としては8頭の産駒を送り出した。直仔のうちコスマーがステークス競走で勝つなどの活躍を見せたが、むしろこの馬の重要性は3頭の牝駒(ナタルマ、コスマー、バブリングビューティ)がそれぞれ繁殖牝馬として成功したことにある。いずれも歴史上重要な馬たちの祖先となり、今日のサラブレッド世界に大きな影響を残した。
初仔のコスマーは父ティムタムの牝馬トスマー、父ヘイルトゥリーズンの牡馬ヘイローの母として知られている。前者は後にアメリカ競馬殿堂入りを果たし、後者は種牡馬としてサンデーサイレンスなどを輩出してアメリカのリーディングサイアーに2度輝いた。
ナタルマは父ニアークティックの牡馬ノーザンダンサーの母となった。ノーザンダンサーは競走馬としても種牡馬としても世界を席巻し、20世紀を代表する種牡馬の一頭となった。
バブリングビューティは父シーバードの牡馬アークティックターンの母となった。アークティックターンは競走馬としてもガネー賞勝ちなどの好成績を収め、種牡馬としてベーリングなどを出してシーバードの血統を後世に残している。
また、これらの馬を介したアルマームードの牝系はなおも続いており、特にコスマー・ナタルマの2頭から続く牝系には多数の名馬が連なっている。
アルマームードは1971年に舟状骨炎を発症、それが元で死亡した。
おもな牝系図
- Emma 1817 ---←2-d
- Comus Mare 1834
- Bay Middleton Mare 1839
- Sleight of Hand Mare 1846
- ---↓アルマームード牝系
牝系図の主要な部分(太字はGI級競走優勝馬)は以下の通り。*印は日本に輸入された馬
- Almahmoud 1947
- Cosmah 1953
- Cosmiah 1959
- Flamingo Way 1960
- Tosmah 1961(ベルデイムS、フリゼットSほか)
- Royal Match 1964
- *マッチレスネイティヴ 1968
- ロイヤルコスマー 1982
- レディコスマー 1990
- ロイヤルティアラ 1991
- Perfecta 1965
- Queen Sucree 1966
- Cannonade 牡 1971(ケンタッキーダービー)
- Kennelot 1974
- *ステラーオデッセイ 1984
- Altair 1991
- エリモアメジスト 1992
- エリモエトワール 2005
- Halo 牡 1969(ユナイティッドネイションズH)
- La Dame Du Lac 1973
- La Confidence 1980
- *アルパインスウィフト 1983
- ローマステーション 1987
- エアレジェーロ 1994
- Nazoo 1988
- Dream Bay 1993
- Principium 1995
- Nadia 1998(サンタラリ賞)
- Sunray Superstar 1999
- Miznah 1989
- Natalma 1957
- Northern Dancer 牡 1961(ケンタッキーダービー、フラミンゴS、フロリダダービー、ブルーグラスS)
- Arctic Dancer 1963
- Spring Adieu 1974
- You're My Lady 1980
- Razyana 1981
- Raise the Standard 1978
- Coup de Folie 1982
- Bonita Francita 1987
- Black Penny 1992
- Orpen 牡 1996(モルニー賞)
- Born a Lady 1981
- Deviltante 1986
- *ランバダレディ 1990
- *リトルアロー 1998
- Bubbling Beauty 1961
牝系図の出典:Galopp-Sieger
血統表
外部リンク